艦これ Modern Record   作:箕理 田米李

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EVAの協力を得て中国 青島海軍基地の秘密を探る事に成功したオセロット達、一方のQFOP艦隊はいよいよ尖閣諸島の攻略に踏み出します。


記録26「尖閣諸島攻略戦 前編」

暗闇が徐々に明るさを持ってくる薄暮の時。そんな静寂に包まれた闇夜を切り裂く様な轟音と速さで突っ切っていく飛翔体の群れがあった。BGM-109 "トマホーク"巡航ミサイルだ。QFOP第1艦隊所属の戦闘空母ヒマラヤ、ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦と既に尖閣諸島沖合に展開していた第7、8、9潜水戦隊のユーコン級から発射されたものだ。トマホークは尖閣諸島を構成する魚釣島(飛行場姫及び艦隊泊地)と久場島、大正島、北小島、南小島に点在する砲台小鬼に目掛けて進み、着弾して炸裂する。

 

総旗艦 装甲空母 大鳳

第1戦闘攻撃飛行隊 "ビーフェックス1"

ビーフェックス1-3「よしやった❗️」

ビーフェックス1-2「喜ぶのは早いぞ1-3。」

なんら妨害を受けることなくトマホークの全弾命中したことに喜ぶ1-3に1-2は言う。

ビーフェックス1-1「1-2の言う通りだ。砲台は潰せたが飛行場姫と泊地の艦隊は未だ健在だ。潰しにかかるぞ❗️全機、我に続けッ‼️」

ビーフェックスは隊の仲間や他の空母の航空隊の先陣を切って島に突っ込んでいく。その様子を艦隊総旗艦 装甲空母 大鳳のCDCで提督と大鳳らが見守っていた。

 

装甲空母 大鳳

CDC

提督「いよいよ始まったな。」

大鳳「えぇ。」

通信妖精「ビーフェックス1-1より入電、「トマホーク弾着を確認、これより攻撃開始す」。」

通信妖精からの報告を聞き、提督は手元の無線機を取り艦隊全艦に繋ぐ。

提督「総旗艦 大鳳座乗の提督より全艦へ、これより尖閣諸島攻略戦の第二段階に入る。本艦と信濃、飛鷹、隼鷹は第1ミサイル巡洋駆逐戦隊及び第6護衛駆逐戦隊と共に現海域にて待機し島への攻撃を援護。第1戦闘空母打撃群と第1戦艦戦隊及び第3巡洋駆逐戦隊は艦隊を離れ島へ突入、艦砲射撃を行う。」

艦隊全艦は一斉に提督の命(めい)を遂行すべく動き出す。返答を返さなくても即実行する。QFOP艦隊の練度の高さの証明だ。

提督「大鳳、私はヒマラヤに乗艦を移す。ヘリを用意するよう言ってくれ。」

大鳳「分かったわ。」

提督は総旗艦である大鳳を離れ、今まさに尖閣諸島へと向かおうとする第1戦闘空母打撃群 旗艦 ヒマラヤに移ると言いだす。しかし大鳳は危険な最前線に赴こうとする提督を止めない。彼が常に「指揮官先頭」という言葉を胸に抱き戦っているのを知っているからだ。

 

尖閣諸島 上空

軽空母 飛鷹 

第2戦闘攻撃飛行隊 コールサイン「スカイグ2」

スカイグ2-3「よしやった❗️またまた撃墜1ッ❗️」

スカイグ2-2「喜ぶのは早いぞ2-3。」

スカイグ2-1「その通り、だが迎撃機の第一波はとりあえず片付けたようだな。」

尖閣諸島上空では迎撃に上がった飛行場姫からの航空隊と激しい航空戦を繰り広げていた。

 

軽空母 隼鷹

第1戦闘攻撃飛行隊 コールサイン「ファイグル1」

ファイグル2-3「ッ❗️コンタクトッ❗️飛行場姫の滑走路から新たな迎撃機隊ッ‼️」

ファイグル2-2「隊長、新たな"お客さん"です❗️」

ファイグル2-1「ハッ❗️逆に"もてなし"てやるさ‼️ついて来い‼️」

艦載型トマホークによる対地攻撃により周辺の砲台は片付けたものの、飛行場姫とその滑走路は「棲姫/鬼級」特有の強固な障壁により未だ健在だ。まだまだ迎撃機を上げてくる。航空機の性能は上でも数の利を活かされ時間が経てば不利になる。飛行場姫の早期沈黙を目指さなければならない。そんな乱戦の最中、装甲空母 信濃の所属機が尖閣諸島 魚釣島の港湾施設の方を見やるとある事に気づく。

 

装甲空母 信濃

第5戦闘攻撃飛行隊 コールサイン「シナノ5」

シナノ5-7「ッ❗️5-7より5-1へ。隊長、港に戦艦棲姫の姿がありません❗️」

シナノ5-1「なにッ⁉️」

シナノ5-1の妖精はチラッと魚釣島の港を見やる。遠くからでも目立つ戦艦棲姫の姿はどこにもない事を確認する。

シナノ5-1「シナノ5-1よりビーフェックス1-1へ、"戦艦棲姫をLOST"。繰り返す"魚釣島に戦艦棲姫の姿なし"❗️」

 

ビーフェックス1-1「シナノ5-1、こちらも確認した。変だな。」

 

シナノ5-1「先程まで空自のAWACS(早期警戒管制機)でもちゃんと反応を捉えれてたんですが...。」

 

ビーフェックス1-1「艦隊に報告だ。何か嫌な予感がする感じだ。」

ビーフェックス1-1はこの戦艦棲姫の不在に違和感と胸騒ぎがしてならなかった。戦艦棲姫が停泊していたと思われる所から少し視点をずらしたところを見やる。

ビーフェックス1-1「んっ⁉️あれって...❓」

 

尖閣諸島 魚釣島 近海

QFOP第1艦隊

第1戦闘空母打撃群

旗艦 戦闘空母 ヒマラヤ

CIC(戦闘情報センター)

滝澤「間違いないの❓」

通信士「はい❗️確かな様です。」

滝澤「提督。」

提督「うん、"厄介者"その2が消えたらしいね。」

航空隊の攻撃成功と戦艦棲姫のLOSTの報を戦闘空母 ヒマラヤに移った提督は耳にする。

提督「航空隊は❓まだやり合ってるか❓」

滝澤「はい、飛行場姫は絶えず迎撃機を上げ続けています。トマホーク攻撃は継続していますが、未だに障壁が破れずで早急なる艦砲射撃の要を認むだそうです。」

提督「よし、消えた奴はとんでもない奴に違いないが今"ウ○ーリーを探せ❗️"よろしくかくれんぼに付き合ってる余裕はない。消えた理由は分からないが、飛行場姫を潰す事に専念しよう。」

滝澤「分かりました。ビーフェックス1-1が見つけた輸送船団はどうしますか❓」

それともう一つにビーフェックス1-1が見つけた輸送船団の対応を提督に尋ねる滝澤。

提督「本来の攻撃目標ではないが...潰しておくべきか...。」

通信士「艦長❗️総旗艦 大鳳より緊急電があるとの事であります‼️」

滝澤「どこから❓」

通信士「"ヤマネコ"からであります。提督宛だと。」

突然の入電は"ヤマネコ"、オセロット達からだった。こんな状況下で送ってきたのだ。きっと何かあると滝澤と提督は顔を合わせ提督は頷く。

滝澤「提督のデスクに回してください。」

滝澤が言うと通信士はすぐ提督の座る席の端末に表示させる。内容を吟味する提督。

提督「航空隊に通達、輸送船団への攻撃は禁ずる。潜水艦カムチャッカと周辺に展開中のQFOP所属潜水艦隊に追撃命令を、ただし「撃沈させずに足止めせよ」と伝えてください。」

滝澤「了解しました。通信士❗️」

通信士「了解❗️」

旗艦 ヒマラヤからの命を受けた同じ戦闘空母打撃群所属の潜水艦カムチャッカは艦隊から離れ、深海棲艦輸送船団の追撃を開始するべく速力を上げた。

 

ヒマラヤ CIC

ソナー手「カムチャッカ、艦隊から離れます。」

CICにいるソナー手もその動きを捉えていた。ディスプレイに映し出されている光点が徐々に自分達の艦隊から離れているのが見える。

倉田「水中警戒担当のチャッカが離れたら頼れるのは水上艦のソナーだけだ。頼むぞ。」

ソナー手「はい❗️あっ⁉️」

倉田「どうした❓」

ソナー手「何か聞こえます❗️」

倉田「潜水艦か❓」

ソナー手「スクリュー音はしてますが、潜水艦のものではありません❗️」

海中にいるスクリュー音と聞いてはほぼ十中八九間違いなく潜水艦の筈だが、ソナー手によると違うという。 

倉田「ハッキリさせろ❗️なんなんだッ⁉️」

倉田がそう言い、ソナー手は記録されたあらゆる国のそして深海棲艦の潜水艦の音紋データと照合させるもどれとも一致しない。

ソナー手「あぁッ❗️」

倉田「今度はなんだッ⁉️」

ソナー手「凄い気泡の音です❗️浮上(ブローアウト)してきますッ‼️」 

「ザバーンッ❗️」と勢い良く水柱を上げ戦闘空母打撃群前方にそれは現れた。

レーダー手「出ましたッ❗️戦艦棲姫ですッ‼️」

倉田「なにぃーッ⁉️」




遂に辿り着いた尖閣諸島、いよいよ攻略開始です。奇襲は成功するも飛行場姫は未だ健在な上に戦艦棲姫のLOSTとそう易々とはいかない様です。
航空隊が見つけた輸送船団はオセロットからの情報を得た為か、「何かある」と見て潜水艦隊を差し向けました。中国と深海との繋がりを記す何かが積まれてるのでしょうか❓
LOSTしていた戦艦棲姫の突然の海面浮上、モチーフは「蒼き鋼のアルペジオ」です。「海の底から現れた存在の深海棲艦なら霧の艦隊の水上艦みたいに海中を潜水艦よろしく潜航/浮上ができるんじゃないか❓」と思い書いてみましたw.

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