真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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34話④

 ドキューとの勝負が終わったので、

 

「忍足先輩、こんにちはですだ」

 

 あずみに挨拶するヨコヅナ

 

「おう、頑張るみてぇだな」

「なかなかロックは試合だったぜヨコヅナ」

「……ステイシーさんもお久しぶりですだ」

「なにちょっと嫌そうな顔してんだ、おい」

「お願いだから、今の状態でオラを撃たないでくれだべ」

 

 研修の時ヨコヅナはステイシーに何度かゴム弾で撃たれており、正直苦手意識がある。

 

「そんなケツ丸出しで何言ってんだ、誘ってんだろ~」ガチャ

「何も誘ってないだよ!?」

 

 今さらになるが、ヨコヅナは褌一丁だ。だがそれを咎める者も奇異の目で見る者もここにはいない。

 別にヨコヅナという名前だからでも、相撲を習っていたと知っているからでもない。

 褌で鍛錬する者が九鬼家にはいるからだ。

 

「今後関わる事もあるだろ、他の者も挨拶しとけ」 

「私は李静初と申します」

「桐山鯉、マザコンです」

「武田小十郎と言います」

「井ノ中ヨコヅナですだ、よろしくお願いしますだ………マザコン?」

 

 桐山の発言に首を傾げたが、とりあえず自己紹介はすむ。

 

「それで……まだ続けるだか?」

 

 ヨコヅナは倒れているドキューに聞く。

 

「う、…グ…」

 

 頭から強く叩きつけられたが、鍛錬場の床は頑丈ではあるものの、割れないように多少の弾力性がある為ドキューは気を失ってはいない。

 とは言えダメージは大きく、立ち上がるのもやっとと言った感じだ、

 正直に「()める」と言いたいのだが、

 

「まさか、()めるなどと言わないだろうな赤子」

 

 それは許されない。というかヒュームが許さない。

 

「先の試合時間はたったの20秒弱、学生相手に情けないと思わないか、あぁん?」

「つ、つ続けま、す」

「はぁ~、分かっただ」

 

 ドゴォン!!

 

 バガァン!!

 

 ボゴォン!!

 

 その後三回程試合をし、ドキューは立てなくなる。

 

「また医務室か、まったく情けない赤子共だ」

 

 ドキューを医務室へと持っていくヒューム。

 

「テメェが強要したからじゃねぇか、ファック」

 

 ステイシーの言う通りヒュームが続行を強要しなければ、少なくともドキューは自分の足で医務室に行けたはずだし、参加した20人全員が医務室送りという事態にはならなかっただろう。

 だがヒュームだけが悪いとも言えない。

 

「つっても、最初の膝蹴り以外何も出来てないに等しいからな、情けないと言われても仕方ないだろうよ」

 

 もし、あずみがヒュームの代わりをしていたとしても、一度負けた程度で()めるなど許さなかっただろう。

 

 

「紋様、今日の格闘訓練は終わりですだか?」

「そうだな……20人では少なかったか…」

「数よりも重さだべかな…従者に太った人は少ないんだべか」

「……唯の警備、護衛にならたくさんいるが、従者にヨコのような立派な腹をした奴はおらんな」

「それなのに、オラは従者で良いんですだか?」

「うむ、父上から好きにして良いと言われておるからの……それじゃ終わりにするかの」

「あ、少し一人稽古したいんですだが?」

「別に構わんが、何をするのだ?」

「せっかく大きな鏡があるから型を見たいだ」

 

 そう言ってヨコヅナは鏡の前で、自分の姿を見ながら、

 股を広げて腰下ろし、そして片足を高々と、足の裏が天に向くほど高々と上げ、強く地面を踏む。

 ズドーンっと四股を踏む音が響く。

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
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