真剣でちゃんこに恋しなさい!   作:ニッケン

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次の投稿は3/12予定です。


65話

 

七大地獄への誘い(ワールド・ツアー)!!」

 

 中二病っぽく決め台詞を口にすると共に矢を放つ与一。

 しかし、与一の予想通りなのはここまでだった。

 放たれた矢は並の剣士を仕留めるには十分だったが、今相対しているのは剣聖の娘、黛由紀恵。

 

「はぁぁあーっッ!!」

 

 由紀恵は斬撃で飛んできた矢を弾き飛ばす。

 

(この距離で矢を弾いただと!?)

 

 由紀恵の実力は与一の予想を大きく上回っていた。必勝のつもりだった為、その後の対応にも遅れる。

 

「やぁぁっ!!」

「クソっ」

 

 続く斬撃で、バキッ、と弓が破壊される。

 

「逃しません!」

 

 弓を犠牲にして危機を逃れた与一。

 

「剣士とは戦い慣れてるんだよ」

 

 義経との稽古する事もある与一は、由紀恵の追撃を凌ぐ。

 

 

 だが、忘れてはいけない、この試合はタッグマッチ、

 

 

(!?…ふざけんなよ)

 

 気配を感じ振り向く与一に、

 

(脛に喰らったら姉御でももうしばらくは…)

 

「不意打ち御免だべ」

 

 動けないと思っていた、ヨコヅナのブチかまし。

 

「ぐはぁっ」

 

 吹き飛ばされる与一。

 

 

「ヨコヅナ君、足は大丈夫なのですか?」

「痛いだが大丈夫だべ」

 

 ヨコヅナが動けるのはフェイントを入れた為僅かに精度が鈍り矢は骨からズレていたという理由もあるのだが、

 それでも常人なら立てなくなるほどの威力だったで、ヨコヅナでなければ大丈夫などと言えないだろう。

 

「でも……浅かったみたいだべな」

 

 視線の先では、与一が立ち上がろうとしてた。

 

「さすが英雄ですね」

「勝つ為には仕方いだな、仕留めに行くだ」

「はい」

 

 立ち上がりはしたが、与一は立っているのがやっとと言った感じだ。 

 

「与一君!」

 

 与一のピンチに傍観してた清楚もさすがに動く。

 

「頼むだまゆっち」

「分かっています」

 

 清楚へは由紀恵が向かい、ヨコヅナは与一を仕留めに行く。

 

「行かせません」

「どいてー!」

 

 行く手を阻む由紀恵を清楚は押しどける。由紀恵の想像を遥かに超える強い力で、

 

「なっ!?」

 

 吹っ飛ばされる由紀恵。

 

「えぇ!?」

 

 進路上にいたヨコヅナは足を止め、飛んできた由紀恵を受け止める。

 受け止めた衝撃でズズーっとヨコヅナの体が下がる。

 

「大丈夫だか?まゆっち」

「……はい、ありがとうございます。ヨコヅナ君」

 

 ヨコヅナのお腹がクッションにならなければ危なかった由紀恵。

 

「驚きですね、これほどとは…」

「戦ったら強い、どころじゃなさそうだべな」

 

 葉桜清楚の脅威的な力を前に、勝負が解らくなったと察するヨコヅナと由紀恵。

 

「葉桜先輩!?…」

 

 ヨコヅナ達だけでなく、与一も面食らっていた。清楚が唯者じゃないことは分かっていたが驚きを隠せない。

 

「大丈夫与一君?」

 

 ヨコヅナ達から与一を守るように前に立つ清楚。

 

「あ…えと……」

 

 与一は少し考えた後、

 

「駄目ですね。左腕がイっちまってます」

 

 立ち上がれはした与一だがブチかましを喰らった左腕のダメージは重く、例え勝っても今日はもう弓を引くことは出来ないだろう。

 

「先輩にまで怪我させるわけにはいかないですから(俺の第六感が言っている。このまま先輩に戦わせるのは良くないと…)、降参していいですかね?」

「私は…っ!……」

 

 清楚は何かを言いかけ、しかし思い直し、

 

「……そっか、残念だけど仕方ないね」

 

 いつもとは違う笑顔で与一に答える清楚。

 

 

 

「審判、ギブアップだ」

「そこまで!、勝者『不倒天剣』っ!!!」

 

 勝利者宣言を聞いて、

 

「清楚先輩とは戦わなくて済んだみたいだべな」

「そうですね。……ちょっと不甲斐ない勝ち方です」

 

 

 

解説百代『那須与一が手を上げてギブアップ。一回戦第4試合は『不倒天剣』が勝利したぁ!』

解説石田『やけにあっさり負けを認めたな。相手を突き飛ばしたのを見るに葉桜清楚もかなりの強者のようだが』

解説百代『弁慶達と稽古してて、見た目より力持ちと自分で言ってたからな。でも清楚ちゃんが怪我するところは見たくないから賢明な判断だ」

解説石田『私情丸出しだな。解説としては勝者を褒めるべきか、あの矢を打ち落とした神技、さすが剣聖の娘と言ったところか』

解説百代『それと足を負傷しながらも井ノ中ヨコヅナの強烈なブチかまし。与一は完全に足止したと思っていただろうからな、井ノ中は頑丈さだけなら準壁超えと言えるな」

解説石田『チーム名『不倒天剣』は大言壮語ではないということか。これは二回戦デス・ミッショネルズとの試合が楽しみだな』

解説百代『ああ、デス・ミッショネルズを優勝候補と言ってしまったが、不倒天剣が勝っても不思議ではない』

 

 

 解説を聞きながら試合が終わった武舞台は、

 

「負けたぜ。脛に喰らって平気とはな」

「一対一だったらオラに勝ち目ないだよ。あと平気じゃないだ足痛いだよ」

「黛さん強いね、さすが剣聖の娘」

「いえいえ、そんな…葉桜先輩に押し飛ばされた時は驚きました」

 

 不倒天剣と桜ブロッサムが闘いの後にお互いに相手の武を称え合い握手を交わす。

 

「俺達に勝ったからには、優勝とまでは言わねぇが二回戦は勝ってくれ」

「二回戦?相手は弁慶先輩だべ」

「デス・ミッショネルズを応援しなくて良いのですか?」

「弁慶ちゃんもヨコヅナ君達に負けたら、怒られなくて済むって与一君は思ってるんだよ」

「アルゼンチン・バックブリーカーを喰らっちまうんでな」

「ははは…まぁ一応優勝狙ってるべから、言われなくても頑張るだよ」

「ふっ、やっぱり生意気な後輩だな」

「ふふ、それじゃ優勝目指してがんばってね」

「はい!」

「頑張りますだ」

 




 小説投稿サイト『カクヨム』にて、

 ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、

『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022

 こちらも読んで頂ければ幸いです。
 
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