「まゆっち、ヨコヅナくんおめでとう!勝てて良かったね!」
武舞台から戻って来た二人に祝いの言葉をかける伊予。
「かなり危なかっただよ」
「紙一重でした」
「怪我は大丈夫?」
「私は突き飛ばされただけなので大丈夫ですが…」
「ヨコっちが足に受けた矢は、常人だったら立てなくなる攻撃じゃねぇか?」
「痛いだが大丈夫だべ。二回戦も戦えるだよ」
「あ、怪我した人は川神院の医療班に治療してもらえるって聞いたよ」
「では医務室に行きましょう、ヨコヅナ君」
「……必要ないだよ。大丈夫と言ったべ」
「でも診てもらった方が」
「オラは医者とかが苦手なんだべ」
「苦手って……注射が怖いとか?あはは、そんなわけ」
「………(
「「「
「与一!、怪我は大丈夫か?」
武舞台の降りた来た与一を心配する義経。葉桜と椎名もいる。
「騒ぐんじゃねぇよ義経。これ以上くだらない大会に付き合いたくねぇから大怪我のフリしただけだよ」
「もう!与一君、義経ちゃんに心配かけたくないからって~〔パシっ〕」
「痛たぁぁっ!!!」
「早く医務室行ったほうがいいね」
「清楚先輩、与一を助けてくれた有難うございます」
「そんな……私が初めから戦っていれば…」
「…い、いや、もともと先輩は戦わないって話だったから」
「そうです。清楚先輩に責任はありません」
「まゆっちを突き飛ばしたあのパワーがあるなら……私が口出す事じゃないか」
「与一、仇は義経が討つからな」
「…ふっ、義経は姉御が負けると思っているのか?」
「『不倒天剣』の二回戦の相手は『デス・ミッショネルズ』弁慶ちゃんだよ」
「え!?、あ、いや、弁慶が負けるなんて義経は思っていないぞ!」
「…『不倒天剣』と戦うとしても決勝だし、そもそも私達これから一回戦だし」
「とりあえず今は目の前の試合だけ考えろ義経」
「そうだった!?危うく試合相手を軽んじるところだった」
「頑張ってね義経ちゃん。椎名ちゃんも」
「はい!」
「はい…(葉桜先輩って強いオーラあるな…)」
「フハハハ、ヨコと黛が与一に勝ったか」
「短かったですが見どころある試合でした」
客席でヨコヅナ達の試合を観ていた紋白とクラウディオ、それと1-S達。
「この私に勝ったのだから、当たり前だわ」
「小杉、あんたは黛さんに瞬殺されてたじゃないの~」
「素手での戦いに同意してもらった上でですな」
「あれは…一瞬だけど紙一重の勝負だったのよ!」
「フハハ、紙一重かは知らんが確かに黛は強い、四天王有力候補であるな」
「紋様ぁ、ヨコちゃんはその四天王候補じゃないのぉ?」
「ヨコは武道四天王の称号に興味ない。ちゃんこ四天王の称号なら欲しいと言っておったがの」
「ブレないわねぇ。ヨコちゃんは」
「上位入賞した場合の権利も、
「資金援助ですか?……でもそれは現金を景品にするとの同じような…」
「若者相手だから、現金ではなく現物や待遇だと聞きましたな」
「うむ、だから援助するのは資金ではなく人材にした」
「人材…料理人ってことですか?」
「いや料理人ではなく会計担当だ。……ヨコは期末の数学テストで平均点にすら届いておらんでな」
「「「「それは酷いですね」」」」※特進クラスのS組では平均点ですら恥ずべき点数。
「そんなヨコからすれば、九鬼が推薦する会計担当は、大会で上位入賞して欲しい権利ということのだな」
「…上位入賞って、ヨコちゃんは正確には何位になればいいの紋様?」
「ヨコと交わした契約は最低でもベスト4以上。つまり次の対デス・ミッショネルズ、弁慶に勝つ事が最低条件になる」
「武蔵坊弁慶に勝つ事が最低条件とか、ハード過ぎだわぁ…」
「フハハ、花芽はヨコを応援しているのだな」
「同じ料理部だものぉ。好みのタイプとは違うけど大切なオトモダチよぉ」
「では花芽は、将来ヨコが経営するちゃんこ鍋屋で働きたいと思うか?」
「他にやりたい事が無かったらってところかしらねぇ。料理部の皆も冗談半分によく言ってるわ、「やりたい仕事に就けなかったらヨコちゃんに雇ってもらおうかな」って」
「…そうか(ヨコにも人の上に立つ素質は少なからずあるようだな)」
「紋様は誰を応援しているのですか?」
「フハハハ、我が応援するのは『フラッシュエンペラー』に決まっておろう」
「「「あぁ~、確かに決まってますね」」」
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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