昼休み、飯を食べ終わったヨコヅナには日課がある。
それは昼寝だ。場所は花壇広場だったり屋上だったりその時の気分による。
以前昼休みに紋白達がクラスにやって来た時、ヨコヅナが時間を潰されるのを嫌がっていたのはこれが理由である。
その日は花壇広場の脇にあるベンチで昼寝をしていた。
キーコーカーコーンと予鈴の鐘で、ヨコヅナの意識が目覚めると、
「ふぁ~。……ん?」
お腹に何かが乗ってる事に気づく。
「ヨコ、予鈴がなったぞ、早く起きよ。ペシペシ」
そう言ってお腹に乗りながらヨコヅナの顔を叩くのは…
「紋様、そんなところで何してるだ?」
つい先日雇い主になった紋白だった。
「我は清楚と話をしにな。座ろうと思ったらデカい図体でベンチを占領する奴がいるから、仕方なく上に座ったのだ」
「ベンチは他にもあるだよ」
花壇広場にはベンチが多く設置してあり、昼寝も許可されているからヨコヅナも昼寝場の一つにしているのだ。
「紋ちゃんがお腹に乗っても起きないなんて凄いね」
そう言ったのは葉桜清楚。よく花壇の水やりをしているのでヨコヅナとは顔見知りである。
「紋様は軽いべからな」
ヨコヅナは紋白が落ちないように抱えつつ、立ち上がり紋白を自分の肩へと乗せる。
「おぉっ!フハハハハ、これは良い眺めだ」
「じゃあ、このまま教室にもどりますだよ」
起きてすぐはタメ口だったが雇われる身の為、敬語っぽい口調になるヨコヅナ。
「うむ、行けいヨコ。フハハハハ」
「紋様を落としたら、命も落とすと思え赤子」
ヒュームが一瞬で現れて、怖い事だけ言って一瞬で消える。
「気をつけますだ…」
紋白を乗せながらでも、全く揺らぐことなく普段通りの歩みを進めるヨコヅナ。
「そう言えば井ノ中君、九鬼に雇われることになったんだってね」
「そうだべ。葉桜先輩も九鬼の関係者だったべな」
「そうだよ。これから宜しくね」
「よろしくだべ。まぁでも具体的に何するかは、まだ決まってないんだべがな」
仕事の時に清楚と関わることはあるのだろうかと、ヨコヅナが思っていると…
「いや、ヨコの初出勤日と初業務は決まったぞ」
「決まったですだか…」
「うむ。今度の三連休。泊まり込みになるが、衣食住含め必要なものは全てこちらで用意するから手ぶらでも構わん」
「分かりました。それで何するんですだ?」
「世間一般で言うところの社員研修だな」
新しく雇うヨコヅナに研修を行う、普通の事ではあるが、
「あれ、……今度の三連休で行われる研修って…」
「うむ、九鬼家従者部隊の研修だ」
九鬼家自体が普通ではない。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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