真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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8話

「ゔぅ……」

「ここにいてもらうわよ。()()()()()()()お相撲さん」

 

 先方隊も含めてここに転がっている天神館の生徒は30人以上。だたその中に一人も女子生徒はいない。

 見抜かれているのだ、ヨコヅナが女子には怪我させないように戦っていたことを。

 

「……怪我しても知らないだよ」

「やってみな!」

 

 そう言ってヨコヅナに襲い掛かる女子生徒達。

 ヨコヅナは襲い掛かってくる相手を転がすように投げていく。

 傍から見ても実力差は明らかだ、しかし。

 

「さすがに投げが上手いね…でも、」

「それじゃ私達は倒せないよ」

 

 張り手や、ブチかましは使わず、ましてや怪我させるような地面に叩きつける投げでもない、転がすだけではすぐに立ち上がれる。

 

「倒せなくても、道が開けばいいだよ」

 

 立ち上がる女子生徒を無視して先へ行こうとするヨコヅナ。

 

「だから、行かせないってば!」

 

 先へ行こうとするヨコヅナに飛びつく天神館の女子生徒。

 

「軽いから問題ないだ」

「一人ならそうかもね……みんなも乗って!!」

 

 てりゃー!!!

 

 5人全員がヨコヅナに飛びつく。

 

「ぐっ…」

 

 さすがのヨコヅナも5人に覆い被さられると少し苦しい。

 

「……女の子がはしたない…と思わないだか?」

 

 苦しまぎれにそんなことを言うヨコヅナ。

 

「たくさんの女子に抱き着かれて嬉しいやろ~」

「女子がこんなに引き留めてるのに、放って行こうなんて男がすたりますえ」

「時と場合に、よると思うだよ」

 

 この時、この場合は、敵を放ってすぐ本陣に戻るのが正解である。

 

「……落ちて怪我しても知らないだよ」

「え!?…ちょ、嘘…」

「5人も乗ってるのに…」

 

 ヨコヅナは女子生徒5人を乗せたまま走り出す。ドスっドスっドスっと歩くよりは速いスピード。

 

「ほんま、止まんないし…」

「どうすんの?」

「こうなったら……ガブっ」

 

 抱き(乗り)付いている一人がヨコヅナに噛みつく……耳に、

 

「のわぁ!?、噛みつくのは反則だべ!!」

 

 思わず足が止まるヨコヅナ。

 

「ほんはふーふははいほ」(そんなルールはないわよ)

「じゃあこっちも……ガブっ」

「ぎゃわぁ!?…そ、それこそはしたないだよ!」

「ほんまはうへしんはほ」(ほんまは嬉しんやろ)

「何言ってるか分からないだ」

 

 噛みつきと言っても、耳を噛みちぎるような力ではないので、そこまで痛くない。

 無視して走ろうとしたが、ヨコヅナの足が止まったことで

 

「ここなら止まるやろ!」

 

 抱き付く場所を足に変えた女子がいた。

 しかし、軽い女子一人が足に組み付かれた程度ではヨコヅナは動ける。

 

「痛い痛い、痛いって!引きずってるて~!」

「痛いなら放したら良いだよ!」

 

 そう言いつつも足を止めてしまうヨコヅナ。

 

「嫌や!放さへん!」

「どうするべかな……」

 

 困ったヨコヅナが天神館の女子生徒達に翻弄されていると…

 

 

 テンジンカンノショウリダ~!!、イエ、イエ、オー!!、イエ、イエ、オー!!

 

「これってもしかして」

「天神館の勝ち鬨!」

「私達の勝ちだっ!」

「やったぁ!!」

「「イエーッイ!!」」

 

 天神館の勝利が確定し、喜ぶ女子達。

 

 

「あ~あ、負けただべか…」

 

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
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