「双方、カードは決まったかの?」
大和はこの、風間VS井ノ中の戦いはお流れにしたかった。
風間翔一通称キャップは、一般生徒よりは強いが、武道をやっている生徒には勝てない。そしてヨコヅナは後者。
(でもキャップは戦う気満々だからな…)
やっと出番が回って来たのでキャップは、勝てる勝てないなど関係なく試合をするつもりだ。一分間逃げ回るなどもしないだろう。
だからお流れにするには同じ数字のカードを出すしかない。
残り三枚のうち、FとSで同じ数字は『5』『6』。
Sはまだ『7』を持っているので『7』を出された場合は諦めるしかない。
だが他を出す可能性もなくはない。
「決まりました」
「良いだよ」
「では、オープン!」
大和『5』 井ノ中『6』
「くっ、ミスった…」
大和が『5』を出したのを見て、
「にょほほ、引っかかったの」
意地悪く微笑む心。
「数字の大きい2-S、どうする?」
「戦いますだ」
実況百代『5投目も勝負が決まった!キャップVS助人井ノ中だ!」
解説ルー『スピード特化とパワー特化の対決だネ』
対面して立つヨコヅナとキャップ。
「まゆっちの友達らしいが、遠慮はしないぜ」
「必要ないだよ」
「両者構えて……」
キャップは素人なのが分かる適当な構え、ヨコヅナは両手を開いて腕を胸前に上げ、腰は少し落としてドッシリとした構えをとる。
「はじめっ!!」
「行くぜ!」
合図と同時に前にでて、これも素人丸出しで殴りかかるキャップ。
「オラ!」
ヨコヅナはその拳の軌道が腹に向かっているので、防御もせず腹の正面で受ける。予想通り大した威力ではないので、即座にキャップを掴もうと手を伸ばすが、
「おっと、力士に掴まれたら終わりだからな」
ヨコヅナの手はあっさりかわされる。
「オラオラ!」
キャップは更に顔を狙って二連撃を繰り出す。
その攻撃をヨコヅナは、片腕で二連ともはじき、逆の手でカウンターの張り手。
「危ね!…」
キャップは張り手をギリギリでかわし、少し距離を取る。
動きこそ素人だがキャップのスピードは相当なものだ。また、由紀恵や忠勝から話を聞いているのでヨコヅナが一年だからと油断してないのも攻撃をかわせる理由の一つ。
さらに、もう一つヨコヅナの攻撃がかわされる大きな理由があった。
「………」
自分の手の平を見ながら、閉じたり開いたりさせるヨコヅナ。
「ガンガン行くぜ!」
次に顔面に向けて繰り出されたキャップに拳をヨコヅナは、
何もせず棒立ちで喰らう。
「な!?」
ヨコヅナの不自然な行為に驚いたキャップは再度距離をとる。
「何のつもりだ?」
「どうしただ、遠慮せずガンガンくるだよ」
ヨコヅナは質問には答えず、かかってこいと手招きする。
実況百代『一年井ノ中、先輩に対して挑発行為だ!』
解説ルー『試合中は無礼講だネ』
「舐めんな!!」
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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