中国 青島
北海艦隊司令部基地
正面ゲート前
オセロット「3人共、用意は❓」
アディータ(通信)「アディータ、用意良し。」
ドゥーヴァ(通信)「ドゥーヴァ、配置良し。」
トリィー(通信)「トリィー、いつでもハラショーです。」
提督からの秘匿通信で「青島 北海艦隊基地の潜入調査」を命じられたオセロットとサルダート三姉妹は潜入の準備にそれぞれ取り掛かっていた。オセロットは中国海軍将校の服装に着替え、サルダート三姉妹のアディータとドゥーヴァは基地を一望できる高さのビルに登りSVK-12を構えている。ロシア連邦軍の正式自動小銃であるAK-12の狙撃銃仕様だ。本来の使用弾薬は旧ソ連から使われている「7.62×39㎜弾」だが、国連軍傘下に入り兵器のみならず使用する弾薬も"NATO(北大西洋条約機構)"規格に統一されることとなり、この狙撃銃型も「7.62×51NATO弾」に変更したモデルだ(ベースとなったAK-12も「5.45×39㎜弾」から「5.56×45㎜NATO弾」に変更されている)。
アディータ「使わないかと思ってたけど、持ってきて良かったね。」
ドゥーヴァ「"備えあれば憂いなし"ってやつだね。」
オセロット「トリィー、システムチェックを頼む。」
トリィー「了解。」
トリィーは姉2人とは違い、手元にノートパソコン型の端末を用いてバックアップの任務に就いている。オセロットに身につけられているインカムやマイク等の機器の動作確認を行う。
トリィー「オールグリーン、OKだよ同志。」
オセロットは身につけたインカム、マイク、眼鏡型多機能機器の作動を一通り行い、動作不良がないかをチェックする。
オセロット「よし、では作戦開始と行くか。」
そう言って基地正門まで歩みを進めるオセロットは歩哨2人に敬礼を送る。
オセロット「謝謝悠的辛勤工作、三上小校(ご苦労、ミカミ小校だ)。」
流暢な中国語を話しているのを聞いてアディータ達は「おっ❗️」と驚いた表情をする。歩哨はオセロットを警備員の所まで誘導し、警備員は身分証とオセロットの顔を十分に吟味する。
警備員「拝託、好好玩(どうぞ、ご苦労さまです)。」
そう言って身分証を手渡されるとオセロットは敬礼を送って基地に入った。すれ違う中国海軍軍人達にも敬礼を返していくオセロット。現状は彼を怪しむ者はいないようだ。
アディータ(通信)「凄いです同志オセロット。とても流暢な中国語で全く怪しまれていませんよ。」
ドゥーヴァ(通信)「どこで中国語を習ったんだ同志❓」
オセロット「何年か前に中国に潜入した際にな。それと、"腐れ縁"からも少しな。」
トリィー(通信)「腐れ縁❓」
オセロット「あぁ、美人なんだが癖のある奴でな。昔はよく組んでたが、今はどうしてるやら...。」
そうこう話している内にオセロットは基地の司令部施設の前にまで来ていた。
オセロット「司令部の中に入る。アディーとドゥー、お前達はこれから支援ができないが何か外に動きがあったら伝えてくれ。分かってると思うが無闇に撃つなよ❓」
アディータ、ドゥーヴァ「ダー。」
オセロット「トリィー、こっからはお前の仕事が増える。通信を暗号化回線に変更しろ。しっかり頼むぞ。」
トリィー「分かった、任せてよ同志。」
オセロットは司令部施設に入り歩きながら辺りを見回す。意外にも清潔に保たれている事に多少の驚きを見せるも、一番驚くべく事は自国の空母機動部隊が壊滅したというのに外と変わらずなんの騒ぎもなく静かな事だった。そんな事などまるでなかったかの様な雰囲気を醸し出している事にオセロットは違和感を感じずにはいられなかった。
オセロット「(なんなんだこの気味の悪い静けさは...❓奇妙...実に奇妙だ。)」
右に左にと目をやるオセロット、スパイである彼でなくてもこの異常な静けさを気にならないわけがなかった。だが、あまりにキョロキョロし過ぎていると怪しまれるので最小限に留めている。だったのだが......。
中国海軍佐官A「おい、そこのお前。」
1人の佐官に呼び止められ、オセロットは振り向いた。呼び止めた佐官の隣にもう1人いる。
中国海軍佐官B「見ない顔だな、貴様いつここに来た❓」
「もうバレたか...。」とオセロットは手を腰のホルスターに伸ばした。
中国に対する疑念を暴く為、オセロット達が動きます。アディータとドゥーヴァが装備するSVK-12は国連軍仕様としてNATO標準規格化されています。「ロシアも今やかつて敵対した軍事同盟の装備規格の統一に賛同し国連軍の一躍を担っている」という現れです。中国語は一部が日本語漢字には無かったので寄せて書いた「エセ中国語」です オセロットが名乗る"ミカミ"はMGSⅤ:PPでオセロットの声を務める三上哲(みかみ さとし)さんから来ています。なんとか潜入したと思いきや、司令部に入って怪しまれてしまいました。果たしてオセロットは切り抜けられるのか❓