ドキューとの勝負が終わったので、
「忍足先輩、こんにちはですだ」
あずみに挨拶するヨコヅナ
「おう、頑張るみてぇだな」
「なかなかロックは試合だったぜヨコヅナ」
「……ステイシーさんもお久しぶりですだ」
「なにちょっと嫌そうな顔してんだ、おい」
「お願いだから、今の状態でオラを撃たないでくれだべ」
研修の時ヨコヅナはステイシーに何度かゴム弾で撃たれており、正直苦手意識がある。
「そんなケツ丸出しで何言ってんだ、誘ってんだろ~」ガチャ
「何も誘ってないだよ!?」
今さらになるが、ヨコヅナは褌一丁だ。だがそれを咎める者も奇異の目で見る者もここにはいない。
別にヨコヅナという名前だからでも、相撲を習っていたと知っているからでもない。
褌で鍛錬する者が九鬼家にはいるからだ。
「今後関わる事もあるだろ、他の者も挨拶しとけ」
「私は李静初と申します」
「桐山鯉、マザコンです」
「武田小十郎と言います」
「井ノ中ヨコヅナですだ、よろしくお願いしますだ………マザコン?」
桐山の発言に首を傾げたが、とりあえず自己紹介はすむ。
「それで……まだ続けるだか?」
ヨコヅナは倒れているドキューに聞く。
「う、…グ…」
頭から強く叩きつけられたが、鍛錬場の床は頑丈ではあるものの、割れないように多少の弾力性がある為ドキューは気を失ってはいない。
とは言えダメージは大きく、立ち上がるのもやっとと言った感じだ、
正直に「
「まさか、
それは許されない。というかヒュームが許さない。
「先の試合時間はたったの20秒弱、学生相手に情けないと思わないか、あぁん?」
「つ、つ続けま、す」
「はぁ~、分かっただ」
ドゴォン!!
バガァン!!
ボゴォン!!
その後三回程試合をし、ドキューは立てなくなる。
「また医務室か、まったく情けない赤子共だ」
ドキューを医務室へと持っていくヒューム。
「テメェが強要したからじゃねぇか、ファック」
ステイシーの言う通りヒュームが続行を強要しなければ、少なくともドキューは自分の足で医務室に行けたはずだし、参加した20人全員が医務室送りという事態にはならなかっただろう。
だがヒュームだけが悪いとも言えない。
「つっても、最初の膝蹴り以外何も出来てないに等しいからな、情けないと言われても仕方ないだろうよ」
もし、あずみがヒュームの代わりをしていたとしても、一度負けた程度で
「紋様、今日の格闘訓練は終わりですだか?」
「そうだな……20人では少なかったか…」
「数よりも重さだべかな…従者に太った人は少ないんだべか」
「……唯の警備、護衛にならたくさんいるが、従者にヨコのような立派な腹をした奴はおらんな」
「それなのに、オラは従者で良いんですだか?」
「うむ、父上から好きにして良いと言われておるからの……それじゃ終わりにするかの」
「あ、少し一人稽古したいんですだが?」
「別に構わんが、何をするのだ?」
「せっかく大きな鏡があるから型を見たいだ」
そう言ってヨコヅナは鏡の前で、自分の姿を見ながら、
股を広げて腰下ろし、そして片足を高々と、足の裏が天に向くほど高々と上げ、強く地面を踏む。
ズドーンっと四股を踏む音が響く。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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