見事な練度で巡洋艦と駆逐艦を全て撃沈した第1戦闘空母打撃群は回頭し第1戦艦戦隊 大和、武蔵に後を託した。これより彼女らは深海棲艦最強クラスである戦艦棲姫3隻と対峙する。ヒマラヤと後に続く第1戦闘空母打撃群の艦艇達は大和、武蔵に対し敬礼を送りそして大和、武蔵のその乗員の妖精達も同じく返す。
第1戦艦戦隊
大和型戦艦 大和
艦橋
見張妖精「戦艦棲姫3、面舵を切ります。」
大和「(味方がやられたというのに...。)」
何事もなかったかのように涼しい顔で面舵を切り同航戦を挑もうとする戦艦棲姫に大和は「深海棲艦に仲間意識やそれに対する情はないのか❓」と疑問に思うが、今は戦闘に集中すべしと考えるのをやめる。
大和「いいでしょう。操舵手、こちらも面舵を。ヒマラヤ達を砲火に晒すわけには行かないわ❗️」
大和は敵の誘いに敢えて乗った。自分の役割を終えQFOP 第1艦隊に帰投する第1戦闘空母打撃群を守る"盾"となるべく立ち塞がる。武蔵もそれに続き面舵を切り、大和は受話器を取りCICに連絡を入れる。
大和「戦術、初弾から当てていきなさい。一番槍はこちらのものよ。」
「了解、やってやります。」と戦術妖精が答える。
大和「敵艦捕捉、全主砲❗️薙ぎ払えッ‼️」
それが大和の攻撃の合図だった。三連装46㎝の世界最大の艦載巨砲が轟音と衝撃を放って唸る。
同戦隊
大和型戦艦 武蔵
艦橋
武蔵「遅れを取るなッ❗️全砲門、開けッ‼️」
大和に続いて2番艦の武蔵も続く。二艦から発射された「16式徹甲弾」は九一式徹甲弾を現代版に改良したものだ。ヒュウゥゥゥゥゥゥっと音を立てて弧を描き、戦艦棲姫の障壁に激突し爆発する。
戦艦 大和
艦橋
大和「見張妖精❗️敵の障壁は⁉️」
見張妖精「未だ健在のもようです❗️...あッ❗️敵艦発砲‼️」
大和「回避運動ッ❗️取り舵一杯ッ‼️」
急な取り舵に艦が揺さぶられる。座ってる妖精達は自身と机の物が落ちない様抑え、立っているまたは歩いている妖精は側にある物に捕まるかそれが出来ずに横転する。着弾の巨大な水柱が大和の右舷に上がり、その海水が大和を濡らす。
見張妖精「ぜ、全弾回避しました❗️」
大和「(先の巡航ミサイル攻撃でダメージを受けてるはず...ならば私の砲の一押しで破れないわけがないわ❗️)怯むなッ❗️撃ち返せッ‼️」
大和は乗員達に喝を入れる。一方の武蔵もバンバンッと46㎝を撃っている。
武蔵「どこでも良いから当てろッ❗️46㎝ならどこでも抜けるッ‼️」
改装された大和型の射撃管制システムにより次々と命中弾を叩き込んでいるが、戦艦棲姫の障壁はまさに鉄壁だ。それを良い事に撃ち返してくる。そして...
大和「ッ‼️‼️⁉️」
大和に突然強い衝撃が走った。被弾の衝撃だ。右舷艦首と艦中央のMk.29 シースパロー発射機群だ。砲弾の角度が浅かったお陰もあるが、そこはさすが大和型、1発や2発の被弾などものともしないようだ。
大和「※ダメージコントロールッ❗️急いでッ‼️」
(※通称「ダメコン」、物理的な損傷に対し被害を最小限にする為の処置)
大和はすぐ応急修理妖精に対しダメージコントロールを命じる。旧帝国海軍の時とは違い、ダメージコントロールの有用性を学んだ事により大和を含む日本艦娘達は今日(こんにち)まで沈まずにこれているのだ。
大和「このくらいじゃ大和はビクともしません❗️撃ち返し続けなさいッ‼️」
大和は被弾に動じず「撃ち返せ❗️」とまた檄を飛ばす。その檄を勢いにした砲弾が一隻の戦艦棲姫の障壁にぶつかり「パシャリーンッ❗️」とガラスが割れた様な音が鳴り響く。
戦艦 武蔵 見張員妖精「戦艦棲姫1隻の障壁消失を確認ッ❗️」
武蔵「やっと一隻か、かかり過ぎたな...。」
喜んでる暇はなかった。相手が相手だから無理もないが、戦艦棲姫一隻の障壁を破るのに時間がかから過ぎだと大和、武蔵とその乗員妖精達は思っている。
武蔵「CIC、戦術❗️障壁が破れた奴からやれッ‼️撃てーっ❗️撃てーっ‼️」
障壁という鉄壁の加護を失った戦艦棲姫にすかさず砲撃を加える武蔵。放たれた徹甲弾が艦橋の司令塔と第二主砲塔に直撃し、信管が作動して炸裂する。最初の命中弾は武蔵が取った。その様子は大和も見ていた。
大和副長妖精「やりますね武蔵さん達。」
大和「えぇ、私たちも負けてられないわよ❗️第1、第2主砲、一斉射ッ‼️」
武蔵と同じく手負となった戦艦棲姫を狙う大和。艦首付近に水柱が上がる。船体に破口が生じたのか、艦首付近から沈み始める。その次の瞬間だった❗️
大和見張妖精「やった❗️沈んでる...うわッ‼️⁉️」
音と言葉に表現出来ないほどの爆音がしたと思ったらその戦艦棲姫は突如真っ二つに折れて爆沈した。被弾した第二主砲塔の弾薬庫に引火し誘爆したのだろう。その衝撃波が大和と武蔵にも伝わり、小さな破片が「カンッ❗️カンッ❗️カンッ❗️」と大和と武蔵の船体に小さな音を立ててぶつかる。外に出ていた妖精達はすかさず身を隠したお陰で幸い負傷者は出なかったようだ。とにかく1隻撃沈だ。撃沈の喜びに浸る間もなく2隻目に照準を合わせる大和と武蔵。2隻目も障壁が破れた、大和武蔵のどちらのものかは分からないが放たれた徹甲弾が2隻目の戦艦棲姫の艦橋上部射撃指揮所と航海艦橋に直撃する。艦の頭脳を失っての混乱か主砲の射撃が止まる。
戦艦 大和 艦橋
大和見張妖精「戦艦棲姫2番艦、主砲射撃沈黙。」
大和通信妖精「武蔵からです艦長。」
通信妖精から言われ受話器を取る大和。
大和「大和よ。」
武蔵(通信)「どうする❓このまま奴も沈めるか❓」
武蔵は大和に尋ねる。今なら敵の丁度2対2でその内一隻は艦橋をやられ今は沈黙している。沈めるなら今がチャンスだ。しかし...
大和「いえ武蔵、提督は「3隻とも沈めて」とは言ってないわ。ここで退きましょう。」
戦艦 武蔵 艦橋
武蔵「了解した。CIC、戦術。主砲に発煙弾装填。」
戦果は十分としてこれ以上の戦闘継続の必要はないと判断した大和と武蔵は発煙弾を装填し、戦艦棲姫前方に放った。今日は風がなく煙幕は流される事なく滞留し続けた。結果、戦艦棲姫は大和型姉妹を見失い戦闘は終了した。戦艦棲姫1隻を撃沈、1隻を小破させた。こちらの損害は大和が被弾小破のみと比較的軽傷で済んだ。
前世でその巨砲を生かすことができなかった大和型姉妹が現世改装により深海棲艦の大物である戦艦棲姫と互角以上に戦えています。しかし幾ら近代化されてるとはいえやはりそこは戦艦棲姫で、大和も無傷ではいられなかったようです。まぁなんにせよ勝利は勝利です。