「ゔぅ……」
「ここにいてもらうわよ。
先方隊も含めてここに転がっている天神館の生徒は30人以上。だたその中に一人も女子生徒はいない。
見抜かれているのだ、ヨコヅナが女子には怪我させないように戦っていたことを。
「……怪我しても知らないだよ」
「やってみな!」
そう言ってヨコヅナに襲い掛かる女子生徒達。
ヨコヅナは襲い掛かってくる相手を転がすように投げていく。
傍から見ても実力差は明らかだ、しかし。
「さすがに投げが上手いね…でも、」
「それじゃ私達は倒せないよ」
張り手や、ブチかましは使わず、ましてや怪我させるような地面に叩きつける投げでもない、転がすだけではすぐに立ち上がれる。
「倒せなくても、道が開けばいいだよ」
立ち上がる女子生徒を無視して先へ行こうとするヨコヅナ。
「だから、行かせないってば!」
先へ行こうとするヨコヅナに飛びつく天神館の女子生徒。
「軽いから問題ないだ」
「一人ならそうかもね……みんなも乗って!!」
てりゃー!!!
5人全員がヨコヅナに飛びつく。
「ぐっ…」
さすがのヨコヅナも5人に覆い被さられると少し苦しい。
「……女の子がはしたない…と思わないだか?」
苦しまぎれにそんなことを言うヨコヅナ。
「たくさんの女子に抱き着かれて嬉しいやろ~」
「女子がこんなに引き留めてるのに、放って行こうなんて男がすたりますえ」
「時と場合に、よると思うだよ」
この時、この場合は、敵を放ってすぐ本陣に戻るのが正解である。
「……落ちて怪我しても知らないだよ」
「え!?…ちょ、嘘…」
「5人も乗ってるのに…」
ヨコヅナは女子生徒5人を乗せたまま走り出す。ドスっドスっドスっと歩くよりは速いスピード。
「ほんま、止まんないし…」
「どうすんの?」
「こうなったら……ガブっ」
抱き(乗り)付いている一人がヨコヅナに噛みつく……耳に、
「のわぁ!?、噛みつくのは反則だべ!!」
思わず足が止まるヨコヅナ。
「ほんはふーふははいほ」(そんなルールはないわよ)
「じゃあこっちも……ガブっ」
「ぎゃわぁ!?…そ、それこそはしたないだよ!」
「ほんまはうへしんはほ」(ほんまは嬉しんやろ)
「何言ってるか分からないだ」
噛みつきと言っても、耳を噛みちぎるような力ではないので、そこまで痛くない。
無視して走ろうとしたが、ヨコヅナの足が止まったことで
「ここなら止まるやろ!」
抱き付く場所を足に変えた女子がいた。
しかし、軽い女子一人が足に組み付かれた程度ではヨコヅナは動ける。
「痛い痛い、痛いって!引きずってるて~!」
「痛いなら放したら良いだよ!」
そう言いつつも足を止めてしまうヨコヅナ。
「嫌や!放さへん!」
「どうするべかな……」
困ったヨコヅナが天神館の女子生徒達に翻弄されていると…
テンジンカンノショウリダ~!!、イエ、イエ、オー!!、イエ、イエ、オー!!
「これってもしかして」
「天神館の勝ち鬨!」
「私達の勝ちだっ!」
「やったぁ!!」
「「イエーッイ!!」」
天神館の勝利が確定し、喜ぶ女子達。
「あ~あ、負けただべか…」
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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