8月2日、七浜スタジアム前で待ち合わせしていた由紀恵達と合流するヨコヅナ。
「おはようだべ」
「おはようございます。ヨコヅナ君」
「ウィーっす、ヨコっち」
「ヨコヅナ君おはよう」
「まず受付に向かうべ」
ヨコヅナ達は当日の選手受付を済ますために受付所へと向かう。
歩きながら、伊予がヨコヅナの見て、
「紋様は一緒じゃないんだね」
「紋様は何かやる事あるらしいだ」
今日ヨコヅナは紋白とは別行動だ。
「あれ、紋様も出場するの?」
「いや、紋様は出場しないだよ。でも英雄様は出場するらしいだ」
「九鬼先輩ですか…」
「オラ思うんだけどさぁ、スポンサーが選手として出るって変じゃね?」
「対戦相手が戦いにくいもんね。ヨコヅナ君なんて九鬼に雇われてるんだし」
松風や伊予が言う事ももっともだがヨコヅナは、
「英雄様は仮にオラに負けたとしても、文句は言わないと思うだよ」
九鬼ビルで住み込みで働くようになって、少ない時間だが何度か英雄と話した印象から、正々堂々の勝負で負けたからとて、英雄が相手を恨むような人ではないとヨコヅナは分かっている。
「紋様には小言を言われるかもだべが」
ただそれもスポンサーや九鬼財閥としてではなく、兄が大好きな妹としてで駄々をこねる程度だろう。
「戦う事になっても相棒の方を倒せば怪我もさせずに済むだよ」
「九鬼先輩は誰と組んでるのですか?」
「ハゲでロリコンの人だべ」
「あぁ、あの人か」
「だったら楽勝だなぁ」
そんな話をしている内に
「あそこが受付ですね」
受付へと到着したヨコヅナ達。
「ん、おう。ヨコヅナじゃねぇか」
そこでヨコヅナは予想外な知り合いと出会う。
「釈迦堂さん、こんなところで何してるだ?」
釈迦堂刑部、板垣家と交流がありその関係でヨコヅナも知り合いになった、それに最近、
「バイトだよ」
「梅屋以外でも働いてたんだべか」
ヘルプ要員してヨコヅナが行った梅屋で一緒に働いたりもした。
「俺も元々九鬼の紹介であの梅屋で働いてるからな。今日は逆に俺がヘルプ要員だな」
釈迦堂は選手ではなく、観客への被害防止や不正行為の監視が役目だ。
「そっちの嬢ちゃんがヨコヅナの相棒か?」
由紀恵に視線を向けて聞く釈迦堂。
「そうだべ」
「……へぇ~、こいつはまた面白いチームだな。受付しな」
受付を済まし、会場へと向かうヨコヅナ達、釈迦堂が別れ際、
「店長が忙しい時、またヨコヅナにヘルプで来て欲しいと言ってたぜ」
「はは、紋様に伝えとくだよ」
「おう、よろしく頼むわ」
賄い目あてと聞いてたが、釈迦堂の真面目な梅屋の従業員っぷりに驚いたりしたヨコヅナ。
「あの人、相当の実力者ですね」
珍しく真剣な表情の由紀恵、ヘラヘラしてるおっさんにしか見えないが釈迦堂の実力を見抜いたようだ。
「滅茶苦茶強いだよ。オラも稽古で5分だけ手合わせしただが、ボコボコにされただよ」
「ヨコヅナ君より強いんだ」
「真剣勝負だと万が一にも勝ち目はないだな。釈迦堂さんより強い人なんて指の数もいないと思うだよ」
「そんなになんだ!?」
「大会にあのレベルの選手はいますかね?」
「どうだべかな……義経先輩達も出るみたいだべが、まだあの強さじゃないと思うだよ」
「確実に一人、エキシビションマッチで戦わないといけない武神がいるけどなぁ~」
「あれって優勝賞品じゃなくて、罰ゲームだとは思うだよ」
「あはは、言えてる」
「今大事なのは、優勝した後の事ではなく今日の予選を勝ち抜く事ですよ」
エキシビションマッチの事を言い出したのは松風なのに、由紀恵に諭されると言うズレたやり取りなのだが、
「そうだべな」
「今日だけでも3回勝たないといけないしね」
このメンバーではよくある話だった。
試合の時間となり、
「私は観客席で応援しているから頑張ってね」
「はい、頑張ります」
「行って来るだよ」
伊予と別れヨコヅナと由紀恵はステージへと向かう。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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