中国 北京
QFOP艦隊が作戦の最終段階に向かうのとほぼ時を同じくして中国 北京にある中国外交部(外務省)で現在進行形で人類の敵である深海棲艦との戦いのまさに真っ最中でありながら領土問題の話で日本を非難し、相変わらず平行線で話がまとまらなかった日本の外交官が車の窓から外の様子を見ていた。その目線の先では市民による大規模なデモが行われていた。人々が手に持つプラカードや横断幕には中国語で「これ以上の共産党一党独裁を許すな❗️」や「国連に帰属し深海と戦え❗️」など中国共産党を名指しで非難するような内容が書かれている。「国連」に属しながらも「国連軍」としては参戦を拒み中国が独自に深海棲艦と戦い続けて早4年、経済発展をバックに急成長を遂げた中国海軍は現在(いま)では見る影もないくらいに消耗してしまった。それでも断固として国連軍と共同戦線を張ろうとせずさらに軍備拡張路線を強引に推し進めた結果、中国国内では地域格差がさらに広がり国民が貧困に喘ぎ、暴動やデモが日常茶飯事と化している文字通りの混沌(カオス)が今の中国の現況である。
日本外交官「(ふぅ、えらく長く質問攻めにあったな〜。まぁ外がこんな様子じゃピリついても仕方ないか。少しだけだが中国さんには同情するよ。)」
車窓の外からデモを見やり少しながら多かれ少なかれ同情してやる日本の外交官だった。
中国外交部ビル
執務室
中国外交部官「ふん❗️あの外交官め、涼しい顔で出ていきおって‼️」
外交部ビルの執務室の複数ひびの入った窓から日本の外交官の乗る車を見て苛立つ中国外交部官。デモや暴動が日常茶飯事になっている現状の事もあってか余計に腹立っている。
中国外交部官「このまま向こうの好きにさせていては中国の威信に関わる。なんとかしなくてはならん...。」
???「彼は本当に知らないのだと思われますよ。」
後からする声の方に振り向く中国外交部官。そこには中国海軍武官 馬 大奇(マー・ターチー)が堂々とした涼しい顔で立っていた。
馬 大奇「情報だとあの艦隊は国連海軍太平洋方面艦隊司令部直属の艦隊。いくら日本艦と艦娘が大半を占めてると言っても、日本にその指揮権がある訳ではなくその存在を知る者もほんの一握りとか。」
中国外交部官「クソッ❗️ならばどうすれば良いと言うのだ❗️」
馬 大奇「ご安心を既に手は打ってございます。」
そう言って外交部官の怒りの表情とは正反対に余裕の笑みを浮かべる馬(マー)であった。それと時を同じくし同じ中国だが場所を移そう。湛江市の南海艦隊基地だ。
中国 湛江市 南海艦隊基地
基地副司令「司令、艦隊定刻通り出港します。」
南海艦隊基地副司令が双眼鏡を覗いきながら基地司令に言う。
基地司令「うむ。敵はあの国連海軍の"寄せ集めの精鋭艦隊"だそうだ。良い"モルモット"になるだろう。副司令、我らが新鋭艦隊の武運を祈って敬礼を贈ろうではないか。」
そう言われ静かに副司令が敬礼を贈り、司令もその後で贈った。
南海艦隊基地 港外水路付近海域
ベトナム海軍
キロ級攻撃型潜水艦 HQ-184 ハイフォン
ソナー室
ソナー手「艦長、こちらソナー。スクリュー音を聴知。」
中国海軍の動きを監視すべく南海艦隊基地で息を潜めていたベトナム海軍所属の潜水艦 ハイフォンのソナー手が外洋に出てきた中国海軍最新鋭艦艦隊を探知した事を発令所にいる艦長に伝える。艦長は「潜望鏡深度へ」と伝え潜望鏡を上げ中国艦隊の大名行列を拝む。
艦長「まだあれだけの艦隊がいたのか⁉️...潜望鏡を下ろせ。通信ケーブルを出し暗号で司令部に打電だ。」
日本 神奈川県
海上自衛隊 横須賀基地
また時をちょっと同じく場所を移してお次は日本です。海上自衛隊のみならず在日アメリカ海軍の根拠地としても機能している横須賀基地。その基地司令部内はなにやら張り詰めた空気感が漂っていた。
???「米遠征打撃群は尖閣諸島に到着したのだな❓」
海自自衛官「は、先程、中国海軍の妨害を受けず占拠することに成功したと。」
尖閣諸島に向けて出港したアメリカ海軍の遠征打撃群の現状を訪ねているこの司令の名は高野 五十六。あの旧帝国海軍連合艦隊司令長官の山本 五十六その人である。現在ではその名の高野と改め海上自衛隊 横須賀基地で指揮を執っている。アメリカ海軍のみならずASEAN諸国の海軍と連携して中国を監視しQFOPをバックアップする為にだ。
高野「中国海軍の動きに変化はあったか❓」
海自自衛官「いえ、今の所は何も...。」
2人が話してる中をコンコンッとドアをノックする音がする。「入れ」と高野が言うと「失礼します」と言って通信士が入ってくる。
海自通信士「報告します。中国海軍 南海艦隊基地を監視していたベトナム海軍から報告が。」
通信士から写真付きの電文を手渡される高野。目を通して顔色を変える。
高野「ッ⁉️すぐあの男の艦隊にも伝えてくれ❗️もちろん暗号でだ‼️」
「はっ❗️」と勢いよく返事すると共にさらに報告を続ける通信士。
海自通信士「それと、"竜宮"(QFOPの事を指す暗号名)から暗号電でこれが...。」
高野に一枚の電文が手渡される。内容は「中国海軍と深海棲艦との繋がり」を示す物だ。ただでさえ中国海軍の新たな動きに驚いているのにさらに高野の顔がまた驚きを隠さずまたその色を変える。
高野「これをすぐ統合参謀本部に伝えろ❗️」
通信士が「は、はっ❗️」と慌てて返事をして部屋を出て行く。
高野「君も参謀達を招集してきてくれ❗️」
海自自衛官「はっ❗️」
そう高野に言われ海自自衛官も部屋を出て行く。その後すぐに高野は自分のデスクに置いてある電話に手を付ける。
高野「私だ。元気にしているかね❓あぁそうか、実は君に頼みたい事があってな。」
日本 東京都 総理官邸
内閣総理大臣 米内 光政「そうがぁ...中国は相変わらず国連には就がねぇがぁ〜。」
場所は同じく日本だが少し移して東京都の総理官邸。独特な岩手訛りで中国との外交が難航してる事を憂えているのは米内 光政、前世の大日本帝国時代では海軍大臣を務めた帝国海軍の重鎮だ。今は転生して総理大臣の職に就いている。米内が官邸の窓際に立ち話しているその後ろでソファに座り話を聞いているのは垂水 慶一郎は官房長官だ。
官房長官 垂水 慶一郎「はい、態度変わらずで硬化し続けていると...国内の状況はますます悪化の一途を辿っているにも関わらずと。」
垂水は一言一言を重く米内に語る。
米内「妙...と思わないがぁ❓垂水君。」
垂水「はい。ここまで態度を硬化させたままを変わらずでいるのが実に...。」
垂水も米内と同じく中国の変わらぬ態度に疑問しかなかった。
米内「垂水君...深海棲艦が現れてから日本は、いやぁ世界は大きく変わったな。だが足りない、もっと我々日本は変わらねばならないとそう思わんがね❓」
垂水「はぁ...。」
米内は深海棲艦の登場により変革した世界について語り始め、日本も変わったがさらに変わる必要があると語る。
米内「日本は島国で海の広さは世界第6位だ。だがこの広さをカバーできる程の防衛力を自衛隊は持っていない。深海棲艦だけでなくもし某国の侵略を受けたらどうする❓」
垂水「それはアメリカに...。」
米内「頼るかね❓だが今のアメリカは深海棲艦が来る前よりも弱体化しつつある。向こうも本当は私らと同じく自分の事で精一杯だ。ならいつまでも同盟国頼りではいけないと思わんがね❓」
垂水は額に汗を垂らしながら米内の話を聞いている。米内の意見は最もに尽きている話なのは垂水も重々分かっていた。
米内「垂水君、強くなってくれ。次の総理大臣は垂水 慶一郎...君に決めている。」
垂水はさらにまた額から汗を垂らしじっと米内を見つめ沈黙した。
今回は艦娘の登場なしのガチの政治回です。「空母いぶき」と「紺碧の艦隊」からの登場人物も交えて中国の内情について描かせていただきました。急激な経済発展と同じくして海軍が増強された中国海軍ではありましたが、それをも呑みつぶす程の物量で迫る深海棲艦には敵いません。それでも国家のプライドが許せないのか国連にありかながら国連軍に属す事を拒み、その際で国際的にも孤立したも同然で国は貧しくなり国民からの非難が高まっているようです。この事に国連もそしてお隣の日本もお困りで今にも中国との本格的な戦争が始まるかもと危惧しています。米内と垂水はそれについて真剣に話し合い、今後は日本もさらに強くあらねばならないと話し合って物語は終わります。物語中盤ベトナム海軍潜水艦が発見した中国機動部隊はQFOP脅威になるのか❓と色々と大変な事になりそうです。