実況百代『またも、試合が決定したぞ。燕VS忍足だ!』
解説ルー『忍足のダメージがどれだけあるかが肝だネ』
対面して立つ松永と忍足。
「そんな状態で勝てる算段があるのかな?」
「負けるつもりで戦うほど、私は酔狂ではありませんよ」
二人が張り付けたような笑顔で会話する間で、
「両者構えて…」
鉄心が合図をだし、
「はじめっ!!」
試合が始まる。
開始と同時に前に出たのは燕、あずみのダメージを考えれば当然。
それに対してあずみは、
「プッ!」
口から何かを高速で飛ばす。
燕は何を飛ばしたのか見えないが足を止め、咄嗟に目を腕でかばう。
その腕に小さいものが当たった。
忍者には口に入れた針や鉛玉を飛ばす技がある。
だが、この試合は武器の使用は禁止のルール。
一瞬視線を審判の鉄心に向けるが、動こうとはしない。
つまりは、反則ではないと言う事だ。
「……なるほど」
一人何かを納得する燕。
「学長、今何か飛ばし」
「大和君必要ないよ」
大和は、あずみが何かを飛ばしたことは分かった為、鉄心に抗議しようとしたが燕が止める。
「何を飛ばしたのか、知りたいですか?」
「ううん、時間ないから説明はいらない」
そう言うと同時に、燕は先ほどよりも速いスピードで前に出る。
「チっ…分身の術!」
あずみは分身の術を使うが、
「はは、やっぱりダメージが大きいんだね。本体がバレバレだよ」
ダメージの影響で、少し注意して見れば誰でも分かるぐらい、雑な分身になっていた。
燕は偽物は無視して、真っすぐ本体のあずみに近づき、腹部に拳を叩き込む。
「がはっ…」
京の肘打ちを受けたのと同じ場所のため、えぐられたような激しい痛みに膝を着くあすみ。
「万全の状態だったら、一分間逃げ切ることも出来たかもね~」
そう言って燕は容赦なく、下がった首筋に手刀を喰らわせ、
「ぐぁっ…」
あずみの意識を刈り取った。
「そこまで!、勝者、2-F助人、松永」
「イエーイ!納豆パワーのお陰で勝てたよー!」
圧倒的勝利と可愛くポーズを取る燕に、ワァァー!と歓声が沸く。
実況百代『燕VS忍足は、燕の勝利。2-Fが先に勝ち星を一つあげた!』
解説ルー『短かったけど、面白い試合だったね』
実況百代『最初忍足が口から飛ばしたのは、…歯の欠片ですかね』
解説ルー『そうだろうネ。前の試合で欠けた歯を飛ばしたんだろうネ。武器じゃないから学長も何も言わなかったヨ』
百代とルーの話を聞いて、大和は何故燕が鉄心への抗議を止めたのかが分かった。
あずみの狙いは時間切れの引き分けで、反則でないのなら時間が止まらないからだ。
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