真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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本日は、20時過ぎにもう一話投稿します。


34話②

 あずみ達が会議を終了し鍛錬場に向っていると、ドゴっ!と外まで音が聞こえてきた。

 

「ヒュ~!、激しくやってるっぽいな」

「厳しいのは常ですが、新人に怪我させてなければ良いのですが…」

「本当ですね、新人虐めはいけないと母も言ってました」

「口が笑ってますよ桐山。紋様もいるはずですから皆加減してますよ」

「…にしても、鍛錬場の防音はしっかりしてるはずだが…」

 

 あずみが少し疑問に思いながら鍛錬場の扉を開けようとした時、先に内側から誰かが扉を開ける。

 

「ん…貴様ら会議は終わったのか?」

 

 鍛錬場から出てきたのはヒューム。

 

「はい、紋様の専属の議題もあったので最後に見学をと思いまして」

「そうか……まぁ、都合がいい」

「……あの、それは?」

 

 あずみがそれと言ったのは、ヒュームの両手にぶら下げている従者二人。

 

「新入りを〆ようとして、逆に〆られた無様な赤子だ……全く何度俺を医務室に行かせつもりだ」

 

 愚痴を言いながらヒュームはシュパッと姿が消える、医務室へ向かったのだろう。

 

 空いた扉から鍛錬場に入ると、

 鍛錬場の真ん中でヨコヅナが従者の一人と対峙していた。

 

「すでにボロ雑巾、はねぇみたいだな」

「おぉ、あずみ達来たのか、会議は終わったのか?」

 

 鍛錬場に入って来たあずみ達に紋白が話しかける。

 

「はい紋様。最後の議題は紋様の付き人の件だったのですが、要観察という事になり訓練を見にきました」

「そうか、間に合って良かったな」

 

 紋白の「間に合った」の言葉はつまり、もうすぐ終わりだったということだ。

 時間的にはまだまだ余裕がある、余裕がないのは、

 

「……この格闘訓練に参加の従者は20人のはずですが…1人だけ?」

 

 鍛錬場にいる従者はヨコヅナと対峙している者だけであった。

 

「他は医務室へヒュームが運んだぞ」

 

 ヒュームは愚痴通り何度も鍛錬場と医務室を往復していた。

 つまり、新人に逆に〆られた無様な従者は19人いると言う事だ

 

「紋様が目をかけているだけの事はあるということですか…」

「目をつけたのは料理の腕だったのでは?」

「それだけなら、専属にはしないでしょ」

 

 シュタッとヒュームが鍛錬場に戻ってくる。

 

「待たせたな、はじめていいぞ」

 

 鍛錬場の中央でヨコヅナと対峙する従者に注目するあずみ達。

 

「相手はドキューか」

「ドキュー君は紋様の専属になりたいを前から言っていましたからね」

 

 ヨコヅナが相対しているのは九鬼従者部隊序列800位 ドキュー・レジュメ。今日は集められた従者の中でもっとも順位が上だ。

 ドキューは紋白を至高の存在だと思っており、専属従者になる事を目指して頑張っていた。

 いかに帝の決定であろうと、ヨコヅナが紋白の専属になることを認められず、反対している従者の一人である。

 

「いつでもいいだよ」

「チっ、生意気な奴だ……言っておくがこのルールで貴様が勝っても」

「戯言は止めろ赤子。ルールを承知の上でここ来たのだろう」

 

 訓練でのヨコヅナとの勝負には、特別なルールが存在する。

 

 ・素手の格闘、反則は目つぶし、金的、噛みつき。

 

 ・土俵と同じ広さに床に張ったテープの中で戦う。ただし、ちょっと足が出るぐらいなら負けにはならない。

 

 ・足の裏以外が地についた時点で負け。

 

 ・勝負はヒュームの監督下でのみ。

 

 相撲を元にしているのでヨコヅナに有利のルールだが、学生相手だから誰も否定しなかった。訓練が始まるまでは…

 

「ぐっ…はい」

 

 ヒュームの叱責を受け、構えを取るドギュー、構えのベースはキックボクシングで小刻みにステップを踏んでいる。

 それに対してヨコヅナは手合の構えではなく、両手を開いて腕を胸前に上げ、腰は少し落としてドッシリとした構えをとった。

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
 
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