劣等生の世界でRPG   作:無理やー

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模擬戦①

「「「「失礼します。」」」」

 

放課後になり俺とリーナ、司波兄妹が生徒会室に来た。するとそこには昼休みにはいなかった副会長の服部先輩がいた。 明確な敵意を持った視線が達也に向けられていた。その服部がこちらにやって来た。

 

「副会長の服部刑部です。真田和樹君、工藤リーナさん、司波深雪さん、生徒会へようこそ。」

 

俺たちにわざわざ挨拶をしてきてくれたが達也のことは無視して元いた場所へ戻っていった。感じ悪いとは思ったが俺を含めた三人に挨拶したことからモブ崎とは違い二科生を見下しているのではなく、一科生であることを誇りに思っているのであろう。

 

「よっ、来たな。」

 

「四人ともご苦労様。」

 

「どうも。」

 

渡辺先輩と七草先輩が挨拶をしてくれたので軽く返した。

 

「 それじゃあ真田、工藤さん、達也君、 妹さんは生徒会に任せて我々も移動しようか。 風紀委員の本部はこちらから繋がっている。ちょっと変わった作りだろ。」

 

何故俺だけ呼び捨て…?別にいいけど…

 

「 渡辺先輩待ってください。」

 

声がした方を振り向くと服部先輩がいた。

 

「なんだ? 服部刑部少丞範蔵副会長。」

 

「 フルネームはやめてください!! 服部刑部です!」

 

「 刑部は官職名だろ?お前の家の。」

 

「 今は官職なんてありません。」

 

「 じゃあ服部半蔵君。」

 

「 歴史上の人物と一緒にされたくないんです!」

 

「 まあまあ摩利、はんぞー君にも色々譲れないものがあるのでしょう。」

 

するとはんぞー先輩は黙った。どうやら七草先輩には呼ばれてもいいらしい。

 

「 ともかく…渡辺先輩 そこの1年生を風紀委員に入りするのは私は反対します。 過去 過去ウィードが風紀委員に任命された例はありません。」

 

「 それは禁止用語だぞ!」

 

「 今更取り繕っても仕方ないでしょう。 それとも全校生徒の1/3を摘発するつもりですか。」

 

「ハァー、何故二科生が風紀委員に入ってはいけないのですか? 校則では二科生が生徒会に入ってはならないとありますが、風紀委員に入ってはいけないという規則はないはずです。」

 

俺は服部先輩の言葉に馬鹿かと思ってしまいつい口を出してしまった。

 

「 ウィードは実力が劣っている。 そんなことで取り締まるのは不可能だ。」

 

「副会長、実力って何かしら。」

 

リーナも服部先輩の言葉に思うところがあったようなので聞いてきた。

 

「それは魔法力だ。そして発動速度、干渉力と威力だ」

 

俺とリーナは揃って深いため息吐いてしまいそれを聞いた服部先輩は機嫌が悪くなっていった。

 

「本当にそう思っているんですか?」

 

「何?」

 

「 魔法がどんなに強くたって当たらなければ意味がない。 小学生でも分かりますよ。大事なのは使い方です。」

 

「何だと!?」

 

「 たとえどんなすごい大魔法を使ったとしても、 使い方を工夫した小魔法に劣ります。つまり、いかに発動速度が速くてもその場にあった魔法を使わなければ負けるということです。」

 

「くっ、会長、私はこの二科生を風紀委員入りは反対です!魔法力に乏しい二科生に風紀委員は無理です!」

 

「待ってください!! 兄の実技評価が芳しくないのは評価方法が兄の力と合っていないだけです。実戦ならば兄は誰にも負けません!!」

 

「…司波さん、 僕たちはいずれ魔法師となる一科生…常に冷静を心掛けなさい。身贔屓に目を曇らせてはいけませんよ。」

 

「 お言葉ですが副会長お兄様の本当の力をもってすれば…」

 

「深雪!!」

 

熱くなった司波さんを達也が止めた。

 

「 服部副会長俺と模擬戦しませんか?」

 

達也が言うと少しの間静かになった。

 

「思い上がるなよ、補欠の分際で!!」

 

「ふっ…」

 

「何がおかしい!!」

 

「 魔法師は冷静を心がけるのでしょう?」

 

先ほど言った自分の言葉を言われたせいで服部先輩は押し黙った。

 

「 別に風紀委員になりたいわけじゃありませんが、妹の目が曇っていないと証明する為ならばやむを得ません。」

 

「 いいだろう。身の程を教えてやろう。」

 

「 では生徒会権限により二人の模擬戦を正式に許可します。 時間はこれより30分後双方にCADの使用を許可します」

 

七草先輩と渡辺先輩も二人の模擬戦を認めた。

 

「 それと真田だったな、お前も俺と戦え。 お前の生意気な態度を俺が叩き直してやる。」

 

「は? 何言ってんすか?いやですよ。 あなたの機嫌取りのために使うなんてこっちのメリットもまるでないじゃないですか。」

 

「何だと!!」

 

「真田、悪いが お前の実力を直にみるためにも服部と戦ってもらう。」

 

「 だから嫌ですって。 大体こんな弱い人と戦っても俺の実力を計るなんて無理ですよ。」

 

「な!?」

 

俺の一声でその場が静まった。この場で俺の言葉に同意したのはおそらくリーナだけだろう。因みに服部先輩のステータスは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステータス

 

服部半蔵 高校二年 16歳

 

レベル24

 

力 48

 

敏捷 44

 

頑強 45

 

器用 70

 

魔法力 82

 

魔法技能 88

 

 

魔法ポイント

 

加速 65

 

加重 40

 

移動 70

 

振動 40

 

収束 80

 

発散 55

 

吸収 45

 

放出 40

 

無 45

 

系統外 40

 

知覚 35

 

 

魔法

 

ドライ・ブリザード 這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース) 砂塵流(リニア・サンド・ストーム)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…だから……。確かに悪くはないんですけど特別凄くもないって感じなんですよね~…

 

「 思い上がるなよ、一年の分際で!!」

 

「 魔法師は冷静を心がけるのでしょう?」

 

服部先輩は達也と同じことを俺にも言われかなり頭に血が登っているがここは我慢した。

 

「まあ達也に勝てたら相手になりますよ。おそらく10秒も立ってられないでしょうが…」

 

「(ギリッ)いいだろう、俺をそこまで馬鹿にしたことを後悔させてやる。」

 

「因みに10秒以内で倒されたら、今後はんぞー先輩って呼びますから」

 

「な!?」

 

「あれ?自信ないんですか?」

 

「…いいだろう。」

 

それから俺達は 30分後に第3演習室にて模擬戦をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後、第3演習室で達也と服部先輩の模擬戦が始まろうとしていた。審判は渡辺先輩だ。そして、何故か十文字先輩もここに来ていた。

 

「 大丈夫なの? はんぞー君はあれでも第一高校で五本の指に入る実力者よ。 試合に関して言えば入学以来1年間負け知らずだし…」

 

「 関係ありませんよ。 それに戦った相手は全員一科生ではありませんでしたか?」

 

「ええ、そうだと思うけど…」

 

「 なら余計に心配ないわね。」

 

七草先輩が 心配になって俺に声をかけてきたが 俺は全く心配していない。俺だけじゃなくリーナも心配してないことに七草先輩は理解出来なかった。

 

「 時間だ。 ルールを説明する。 相手を死に至らしめる術式ならびに回復不能な障害を負わせる術式は禁止。 武器の使用は禁止。 素手による攻撃は許可する。 勝敗は一方が負けを認めるか審判が続行不能と判断した場合に決する。 ルール違反は私が力づくで勝利するから覚悟しろ。」

 

渡辺先輩がルールを説明した。

 

「 準備はいいか?」

 

達也と服部先輩は互いに頷いた。

 

渡辺先輩は右手を上げ

 

「始め!!」

 

一気に振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間服部先輩はCADを操作し魔法を発動させようとするが、その一瞬で達也が服部先輩の間合いに入った。

 

「(速い!! 直ちに座標を修正し)司波を!!」

 

だが達也は突然目の前からいなくなっていた。

 

「消えた!?」

 

達也は背後に回り、魔法を発動。服部先輩はそれを受け倒れた。

 

 

 

辺りは一瞬の静寂に満たされていた。

 

「(はっ)勝者、司波達也!!」

 

それに対して生徒会メンバーは全員が驚いていた。深雪は達也が勝つことを疑っておらず「さすがお兄様!」といわんばかりの顔をしている。

 

俺とリーナは達也が勝つと思っていたので苦笑いだ。

 

十文字先輩は相変わらず威風堂々と腕を組み何を考えているのか分からん。

 

「待て。 あの高速移動は自己加速術式を予め展開していたのか?」

 

渡辺先輩が達也のあの高速移動の動きが 気になり 聞いてきた。

 

「 魔法ではありません。 正真正銘身体的な技術です。」

 

「 兄は忍術使い九重八雲先生の弟子なんです。」

 

「あの九重八雲の!?」

 

「 ではあの攻撃魔法も忍術ですか? 私にはサイオンの波動そのものを放ったように見えましたが」

 

「 正解です。 振動の基礎単一系統魔法で作ったサイオン波です。」

 

「 でもそれだけであのはんぞー君が倒れるなんて」

 

「酔ったんですよ」

 

「酔った?」

 

「 魔法師は一般人には見えないサイオンを 光や音と同じように知覚します。 しかし予期せぬサイオン波にさらされた魔法師は揺さぶられたように錯覚し船酔いのような状態になるんです。」

 

「信じられない… 私たち魔法師は普段からサイオン波に慣れています。 そんな魔法師が倒れるほど強力な波動なんて…」

 

「波の合成ですね」

 

七草先輩の疑問に市原先輩が答えた。

 

「 振動数の異なるサイオン波を3連続で繰り出し、 その波がちょうど服部君の位置でぶつかるように調整し三角波のような強い波動を作り出したんでしょう。」

 

「お見事です。市原先輩」

 

「 ですがあの短時間で3回の振動魔法。 その処理速度で実技評価が低いのはおかしいですね。」

 

「あのぅ~、そのCADは『シルバー・ホーン』じゃありませんか?」

 

「シルバー・ホーン? あの謎の天才魔工師、トーラス・シルバーの?」

 

「そうです~!!フォア・リーブス・テクノロジー所属、本名、姿、プロフィール全てが謎に包まれた奇跡のCADエンジニア。 世界で初の『ループ・キャスト・システム』を 開発した 天才プログラマー。シルバー・ホーンというのはフルカスタマイズされた特化型CADで『ループ・キャスト』に最適化されているんですよ!」

 

市原先輩の疑問に今度はあ~ちゃん先輩が答えた。

 

「 でもおかしいですね。 ループ・キャストは『 全く同じ魔法連続発動する』ためのシステム、『波の合成』 に必要な振動数の異なる複数の波動は作れないはず。 振動数を変数化しておけば可能ですが、座標・強度・魔法の 持続時間に加えて四つも変数化するなんて…まさか…それを実行していたのですか?」

 

「… 学校では評価されない項目ですからね。」

 

「…なるほどな。」

 

声をした方を振り向くとそこには服部先輩が 目を覚ましていた。

 

「『 魔法発動速度』『 魔法式の規模』『 対象物の情報を書き換える強度』 学校の評価はこの三つで決まる。司波さんが言っていたのはこういうことか。」

 

「はんぞー君 大丈夫ですか?」

 

「 大丈夫です!」

 

七草先輩に心配され素早く姿勢を正し立ち上がった。

 

「司波さん、 先ほどは御贔屓などと言って失礼なことを言った。許してほしい。」

 

「 私の方こそ生意気を申しました。お許しください。」

 

互いに頭を下げ謝罪した。

 

「さて、これで今日からはんぞー先輩と呼ばせていただきます。よろしいですね?」

 

「う!?そ、それは…」

 

「はんぞー君?」

 

「くっ!?いいだろう、好きにしろ」

 

俺の言葉でかなり嫌そうな顔をしていたが七草先輩に促され渋々了承した。

 

 

 

「さて、次は俺の番だな。真田、準備しろ。俺と戦ってもらう。」

 

「はい?」

 

達也の件が終わったが何故か十文字先輩が俺との勝負を申し込んできた。

 

 

 

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