解説石田『何で弁慶は降参したんだ?ダメージは大したことないと思うが』
解説百代『一対一を提案した同様、二人の間で約束でもしたんじゃないか。相撲で負けたら試合でも負けを認めるとか。弁慶は場外に出ないように抵抗していたしな』
解説石田『真面に戦えば勝てる相手だっただろうに…。見てる方は少し物足りないな』
解説百代『同感だが、本人が負けを認めた以上他人がどうこう言える事じゃない。それに相撲でとは言え武蔵坊弁慶に勝った井ノ中は十分賞賛に値するだろう』
解説石田『それは俺も否定しないがな。『不倒天剣』は大会一のダークホースと言ったところだな』
解説百代『ああ、準決勝も楽しみだ』
「ごめんね辰子。勝手に負けを認めちゃって」
「ううん、いいよ~。私も痛いからこれ以上戦いたくなかったし~」
由紀恵と戦っていた辰子は中々にボロボロだ。逆に由紀恵は怪我一つない。力を開放していない辰子では倒されないだけで精一杯、負けでも良いから早く終わって欲しかった。
「ヨコヅナ君お見事でした」
「弁慶先輩が本気だったら勝てなかったと思うべ…」
ヨコヅナは鈍痛が残る腹に手を当てる。
「勝ち方に拘ったけど手を抜いたつもりも無いよ。ヨコヅナが強いから勝ったのさ」
「…先輩からの褒め言葉として受け取っておきますだ」
「ほんと強かったよ~」
「私の方も何度もヒヤっとさせられました」
一回戦同様、不倒天剣はデス・ミッショネとお互いに相手の武を称え合い握手を交わす。
「準決勝は勝っても良いけど、優勝はしないでね」
「はは、決勝は多分義経先輩だろうべからな」
「準決勝は『知性チーム』、強敵との連戦が続きますね」
「頑張ってね~」
試合を観ていた知性チームの会話。
「『不倒天剣』が勝ち上がって来たね…」
「『デス・ミッショネルズ』よりはマシな相手じゃないですか?」
「井ノ中君は大和君を狙ってくると思うよ。今の戦いを見るに捕まった時点で…それどころか小指一本引っかかっただけでも石作りの床に叩きつけられるのが確定するね」
「…頑張って逃げます」
「それしかないね。井ノ中君は女性を傷つける事を極力避けるてるから私には攻撃してこないだろうし」
「あとは燕先輩がまゆっちに勝てるかですね」
「今なら私の方が勝率高いと思うよ」
「おぉ~!さすが姉さんと互角に手合わせした燕先輩」
(でも、無傷で勝てる相手でもないんだよね。決勝もあるし、その後のエキシビションこそ私にとって本番。何とか隙をついて無傷で勝たないと…)
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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