「何度見てもデカい建物だべな」
夏休み紋白の仮専属従者として、泊まり込みでアルバイトをすることになったヨコヅナは、
九鬼財閥のビルの前に来ていた。
「よう!ヨコヅナ」
「おはようございます、ヨコヅナ」
「ステイシーさん、李さん、おはようございますだ」
ヨコヅナを出迎えてくれたのは、ステイシーと李。
「私らがお前の部屋まで案内してやるよ」
「ありがとうございますだ」
「では、こちらです」
二人に案内されて、廊下を歩ている最中、
「フハハ!来たな井ノ中ヨコヅナ!我は歓迎するぞ!」
九鬼英雄が現れた。
「おはようございますだ、九鬼先輩」
「こら、ここでは英雄様とお呼びするように」
「あ、そうですだな。今日からお世話になりますだ、英雄様」
「うむ…」
英雄はヨコヅナに近づき、
「我は男相手にはこれをすることにしている」
「…?」
ぎゅっと抱きしめる。英雄なりの歓迎のハグだ。
「フハハ、横綱を名にするだけあって、抱きごたえがあるわ」
「ありがとう、ございますだ?」
誉め言葉なのか微妙だが一応お礼を言っておくヨコヅナ。
「我はこれから、出かけなければならぬ」
ヨコヅナを放して少し残念そう言い、
「時間がある時にでも、相撲を一番取ろうではないかヨコヅナ」
「はい、分かりましただ」
「では、紋を頼むぞ、フハハハ」
そうして、英雄は去っていった。
そしてすぐ、
「フハハハハ、我降臨である」
「えっと…紋様のお姉さんですだか?」
「九鬼揚羽である」
今度は九鬼揚羽が現れた。
「噂は色々聞いているぞ井ノ中ヨコヅナ」
「今日からお世話になりますだ、揚羽様」
「うむ…」
揚羽はヨコヅナに近づく。
英雄の時のように抱きしめられるのかと、ドキッとするヨコヅナだが、
「その腹、一発殴ってみて良いか?」
揚羽は女性にしかハグしない。
「…え~と、何でですだか?」
「紋の拳ではビクともせず、義経の発勁にも耐え、ヒュームのジェノサイドチェーンソーを受けても倒れない。そんなことを聞けば、殴るしかあるまい」
「いや、殴るしかないことは、ないと思いますだが…」
理由を聞いても理解できないヨコヅナだが、
「まぁ腹に一撃ぐらいならいいだよ」
紋白の時のように軽く了承してしまう。
「フハハ、そうこなくては」
軽く了承したヨコヅナを見て、
(やっちまったな、ヨコヅナのやつ)
(初日から働けなくなる可能性がありますね)
と、思うステイシーと李、それも当然。
ヨコヅナは初対面だから知らないのだ、九鬼揚羽の武の実力は、壁を越えた者と言われている事を…
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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