艦これ Modern Record   作:箕理 田米李

2 / 38
敵艦隊発見の報を受けた提督は作戦室に向かう。接敵した艦娘達は輸送船団を守れるのか❓


記録02「反抗への物資輸送」

QFOP

鎮守府プラットフォーム

廊下

提督「敵の規模と戦力数は❓」

作戦室に向かうべく廊下を歩く提督は諜報班スタッフに輸送船団を守っている艦隊が接敵した深海棲艦艦隊の規模と戦力数を尋ねる。

諜報班スタッフ「はっ、敵は巡洋艦隊で数は6。flagshipとeliteの混合で編成されています。」

 

作戦室

参謀妖精「提督、続いて秘書艦入られます。」

作戦室に入る提督と秘書艦 大鳳に対し部屋にいる全員が敬礼を送り、提督と大鳳も敬礼で応じる。

提督「直ってくれ。で状況は❓」

参謀妖精「第1哨戒戦隊が交戦中、QFOPのすぐ近くまで来ています。援軍を送りますか❓」

提督「いや、大丈夫だ。今の彼女達なら、そうだろ大鳳❓」

大鳳「えぇ、心配いらないわ。」

自信ありきの表情を浮かべる提督に大鳳も微笑んで応えた。

 

小一時間前...

QJL26(第26次QFOPから日本本土経由ライン)輸送船団

QFOP 第81独立機動艦隊所属

第6空母戦隊

旗艦 軽空母 瑞鳳

艦橋

軽空母艦娘 瑞鳳「対潜ヘリからの報告なし、ということは近くに潜水艦の存在は確認されず...ね。」

艦橋にて敵潜の存在を気にしているのは旧帝国海軍 祥鳳型(軽)航空母艦の2番艦(次女)の瑞鳳の艦娘だ。卵焼きに対しての拘りが強く、「オムレットメーカー」という異名を持つ。

この輸送船団(タンカー12隻)を守る旗艦を務めている瑞鳳は久々の旗艦の任に緊張しているからか落ち着かないでいる。頭上にある赤い受話器(ネイビーレッド)を取り出し、僚艦に連絡をつける。

瑞鳳「船団護衛旗艦 軽空母 瑞鳳より軽空母 千歳へ、敵航空機の脅威は確認できますか❓」

 

同船団 同所属

第7空母戦隊

旗艦 軽空母 千歳

艦橋

軽空母艦娘 千歳「こちら千歳、こちらのレーダーにもCAP(空中哨戒)についているF-35Bからも報告ありません。今のところは大丈夫ですよ。」

同じ軽空母艦娘である千歳はレーダーにも空中哨戒にも異常はないと伝える。ヘリだけでなく最新のSTOVL(短距離離陸垂直着陸機)であるF-35Bを第二次大戦期が運用可能なのかと言うと、これは「現世改装」によるものだ。現代の造船技術とテクノロジーで作られた現用艦と70年前の技術で建造された艦艇ではあまりにも能力に格差がありすぎてしまい、共同運用に支障をきたしてしまう。そこでQFOP 第81独立機動艦隊の提督が国連に提案を持ち掛けた。「艦娘が運用する第二次大戦期の艦艇を現代戦対応可能レベルに近代化改装する案」つまり「現世改装案」を提出した。架空戦記に登場する艦の様に艦容を大きく変える程の大規模な改装をせず艤装や兵装等の設備を現代のテクノロジーに換装することにより改装期間を大幅に短縮し、かつ大きく性能を向上させる事ができる現世改装は瞬く間に世界各国で実施された。この改装により艦娘が運用する艦艇の生存率も向上し、QFOP提督は世界中の艦娘や海軍関係者から大きな称賛を受けた。

空母にはジェット機運用の為に飛行甲板の耐熱化、夜間作戦運用能力付与、対空火器の一新等が実施され、艦級によって運用する機体に違いや制約はあるものの深海棲艦の空母ヲ級や軽空母ヌ級を遥かに超える性能となった。

第6空母戦隊

軽空母 瑞鳳

艦橋

瑞鳳「分かりました。引き続きお願いします。」

千歳からの「異常なし」との報告を受け、引き続き警戒よろしくと返事をすると瑞鳳はまたネイビーレッドを掛け直す。

 

同船団 同所属

第2護衛戦隊

旗艦 練習巡洋艦 鹿島

艦橋

練習巡洋艦娘 鹿島「こちら鹿島、レーダー、ソナー共に変化なしです。うふふふ。」

言葉の最後に笑みを忘れない事に定評のある第2護衛戦隊 旗艦 香取型練習巡洋艦 鹿島も「異常なし」と応える。

 

同船団 同所属

第1哨戒戦隊

旗艦 軽巡 神通

艦橋

軽巡洋艦娘 神通「こちらも変化なし、今の所は平穏です。」

川内型軽巡洋艦 神通も同じく「異常なし」と応えた。

 

第6空母戦隊

軽空母 瑞鳳

艦橋

瑞鳳「そうですか...。」

神通(通信)「瑞鳳さん。」

瑞鳳「は、はい❗️」

神通(通信)「旗艦として大変ですし緊張してると思いますが、あまり力み過ぎず肩の力を抜いてください。今の所は順調です。そのままの指揮をお願いします。」

瑞鳳「は、はい❗️ありがとうございます神通さん。」

神通からの労いと励ましの言葉に喜び笑みが戻る瑞鳳。このまま順調に行けば、家であるQFOPだ。

 

船団及び艦隊前衛

第6空母戦隊

軽空母 祥鳳 所属 SH-60K

コールサイン"ショウ・ホーク6"

パイロット妖精A「んっ❓おい、レーダーに反応が❗️」

パイロット妖精B「ショウ・ホーク6より母艦 祥鳳へ、敵艦隊捕捉。方位3-2-5、速度15ノットで接近中。接敵まで約30分。」

 

軽空母 祥鳳

艦橋

軽空母艦娘 祥鳳「了解よ、祥鳳より旗艦へ。瑞鳳、私の艦載ヘリが敵を発見したわ❗️規模からして巡洋艦隊よ‼️」

瑞鳳の姉の祥鳳が自身の搭載ヘリが敵発見の報を知らせる。

 

軽空母 瑞鳳

艦橋

瑞鳳「わかった❗️警報、全艦戦闘配置ッ‼️」

ブザーが艦内に鳴り響き、妖精達が一斉に持ち場に向けて走り始める。そして艦内閉鎖も忘れずに行いつつだ。

瑞鳳「巡洋艦隊で敵は6隻...神通さん❗️そちらでお願いできますか⁉️」

 

第1哨戒戦隊

旗艦 軽巡 神通

艦橋

神通「分かりました❗️私達が相手して船団から引き離します‼️第1哨戒戦隊全艦へ、これより迎撃に向かいます❗️取舵30°ッ‼️」

瑞鳳からの指示を受け、神通率いる第1哨戒戦隊は船団を離れ敵深海棲艦巡洋艦隊の迎撃へ向かった。




第2話は輸送船団を護衛する瑞鳳達のお話となります。反抗作戦の為に必要な物資を満載した船団を指揮する軽空母 瑞鳳、歴戦の軽空母たる彼女は巡洋艦隊の迎撃を神通達に任せます。次回は神通達の活躍が描かれます。flagshipとeliteで編成された艦隊に同立ち向かうのか❓お楽しみに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。