場所は九鬼のビル
「久しぶりだな。家族が集合するのは」
「帝様が忙しすぎるのです。もう少し部下に任せては…」
九鬼帝が帰ってきたので、局、揚羽、英雄、紋白は家族団欒で食事をしていた。
帝が子供達に成長したなと声をかけていく。
そんな家族の会話の中で、
「紋も異性の執事をつけて囲って構わないぞ。男を喰らいより力をつけろってやつだな」
帝のそんな豪胆な発言も飛び出す。
「我は小十郎を喰らってなどおりません」
「我も、あずみに手を出しておりません」
従者を喰らう発言に、揚羽や英雄が異議を言って、少し話がズレる間に……
(……異性の執事か……あ!)
紋白の頭に最近雇った同級生が浮かぶ。
「父上、付けるのは既存の従者部隊からでなくても宜しいですか?」
「おっ、あえて従者部隊以外を選ぶとは面白いな。どいつだ?」
「井ノ中ヨコヅナと言いまして、我と同じ学園一年生なのですが、最近アルバイトとして雇いました」
「…さすがにバイトじゃ俺のところに……いや、待てよ。この間の研修を最後まで残ったっていう学生か?」
「父上もご存じでしたか!根性試しに参加させたら最後までやり遂げました」
「そうか。……まぁ、俺が聞いてたのは、ヒュームがやらかしたって話をだがな……ヒューム」
名前を呼ばれて、シュタッ、とヒュームが帝の後ろに現れる。
「お呼びでしょうか帝様」
「お呼びだよ、さらに、激おこぷんぷん丸だぞ俺は」
口ではそう言っているが、帝は楽しそうに笑っている。
「年甲斐もなく張り切って、研修を滅茶苦茶にしたそうじゃねえか、弁明はあるか?」
「弁明も何も、滅茶苦茶になどしていません」
「百人近い参加者で、最後まで残ったのがたった6人だってのにか?いつもは少なくても半分は残るだろ」
「帝様もお聞きになった通り、学生のバイトですら残っているのです。脱落したのが、根性のない赤子共だった。と言う事であります」
自分の非を認めようとしないヒューム。
「ははっ!じゅあ証人に聞いてみようじゃねえか。あずみ、ステイシー」
「「はっ、帝様」」
名前を呼ばれて、あずみとステイシーも現れる。
「二人も研修の監督官だったんだろ。説明頼む」
「「畏まりました」」
まず、あずみが一歩前に出る。
「私が監督を務めていました一日目では脱落者は2名、この時点では優秀な方だと評価しておりました。二日目からは私は別の業務の為、ヒューム卿と交代して一時離れましたので続きはステイシーから」
入れ替わるようにステイシーが前に出る。
「ヒューム卿は研修で、
丸太を担いで斜面を登る相手に上から衝撃波を当て叩き落とし。
泥の中を匍匐前進している相手の背中に飛び乗って、頭を踏みつけ。
勝手にメニューを格闘訓練に変更して、一人一人にジェノサイドチェーンソー。
控えめに申しましても……鬼畜の所業です」
鬼畜とまで称するステイシーだが誰も否定しない。
「って言ってるが、違ってる部分はあるかヒューム?」
「………まぁ、
「
「ぐっ…」
いつも偉そうに説教するヒュームが厳罰されるのを見て、
「よっしゃ!」
隠すように小さくガッツポーズをとるあずみと、
「ロックンロール!!」
盛大に腕を掲げるステイシーだった。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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