真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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32話①

 場所は九鬼のビル

 

「久しぶりだな。家族が集合するのは」

「帝様が忙しすぎるのです。もう少し部下に任せては…」

 

 九鬼帝が帰ってきたので、局、揚羽、英雄、紋白は家族団欒で食事をしていた。

 帝が子供達に成長したなと声をかけていく。

 そんな家族の会話の中で、

 

「紋も異性の執事をつけて囲って構わないぞ。男を喰らいより力をつけろってやつだな」

 

 帝のそんな豪胆な発言も飛び出す。

 

「我は小十郎を喰らってなどおりません」

「我も、あずみに手を出しておりません」

 

 従者を喰らう発言に、揚羽や英雄が異議を言って、少し話がズレる間に……

 

(……異性の執事か……あ!)

 

 紋白の頭に最近雇った同級生が浮かぶ。

 

「父上、付けるのは既存の従者部隊からでなくても宜しいですか?」

「おっ、あえて従者部隊以外を選ぶとは面白いな。どいつだ?」

「井ノ中ヨコヅナと言いまして、我と同じ学園一年生なのですが、最近アルバイトとして雇いました」

「…さすがにバイトじゃ俺のところに……いや、待てよ。この間の研修を最後まで残ったっていう学生か?」

「父上もご存じでしたか!根性試しに参加させたら最後までやり遂げました」

「そうか。……まぁ、俺が聞いてたのは、ヒュームがやらかしたって話をだがな……ヒューム」

 

 名前を呼ばれて、シュタッ、とヒュームが帝の後ろに現れる。

 

「お呼びでしょうか帝様」

「お呼びだよ、さらに、激おこぷんぷん丸だぞ俺は」

 

 口ではそう言っているが、帝は楽しそうに笑っている。

 

「年甲斐もなく張り切って、研修を滅茶苦茶にしたそうじゃねえか、弁明はあるか?」

「弁明も何も、滅茶苦茶になどしていません」

「百人近い参加者で、最後まで残ったのがたった6人だってのにか?いつもは少なくても半分は残るだろ」

「帝様もお聞きになった通り、学生のバイトですら残っているのです。脱落したのが、根性のない赤子共だった。と言う事であります」

 

 自分の非を認めようとしないヒューム。

 

「ははっ!じゅあ証人に聞いてみようじゃねえか。あずみ、ステイシー」

「「はっ、帝様」」

 

 名前を呼ばれて、あずみとステイシーも現れる。

 

「二人も研修の監督官だったんだろ。説明頼む」

「「畏まりました」」

 

 まず、あずみが一歩前に出る。

 

 

「私が監督を務めていました一日目では脱落者は2名、この時点では優秀な方だと評価しておりました。二日目からは私は別の業務の為、ヒューム卿と交代して一時離れましたので続きはステイシーから」

 

 入れ替わるようにステイシーが前に出る。

 

「ヒューム卿は研修で、

 丸太を担いで斜面を登る相手に上から衝撃波を当て叩き落とし。

 泥の中を匍匐前進している相手の背中に飛び乗って、頭を踏みつけ。

 勝手にメニューを格闘訓練に変更して、一人一人にジェノサイドチェーンソー。

 控えめに申しましても……鬼畜の所業です」

 

 鬼畜とまで称するステイシーだが誰も否定しない。

 

「って言ってるが、違ってる部分はあるかヒューム?」

「………まぁ、()()()ばかり厳しかった、()()しれませんね」

()()()でも、()()でもねぇよ。ヒュームは減給な」

「ぐっ…」

 

 いつも偉そうに説教するヒュームが厳罰されるのを見て、

 

「よっしゃ!」

 

 隠すように小さくガッツポーズをとるあずみと、

 

「ロックンロール!!」

 

 盛大に腕を掲げるステイシーだった。

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
 
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