東西交流戦、一年生の部終了後。
「まゆっち、ヨコヅナ君、お疲れ。これタオル使って」
観戦していた伊予が、由紀恵とヨコヅナにタオルを渡す。
「ありがとうございます!伊予ちゃん」
「ありがとうだべ。……いや~、負けちまっただな」
そう言いながら、頬を掻くヨコヅナ。
「オラが敵を喰い止めていたら、違ったかもしれないだな…」
「いえいえいえ、私がもっと早く敵大将を討ち取れていれば…」
「後二秒あればな~」
「……二人とも凄く頑張ってたから責任感じることないよ」
ヨコヅナが敵の攻撃部隊に獅子奮迅の活躍をしていた時、由紀恵は敵の守備部隊相手に獅子奮迅の活躍をしていた。
勝敗を分けたのは、両大将の行動の違い、
天神館の大将は、逃げに徹していたのに対して、武蔵小杉は迎えうったのである。
「ヨコヅナ君って、やっぱり相撲で戦うんだね」
モニターで戦いぶりを見ていた伊代は、相撲の技でヨコヅナが敵を倒していたのでそう言った。
「相撲部に入ってるの?」
「オラは料理部だべ」
「ヨコヅナ君、料理部なんですか」
「ヨコっちの得意料理は、ズバリ、ちゃんこ鍋だな」
「よく分かっただな、松風」
「ふふ、名探偵松風だぜ!」
「あははっ、ヨコヅナ君ってほんとイメージを裏切らないよね」
ヨコヅナ達が楽しく話をしていると、
「あ、おったおった」
「お相撲さ~ん」
「ん?……さっき戦った天神館の…」
天神館の女子生徒5人がやってきた。
「お相撲さん名前何て言うの?」
「オラは井ノ中ヨコヅナだべ」
「はははっ!見た目通りの名前やな」
「じゃあ、ヨコやんだ」
「さっき凄かったね、ヨコやん」
「ヨコやんめっちゃ強いやん」
「逞しい男性はカッコよおすえ」
「ヨコやん連絡先交換しよ」
「あ、うん、…いいだよ」
勢い凄い西の女子達に、圧倒されるヨコヅナ。
「なんかモテモテだね、ヨコヅナ君」
「いきなりイメージを裏切ってきたな」
「あんなに一遍にお友達が、さすがヨコヅナ君」
「あれっ!……ひょっとして」
伊予と由紀恵が見ていることに、天神館の女子が気づく。
「もしかして、どっちかヨコやんの彼女?」
「あちゃ、ウチら厚かましかったかな…」
「あ、ううん、唯の友達だよ」
「いえ、その、と友達です」
「そうなん、怖い顔してるけど…」
由紀恵が怖い顔をしているのは、緊張からであって嫉妬で怒っているわけではない。
「あれ、刀持った女子……ちょっとして本陣落としかけたっていう川神の生徒?」
「ええ!?一人で本陣守備を全滅させた!」
「川神の大将を倒すのが、後二秒遅かったらこちらが負けてたと聞いとりますで」
松風の言い訳は嘘ではなかった。
由紀恵は本当に紙一重のところで大将首を取れていたのだが、それより2秒早く川神学園一年大将武蔵小杉が討たれたのである。
「じゃ君も連絡先交換しようや」
「い、いいいい、いいのですか!?」
「う、うん、顔怖いけど、嫌なら…」
「いえいえいえ、ぜぜぜ是非!」
「うちも交換しよ」
「私も~」
「よろしゅう」
「はははい、喜んで!」
「良かったね~、まゆっち」
荒っぽい東西交流戦だが、本当に交流関係が繋がる行事であった。
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『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
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