真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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9話

 東西交流戦、一年生の部終了後。

 

「まゆっち、ヨコヅナ君、お疲れ。これタオル使って」

 

 観戦していた伊予が、由紀恵とヨコヅナにタオルを渡す。

 

「ありがとうございます!伊予ちゃん」

「ありがとうだべ。……いや~、負けちまっただな」

 

 そう言いながら、頬を掻くヨコヅナ。

 

「オラが敵を喰い止めていたら、違ったかもしれないだな…」

「いえいえいえ、私がもっと早く敵大将を討ち取れていれば…」

「後二秒あればな~」

「……二人とも凄く頑張ってたから責任感じることないよ」

 

 ヨコヅナが敵の攻撃部隊に獅子奮迅の活躍をしていた時、由紀恵は敵の守備部隊相手に獅子奮迅の活躍をしていた。

 勝敗を分けたのは、両大将の行動の違い、

 天神館の大将は、逃げに徹していたのに対して、武蔵小杉は迎えうったのである。

 

「ヨコヅナ君って、やっぱり相撲で戦うんだね」

 

 モニターで戦いぶりを見ていた伊代は、相撲の技でヨコヅナが敵を倒していたのでそう言った。

 

「相撲部に入ってるの?」

「オラは料理部だべ」

「ヨコヅナ君、料理部なんですか」

「ヨコっちの得意料理は、ズバリ、ちゃんこ鍋だな」

「よく分かっただな、松風」

「ふふ、名探偵松風だぜ!」

「あははっ、ヨコヅナ君ってほんとイメージを裏切らないよね」

 

 ヨコヅナ達が楽しく話をしていると、

 

「あ、おったおった」

「お相撲さ~ん」

「ん?……さっき戦った天神館の…」

 

 天神館の女子生徒5人がやってきた。

 

「お相撲さん名前何て言うの?」

「オラは井ノ中ヨコヅナだべ」

「はははっ!見た目通りの名前やな」

「じゃあ、ヨコやんだ」

「さっき凄かったね、ヨコやん」

「ヨコやんめっちゃ強いやん」

「逞しい男性はカッコよおすえ」

「ヨコやん連絡先交換しよ」

「あ、うん、…いいだよ」

 

 勢い凄い西の女子達に、圧倒されるヨコヅナ。

 

「なんかモテモテだね、ヨコヅナ君」

「いきなりイメージを裏切ってきたな」

「あんなに一遍にお友達が、さすがヨコヅナ君」

「あれっ!……ひょっとして」

 

 伊予と由紀恵が見ていることに、天神館の女子が気づく。

 

「もしかして、どっちかヨコやんの彼女?」

「あちゃ、ウチら厚かましかったかな…」

「あ、ううん、唯の友達だよ」

「いえ、その、と友達です」

「そうなん、怖い顔してるけど…」

 

 由紀恵が怖い顔をしているのは、緊張からであって嫉妬で怒っているわけではない。

 

「あれ、刀持った女子……ちょっとして本陣落としかけたっていう川神の生徒?」

「ええ!?一人で本陣守備を全滅させた!」

「川神の大将を倒すのが、後二秒遅かったらこちらが負けてたと聞いとりますで」

 

 松風の言い訳は嘘ではなかった。

 由紀恵は本当に紙一重のところで大将首を取れていたのだが、それより2秒早く川神学園一年大将武蔵小杉が討たれたのである。

 

「じゃ君も連絡先交換しようや」

「い、いいいい、いいのですか!?」

「う、うん、顔怖いけど、嫌なら…」

「いえいえいえ、ぜぜぜ是非!」

「うちも交換しよ」

「私も~」

「よろしゅう」

「はははい、喜んで!」

「良かったね~、まゆっち」

 

 荒っぽい東西交流戦だが、本当に交流関係が繋がる行事であった。

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
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