太平洋 オーストラリア アラフラ海
QFOP第3艦隊
総旗艦 空母 雲龍
艦橋
当直士官妖精「艦長、CDC(戦闘指揮センター)から報告、第1艦隊から暗号電。「東シナ海で魚が釣れた」です。」
オーストラリア アラフラ海を進むQFOP第3艦隊総 旗艦 空母 雲龍の艦橋にて当直士官妖精が第1艦隊から暗号電が来たとの報告を受ける空母艦娘 雲龍。「東シナ海で魚が釣れた」、それは尖閣諸島を攻略したという意味の暗号だ。
副長妖精「提督達やりましたね。」
雲龍「えぇ、こちらも急がなくては。」
当直士官妖精「艦長、近海哨戒中のオーストラリア海軍ミサイル駆逐艦 ホバートより入電。「当海域に障害無し、そのまま前進されたし」。」
雲龍「通信へ「了解、感謝する」と伝えて。」
同海域
オーストラリア海軍
ホバート級ミサイル駆逐艦 DDG-39 ホバート
艦橋
左舷ウィング見張員「艦長、例の秘密艦隊が我が艦隊の前を横切っていきます。」
この海域に於けるQFOP艦隊の作戦行動掩護の為、オーストラリア海軍ミサイル駆逐艦 ホバートは僚艦のアンザック級フリゲート(ドイツ多用途フリゲート「MEKO」シリーズ MEKO200型)FFH-153 スチュアートとFFH-155 バララットは近海の哨戒任務に従事していた。
艦長「あれが平和維持海軍太平洋方面艦隊司令部直属の秘密艦隊か...。」
副長「深海棲艦と3〜4年も互角以上に戦ってきたという精鋭中の精鋭...まさかこんな形でお目にかかれるとは思いませんでしたよ。」
ミサイル駆逐艦 ホバートの艦橋内で双眼鏡でQFOP第3艦隊を見つめる艦長と副長。
艦長「あんな化け物達と長く戦い続けられる方法があるなら是非教えて貰いたいものだな。そうすれば我々もここまで追い詰められずに済んだ。」
副長「ASEAN諸国の海軍よりはウチはまだ保ってる方ですよ。向こうはもう居ないも同然です。」
艦長「我々も手助けできたらなぁ...。」
副長「対空、対潜の掩護なら出来ますね。新鋭の護衛戦艦も連れて行けたら尚良いです。」
深海棲艦に打ちのめされたのはASEAN諸国だけではなくオーストラリアもだったが、厳しい状況ながらも比較的損害は少ない方だった。自分達の戦いをするだけでも精一杯だが自分達以上にもっと過酷な戦いを続けているQFOPに一助出来たらと深くしみじみと思う艦長と副長だった。
艦長「... ... ...。針路変更、母港に帰投する。」
副長「アイサー、針路変更カタバル海軍基地へ。」
しかし、自分達の任務はあくまで「支援」、それを忘れていたなかったが本当にそれだけしかできない自分達が悔しかった。
尖閣諸島 魚釣島沖合
QFOP第1艦隊 総旗艦 大鳳
艦橋
提督「島の残敵の状況は❓」
大鳳「海上の敵は去りましたが、陸上の敵がまだ抵抗中です。しかし直に制圧可能との事です。」
提督「よろしい、補給の進捗と※遠征打撃群の到着予定は❓」」
大鳳「補給は53%まで完了、遠征群の到着は後2日を要すわ。」
(※アメリカ海軍の戦闘部隊の1つ。海兵隊遠征隊(MEU:Marine Expeditionary Unit)を乗せた揚陸艦3隻と水上戦闘艦3隻に加え潜水艦1隻で編成されている)
その頃、QFOP第1艦隊は尖閣諸島の支配権をほぼ手中収め各艦艇は合流したQFOP支援艦隊から補給を受けていた。アメリカ海軍 遠征打撃群の到着まで島への攻撃を続けながらだ。水上艦戦力は撃沈破または離脱し残りは陸上の僅かな抵抗のみとなっている。
通信妖精「失礼します。QFOP第3艦隊がアラフラ海を抜けました。」
艦橋に上がってきた通信妖精がQFOP第3艦隊の動きを敬礼し伝える。作戦は着々と最終段階にまで迫っている。
大鳳「雲龍さん達、無事に抜けたようね。」
提督「あぁ、皆上手くやってるな。」
作戦の良い方向に進んでいる事にここは素直に喜ぶ提督。ふと作戦図を記したディスプレイ付き作業机から目を離し艦橋の窓から外を見る。視線の先には戦艦棲姫との戦闘を終え戻った戦艦大和があった。その艦首は左右に大きく凹み黒く焦げている。報告によれば敵駆逐艦2隻が大和に急速接近して雷撃に有利なポジションに付ける為と思われていたが、そのままの勢いで突進してきたという。フレッチャー級の姿を模した艦影と艦首に792、649の艦番号がハッキリと見え、回避運動を取ろうとするも間に合わず2隻は大和の艦首の左右それぞれに激突しその後戦艦棲姫の攻撃を受け爆発四散した。幸運にも大和は艦首の損傷のみで済んだ。体当たりし且つその味方を撃つという今まで無かった行動を深海棲艦が取る。これは何を意味しているのだろうか❓5年近くも戦ってきても尚その正体すら掴めぬ敵の事だからいくら考えても答えは出なかった。
大鳳「提督❓どうかしたの❓」
考え込んでいる提督に大鳳は「どうしたの❓」と声を掛ける。その声にハッとして提督は気づく。
提督「ん❓あぁすまないちょっと考え事。そういえば潜水艦隊に追わせていた輸送船団はどうなったんだったかな❓」
尖閣諸島攻略中に発見し離脱を図ろうとしていた深海棲艦輸送船団を潜水艦隊に追尾するよう命じ、それからどうなったのかを思い出し大鳳に尋ねる提督。
大鳳「しおんさん達が輸送船に雷撃して損傷を与えて拿捕したそうよ。乗員達は海中に逃げ出して重要書類は殆ど焼却処分されてしまったけれど、一部と中国語で書かれた積荷に中国製の武器/兵器が満載したコンテナも見つかったわ。」
沈めさせなかったのが幸いした。その船団には中国の関与を表す物が大量に詰め込まれていたからだ。
提督「よろしい、しおん達には作戦が終わったら何か礼の一つでもしてあげないとね。報告書として纏めて私の所に提出するように言ってくれ。それを太平洋方面艦隊司令部にそれと日本本土防衛艦隊の長官にも伝える。早速取り掛かるよう伝えてくれ。」
大鳳「分かったわ。」
中国と深海棲艦との繋がり関する情報を海軍上層部に報告する。さらにその情報は国連軍そして世界各国に共有されることであろう。それが果たして世界にどのような影響を与えるのか❓それは提督にも予想できないが、世界が大きな衝撃を受け動かざるを得なくなる事は間違いないとは確信していたのだった。
オーストラリア海軍からイージスミサイル駆逐艦 ホバートとフリゲート艦2隻が登場しましたね。前に書いた時はセリフはあんまりなかったのですが、書き直して大幅にセリフと艦乗員の心情を書き足しました。「本当は彼らももっと役に立ちたい」というのが伝われば幸いです。オーストラリアだけでなくASEAN諸国の状況も少し触れられましたね。いずれそこも描いて行くつもりです。
なんとか尖閣諸島を陥せたQFOP第1艦隊。深海棲艦についてまた気になる件や中国と深海との繋がりを示す材料をまとめて提出と色々忙しいですが、補給を済ませて作戦最終段階に向かいます。