艦これ Modern Record   作:箕理 田米李

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提督の命を受け、中国 青島海軍基地への潜入調査を行う事となったオセロットとサルダート三姉妹。変装と流暢な中国語で難なく潜入したオセロットだったが...。


記録24「大胆不敵なスニーキング 中編」

中国 青島

北海艦隊司令部基地

司令部施設

オセロット「(思ったより早かったな...変装が甘かったか❓)」

自身の変装の完成度が甘かったか、挙動不審に思われたかのどちらかはさておきオセロットは客観的に見ても悪い状況にいる。うまく話して誤魔化すか、気絶させるか、殺すかの3択で迷っていると...。

???「お二人さん、何をしてるのかしら❓」

中国海軍佐官A、B「ハンナ※大校殿❗️」

(※中国人民解放軍独自の階級、他国で言うところの"大佐"扱い)

ハンナと呼ばれる女性将校に声を掛けられた佐官2人は振り返って敬礼する。

ハンナ大校「彼は私の知り合いで今日着任予定だったの。これから基地を案内するから後は私に任せて。」

「はっ❗️失礼します。」と言って佐官2人はその場を去っていった。オセロットはハンナ大校のお陰で間一髪バレずに済んだ。2人きりでしばらく歩いているとオセロットは彼女に話し掛ける。

オセロット「"ハンナ大校"とはな、出世でもしたか❓"EVA"❓」

ハンナ大校ではなく"EVA"と呼ぶオセロット、だが呼び間違えたのではない。EVA「あら、礼くらい言ってほしいものね。さっきのはほんとに危なかったわよ❓」

そう、彼女はハンナ大校ではない。オセロットが言う所の"腐れ縁"である女スパイ"EVA"なのだ。

オセロット「あぁそうだな。ありがとうさっきは危なかった。」

EVA「素直でよろしい。」

オセロット「直接会うのはいつぶりだ❓」

EVA「あなたがQFOPに行ってからね。提督達は元気❓」

オセロット「変わらず元気だ。EVA、お前は何してんだこんな所で❓」

EVA「今は"ハンナ大校"よ"ミカミ小校"❓」

オセロット「おっと、これは失礼でした"大校殿"。」

「こう言う時ってスパイってめんどくさいよな」とオセロットは思う。

EVA「上が海軍内部が怪しいって言って調査を命じられたの。もしかして貴方も❓」

オセロット「まぁそういうこった。黒髪にしたんだな。それカツラじゃないだろ❓」

EVA「中国だと金髪は目立つからよ。ホントはカツラにしたかったけど仕方なく。

貴方は良いわね、カツラにできてかつ眼鏡もかけたら誰も怪しまないんだから。」

オセロット「どうかな、さっきの様になったのならサングラスにしときゃ良かったと思ったぞ。」

久々の再会に話が弾んでいる2人だったが、今は互いに身を偽っての任務。周りに怪しまれぬようここから先はキチっとする。

EVA「ここからは真面目な話をするわよ。今中国は国連に属すべきと考える"国連参入派"とあくまでも独自に戦うべきとする"独自抗戦派"に割れているの。私はその前者にいるわ。」

中国の内情について語るEVA。国連軍に参加し共闘することもなく独自に抗戦を続けてきた中国は、その後は所謂(いわゆる)"鎖国"や"鉄のカーテン"と言っても差し支えない状態になり国連や世間一般にはほとんど中国の内情が流れていない。

オセロット「なるほど、でとりわけ海軍が特に怪しいと。」

EVA「そう、私達はその"怪しい"所に向かってるの、そのまま着いてきて。」

2人はエレベーターに乗り地下へと降りて行く。

オセロット「随分潜るんだな。」

EVA「私もこんな深く潜るエレベーターがあるなんて最近まで知らなかったわ。渡された見取り図にも無かったし、警備が固くて限られた者しか入れないの。」

オセロット「でもお前は入れたんだな。大校だからか❓」

EVA「それもあるし、女というのを活かしてやればこれくらい朝飯前よ。苦労はしたけどね。」

「見取り図に載らず限られた面子しか知らない入れない地下空間」ますます怪しい匂いがプンプンである。「チーンッ❗️」というベルの音が鳴り扉が開くとオセロットの眼前には信じられない光景が広がっていた。

 

太平洋 尖閣諸島沖

QFOP 第1艦隊

装甲空母 大鳳

艦内通路

大鳳「(ん❓資料室に明かりが...誰かいるのかしら❓)」

時を同じく場所を移して尖閣諸島沖合に近づいたQFOP 第1艦隊 装甲空母 大鳳では艦長であり艦娘の大鳳が資料室の方から漏れる明かりに不思議に思い明かりの方は歩みを進める。

 

資料室

多田部「あぁぁぁぁぁ〜、調べても調べてもどれが真実わからねぇぜこりゃ。」

戸の隙間から見えたのは机一杯に資料を並べて何かを調べている多田部の姿だった。でも何かに行き詰まり上半身を大きく椅子の後ろにもたれのけぞらせて伸びをしている。

大鳳「何か調べ物❓」

多田部「おっとたいほ...いえ艦長殿。少し気になる事がありまして。」

大鳳「2人の時は"大鳳"でいいわよ。」

多田部「あ、そうだった。つい癖でちゃんと呼ばないとダメだってのが染み付いちゃってて。」

転生しても礼儀と姿勢を忘れない。帝国海軍の良き部分の表れだ。

大鳳「うふふ、そうみたいね。で何を調べてたの❓」

多田部「いやね。提督が深海と中国の事聞かされたら気になって気になって。で過去の資料を漁(あさく)ったら何か出てくるんじゃないかな〜❓と。

でもダメだな〜どれもこれも怪しく見えちゃって何が真実分かんないですわこりゃ。」

大鳳「そうなの❓でもどこか楽しそうに見えるわ。」

知識欲と好奇心の旺盛な多田部の性格を良く知る大鳳は言葉とは裏腹に楽しんでいる表情を見てくすりと微笑む。

大鳳「でも根を詰めるのは良くないわ。キリがついたらちゃんと寝るのよ❓」

多田部「分かった、艦長殿の言う通りに致しますよ。」

そう言って互いに敬礼を交わした後、大鳳は部屋を出る。「ふぁ〜」と大きなあくびをかき再び資料と睨めっこを始める多田部。

多田部「(やっぱり何度見ても妙だ...深海棲艦が現れて以後も中国の建艦率が全く減少してない。それどころか他の国々よりも抜きん出て増えている。)」

多田部が特に気にしているのは中国の建艦率だった。深海棲艦が現れて以降は戦力の立て直しを図るべく国連傘下の国々はこぞって艦艇の増産を始めているが、制海権を握られ戦略物資の輸出入が滞っている為か現状は芳しくない。アメリカやロシアの様な資源に恵まれている国でさえも深海棲艦の張遼以後の艦艇の増産は容易ではない。それは同じく大国の中国も例外ではない筈なのだが......。

多田部「(中国海軍にも損失艦は出ているがそのほとんどが旧式の艦艇ばかり...。」

無論、中国海軍も深海棲艦との戦闘で被害が出ていない訳ではない。しかし戦闘で戦没したのは殆どが現代の目からすれば「旧式」な艦ばかりで新型艦、例えば江凱Ⅱ型フリゲートや旅洋Ⅱ/Ⅲ型ミサイル駆逐艦の被害はほとんど書かれていない。「隠蔽しているのでは❓」と簡単に疑ってしまう事もできるが、単に隠蔽しているのではない様な気を多田部は感じている。

多田部「さらに気になるのはこの「中国籍タンカー連続失踪事件」だ。」

深海棲艦と艦娘が現れて2年後の2015年に起きた原因不明の連続失踪事件。中国籍のタンカーが太平洋 東シナ海で次々と謎の失踪を遂げたというもので、当初は「深海棲艦により沈められたのでは❓」という結論に誰もが至ったが数日後に突如として再び姿を見せた。すぐに調査が入り船を調べるも船体にダメージはなく乗員達も無事であり、聴取をしても「何も起きてない」との事だった。この事件の不可解な点は2つだ。1つは制海権がほぼ失われつつある現在の太平洋上でタンカーが単独航行をし失踪するも無傷で「異常なし」なこと、2つは全てのタンカーが同じ東シナ海で消息を経ちそして戻ってきたことだ。この事について考えつく事は一つだ。そう、提督が言っていた「中国と深海棲艦の結託」という推測だ。

多田部「(仮にタンカーが尖閣諸島や西沙諸島へ向かったとするならそこで深海棲艦と合流(ランデブー)して戦略物資を積み込んで戻ってきたとするなら辻褄は合うが、そもそもどうやって深海とパイプを持つ事ができたという答えが出てない。これじゃ全部憶測。軍人がしちゃいけないものだ。オセロット、アディータ、ドゥーヴァ、トリィー、頼む。中国の秘密を暴いてこのどうしようもないモヤモヤをはらしてくれたまえ❗️)」

多田部は資料室の天井を見上げてオセロット達の任務の成功を祈るのだった。




オセロットの窮地を救ったのは同じく「メタルギア」シリーズに登場したEVAでした。そういえばこの2人が直接組んで任務をするってのはゲーム本編でも無かったので少し新鮮ですね。
大鳳と多田部の関係性については軍務に付いている時は艦長と一介の一尉ですが、プライベートでは対等です。謎が謎を呼ぶ事態に多田部は頭を悩ませモヤモヤが収まりませんが、それでもどこか楽しそうな顔をしているのに大鳳はクスりとしていますね。さぁこの謎が次回で解けるのでしょうか❓
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