8月3日の七浜スタジアムは、夏の暑さ以上の熱気が会場を満たしていた。
「トーナメントで戦う選ばれし16チームの入場です!」
実況の田尻耕の声が選手達のいる通路にも聞こえる。
チーム名を呼ばれ次々と会場へと入場していく。
そして、
「力士と剣士、日本の古来からの武が手を組んだ。井ノ中ヨコヅナと黛由紀恵の『不倒天剣』だっ!!」
呼ばれたヨコヅナと由紀恵も会場へと入場する。
ワアァァァと客の歓声を聞きながらヨコヅナは、
「なんでオラ、こんなとこにいるだ?」
「それは私たちが若獅子タッグマッチトーナメントに出場している選手だからですよ」
「今さら何言ってんだヨコっち?」
「いや、なんかこういう時は言わないといけない気がしたんだべ…まゆっち達は気にしなくていいだ」
はじまりは夏休み前までさかのぼる。
「若獅子タッグマッチトーナメントと名付ける事にした」
全校朝礼で川神鉄心が、毎年8月の行う川神武闘会を、今年は特別規模をでかくして開催することを説明する。
鉄心の次に、ヒュームとクラウディオが説明を引き継ぐ。九鬼財閥がスポンサーだからだ。
大会の説明を聞きながらヨコヅナは、
「紋様が言っていた「大きなイベント」ってこの事だべかな」
「そのようですね。ヨコヅナ君も活躍できると言ってましたし」
「まゆっちとヨコヅナ君でチーム組んで参加してみたら、良いとこまで行けるんじゃない?」
ヨコヅナと由紀恵が強い事を知っているので、二人でチームを組むことを提案する伊予。
「まゆっちとヨコっちなら優勝だって狙えると思うぜ」
「松風、強い先輩方も参加するんですから、簡単に優勝は出来ませんよ」
松風も伊代の提案に賛成する、松風が賛成と言う事は何だかんだ言いつつも由紀恵も賛成ということだ。
「頑張ってみる価値はありそうだべな」
景品の「九鬼財閥での重役待遇確約」、それを得られればちゃんこ鍋屋援助のプラス要素となるかもと考えるヨコヅナ。
「まゆっちはオラとチームで良いだが?」
「はい、ヨコヅナ君なら心強いです」
大会が発表された直後でありながら、あっさりとヨコヅナと由紀恵で組むことが決まった。
「それじゃチーム名決めないと」
「チーム名だべか…『チーム1-C』とかで良いんじゃないだか?」
「いやそれクラス名だから」
「そんじゃ『まゆっち&ヨコっち』でどうよ」
「なんか漫才コンビの名前みたいだよ。もっと二人の特徴をあらわさないと」
「二人の特徴ですか…『チーム料理好き』とかですかね?」
「確かに二人とも料理好きだけど、出場するのは武闘大会だから」
「……オラこういうの苦手だべ」
「私もです。伊予ちゃんは何か案ありますか?」
由紀恵に聞かれて伊予が「う~ん、横綱…倒れない、剣聖の娘…剣の天才」と頭をひねり、
「閃いた!『不倒天剣』どうカッコ良くない?」
「ちょっと大胆不敵過ぎませんか?」
「他のチームもきっとそんな感じの名前だって」
「負けたら恥かくけど、それぐらいの方がやる気出るんじゃね」
「……そうだべな。じゃあ決定だべ」
こうしてヨコヅナと由紀恵のチーム『不倒天剣』が誕生した。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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