鉄心が試合開始の合図をだし、先に攻撃をしかけたのはクリス。
「はぁああ!!」
気合と共に素早い突きの連打を繰り出す。
その連打を、準は腕で全て防御し、
「せいッ!」
クリスの膝に素早い下段蹴り。
「く……だが、この程度、」
下段蹴りを喰らうもクリスは攻撃の手を止めず攻め続ける。
クリスの攻撃はとても速く威力もある、普通の生徒であれば瞬く間にダウンさせられるだろう。
しかし、
「全て防がれる!?……く」
クリスの攻撃を、準はほぼ完璧に防いでいた。そして、隙を見ては膝に下段蹴りを喰らわせる。
「ハゲのやつ…あんなに強かったのじゃな」
「ロリコンの癖に、クリスお嬢様の攻撃を全て防ぐとは…」
「井ノ中に決闘で負けてから、鍛え直してるって話だ」
「なにより集中力が凄ぇな」
この勝負に勝てたら指名権をもえる井上準は、今までの人生で一番と言って良いほど集中していた。
(勝てば甘粕真与とクラスメイト。勝てば甘粕真与とクラスメイト。勝てば甘粕真与とクラスメイト。勝てば甘粕真与とクラスメイト……)
2-Fの甘粕真与と同じクラスになる為に。
「はぁ、はぁ…」
攻撃をし続けて息を切らしているクリスを見て、
「クリスが負けるのか…」
心配になる大和だが、
「……違うよ大和」
京が否定する。
「はぁ、はぁ…」
「仕留めさせて貰う!」
息切れのクリスを見て、初めて自分から攻撃に出る準。
「セァァっ!!」
一撃で仕留める為、渾身の力で拳を繰り出す準。
しかし、これは功を焦った行為だった。
「あまい!」
「な…」
準の攻撃をクリスは紙一重でかわす。
「仕留めさせて貰うはこちらの台詞だ」
「やっぱり、あれぐらいでクリスが息切れしてるの、おかしいと思った」
京の言う通り、連続で攻撃していたと言っても30秒ほどだ。その程度でクリスは息切れなどしない。
必殺の一撃を叩き込む隙を作る為の演技だったのだ。
「零距離、刺突!!!!」
クリスの必殺技(素手バージョン)が準の腹に叩き込まれた。
「ぐふぁ!!」
「お見事です!クリスお嬢様!!」
「何を喜んでおるじゃ!」
敵であるクリスの必殺技が決まって喜ぶマルギッテに、ツッコミを入れる心。
「それに喜ぶは早いだろ」
「ハゲロリコンはまだ負けてねぇ」
必殺技が極まった事でクリスも勝ちを確信してしまい、それが油断となった。
「俺は!」
「何!?」
「必ず勝つんだぁ!!」
限界突破したロリコンの拳がクリスの顎を捉える。
顎を打ち抜かれ、クリスは膝から崩れるように倒れた。
「ぐ…」
そして準もまた、クリスの必殺の一撃を喰らったダメージと、その上で無理に動いた反動からその場に膝を着いてしまった。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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