真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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31話

 川神学園の放課後、

 

「我が学園の優秀な生徒をスカウトをしているのは知っているな、ヨコ」

「まぁ、オラもスカウトされた身ですべからな」

 

 ヨコヅナは紋白を肩に乗せながら廊下を歩いていた。

 因みに後ろから、

 

「お供いたします紋様」

「紋様、乗るのでしたらどうか俺に、俺の肩に…」

 

 ムサコッスと準もついて来ている。

 

「ついて来るのは良いが騒ぐなよムサコッス」

「分かりました紋様」(私ってそんなに騒がしいかな?…」

「井上、お前の肩では狭いし安定もしなさそうだ」

「では四つん這いになりますので、どうか背中にお乗りください!」

「乗らぬ、我は雇っていない相手に乗ったりせぬ」

「ぐっ……九鬼に雇われれば紋様に乗ってもらえる……でも、俺には若の葵紋病院が……畜生俺はどうすればいいんだ~」

 

 悩むロリコンは放っておいて、

 

「話を戻すが、ヨコは良い人材を知らないか?」

「……オラが紹介出来るとしたら……まゆっちは前に勧誘してましただな」

「うむ、答えは保留だがな……一年はだいたいスカウトし終わった」

「上級生だべか……それなら熊飼先輩ですだな」

「料理部の熊飼満にはもう声をかけたぞ。食のスペシャリストという噂も聞いていたからな」

「熊飼先輩も勧誘済みだべか……他に紹介できる先輩だと…」

 

 

 

「それで何で俺のところに来んだよ、ボケ」

 

 ヨコヅナが紹介したのは忠勝だった。

 

「こんな感じで口は悪いだが、源先輩は良い人だべ」

「うむ、源忠勝は我も気になっていた。宇佐美代行業を辞めて九鬼に来る気はないか?」

「ねぇよ。スカウトなら他をあたれ」

 

 当然忠勝はスカウトを断る。

 

「源先輩はツンデレだべから、素直には応じないだよ」

「誰がツンデレだ、殺すぞ」

「金で簡単に動く男にも見えぬしの」

「九鬼財閥なら、宇佐美代行業ごと買い取るとか出来るんじゃないだか…」

「フハハハハ、余裕で出来るぞ」

「何堂々と乗っ取る話をしてんだ、コラ」

 

 目の前で会社の乗っ取りの話をする二人に、怒鳴る忠勝。

 

「俺の事より、井ノ中はさっさとウチを辞めて、九鬼の仕事に専念しやがれ。お前の夢を叶えるにはそれが正しい事なんだよ」

「こんな感じで、人手が足らなくて苦労することは分かってるのに、後輩の夢を応援してくれる良い先輩なんだべ」

「勘違いすんじゃね。お前のちゃんこ鍋の味を見込んでるから言ってやってんだよ」

 

 忠勝も歓迎会の時にヨコヅナのちゃんこ鍋を食べたからこその発言だが、もはやツンデレのツンの部分が無い。

 

「うむ……今すぐ、決める必要はない、名刺を渡しておくぞ」

「いらねぇよ。九鬼に雇われる気はねぇつっんてんだろ」

「まぁまぁ、このご時世、会社が潰れることも少なくないだよ」

「ウチは潰れねぇよ。余計なお世話だ」

「分からんぞ。突然、宇佐美代行業の隣に九鬼代行業が出来るかもしれぬしな」

「お前が潰す気じゃねぇか!」

「何かあったらいつでも連絡してくるが良い。行くぞヨコ、とう、フハハハハ」

 

 紋白は押し付けるような形で名刺を渡し、ヨコヅナの肩に飛び乗って笑いながら忠勝の前から去っていった。

 

()()()()()()、か……たく、気にすることねぇつってんのに…」

 

 スカウトと称していたが、ヨコヅナの件は宇佐美代行業から九鬼財閥が人材を引抜くようなものなので、その詫びもふくまれていることを、忠勝はちゃんと分かっていた。

 

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
 
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