真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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36話⑥

 うおぉぉぉ!!

 

 多く観客の想像を覆す、羽黒の快進劇に会場が沸く。 

 だが、同時に「反則だろ!ラリアットなんて」「殴ったら駄目なのでしょ!」と苦情も飛んでくる。

 しかし、審判の鉄心は、

 

「OKじゃ!羽黒、障害クリア」

 

実況百代『審判は羽黒のラリアットを()()()()()()()()()()()()()()()()()と判断したようだ!!』

解説ルー『ラリアットを反則にしたら、義経が体当たりで肩からぶつかったのも反則にしないといけないからネ』

 

「よっシャー!」

 

 羽黒はガッツポーズをとり、タスキを第二走者に渡す。

 

「頼むぜ、アタイのリード無駄にすんなよ」

「陸上部の僕に任せたまえ!」

 

 2-Fがリードしそうな状況に、2-S陣営から、

 

「待つのじゃ、マントマンの実力に差があり過ぎる、不公平じゃろ!」

 

 とクレームがでる。

 羽黒の策がはまり、ラリアットが的確に決まったとはいえ、2-Fのコースを塞いでいたマントマンはあっさり倒れすぎだと誰もが思う。

 他の生徒からも「そうだ、そうだ!」「公平な勝負にしろ!」と声をあがるが、

 

実況百代『マントマンは二人とも体が大きいだけで適当に選ばれた学園の一年男子生徒だ……それは間違いない』

解説ルー『マントマン二人の体重はほぼ同じネ。2-Sを不利にしょうなんて考えは一切ないヨ』

 

 百代とルーの言う通り、マントマンは体が大きいから適当に選ばれた一年の男子生徒、二人とも体重は135㎏前後でほぼ同じだ。

 障害物に協力してくれる生徒を選んだ委員の者に他意は一切ない、マントマンに実力差があるのは全くの偶然。

 だから…

 

「レース続行じゃ!」

 

 審判の鉄心はクレームを受け入れずレース続行を宣言する。

 

 2-Fの走高跳び屋がタスキをつけ、走り出す。

 

実況百代『2-Fがリードで第二走がスタート。一つ目の障害物は、網潜り抜け、これも定番の障害物だな』

解説ルー『地味だけど確実に進める障害物だネ』

 

 地面に敷かれた網の下に潜り、匍匐前進の様にして前に進む障害物。普通にやれば足が止まる障害ではないので確実にリードを広げられる。

 

「走り高跳び屋で陸上部の僕の特技が活かせない…」

 

 逆に普通の学生ではあまり得意不得意の差も出ない。

 

 

 2-F陣営

 

「さっすが羽黒、ヒールレスラーの娘なだけあるね!」

「羽黒ちゃん、カッコイイです!」

「頑張れ!陸上部の……名前何だっけ?」

「俺様も知らんが…それより義経は後何秒止まってるんだ?」

「あのマントマンが倒されなければ、20秒近く止まってるはずだけど…」

「相手は2-Sだ、少しでも差を開けときたいところだな」

「一分間耐えきるぜ、あのマントマンは。俺の勘がそう言っている!」

 

 

 

 

「あわわわぁ…」

 

 追い抜かれ、どんどん差を広げられてるのに自分は進めいない状況に焦る義経。

 

「ど、どうしたら……」

 

 いくら押しても動かない相手に、どうしていいのか分からなくなり、

 その結果、

 

「ご、ごめん!」

 

 義経が導き出した答えは、マントマンのお腹に手を添え、

 

「源氏式、発勁!!」

 

 ブォンッ!

 

「ぐぇっ」

 

 人体からとは思えない衝撃音が会場に響く。

 

 

 2-S陣営

 

「おいおい、義経のやつ、発勁喰らわしたぞ。体育祭で使っていい技じゃねぇだろ!」

「先行してたのに逆転されたうえ、進めない状況にテンパっちゃったみたいだね。でもまぁ、発勁も手の平で押してるように見えるから、反則じゃないよね」

「発勁ですか…中国拳法の技でしたっけ」

「内部破壊を目的とした打撃技とかだったはずだ」

「義経の様子を見るに、本気の発勁であろうな」

「それを喰らって立っていられる一年は5人もいないと思われます」

「……お主ら、なんだかんだ言っとるが…マントマン倒れておらんじゃろが!」

 

 発勁は強力な技だ、素手の義経が使える必殺技の一つと言える。

 そんな一撃を喰らった2-Sのコースを塞ぐマントマンは…

 

「痛いだな、お昼に食べたモノを吐きそうになっただ」

 

 そう言ってお腹を摩るだけだった。

 

「何…だと…!?」

 

 義経はまだ先に進めない。

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
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