真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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次回は2/26に投稿予定です。


63話

 8月2日 若獅子タッグマッチトーナメント本選。

 

 田尻耕のチーム紹介されながら本選に残った選手たちが入場した後、巨大モニターにトーナメント表が映りだされた。

 だがそれは仮の組み合わせで、30分後の正式発表までに互いの合意があれば位置を変えることが出来るとの説明があり、30分の交渉タイムとなる。

 

 

 

「予選は楽勝だったけど、本選はくじ運悪いね…」

 

 ヨコヅナ達も伊予を含めての作戦会議。

 

「一回戦は清楚先輩と与一先輩の『桜ブロッサム』だべか」

「勝てても二回戦は『知性チーム』か『デス・ミッショネル』のどちらかですね」

 

 『不倒天剣』の位置は一回戦第四試合、かなり激戦区のクジを引いてしまった。

 

「でも交渉すれば変わって貰えるみたいだよ」

「オイオイ、伊予ちゃんよ~、誰にモノ言ってんだい。まゆっちに交渉なんて出来ると思ってるのかい?」

 

 言葉のチョイスがおかしい松風だが、知り合い以外とはコミュ障の由紀恵には交渉が出来るとは思えない。

 

「オラも交渉とか苦手だべ。そもそもこの位置じゃ誰も代わってくれないと思うだよ」

「そうだね。このまま勝ち上がれる作戦考えるしかないね。本選でも男女分けて戦うの?」

「一回戦はオラが与一先輩、まゆっちが清楚先輩の相手するってことで良いだか?」

「でも清楚な清楚先輩は予選で逃げるしかしてないから、二人で那須与一を倒せば良いと思うぜ」

 

 葉桜清楚もクローン英雄のはずなのだが、武人には見えず予選でも戦って敵を倒していたのは与一だけだ。

 

「そうだべな。弓矢相手は戦いづらいべからな」

 

 力士にとっては弓兵は天敵とも言えるだろう。

 

「清楚先輩が戦わない場合は二人で与一先輩を狙うとするべか」

「…清楚先輩が積極的に戦う可能性ってあるのかな?」

 

 伊予には清楚が戦うイメージが浮かばない。だがヨコヅナや由紀恵から見れば、

 

「多分戦えば強いだよ、あの人」

「そうですね。逃げてるだけでもその動きは素人とは一線を画してましたからね」

 

 清楚であっても決して弱いとは思えない。

 

「それじゃ、一回戦は清楚?な先輩の動きにも警戒しつつ、二人で中二病の弓兵を狙うって作戦でいくぜ!」

 

 松風が大雑把に一回戦の作戦をまとめる。大雑把であっても細かく決めようもないので誰も否定はせず決定となる。

 

「『知性チーム』と『デス・ミッショネルズ』はどっちが勝ち上がってくるかな」

 

 ちょっと気が早いと思いつつも二回戦の相手はどちらになるかの話題になる。

 

「……『デス・ミッショネルズ』だと思うだよ。二人とも強いべからな。松永先輩は相当強そうだべが、直江先輩を狙われたら勝ち目薄いと思うだ」

「直江先輩は回避をモモ先輩に鍛えられてますので、簡単にはやられないと思いますが……武蔵坊先輩の相方の人は強いのですか?」

 

 予選の板垣辰子の戦いは、由紀恵から見れば警戒に値するものではない。

 だが、板垣家と知り合いのヨコヅナは一度だけ本気の辰子と手合わせをした事がある。

 

「強いだよ。辰さんと戦う場合は本気になる前に速攻で倒す必要があるべ」

「本気になる前にですか…」

「本気になったらまゆっちが負けるって言いてぇのかぁ?」

 

 ヨコヅナの言い方に不満そうな声を上げる松風。表情を見るに由紀恵も同じ心境のようだ、まぁ同じなのは当前なのだが、

 

「負けるとまでは言わないだよ」

「……無傷で勝つのは難しいという意味ですか」

「二回戦で怪我したら優勝は厳しいべからな」

 

 トーナメントで四回も勝たなければ優勝できないのだから、怪我しないことは重要だ。

 

「でもそれなら『知性チーム』VS『デス・ミッショネルズ』の勝者も無傷じゃないかもしれないよ」

「そうですね……」

「武人としては万全な状態の相手と戦って勝ちたいけどな~」

 

 相手が怪我をしていれば勝ちやすくなるだろうが、武人としてはそれを幸運とは思えない。

 

「怪我するのを願ったりはしないだが、今回は優勝することが目的だべからな」

「ヨコヅナ君は優勝を狙っているのですね」

 

 大会の話を聞いた時も昨日の予選でも「いけるところまで頑張るべ」という感じだったヨコヅナだが、今日は真剣に優勝に狙っているようだった。

 

「そりゃ、出場するからには狙うは優勝でしょ!」

「それもあるべが、優勝出来たらさらに将来の援助をしてもらえる約束を紋様としただよ」

「なるほど、それなら当然ですね」

「よっしゃ、そういう事ならまゆっちも全身全霊で頑張るぜ!」  

「ありがとうだべ」

「いえいえ」

 

 由紀恵的にも友達の夢を手助けする為という目的がある方がやる気が出る。

 

「それじゃ優勝目指して頑張ろう~!!」

「「「おう!」」」

 

 

 

 30分が経ち、

 

「こちらが正式な組み合わせとなります」

 

 変更後の正式なトーナメント表がモニターに映りだされる。

 『知性チーム』と『地獄殺法コンビ』の位置が入れ替わっていた。

 それを見てすぐに察する。

 

「……状況悪化しただな」

「そうですね」

 

 『不倒天剣』の位置はトーナメントの中でも各段に勝ち上がるのが困難な組み合わせになってしまった。

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
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