フルメタル・パニック! 鉄の女たち   作:砂岩改(やや復活)

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軽い説明回的なやつ





第2話

 

 

 転生してから一年と少し。

 1997年、2月。中東、ヘルマジスタン。紛争の絶えないこの国は絶好の稼ぎ場所だ。そのため、多くの傭兵たちが参入しているこの場所は最も情報が集まる場所と言っても過言ではない。

 

「くそっ、なんだこのガキどもはぁぁ!」

 

 最後の断末魔を響かせた男の顔面を蜂の巣穴にさせられ絶命する。レミントンは大きな盾を置くと一息つく。敵勢力の拠点を潰し、部屋をくまなく捜索してやっと終わる。

 

「状況しゅーりょぉー」

 

「任務成功!指揮官も喜んでくれるかなぁ」

 

「まぁまぁね、かなり場数を踏んできたけど。もう敵じゃ無くなってきたわね」

 

 敵の拠点に突入していたレミントンとUMP9、45は漁れるだけの資料を漁り出す。10分ほど捜索が続けられたが目的の資料は見つからずに思わずため息をつく。

 

「やはり、いい情報はないか」

 

「そんなことはないよ」

 

 45の言葉にM4 SOPMODIIは笑みを浮かべながら入室する。鋼鉄の手にはベットリと血が付着しており袖には脳らしきものもある。

 

「拷問したの?」

 

「ちょっと力入れすぎちゃった♪」

 

 ユイトたちが動き出しM4 SOPMOD IIたちが傭兵として売り出してから一年と少し、女しかいない傭兵組織《グリフィン》として名が知れてくると依頼の数も増え、依頼主が国であることも少なくなってきた。

 

「全く、それで…何か言ってたの?」

 

「うん、ウィスパードって知ってる?」

 

ーーーー

 

「ウィスパードか…」

 

「はい…聞き慣れない単語だったのでご報告をと」

 

 任務を終えて帰投中。輸送ヘリの中で報告を行ったM4A1は通信の向こうに居る優弥の声を聞き逃さないようにじっとする。

 

「ついに出てきたか…」

 

「知っているのか優弥」

 

「この世ならざる知識を持つ人間ってやつだな」

 

「ご苦労。帰投後、詳しい話を聞かせてくれ」

 

「分かりました」

 

 アラビア海の隅に隠れるように待機していたカリプソ。その上部飛行甲板には新たに手に入れたF-14が2機、搬入され大忙しだった。

 

「周辺に艦影なし。搬入作業、及び派遣部隊の収容は予定通りに行う。トムキャットの扱い、人選はサラトガに一任する」

 

 艦長席に座る長門は自分用の端末を操り、各員に対して指示を行っていた。偽装と言う最大のアドバンテージを失った艦娘たちは明石主導に建造された潜水艦の搭乗員として配置についていた。

 

「第二部隊も作戦を終え、帰投中だとよ」

 

「提督、またメッセージが来てるよ」

 

「イランからお気に入り認定されたな。顧客が増えるのは好ましいが」

 

 鈴谷から渡されたメッセージを手にして読む。

 

「人員不足だな」

 

「そうだな、長門。こっちの人数は俺含めて45人。軍隊としては話にならないな」

 

 潜水艦の細かいものに関しては妖精さんたちが対応してくれているがそれでも限界がやってくる。

 

(俺みたいなド素人についてくる人間なんか居ないだろうしなぁ)

 

 実際に一年間という期間を彼女たちと共にすごしてきたが優弥自信がなにかをするというのはなかった。

 戦いのたの字も知らない優弥に対して長門たちは歴戦の猛者と言っても良い。実力の差は歴然だった。

 

「優弥、そんな難しい顔するなって。私たちは指揮官と一緒に世界を救いに来たんだよ」

 

「M16A1…」

 

「彼女の言う通りよ優弥。あたしたちは貴方の持つ知識のお陰で迅速に事を成せてるわ。ヘルマジスタンにおける軍事商法は大成功。お陰でこっちはジェット戦闘機3機にサベージが4機も手に入ったわ」

 

 艦橋の下部に位置するCICから顔を出したアトランタは手にした資料を優弥に手渡しながら言葉を発する。

 

「人形ロボに戦闘機も持ってたらもう軍隊だな」

 

「原子力潜水艦を持ってる時点で普通じゃないでしょうよ。ウィック!」

 

 ジャックダニエルを空にしたM16A1は顔を真っ赤にしながらも思考を巡らす。

 

「でも本部としてはあの海底基地は文句なしだけど。地上の拠点も作った方が良いんじゃない?潜水艦を収容できる規模となると限られてくるけど」

 

「それは俺も考えてた。補給のために本部を往復してたらばれる可能性もあるからな」

 

「なにか考えがあるのか?」

 

「うん、使われなくなった石油プラットフォームを利用できないかと思って」

 

 発想としてはメタルギアのマザーベースだ。カリプソの補給と言う一点だけを突き詰めれば海洋プラットフォームは悪くない提案だ。

 海洋プラットフォームの処理はとにかく金がかかる。1995年の時点でプラットフォームの処理には約6000億ドルかかるとされている。人工漁礁としての転用も考えられているそうだがそれにしても全てを沈めると言う訳にはいかないだろう。

 

「確かに、補給物資を仮置きしておく分には良いかもしれないな。」

 

「まぁ、普通なら良いかもしれないけど。カリプソは秘密兵器だからなぁ。洋上プラットフォームみたいな目立つところに置いとくのは危険じゃないかな」

 

「確かにM16A1の言うとおりだな」

 

 カリプソは全長が495mと破格の大きさを誇る。世界でも最大全長を誇るオハイオ級原子力潜水艦ですら全長が約170mなのを見ればその異常とも言える大きさは分かるだろう。ちなみに現在建造中のトゥアハー・デ・ダナンは218mとなっている。

 

 

 空母能力も保有しているカリプソには必要な大きさであったがオーバーテクノロジー感は否めないが。

 

(エースコンバットをやってて造りました!)

 

 一隻にほぼ全ての能力を持たせようと参考にした例があれなのだから仕方がないと言えるのだろうが…。

 

「カリプソは潜水艦だが海上要塞としての能力も持っている。戦力としては問題ないわ、手間だけど現状維持が手堅いわね」

 

「基地を増やすと言うことは人員を割くことになるしね」

 

 実際にカリプソの元となったアリコーンは潜水艦と言うより潜水できる空母のような立ち位置であった。実際にカリプソも無数の格納式対空兵器郡を備えておりその対空能力は世界随一だろう。

 

「とにかく本部に戻ってサベージを明石に渡そう」

 

「そうだな、サベージの運用はM16A1に任せる」

 

「あぁ、それならもう割り振ってるよ。反逆小隊に任せた」

 

「あの暴れ馬たちに?」

 

「まぁ、私たちの言うことは聞かないけど。優弥指示には忠実だからね。良いんじゃない?」

 

 AK-12を隊長とする反逆小隊。実力としてはトップクラスを誇るこちらの主力陸戦部隊の一つだ。

 

「とにかく物は揃った。明石に頼りきりだが持ち帰って生産、出来ればこちらでカスタムしたいな」

 

「了解した、陸奥。部隊及び物資の受け取りはどうか?」

 

「完了したわ」

 

 オペレーター席に座る陸奥の報告で長門は号令を出す。

 

「機密隔壁閉鎖。メインベント弁とフラッドバルブを開け、メインバラストタンク注水、基地に帰投する」

 

「機密隔壁閉鎖。メインベント弁とフラッドバルブを開いて艦内のメインバラストタンク注水、艦主下げ2度。」

 

 操艦を担当している伊14は長門の指示通りに艦を操作する。潜水艦のケッコン艦が彼女しかいなかったための人選で最初は巨大すぎる船体をもて余していたが今や手足のように扱っていた。

 

ーーーー

 

 帰投後、明石に持っていかれたサベージ4機はしっかりとバラされていた。

 

「うーん。いいですね、サベージはガスタービンエンジンですか。単純な構造ゆえに手の加えがいがありそうです」

 

 完全稼働できるサベージが2機と下半身がないサベージが2機とお察しな構成だが明石にとってはそっちの方が都合がよかったようで。

 

「通信システムや火器管制システムを強化しつつ重装甲化を進めていきましょう。機動力も落としたくないからエンジンも強化して…優弥提督が持ってきてくれたスマホに良いのがありますね。これを採用しましょう!」

 

 ズボンの中に突っ込んであったスマホはこの世界ではまだ使えなく、無用の長物となってしまったのだが中に入っていたデータは明石の貴重な参考データとなっていた。

 

「まぁ、うまくやってくれそうだな」

 

「せっかく与えてくれた機体。しかも彼女の改造を施すのね。興味がそそられるわ」

 

 優弥と基地の格納庫に来ていたAK-12は楽しそうに微笑む。

 

「改造機は特務任務に使用するつもりだ。戦力も整って来たしそろそろ裏の世界に参入する」

 

「ふふっ、やっとね」

 

「お前たちの部隊は主にウィスパードに関する情報を集めてほしい。分かっているのは1981年生まれの人間が多いと言うぐらいだが…」

 

「それだけ分かっていれば十分よ。指揮官みたいな年代で特異な能力を持つ人間ね」

 

「頼むわ」

 

「えぇ、任せなさい」

 

 不適な微笑みを続けるAK-12を眺めながら静かに優弥も微笑むのだった。

 

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