Fate世界に来たと思ったら見た目は別ゲーのキャラだったんだが 作:くじょう
ギルガメッシュの喋り方とかがおかしいです……難しい。
お気に入り、評価、感想ありがとうございます。
「邪魔するぞ。ここが貴様らの住み処か」
その金色は突然入ってきた。
──昨日。
天文台のヤツらと行動を共にすると(無理やり)決まったものの、私は例のカルデア大使館とやらで寝泊まりはしなかった。
イシュタルにカルデアと行動を共にするというのを伝えた方がいいと思ったからだ。言わなくていいと思ってたけど変に騒がれると逆に面倒だ。
そんなわけでイシュタルが住まうエビフ山へ行った訳だが、アイツはいなかった。
「なんだよ……せっかくここまで来たのによ」
はぁ、と落胆してしまうが、この身はサーヴァント。疲れない。なんて便利なんだろう、なんて。
というか行きも別に歩いてきたわけではなかったのだが。
武器を作り出す能力を使って(パッと見オンボロの)古い戦車のような何かを作り出し、それに乗ってたからだった。山中のガッタガタ地面で落ちるかと思ったけど落ちなかった。正直この転生生活で1番ヒヤヒヤした。
「帰るか」
そう呟いて戦車に乗り、帰りの帰路に着く。
ガタガタ揺られる視界を上げて夜空を見上げた。
満天の星空。
現世で見れたものでは無い。
本当に訳も分からず転生してこんな世界に来てしまったけど、こんな綺麗なものを見れるなら良かった、と思えた。
そしてだんだん自分自身のこともわかってきた気がする。私という存在はこの外見ニェンのヤツと混ざっていることとか。
正直前世の記憶もこんがらがってきた。
私は饕餮。私は蚩尤。魔を喰らう物、四凶、兵主神──戦の神。
イシュタルと何となく気があったのもわかった気がした。多分。
ひょっとして私、強いのでは?
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そんなわけでガッタガタのオンボロ戦車でウルクに帰ってきた訳だが。
……もう朝だった。
確かに、夕方に出て帰る時は満天の星空だったんだから帰りもそんぐらいかかるよな……。
ふぁ、と欠伸しながら、カルデア大使館に入ろうとした……が。
そこには金色が居た。
そして冒頭に戻るというわけだった。
いやほんとに何しに来たんだよ……
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「ほう。ザクロス山脈によい雲がかかっておるわ。ここで一句。『白峰の 雲海遥か 杉の山』」
なんで俳句読んでんの???
私は今、ガッタガタと揺れる──昨日の戦車よりは揺れてない?やめてくれ──牛車に乗っている。
隣に座るカルデアのヤツら──そして。
金色もといギルガメッシュと一緒に。
目的はペルシア湾への荷物運び。
ペルシア湾への許可証が2枚しかないとかうんとかであの魔術師と蛇の子は留守番だ。
じゃあなぜ私がついていけるかなんて、理由は簡単だった。
私も同じものを持っていたからだった。
正確には似たようなものだが。
随分前に魔獣たちに襲われてたやつを助けたら、ソイツに貰ったのだった。
めちゃくちゃ感謝されて「こんなもので申し訳ありませんが良かったらどうぞ」って。
貰った手頃な石にはよく分からん文字が掘ってあった。
そん時はなんだこんなもん役に立たねぇなって思ったがまさかこんな所で使えるとは……。
そんな感じでついていけた訳だ(仕事に興味はないので海で遊ぶか)。
その事情を言った時、ギルガメッシュは少し驚いた顔をしたあと笑っていた。
ずっと車に揺られてつまらない俳句聞くのも暇だし聞いてみることにした。
これも一種のコミニュケーションってヤツだ。召喚されてすぐに逃げちまったし。
「……私が人助けでもしないと思っていたのか?」
「さてな。人助けをしないと思っていたのではなく、よくも人のために働いたな、とな」
「はっ。私の事を誰だと思ってんだ。たとえ凶と呼ばれる存在だろうと人なしでは生きていけないんだ」
人がいる。神がいる。
儀式を行い、生活をする。
儀式自体に意味はなくとも、演出には実りがあって、願い満たされる。
それの何がいいかって私好みのストーリーになってるってことだ。
「人は私を楽しませてくれるんだ。助けない訳にはいかないだろ?」
そういう存在なんだ。カミサマってヤツは。
ニヤリと笑いながら、ギルガメッシュに言ってやった。
もちろん私はニェンではない。しかし同じような考えはしているつもりだ。
それっぽい事を言えたのではないだろうか?
じぃ、と目の前の金色を見つめた。
金色は口を開く。
「ではなぜ貴様は『反乱』を起こした?『反乱』とは争うものであろう。それでも貴様は自分は人を助ける存在だというのか?」
「……
さすがは千里眼持ち。こちらの生き様などお見通しだ。
私は──蚩尤は、反乱を起こした。
戦の神として、人に反乱を与えた。
そのせいで人は争うようになった。
そう言って、捕えられて、殺された。
憎かった。人は最初から戦う生き物だってのにいつまで経っても気付こうとしないから気付かせてやっただけなのに。
なぜ私が殺されねばならないんだ。
確かに蚩尤はそう思った。
でも、今の私は蚩尤ではない。
饕餮と蚩尤の複合サーヴァントで、どこかの誰かの身体を使った疑似サーヴァントであり、本来の蚩尤では無いのだ。
つまるところ今の私は人に憎しみなどもっていない。
蚩尤の気持ちなど分からんし。
アヴェンジャーじゃねぇから。
だから私はこう答えた。
「いいや。違うさ。私は鍛冶師だからな。人助けなんかできないんだよ」
そう言って、目の前で小刀を鋳造してみせた。
それを聞き、見たギルガメッシュはと言うと、めちゃくちゃ笑っていた。
「フハハ、ハハハハハ!なんだ貴様、今度は自分のことを道化師だとでもいうのか!ハハハ、これは面白い!次の戦線には期待してるぞ、手品師」
「……チッ」
正直ニェンだったらキレてたなこれは。
ただ、何度も言うが私はニェンではない。
この程度、我慢だ。
我慢だ…………
■■■
『どうやら前方に強い魔力反応があるようです』
道中。天文台のヤツが敵の接近を伝えてきた。
ギルガメッシュ曰く巨像らしく、藤丸に蹴散らせ、と言っていた。
さてこの状況、見てるだけというのはなんとも暇である。
やはり性にあわない。
「私もやろう」
ガンッ、と音を立てながら鉄でできた歪な盾を出現させ、地面に立てる。
背には砕けているが型は保っている一見不気味な剣を出す。
前世では喧嘩すらしたこと無かったのに、今は赤子が産まれ方をわかっているかのように分かる。
負ける気がしない。
「饕餮さん!とても心強いです、ありがとうございます!」
「気にするなって。指示は任せたぞ、ドクター」
「えっ、う、うん!」
最後の返事が不安だが大丈夫だろう。
「貴様ら、どうしてもと言うのなら、この我が力を貸さないこともないぞ。どうしてもと言うのならな!」
なんだこの賢王ここぞとばかりに言うってきやがる。
なんかうざいからこいつの出番もないように一瞬にしてやっつけてしまおう。
「そこで見てな金色。私がすぐに終わらせてやるよ」
「む。おれの出番を潰すつもりか、道化」
「そうだ。私は道化じゃねぇ、鋳物人だ」
身体に熱を込める。
自身のみならなず、周りの気温も上がっていく。
『これは彼女の能力なのか?!すごい気温上昇だ!』
敵の周りも例外ではなく、遂にはあちこちが発火していった。
ただ、雑に発火しているのではない。
完全にヤツらを包囲しているのだから。
「
私は大剣を握り敵に突っ込んだ。
あとは簡単、斬るだけだ。
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「貴様、後で覚えておけよ」
敵を蹴散らしてドヤ顔キメてたら憎まれ口を叩かれた。
敵倒したんだからいいじゃねぇか。
「オメーにはこんな所で消費して欲しくねーんだよ。魔獣じゃなくて石像に浪費するなんて笑わせてくれるなよ」
「ほう。……よく分かっているようだな」
「……ま、私は楽しそうだからやっただけなんだけどな」
そう言って私はにやりと笑った。
「饕餮さん……凄かったですね」
「うん……俺の出番なかった」
語彙力がなくて申し訳ない……
現在の主人公の状態ですが、イシュタルみたいに混ざりあって新しい人格が生まれたのと同じ感じです。
誤字脱字等ありましたら報告よろしくお願いします。