QFOP第1艦隊 総旗艦 装甲空母大鳳
ブリーフィングルーム
ビーフェックス1-1「太平洋方面艦隊司令部より中国空母艦隊への攻撃許可が下りた。ただし攻撃対象は空母を取り囲んでいる無人護衛艦群だ。」
太平洋方面艦隊司令部の承認を得て中国新鋭空母機動部隊への攻撃許可を取り付けたQFOP第1艦隊は反攻の準備に取り掛かっていた。艦隊総旗艦であるここ装甲空母 大鳳のブリーフィングルームではパイロット妖精が作戦とその概要を航空隊長から聞き頭に入れていた。他の空母でも同じくだ。
ビーフェックス1-1「南昌型ミサイル巡洋艦、旅洋Ⅲ型ミサイル駆逐艦、江凱Ⅱ型ミサイルフリゲート艦それぞれ4隻ずつの計12隻が攻撃目標となる。」
ホワイトボードには中国新鋭空母機動部隊の輪形陣が書かれており、そこに攻撃目標である護衛艦群に丸をつけそれぞれの艦級の画像をホワイトボードに磁石で貼り付けパイロット達に攻撃目標を誤認しないよう確認させる。
ビーフェックス1-3「"中華イージスクルーザー"に"中華イージスtype.B"、"中華ラファイエットクラス"ですか。」
ビーフェックス1-3が突如立て続けにそれぞれの中国艦をニックネームで呼び始めた。
ビーフェックス1-2「なんだ急にビーフェックス1-3❓」
ビーフェックス1-3「いやこれね、多田部一尉がつけたあだ名なんですよ。」
ビーフェックス1-5「あぁ〜、一尉はアメリカさんみたいに兵器から何から何まであだ名つけますもんねw.」
ビーフェックス1-6「分かりやすくていいですが、コールサインとしては長いですね。」
ビーフェックス1-1「それなら安心しろビーフェックス1-6、これらの無人艦群のコールサインを"ノー・ブラッド"とするそうだ。」
ビーフェックス1-6「"ノー・ブラッド"...なるほど。"血の一滴も通わないメカニズムの結晶"と来ましたか、上手い表現です。」
ビーフェックス1-2「これも一尉の案だそうだ。あの人らしい表現だろ❓」
「ハハハハ」と笑い声がパイロット妖精達から上がると隊長であるビーフェックス1-1は「ゴホン」と咳払いすると笑うのをやめ静かになる。
ビーフェックス1-1「ビーフェックス1-2が言った通り中国無人艦群を"ノー・ブラッド"と呼称、これを無力化する。攻撃しても人は乗っていないからコールサイン通り相手は血は流す事がない訳だ。」
隊長のビーフェックス1-1のコールサインの洒落に隊員達は再び笑みを浮かべる。
ビーフェックス1-4「✋沈めないとしたら攻撃はどこを❓」
ビーフェックス1-1「VLS(垂直発射装置)を狙う。それぞれ前甲板と後部構造物にある。対艦ミサイルをセミアクティブ・ホーミング(ミサイルを発射した機体から誘導の為のレーザーを目標に照射して命中させる方式)で誘導、無力化を図る。」
ビーフェックス1-5「✋もし誤って撃沈してしまったら❓」
ビーフェックス1-1「腕が未熟と心得ろ。今回の相手は深海棲艦のような大戦期の艦艇じゃなくミサイルで武装した現用艦だ。撃ち落とされると覚悟しておかなければならないし、しかも深海のと違って攻撃を誤れば簡単に沈む。」
全員が息を呑んで隊長の話を聞く。損傷を与えるのみで撃沈は避けろという深海棲艦の対処よりも厄介かつデリケートだ。しかも両用砲や対空機関砲/機銃で弾幕を張る深海棲艦と違い、確実に迎撃してくる対空ミサイルが持っているといういう堕とされるかもるしれないという恐怖もあるのだ。
ビーフェックス1-1「だが深海相手に4年も戦ってきた俺達だ。やってみせる。いや、やれるな⁉️」
ビーフェックス隊全妖精「了ッ‼️」
大きく返事をする大鳳航空隊全パイロット妖精達。ブリーフィングを終え即その足で格納庫へと向かう。艦橋のCDC(戦闘指揮センター)にある航空管制と飛行甲板ではそれぞれ攻撃隊発艦に向け妖精達が右往左往としていた。その間にビーフェックス隊隊長機"ビーフェックス1-1"が流れる様な甲板作業員の誘導に従い発艦位置に着く。発艦準備完了の合図を受け取るとビーフェックス1はコックピットから親指を立てて応える。
ビーフェックス1-1「BiFex1-1 Cread For TakeOFF❗️」
エンジンノズルから勢いよくジェット噴流を上げ、ビーフェックス1-1のF-35Bは発艦していった。次のそのまた次の機も何事もなく発艦していく。空母 信濃、軽空母 飛鷹、隼鷹の所属機も続いている。戦闘空母ヒマラヤの所属機は今回も艦隊の直掩だ。
装甲空母 大鳳 CDC
航空管制妖精「攻撃隊、高度1000で編隊の構成完了。針路0-1-5へ向かいます。」
提督と大鳳、飛鷹、隼鷹とその乗員と妖精達そしてヒマラヤの直掩機隊は攻撃成功を祈り見送った。
QFOP第1艦隊と中国空母機動部隊とのほぼ中間に位置する海域の上空
中国空軍 早期警戒管制機 空警500
レーダー手「ッ❗️機長、敵艦隊に動きあり。」
機長「我らが空母艦隊に知らせてやろう。」
中国新鋭空母機動部隊
旗艦 空母 山東
CDC
通信士「警戒飛行中の空警500より入電、「敵艦隊、空母より艦載機発艦を確認。」数は48機❗️」
副長「艦長❗️こちらに攻撃隊が❗️」
早期警戒管制機からの報告に驚くがリォウ艦長はこうなることを予感していたのか「想定の範囲内だ」と余裕そうな顔を見せていた。
リォウ「国連が重い腰を上げたのだ。我らを倒さねばならぬ敵だと認識された。これで向こうは本気で我々を潰しにかかりに来るのだ副長、嬉しいとは思わんか❓」
相手が「同じ人間の乗る艦を攻撃できない」ことに高を括(くく)らずむしろ本気で戦ってくれる事に子供の様に喜びの表情を浮かべるリォウ艦長に副長やCDCにいるクルー達も驚いた表情を隠せはかった。
レーダー手「敵編隊、ミサイル発射を確認❗️総数96...来ますっ‼️」
リォウ「ミサイル巡洋艦107号から110号及びミサイル駆逐艦87、131、156、122号。ミサイルフリゲート607から610号、迎撃せよ。」
旗艦 空母 山東を囲む無人水上戦闘艦群のVLSからもうもうと煙を上げながらHHQ-9(紅旗9艦隊空ミサイル)とHQ-16(紅旗16艦隊空ミサイル)がQFOP航空隊の空対艦ミサイルの迎撃に向かう。
QFOP第1艦隊
旗艦 装甲空母 大鳳
CDC
レーダー妖精「"ノー・ブラッド"全艦、迎撃ミサイルの発射を確認。我が方の空対艦ミサイル群に向かいます。」
大鳳のCDCで状況を見守る艦長 大鳳と提督と多田部そしてクルー達。
提督「(中華製イージスシステムとそれを管制するAIの実力、さぁていかがなものか。)」
多田部「(正直興味は深々だぜ。どこまでやれるんだコピーイージス❓)」
提督と多田部の心中は中国製イージスシステムの実力が如何なものか❓という関心を抱いていた。旅洋Ⅱ/Ⅲ型は本家アメリカ製イージスミサイル駆逐艦 アーレイ・バーク級のコピー艦とされ、艦影が酷似してるだけでなくイージスシステムそのものまでコピーしてるとの情報がある。さらなる発展型の055型も同様のシステムのバージョンアップ版を搭載していると言われている。しかし中国側はそのスペックの開示をしていない為、その実力は未知数であった。今まさにその力を見せてくれるのだから2人が興味を引くのも無理はない。
レーダー妖精「ミサイル交差まで5...4...3...2...1...0...。」
レーダー担当妖精のカウントが終了すると同時に現地ではミサイル同士が衝突し爆発を複数回発生させる。
レーダー妖精「弾着っ❗️」
提督、多田部「(予想以上か中華イージスッ⁉️)」
レーダーディスプレイを見ると敵味方を含むミサイルの反応は全て消失していた。全て撃墜されたのだ。「所詮中国製のコピーなんて」という予想に反して中国艦のイージスシステムはQFOPの空母航空隊の放った対艦ミサイルを全て撃墜してみせた。「これは予想より脅威的では❓」と思わざるを得なかった。
QFOP側空母航空隊
大鳳航空隊"ビーフェックス"
第1戦闘攻撃飛行隊
ビーフェックス1-2「隊長❗️全基落とされました❗️」
ビーフェックス1-3「ヒュ〜❗️やりますね〜中華イージス野郎も❗️」
ビーフェックス1-1「今度はそうはいかん、全機二波攻撃スタンバイ❗️」
第一波ミサイル攻撃を塞がれたがビーフェックス隊隊長のビーフェックス1-1は動じず第二波のミサイル攻撃を全機にスタンバらせる。しかし「敵機編隊、一時の方向❗️」と無線が入る。同じく攻撃隊として飛行する装甲空母 信濃の航空隊からだ。
同・信濃航空隊"シナノ"
第3攻撃飛行隊
シナノ3-1「シナノ3リーダーよりビーフェックス1リーダー。我が隊が引き受けます❗️攻撃成功を❗️」
そういうとシナノ隊全機は重い93式空対艦ミサイルを投棄し、迎撃に来た敵編隊を迎え撃つべく編隊から離脱する。
同・飛鷹航空隊"スカイグ"
第4戦闘攻撃飛行隊
スカイグ4-1「後輩ちゃんがカッコつけちゃってまぁ❗️」
同・隼鷹航空隊"ファイグル"
第5攻撃飛行隊
ファイグル5-1「イイじゃないの、そっちも気をつけてね❗️」
ファイグル5-2「隊長❗️敵艦からのミサイルです‼️」
後輩の航空隊の無事を祈ったのも束の間、敵艦からの迎撃ミサイルが飛来する。ロック音アラームが機内のディスプレイから鳴り響きパイロット妖精の隊長機は「ブレイク(散開)❗️※チャフ、フレア❗️」と僚機に伝え皆各自が回避行動を取るが...「ファイグル5-6、LOST❗️」「スカイグ4-4、撃墜❗️」、僚機から味方機撃墜の報せが入るのを聞き自身もいつ撃ち落とされるかという恐怖に操縦桿をグッと握りしめるパイロット妖精たち。
(※レーダー波を我慢するアルミ箔とネタ誘導ミサイルを欺瞞する偽の熱球)
中国新鋭空母機動部隊
旗艦 空母 山東
CDC
副長「艦長、敵編隊は我が方の護衛艦のみを狙って攻撃しています❗️どういうことでしょう❓」
リォウ「こちらの護衛艦を全て叩き。この"山東"を丸裸にしようとしているのだよ。」
冷静に分析してるリォウ艦長だが、その声には少し怒気が篭っているのを副長やその場にいるCDCのクルーも肌にピリリと感じ取る。
リォウ「この艦に白旗を上げさせるつもりか...ッ❗️」
次の瞬間、艦長は「くわっ」とした顔をして拳を椅子の手元をドンッ❗️叩いて言い放つ。
リォウ「各国の寄せ集めの国連のさらなる寄せ集めでできた海軍の一個艦隊如きが❗️我が中国の※天子(てんし)の様な振る舞いを‼️」
(※中国や日本で用いられた君主の称号。天命を受けて天下を治める者の意。)
滅多な事では声を荒げないリォウ艦長が怒りを露わにしてる事に副長とCDCのクルー達は汗を垂れ流して少しの間沈黙した。
リォウ「一機たりとも生かして返すな❗️このリォウの機動部隊を舐めたツケは死で払わせるんだ‼️」
怒り心頭なリォウ艦長は迫るQFOP空母航空隊を全滅させろと命じたその時だった。空母 山東の左翼を守る055型(南昌型)ミサイル巡洋艦の一隻に突如水柱が上がった。
山東CDCソナー手「109号、被弾❗️雷撃の模様‼️」
リォウ「なんだと⁉️」
QFOP第1艦隊
第1戦闘空母打撃群
汎用駆逐艦 DD-696 モーニング・グローリー
CIC
ソナー手「水中で爆発音を聴知❗️敵艦の一隻のスクリューに命中を確認、停止しました。」
艦長「潜水艦による雷撃か⁉️」
ソナー手「はい、他の艦も次々と被弾していきます❗️」
モーニング・グローリー(擬似艦娘)「ん⁉️」
突然の敵の被雷に「何が起きた」と思わずにはいられない艦長とCICクルーだが、擬似艦娘のモーニング・グローリーは何かを感じ取り艦長は「どうしたモグ❓」と尋ねる。
モーニング・グローリー(擬似艦娘)「音楽が...聴こえる。」
同・総旗艦 装甲空母 大鳳
CDC
大鳳「味方かしら❓それとも敵❓」
提督「分からん、深海棲艦に音楽が理解できてるかは分からんし仮に味方だとしても静かに聞き耳を立ててる潜水艦が自分の存在をバラす様な行為をするとは考えられない。」
モーニング・グローリーからの報告をにわかに信じられない大鳳と提督、提督の言う通り「海の忍者」たる潜水艦がそんな良く言えば大胆、悪く言えば愚策としか思えない様な手段をとる説明がつかない。
多田部「深海が「題◯のない音楽会」を知ってたらそれはそれで面白いけどな。ソナー、ヘッドセットを貸して。」
敵味方不明の存在にあっても多田部のジョークは健在であった。自分の耳で聴きたいとソナー妖精にヘッドセットを貸す様言い掛けて耳を澄ます。
多田部「こいつはマジですよ提督、大鳳。」
提督「何が聴こえる❓」
多田部「モーツァルトの交響曲第40番「疾走する悲しみ」だ。」
曲名を聞いた提督はその場で固まった。「提督、どうかしたの❓」と尋ねる大鳳に「なんでもないよ」と返す。だが心中は違っている。提督はどこか覚えがあるのだ。モーツァルトのその曲を愛する知り合いの1人の顔が頭に浮かぶが今は作戦に集中するのが先だしそっちのが大事だから「まさかな偶然だ」と自分に言い聞かせた。
QFOP側空母航空隊
ビーフェックス1-1「敵の動きが止まった❓チャンスだ❗️全機第二次攻撃‼️」
この機を逃すまいとQFOP合同空母航空隊は一斉に第二次攻撃の対艦ミサイルを全弾発射する。被弾した中国無人艦群は謎の潜水艦による攻撃の混乱の為に迎撃が遅れCIWS(近接防御火器)が弾幕を張るも時既に遅しで対艦ミサイルはVLSに次々と命中していった。被弾による火災が艦内に広がっていきAIはさらに混乱、ダメージコントロールで消火用のハロンガスを吹き掛けるも消火し切れず火の手が次から次へと違う箇所へ広がっていき文字通り"手の施し用がない"状態だ。最も無人艦なので最初から人の手など存在しないのだが...。
中国新鋭空母機動部隊
旗艦 空母 山東
CDC
AIモニター担当官「AIシステムが混乱をきたしています❗️ミサイル巡洋艦107から110号、ミサイル駆逐艦87、131、156、122号、ミサイルフリゲート艦607から610号全艦戦闘不能‼️」
「クソッ❗️」椅子の手元を叩くリォウ艦長。瞬く間に護衛の無人水上艦群は行動及び戦闘不能の浮かぶ火だるま屑鉄スクラップと化してしまった。
副長「艦長、もはや我が艦は裸同然...。」
リォウ「分かっている❗️...モニター官、護衛艦全てのAI稼働データを回収しその後自沈プログラムを送信しろ。」
AIモニター担当官「はっ。」
リォウ「現時刻を以って作戦を終了する。反転180°、基地に帰投する。(覚えているがいい、今度会ったときは...❗️)」
復讐(リベンジ)を誓い、リォウ艦長は作戦の中止と基地への帰投を命じた。
???潜水艦
発令所
???ソナー手「敵水上艦群、艦内に注水音。自沈のもよう。旗艦の空母は反転、基地への帰投コースに。」
海中で音楽(モーツァルト)を響かせ中国新鋭空母機動部隊を翻弄した謎の潜水艦は海上(うえ)の様子を確認していた。
???艦長「戦闘配置解除、諸君見事な働きだった。」
???副長「やりましたね艦長。」
???艦長「あぁ、我々の技量の前では"張子の虎"の艦隊など相手にならん。近年の中国とその軍事分野の急成長振りは目を見張るものがあるが、中身が伴っていなければ所詮この程度だ。」
中国に対する痛烈かつ情け容赦のない評価を下す艦長。中国海軍は近年に外洋海軍となって日が浅く乗員の練度も他国に比べれば低い、さらに国連に与せず深海棲艦との独自戦線を開いた事により艦のみならず人的喪失もあってただでさえ低い練度の更なる低下を招いている。それを解決する為の無人艦なのだろうが、「もはや人そのものが乗っておらず成熟しているとは言い難い現代のAI技術で操られる艦などに頼っているようでは中国も堕ちたものだ」という意味もこの台詞に込められている事を副長を始め他の乗員達も理解している。
???艦長「我々の任務は終わった。基地に帰投する。」
???「了解、反転180°。針路を佐世保に。」
QFOP 第1艦隊
旗艦 装甲空母 大鳳
CDC
レーダー妖精「中国艦隊旗艦の空母、反転します。"ノー・ブラッド"群、自沈していきます。」
多田部「引き返したみたいですね。」
提督「相手が利口で良かったよ。」
さすがに空母単艦で挑んでくるほど相手も愚かではなかった事に安堵する提督達。
提督「通信、音楽を流してた潜水艦はどうなった❓」
通信妖精「各艦からの報告なし、現在探知した艦はいません。恐らく既に海域を離れたと思われます。」
提督「そうか、ソナーは引き続き警戒を続けるように。」
音楽を掛けながら敵を動揺させこちらを助けるような行動、見事にスクリューのみを破壊し足を奪って去って行った。嵐の様にサッと現れパッと消える。何者か今は分からなかったが、一切無駄のない戦闘行動は見事としか言いようがないと提督は思うのだった。
提督「航空隊は❓」
大鳳「先程帰投しました。未帰還...12...。」
攻撃成功の代償が大鳳より知らされる。提督の顔を見やる多田部。提督は瞼を閉じ黙祷すると「機の補給とパイロットには休養を、報告は後で聞こう」と答えた。
多田部「やっぱり無傷ではいかなかったですね。」
提督「ビーフェックスや他の隊の皆も覚悟しての事だ。良くやってくれたよ。」
大鳳「そうね...。」
被害が少ない...いやそれ以前に出ないに越した事はないが、そうもいかないのが戦争で戦場だ。過去に※ほぼワンサイドゲームで終わった戦闘はあるがこれも完全に損害が皆無だった訳ではない(※例としてマリアナ沖海戦(1944年6月19日))。皆しばらく先の戦闘で戦死した妖精達の事に思いにふける。そして少し経って提督が口を開いた。
提督「あの曲の通りだな。」
大鳳「え❓」
提督「こうして深海棲艦という"人類共通の敵"という認識で通って相手をこうして国連の名の下に人類が力を合わせて戦ってるのに、それでも人類同士で争ってる。なんだか少し悲しいと思わない❓」
提督が思いを口にすると皆は言い切れぬ表情を浮かべて静まり返った。そしてQFOP第1艦隊は針路を変えて本来の作戦に戻ったのだった。
中国新鋭空母機動部隊との戦闘に決着が着きました。戦闘やセリフ/会話の大部分は「空母いぶき」原作第10巻をベースにしつつ、「ザ・ラストシップ」(旅洋Ⅲ型の艦番号の一部がシーズン3登場艦と同じなのと旅洋Ⅲ型がアーレイ・バーク級のコピー艦という設定)、「沈黙の艦隊」(「失踪する悲しみ」これだけでもうファンなら誰の事すぐ分かっちゃってますよねw.)、「機動戦士ガンダム」(提督の最後のセリフはワッケイン司令の「寒い時代だと思わんか❓」が元ネタ)、「宇宙戦艦ヤマト2」(「血の一滴も通わないメカニズムの結晶)、「宇宙戦艦ヤマト2199」(QFOP航空隊の損害機数が七色星団会戦でのヤマト航空隊と同じ)ネタをぶっ込んでいます。今回は敗北したリォウ艦長ですが、いつかまたリベンジしてきそうですね。QFOP側も謎の潜水艦による手助けがあったとはいえパイロット妖精12名戦死という結果となりました。最後の提督の台詞曰く「人類の共通の敵と戦ってる最中でも人間同士の戦いは起こる」というのは所謂「SFあるある」ですが、現実でも実際にこうなりそうなんですからなんともまぁという気持ちになります。