「そんな感じで、大変な三日間だっただよ」
九鬼家の研修を終えた翌日、昼休みにヨコヅナは学園の食堂で、
「さすが世界の九鬼財閥ですね」
「社員満足度が高いって聞いてるけど、やっぱり厳しんだね」
「学園に現れる執事やメイドを見れば、普通でない事ぐらい分かるじゃろ」
由紀恵、伊予、さらに不死川心を含めた4人で昼食をとっていた。
「三人はスタンプラリーに参加してたんだべな」
「はい、そのおかげで不死川先輩とお友達になれました」
「う、うむ。まぁ、そうじゃな、言葉にするとむず痒いが…」
「私はまゆっちの応援で参加はしてないけどね」
ヨコヅナが研修を受けていた三連休に川神スタンプラリーが開催され、参加した二人はトップ争いをしたそうだ。
由紀恵は2位、心は3位。その後、心が欲しかったスタンプラリーの景品を由紀恵が分けてあげたのがきっかけで、友達になったそうだ。
「1位は忍足先輩だべか。用事ってスタンプラリーの事だったんだべな…」
「にょほほほ、1位の景品が市長の胸像と知った時の九鬼の顔は見ものじゃったの」
「あのサプライズは驚きでしたね」
「関係あるか分からないけど、あの日の晩から市長が入院したんだって」
入院した市長はうわ言で、「メイドが…メイドが…」と呟いているらしい。
「それにしても、あの不死川先輩と昼食を一緒にする日が来るとは思わなかっただな…」
「……此方のこと覚えておるのか?」
「事前に、「不死川家のお嬢様が見学に来る」ってみんな騒いでたから印象に残ってるだよ」
「ヨコヅナ君と不死川先輩はお知り合いだったんですか?」
昔通ってた相撲部屋に、心が見学に来たことがあるのを説明するヨコヅナ。
「学園でも先輩は目立ってたべから、すぐ思い出しただよ」
「にょほほほ、此方の高貴な雰囲気は否応なしに目立ってしまうからの」
「着物だからだと、九十九神は推理するんだぜ」
「それだけではありませんよ松風。やっぱり不死川先輩の醸し出す雰囲気は他の人とは違います」
「そうじゃろ、にょほほほ」
「不死川先輩がお勧めの食堂のうどんも美味しいしね」
「ほんと美味いだな。食堂はあまり来ないから知らなかっただ」
「普段は蕎麦ですが、私も今日はうどんです」
「まゆっちは場の空気を読めるんだぜ!」
「でも不死川先輩が言う通りとても美味しいです」
「そうじゃろ、そうじゃろ、にょほほほ。今日は此方の奢りじゃ、たんと食べるがよい」
先輩と呼ばれ、後輩によいしょされて、心はとても上機嫌だ。
御三家の一つである不死川家の娘であり、着物と高慢な性格なので一年生から近づき難い先輩と思われているが、
「今後も困った事があれば、此方に頼って良いぞ。にょほほほ!」
寧ろチョロい先輩であった。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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