アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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春です。寒いです。宴です。


宴じゃあああああああああ!!!!


狂宴、始まります。


お花見

 

心地よいそよ風が花びらを舞い上がらせ、美しい花吹雪を見せている満開に咲き誇るソメイヨシノ。そのソメイヨシノの根元に焔は寄りかかりながら座り、舞う花びらを見上げていた。

 

下に目線を移せば膝の上に頭を置いて気持ち良さそうに眠っている結梨がいる。周囲を見渡せば、離れたところに梨璃が夢結に膝枕をしており、二水、楓、鶴紗、ミリアムの四人は梅を囲みながら持ってきた飲み物とお弁当を飲み食いしながら楽しそうに話している。さらに少し離れたところに雨嘉と神琳が向かい合いながら芝生の上で眠っている。

 

 

「…………んにゅ、おとう、さん…………」

 

 

唐突に静かに結梨が呟いたことで焔は起きたのかと見るが結梨はまだ眠ったまま。寝言だったようだ。

 

それを見た焔は微笑みながら頭を撫でようと右手を出したが止まる。義手でいいのかと一瞬思う焔だが、結梨はいつも気にしないと言っていたことを思いだし、そのまま右手でゆっくり撫でる。

 

 

「…………えへへ…………んにゅ……」

 

 

撫でられて気持ちいいのか楽しい夢を見ているのかわからないがとても良い笑顔を見せている結梨を見て焔も笑顔になっていく。

 

 

『娘にデレデレだね、焔』

 

「まぁ、結梨に甘いのは自覚してる。だってこんなに可愛いんだぞ」

 

『自分を盾にしてまで守るほどにね』

 

「痛いところ突かないでくれ美鈴姉」

 

 

焔に寄りかかりながら呟いてきた人物、この世にいない焔と夢結の姉、川添美鈴が寝ている結梨の頬をツンツンとつつきながらジト目で焔を睨むが焔は顔を背ける。

 

 

『まあ、みんなで遊びに来てくれたから許してあげる』

 

「みんな、か…………」

 

 

美鈴が言ったみんな。焔は微妙な顔をしながら見る。

 

場所は満開に咲き誇るソメイヨシノがある、先に旅立って行ったリリィたちが眠る場所、リリィたちの墓場である。そこに、たくさんのリリィがいる。

 

一柳隊だけではない、百合ヶ丘の全生徒が楽しんでいた。

 

 

墓場でお花見とは失礼だが、これにはちゃんとした理由がある。

 

 

『確か、梨璃の発案なんだっけ』

 

「あぁ。うちの隊長がみんなとお花見やろうって言い出してな。その『みんな』がまさか百合ヶ丘の全生徒とは予想しなかったが」

 

『ホント、焔のところの隊長は面白いことを考えるね。そのおかげで僕は焔たちとこうして話すことができるから嬉しいだけだけど』

 

「俺も美鈴姉と話せて嬉しいよ。俺に霊感があるのかは別だが」

 

『焔に霊感あるわけないじゃん。じゃなきゃ四六時中僕が一緒にいるの見えるよ?』

 

「待って?その言い方だとずっと一緒にいるってことにならない?説明しろや美鈴姉」

 

 

さらっととんでもないことを言ってきた姉に焔は問いただそうとするが…………

 

 

『結梨起きるよ?』

 

「ぐっ」

 

 

結梨を起こしてしまうので動けない焔である。

 

 

『冗談、とは言えないかな。ずっと見守ってるんだし』

 

「ありがたいけど、夢結は気づいてるの?」

 

『たぶん気づいてないよ。だって焔のところにずっといるんだし』

 

「おいこらバカ姉。シルトを放っといてなんで俺のところにずっといるんだ」

 

 

またもや美鈴のとんでも発言に焔は口が悪くなってしまうがこればっかりは仕方ない。

 

 

『バカ姉とは失礼だな~。なに?シュッツエンゲルが弟を心配しちゃいけないの?』

 

「そうじゃないんだよなんで俺だけなんだって話なんだよ夢結のところにも行ってやれって話だよ」

 

『わ、凄い早口』

 

「聞いてんのかこら」

 

『大丈夫だって。ちゃんと夢結の方にも行ってるからさ』

 

「ならいいけど。夢結とは話さなくていいのか?」

 

『………………うん。今は梨璃と一緒の方が良いだろうしね』

 

「ふぅ~ん………」

 

『…………なに?その目は』

 

「最もらしい言い訳をして夢結のところに行かないでずっと俺のところにいたな?」

 

『なに言ってるの焔。僕はちゃんと夢結のところに「俺の目を見ながら言え」だって夢結には焔がいるでしょ!?僕だって焔と一緒にいたいんだよ!!』

 

「逆ギレするなバカ姉。アンタそこまでブラコンだったか?」

 

『死んでわかったのと夢結が焔と結婚したことに嫉妬してるから』

 

「認めやがったよこの人」

 

『だから今は焔にとことん甘える。これは譲らない。夢結は梨璃とイチャイチャしてるから僕たちもイチャイチャしようか』

 

「唐突になに言ってんだアンタは。結梨が寝てるんだぞ」

 

『騒がしくしないから大丈夫。肩借りるね』

 

 

焔の返答を待たずに左肩に頭を乗せて寝始める美鈴に静かにため息を吐きながら右手で美鈴を撫でる。

 

 

 

ホ~ホケキョ!

 

 

 

時折聞こえる鶯の鳴き声に焔は瞳を閉じて自分も眠りに入ろうとしたが右肩に何かが乗ってきたので目を開けて見るとミィが乗っていた。

 

 

「ニャ~♪︎」

 

「「「「ニャ~」」」」

 

 

いや、ミィだけではない。ミィを筆頭に百合ヶ丘にいる野良猫たちが焔の周りを囲み始め、それぞれ体を丸めたり、顔洗いをしたり、あくびをしながら日向ぼっこをしたりなど自由気ままに猫たちは過ごし始める。

 

ふと気づくと頭の上に先ほど鳴いていたと思われる鶯が一羽乗ってきて焔の頭の上でリラックスし始める。

 

猫だけではなくとうとう野鳥にまで警戒されずに懐かれる体質になった瞬間である。

 

 

そんなこと気にせずに焔はお花見という宴を楽しんでいる百合ヶ丘のリリィたちを見て微笑みながら今度こそ、眠りに入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きたら最初より倍以上の猫と鳥に囲まれていたことで結梨と美鈴が苦しそうな顔をしており、遠巻きに夢結たちがそのモフモフの状況を見ながら写真を撮っていた。

 

もちろん、その写真に美鈴は写っていない。

 

 

「…………………………え、お姉様?」

 

 

……………………………………写っていない、はずだ。

 

 

 

 

 

 

 




狂宴ではなかった………………。

お読みいただき、ありがとうございました。


はい、死んだことで夢結に甘えることができず、焔に姉らしいことと甘えてほしいというのができずにシスコン、ブラコンを拗らせて見守ってるという言い訳をしながら焔に憑きまとってる美鈴姉様でした。慌てながら大声で話す美鈴姉様見てみたくない?私は見たい。だから書いた。そして結梨よ。結梨の可愛さ尊さが皆さんに伝わりましたか?私の文章能力はこれが限界です。ですが皆さんはわかってるはずです。結梨は可愛いのだと!!


それでは以上!レリでした!
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