アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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七夕だ~

短編だ~


七夕

 

神庭女子の生徒会室にて、生徒会長の秋日と生徒会所属の鈴夢がのんびりと過ごしていた。

 

その時―――

 

 

バァン!!

 

 

「秋日!!鈴夢!!」

 

「わっ!?」

 

「ひゃっ!?」

 

 

扉が勢いよく開かれたのである。もはや壊れるのではないかと思うほどの勢いで。

 

 

「か、叶星!?なによいきなり!?というより扉が壊れるからもっと静かに開けなさいよ!?」

 

 

扉を勢いよく開けてやってきたのは叶星である。秋日は驚きで心臓がドキドキしてるが、叶星に文句を言う。鈴夢は驚きすぎて固まっているが。

 

 

「そんな事はどうでもいいの!!」

 

「どうでもいいって……」

 

「それより早く近くのショッピングモールに行くわよ!!」

 

「「………………はい?」」

 

 

叶星の言葉が理解出来ず、二人して首を傾げるのだった。

 

 

◇◆◇

 

 

「で、理由も聞かされずに連れてこられたわけだけど…………いい加減説明してくれない?叶星」

 

「息抜き、にしては、ちょっと違うと思いますけど…何があるんですか?」

 

「ついてくればわかるわ。急ぐわよ」

 

 

ショッピングモールに到着し、秋日は鈴夢と手を繋いでいる状態で叶星に問いかけたが、一向に説明されない。それどころか、急かされる始末。いい加減秋日が怒りそうな所だが、なんとか我慢しているようである。そんな秋日を鈴夢がハラハラしながら見てるが。

 

その時、鈴夢はとある1枚の張り紙に気づいた。

 

 

「(七夕、祭り?)」

 

 

七夕祭りと書かれていた張り紙に鈴夢は叶星が向かう先はその七夕祭りをしている会場なのではないかと予想した。

 

 

そして、モール内の広い場所に出た途端、物凄いシャッター音が響いた。

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

予想していなかった鈴夢は驚きの声をあげるが秋日も若干驚いたのか鈴夢の手を握る力が強くなった。

 

 

「到着よ」

 

「すごいシャッター音だけど、何があるのよ!」

 

「今起きてるのは、このショッピングモール内で開催されてる七夕祭りよ」

 

「あ、やはり、七夕祭り、だったのですね」

 

「え、鈴夢知ってたの?」

 

「さっき、広告を見ました」

 

「気づかなかった……。で、祭りの内容は?こんなに写真撮るほどなの?」

 

「えぇ。この七夕祭りは、彦星と織姫の衣装を着て撮影会をするの。これまでもたくさんの人がその衣装を着てたんだけど、祭りの運営が偶然にも超大物な協力者を得たようなの」

 

「超大物な……」

 

「協力者、ですか?」

 

「その協力者目当てに来たの」

 

「その協力者って誰なのよ」

 

「見ればわかるわ」

 

 

叶星に言われて、秋日と鈴夢がカメラマンたちの間から覗こうとするが、なかなか見えない。

 

 

「見えないわね。それどころか、フラッシュが凄すぎて余計に見えないし」

 

「…………え」

 

「鈴夢?」

 

「秋日様、私たちも衣装を着ましょう」

 

「ちょ、鈴夢!?いきなりどうしたのよ!?」

 

「秋日、よ~く見なさい」

 

「よ~くって……」

 

 

鈴夢が見えたのか一瞬固まった後、秋日にいきなり衣装を着ると言ってきたことに驚くが、協力者がわかってない秋日は全くわかっていない。叶星に言われてよ~く見ると、カメラマンの隙間からようやく見えた。

 

 

「え、はあ!?なんで―――」

 

 

声をあげる秋日。いったい誰がいたというのか。

 

 

「―――なんで焔と夢結さんがいるのよ!?」

 

 

そう。カメラマンの先にいたのは、彦星と織姫の衣装を纏った焔と夢結だったのである。

 

二人してとんでもなく似合っており、寄り添う形のポーズでずっと写真を撮られている。

 

集まっているカメラマンたちは二人の雰囲気にこれでもかとシャッターを切っているが、まさか二人してリリィであり、その中でも覚醒者、しかも二人しかいない《超覚醒》に至っている人物だと思うまい。

 

 

「叶星!二人がここにいるって知ってたの!?」

 

「えぇ、偶然にもニュースを見てね。ほら」

 

 

そう言いながら叶星はタブレット型端末の画面を見せる。そこには彦星と織姫が最高すぎるという文面と二人が写っている写真があった。

 

 

「ですが、なぜ私たちも呼んだのですか?叶星様お一人で行ってもよかったのでは?」

 

「一瞬思ったけど、どうせなら二人も誘おうかなって思ったのよ」

 

「どうして?」

 

「だって二人して焔君ともっと仲良くなりたいんでしょ?」

 

「「っ!?」」

 

「二人共、焔君を尊敬してるのは知ってる。私もそうだし。なんなら異性としても好きだし」

 

「ぶっちゃけたわね」

 

「でも二人がそこまでなのかわからない。だから二人を誘ったの。でも、これだと着替えて一緒に参加するのは難し―――」

 

 

ガシッ、ガシッ

 

 

「「「へ?」」」

 

誰かに手を掴まれた三人は、そのままどこかに連れて行かれたのだった。

 

 

◇◆◇

 

 

『それでは皆さん!彦星と織姫の撮影会、今回はたくさんの織姫がいます!彦星は残念ながら一人ですが、たくさんの織姫との撮影会、存分にお楽しみください!』

 

七夕祭りでの撮影会の司会者がマイクを使って宣告したが、たくさんの織姫というワードに撮影していた人たちはポカンとしたが、すぐに理解した。

 

 

「おに―――彦星様~!」

 

「お父さ~ん!じゃなかった、彦星さ~ん!…………なんか変な感じ」

 

「結梨ちゃん、気持ちはわかるけど我慢しなきゃ」

 

 

彦星(焔)と織姫(夢結)の後ろから二人の別々の織姫衣装を纏った梨璃と結梨が現れ、焔と夢結の間に入ってはしゃぎ始めた。二人して織姫の衣装を纏っているのに全然違く、もう親子にしか見えない。焔と夢結は微笑みながら二人の頭を撫で、梨璃と結梨は気持ち良さそうな顔をする。中睦まじい光景に撮影者たちはほっこりしながらシャッターを押す。

 

 

『さあさあ皆さん!織姫はまだまだいますよ!お願いします!』

 

 

司会の言葉に今度は焔と夢結がポカンとし、梨璃と結梨を見るが、二人は微笑むだけ。そして離れていく。それだけで何か察した夢結も焔から離れると、三人が着ている織姫衣装の色違いを纏った叶星と顔を赤くした秋日と鈴夢が現れた。

 

焔は目を見開き、驚愕の反応をするが声は出さない。それと同時になぜ叶星たちがいるのかと思考を巡らせた結果、妹と娘の仕業だと思い至り、乾いた笑みが零れるが、すぐに右手を三人に向けて差し出す。三人は顔を赤くしながら差し出された右手に重ねるように右手を置く。

 

増えた織姫に戸惑う事は一切なく、叶星たちとの撮影を全力で行っていく撮影者たち。

 

 

 

その後、撮影会が終わると全員で用意された笹に短冊を結び、七夕祭りは幕を閉じ、七夕祭りスタッフからお礼の品を受け取り、全員が良い笑顔をしながら夜空に輝く天の川の下で帰路につくのだった。

 

 

 





お読みいただきありがとうございました。

はい、久しぶりの短編でしたね。え?前回投稿したのが正月の短編?本編出してない?

………………え?

………………えぇ?

ごめんなさい、マジでネタが浮かばんのです。頑張って書いてるんですがネタが……。頑張ります……。

気を取り直して

今回は本編未登場の秋日様と鈴夢を出してみました。二人が焔に対してこうなるように本編を書かなきゃいけないですが、そこはなんとかします。というよりその部分のネタが若干出てて楽しくてしょうがないですねぇ!

では今回はここまで。それでは以上、レリでした!
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