頭の中にAI住んでる系輪廻転生TS病弱少女のガールズ&パンツァー   作:文月フツカ

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自分の好きなジャンル+自分の好きな原作+あの人みたいな二次小説書きたい気持ち=面白いものが出来る訳では無いという実例


2話辺りから迷走し出す1話

1

 

「死にたい」

『この病室は三階だから運が悪ければ生き残れるよ。ただこうも短期間に自殺を繰り返してると、そろそろ危ないよ』

「前ペナルティ食らったときなんだっけ」

『覚えてないのかい。忘れたいだけかな? 重度の放射能に侵されて無駄に生命力が上昇しまくったゴキブリだよ』

「あー、あれは辛かった。痛いわ熱いわ同族がキモイわ。ペナルティだから自殺もできずにただただ寿命が尽きるか殺されるか待つだけだったからな」

 

色々な世界を、様々な生物に転生し続けて幾星霜。一向に終焉が見えない死の繰り返しを続けていくうち、頭の中に変な声が住み着いた。

だが神とかいう超常存在に会ったこともなければ、悪魔や魔王にも会ったことはない。

強いて言えば、どこまでも堕ち切って、利己のために他者を何の感情もなく殺処分する人間が、一番魔王や悪魔に近いかもしれない。数多く世界を見てきたが、魔法やファンタジーには会ったことがない。それっぽいものが居ても、科学技術の延長線上での現象であった。

優しい人や聖人もいるんだが、行き過ぎた聖人は狂信者となってしまう。ソースはフランスの田舎出身の聖女。

 

『それに今回は珍しく当たりじゃないか。君の故郷である日本で西暦2000年代。戦争も無くて、一人用の病室でゆっくりしていられる経済力。体は擁護できないほどクソザコだけど、頭の中には私が居るから知識は完璧。しかも都合よく記憶喪失で両親不明。こんな恵まれた環境、3256万8237回目以来だ』

 

「よー記憶してんなお前。一体俺の脳みその何処にそんな領域があるんだ。この体の記憶だと、小さい時から危ないことして学費稼いでたらしいけどな」

 

『あのさぁ、何度も言うけど私と話すとき直に喋るのやめなよ。傍から見ると不気味に思われるよ』

 

「いいじゃん別に。そんな事気にするほどの感情が残っているかよ」

 

まぁ感情は別にしても、取り戻したいものがある。

 

「どこに行ったんだ俺の息子は」

 

転生するにしても、一番最初の性は男だったんだ。だというのに新しい体は上を人間から下は虫まで全部メスの体だった。

 

『まだ言ってるんだ…っと、誰か来たね』

 

げ。

 

 

「また、ベッドから起きてる」

入って来たのは、グレーの髪を靡かせた小柄な少女。名を、島田愛里寿と言った。

「こんばんは愛里寿。今日は体調がいいのよ」

この子とは今から三年前に出会った、らしい。

 

転生の厄介な所として、一々赤子から始まる訳ではない。肉体の持ち主である意識が完全に消え去ったとき―――即ち死んだ直後の肉体に俺が入るのが殆どだ。入るというかは入れられるというか。

で、この病弱な体の子は、トラックに轢かれる直前だった愛里寿を助けて轢かれそのまま死んだのだ。そして死んだ肉体に俺が入り込み、奇跡的に助かった訳だ。当時は地方紙の三面にちょこっと載った。

 

ちなみに一番吐き気を催した転生は、交尾中のゴキブリ(雌)にいきなり意識が入った時だ。あれはもう筆舌に尽くしがたい体験だ。繁殖力が強い理由って多分アレが理由だろうな。結局数十個の卵を孕まされたし、産むときもそりゃ……。ははは。しかも生まれてきた時の子供もまた可愛くない。

 

一番驚いた転生はアレだ。首絞めセ○クスの真っ最中に、呼吸困難で逝った瞬間の幼女に入った時だ。驚愕と苦しみと股の痛みで暫く動けなかった。相手のシャブ中黒人がガンギマリだったので、丸太のような腕で力いっぱい絞めてきたからな。

 

 

ぶっちゃけ俺の意識を入れるぐらいなら、もう一回その子にこの肉体で命を上げたらいいのに。

転生を操っているであろう、居るかもわからない現象の行動原理が分からない。

俺が助けた訳じゃないが、愛里寿にとっては俺は恩人だ。だからこんな風にお見舞いに来てくれる。

 

「寝てなきゃダメ。夕姫はそういってすぐ倒れたから」

「大丈夫よ。でもありがとう愛里寿」

 

茂野夕姫。

いつからか、日本人に転生して孤児だった時などに使い始めたこの名前。何か適当な名前無いかと聞いたとき、付けて貰ったものだ。

 

「今日は戦車道で良い動きが出来た。近々大学に飛び級するから、いい予行演習にもなったよ」

「愛里寿は凄いですね。私も運動とかしたいです」

 

主になんかあったときスタコラと逃げるために。

 

「……■■■■■■。夕姫はいつか私と姉妹になるんだから」

 

前半部分が聞こえなかったけど、この子と姉妹かぁ。

 

『聞き取れなかった? 聞こえないフリをしただけだろう』

 

「……」

「今ね、母上と相談中なの」

「そうですか……愛里寿、戦車道の事を教えてほしいわ」

「っ! 待ってて、今データ出すから」

 

そう言って愛里寿はカバンからタブレットを取り出した。違うんだけどなぁ……戦車道の事なんて成り立ちからルールまでもう資料で読んだから、愛里寿の活躍とか、仲間の事を聞きたかったんだけど。

 

「やーってやるやーってやるやーってやるぜ♪」

 

あんなに楽しそうに変な歌を口遊んでる子の邪魔は出来ないなあ。

 

「ねぇ愛里寿……仲良くしてくれてありがとう」

 

タブレットから顔を上げた愛里寿はどこか嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

愛里寿が帰ってから数時間。深夜2時ごろ、スーッと病室の扉が開いた。そして何名かの男が、足音を立てずに入って来た。

迷うことなく俺のベッドの横に来ると、ガスマスク越しの声で喋り掛けてきた。

 

「アンタが依頼人か。金は前払いで全て受け取っている。名前はそのままでいいんだな」

「そのままでお願いします。それから最低でも三年は私の跡が追えないようにしてください。無論テレビや雑誌、新聞にも載らないように。」

「あぁ。料金がすでに支払われている以上は何も言わんよ」

 

さて、さようなら愛里寿。私は良い友達では無かったけど、幸ある人生を。担架に乗せて運んでもらい、俺は病院を後にした。どこか知らない所で、久々に普通の人生が送れるってものだ。

 

『あーあ知らないぞ。人間の執着がどれほど怖いか知ってる癖に、懲りない奴だよ』

 

愛里寿はいい子だからそんなんにはならない! 決してな!

 

『さすが色々な人間を狂わせた実績の持ち主。無責任なクズだよねー』

 

島田愛里寿10歳、俺が13歳の時の事であった。

 

 

2

 

三年後。体の成長が止まっていると錯覚を覚える俺、茂野夕姫は県立大洗女子学園に通っていた。

この学園艦と呼ばれる教育システム、中々斬新だなと驚いた。

なんせ空母の数倍はデカい船の上に学園都市を築くとは……。船に乗ってると、大戦時を思い出す。幾度となく転生しているので、戦艦にも空母にも乗ったことがある。

役職も一通りやったなそういえば。上は戦隊司令や艦長、下に見られがちな機関科まで色々と。

女性でも軍に志願するのが当たり前で、性差別無く昇進できる世界線だから出来た事だ。

 

戦車にも乗った。チハに乗っていると、アメリカの戦車が羨ましくて羨ましくて。で、別の転生時にアメリカ戦車に乗っていると、ドイツのパンターやティーガーが本当に強くて怖くて羨ましくて。

で、また別の転生でドイツ戦車のティーガーに乗ったんだが、ここでも不満が出た。

技術大国が誇る最新型だけあって、機構がもう複雑すぎて嫌になった。アメリカ戦車って整備面とかで偉大だったんだな。隣の芝生は青く見える状態を何度も味わった。

その点現代の10式は凄いなホント。

 

勿論戦闘機だって乗れる。この体は耐G訓練とか受けてないから速攻で潰れるけどな。零戦は操縦桿が凄い軽かったな。装甲も軽いがな。

その点ジェットは凄い。なんせ基本的に有視界外からミサイルで終わりだからな。問題としては、レシプロ機なんか目じゃない程の前提知識が無いと乗れない事。

因みに陸海空関係なく、敵の位置は全部脳内の声、ハイエに教えてもらっていた。

 

高次情報存在(Higher information Existence).頭文字HIEを無理矢理ハイエと呼んでいた。コイツの声はいつの間にか聞こえるようになっており、未だに謎存在だが、役には立っている。

 

「ねーねー夕姫は転校生の事知ってる? 男だったらどうしようー!」

「あの、ここ女子高なんですが」

 

武部沙織さんと五十鈴華さん。入学当初からなんだかんだと仲良くしてもらっている。二人とも容姿端麗で如何にもモテそうだが、ここ女子高だしなぁ。

愛里寿もそうだが、この世界の人間はなんか美男美女が多い。道を歩いている老人も、なんか美形だし。

 

「確かに気になりますね。この時期に転校は相応の理由があるでしょうし」

 

転校生 is 誰?

 

『西住みほ 黒森峰女学園出身 誕生日10月23日 A型 年齢16歳 身長158cm スリーサイズ:B:82/W:56/H:84 家族構成:父・母・姉 昨年の戦車道大会でフラッグ車でありながら突如として―――』

 

もういいもういい。名前だけで十分だ。一気に情報を詰め込むと知恵熱が出るんだよこの体。

 

『なんだい。戦時中はいいから分かるだけの敵の位置情報を寄越せってせがんできてたのに、こんな時は要らないのかい。あーそうかいそうかい! ふんだ!』

 

後で甘いもの食べてやるから。

 

『じゃあ練乳を直で5本。どうせ私がカロリーだとか吸い取って使うんだから太らないよ』

 

太らなくても練乳を直に摂取ってだけで気持ち悪い。ついでに吐き気も吸い取れよ。

 

 

「転校生を紹介します」

「まぁ……」

 

五十鈴さんが心配するのも無理はない。あそこまでガチガチに緊張していると舌噛むんじゃ……。

いやぁでもやっぱり可愛いな。戦車道界隈では彼女は悪い意味で有名だけど、人命救助って忌避されることかな?

 

『人命救助(自分の命は度外視)は忌避される事はないにせよ、怒られるね』

 

いいじゃん。俺の場合死んでもどうせ変な所行くんだから。

 

『いやぁ……遠ざかってるねぇ』

 

 

「えへ、ナンパしちゃった」

「私たち、一度西住さんとお話ししてみたかったんです」

「えぇ、そうなんですか!?」

「なんかいつもアワアワしてて面白いんだもん」

「お、面白い……」

 

『いやぁ面白い』

 

混ざるな不純物。それにしても確かにいつもアワアワしていて面白い。

 

西住さんが武部さんと五十鈴さんのプロフィールをつらつらと言っていく中で、俺はどんな風に言われるのか気になった。こんだけ転生を繰り返していると、時々自分がどこまで突飛な存在になれるのか試してみたくなる。ちなみに32回前の転生では『新感覚☆お月様系ゴリラ戦闘機少女』とか目指していた。

 

『久々に普通の人生を送るとは一体。まぁ入学してから今日まで、君の評価は中々だよ』

 

普通の評価だろ?

 

『……』

 

「えっと、茂野夕姫さん。10月10日生まれ」

「はい。凄いですね」

「名簿見て、クラスの全員いつ友達になっても大丈夫なように……」

 

いい子じゃないか。こんな子が勇気を出して救助に当たったのに、誹謗中傷されるんだもんな。戦時中ならともかく、スポーツでそんな事言いだしたら終わりでは。

 

『安全が確約されているなら勝利のために多少の犠牲は付き物なんじゃないかい』

 

謎カーボンが浸水を防いでくれるならそれでも良かった。

 

「いやぁ、夕姫は入学当初からある意味目立ってたよね」

「お体が丈夫でないにしても、瞬発力とか凄いと専らの噂でした。しかも学年次席の成績ですし」

「えぇ!? 凄いですね!」

「やぁ、やめてくださいな。褒められると脳が痒くなります……」

「え、脳?」

 

『あらゆる世界の言い回しや常識が混ざってるから出てくる言葉だよね。脳が痒いなんて普通は言わないよ』

 

うるせーハイエ。お前の存在も非常識だろうが。

 

 

3

 

休み時間。ちょっと自販機でお茶を買って戻ってきたら、西住さんの目が死んでいた。瞳孔に一切光宿ってないけど……。

 

『今年からこの学園で戦車道復活だとさ』

 

戦車道から逃げてきたのに? もう運命か何かじゃない?

 

『その台詞、生徒会長も言ってた』

 

その後、結局先生にまで心配された西住さんは、武部さんと五十鈴さんに付き添われて保健室へ消えていった。私も心配だったが、まぁ命に係わるようなことでもないし、あの二人は優しいから大丈夫じゃないかな。

 

 

そんな気楽な事を思っていた次の日。

突如として西住さんが生徒会からの呼び出しを食らった。しかも全校放送で名指しで呼ばれて目が死んでいた。

 

「あ、私もご一緒しましょうか?」

「夕姫は待ってて! あんな生徒会すぐにやっつけてくるから!」

 

あんなって……。でもありがたい。

 

「私は今日は用事があるので、申し訳ございませんが先に失礼しますね」

 

こんな状況で帰るって薄情に思えるけど、もうそろそろ……。

 

『はーやーく! はーやーく! 早く糖分を補給してくれよ! こっちはアレが無いと声が震えてくるんだぞ!』

 

甘党なんて言葉で片付けられない甘味狂いめ。頭で喚くな囀るな! 

 

「夕姫も体調悪そうだね……帰ってしっかり寝るんだよ!?」

 

そう言って武部さんは西住さんの後を追っていった。ママぁ……。

結局あの後。130gの練乳を7本もキメてやったのに足りないと喚き散らしたハイエは、夜分遅くにコンビニにケーキを買いに行かせやがった。

コイツが喚いたおかげで未だに頭が痛い。熱を測ると案の定38.5度も出てやがった。この体弱すぎィ!

 

 

数日経って、西住さんは戦車道をやる事にしたらしい。

 

「なんでや???」

『沙織ちゃんと華ちゃんが自分のために行動してくれたからだね。優しい子だねぇ』

「で、今日は自衛隊から教官を招いて初訓練かぁ。戦車なぁ……あの後どうなったん?」

『どのあの後か。ベルリンの時? ラインラント? あぁ砂漠での?』

「……詮無い事だった」

 

そんな風にハイエと駄弁りながら森の中で寝転んでいると、徐々に振動が発生し、木々の向こうから38tがやってきた。

 

「あったんだな戦車」

 

『だいぶ紛失扱いにしたらしいよ』

 

目線だけで見ていると、38tから生徒会長の角谷さんが顔を出した。

 

「やぁ!」

 

 

 

4.kadotani

 

 

私にとって茂野夕姫という子は、一言でいえば不気味な天才だった。何度か会話したことはあるが、頭の中を覗かれているような視線が特徴だった。脳に別の何かを飼ってるのかと言いたいぐらいに知恵や機転が回る。かつて、その体の弱さを理由にイジメていたガラの悪い生徒が、数日後には子犬のように大人しくなったのだ。茂野夕姫の名前を聞くだけで泣き出すほどにだ。

 

そういった経緯から生徒会員の中でも要注意リストに入っていたのだが、この子勝手に自主休講したな?

危ないから戦車の中に収容したこの子は、どこに何があるか分かってると言わんばかりに装填手の席に着いた。

 

「貴様、もしかして戦車に乗った事があるのか!?」

「無いですよ。この弱い体ではね」

 

何だろうね。嘘は言ってないだけでホントの事も言ってない気がする。

まぁなんでもいいよ。戦力になるなら使わせてもらおう。

 

「科目、何取った?」

「体調を崩していたので用紙自体貰ってませんでした」

「じゃあ優しい私が用意してあげよう。戦車道ね」

「え」

「ん?」

「……よろしくお願いいたします」

 

ありゃ、そんなに私の目怖かったかな?

とにかく行ってみよう。

 

 

 

秘密協定というか、経験者に胸を借りるつもりで西住ちゃんに仕掛けてみたけど……いやぁ、まさか西住ちゃん以外にも才能ある子いたんだねー。嬉しいような、ちょっと悔しいような。

他のチームが次々落とされていく中、砲撃準備が整ったかーしまが威勢よく引き金を引いたっとおおぅ!?

なんかいきなり急制動が掛かったと思ったら、突如として急速に後退しだしたぞー?

 

「も、茂野さん!? 勝手にシフトを弄らないでください!」

「貴様ぁ、もう少しでAチームをやれたんだぞ!?」

 

そーいって二人は茂野ちゃんを叱る。私も同意見だけど……ねぇ茂野ちゃん、マニュアルを数十秒流し読みしただけで戦車って動かせるのかなぁ。

 

「河島さん。あの位置ですと直撃でしたよ。小山さん、少し操縦変わってください」

 

そういって小山と変わった茂野ちゃんだった。

手慣れた手つきでシフトとギアを弄って、こやまが運転していた時とは比べ物にならないぐらい鋭い動きをしていた。

 

Aチームの砲弾がどのタイミングでどこを狙っているのか、後ろに目でも付いてるかのように完璧に躱している。その分中の私たちは慣れない動きでだいぶ気持ち悪いけど、同時にこの子に感謝もしていた。

茂野ちゃんもありがとね。

 

「次に急制動を掛けたら河島さんは装填お願いします。小山さんは通信で他のチームに連絡を。角谷会長はなんか……4号の動きを見ていてください」

「お前が仕切るな!」

「桃ちゃん、経験者の胸を借りよう?」

「了解したよー」

 

あんなこと言ってるけど、かーしまも特に反抗することなく装填した。いいチームになれるねコレ。

 

「先程から4号の動きだけキレが良すぎます。西住さんか、別の凄い人でもいるんですかね。おっと、発射用意!」

 

私はずっと狙っていた4号に向けて発砲した。

 

「次弾装填。次で最後です」

「装填終わったぞ!」

 

それと同時、急発進して四号の右側をすり抜けた私たちは、茂野ちゃんの言葉に耳を疑った。

 

「ブレーキと同時に急速転回します。発射用意!」

 

えええ……あ、向こうも読んでいたのか車体と砲塔を左向きで急速回転させてる……。

そして慣れない横Gが体を襲い、私は必死で照準を定めて発砲した。

 

 

結果として、四号を中破に追い込んだものの、装甲の差で私たちの負けになった。

でもまぁ凄い訓練成果じゃないかなコレ。掘り出し物も見つけたし、チームワークも身についたし。

 

「あ、一年も今自滅したようです」

 

なんとかなるさ。

 

「さあて、凄いね茂野ちゃん」

 

私が声を掛けても、茂野ちゃんから返事が返ってこなかった。

 

「会長……茂野さん、白目向いて気絶してます」

「……保健室、行こっか」

 

 

5

 

さっきから揺れが激しい。俺は何をしていたんだっけ。

っとそうだった。そろそろ起きないと。

もうすぐ理不尽な命令が来るだろうから。

よっこいしょ。

 

 

西暦1945年・ラインラント。

連合軍が目と鼻の先どころか、市内にまで入り込んでいる末期戦。幾度となく転生をしてきた俺は、あぁ寝てしまったかと思い体を起こす。

 

この頃のドイツ軍と言えば、上は老人から下は子供まで武装親衛隊の事を言っていた。ナチスの敬礼はどうにも慣れない。

ふと、手に持っていた小さな鏡に自分が映り込んだ。

何日も洗っていない髪。

汗や硝煙でべた付いた肌。

何日も碌に寝てないであろう、どす黒い目の下の隈。

そしてなにより、何年も作戦に従事した証であるこの濁った瞳。

 

人殺しの眼だ。ひとつ前の転生が、凄く平和だったからか、その反動も余計に酷い。

 

「車長、司令部より通信です! 直ちに中央広場へ急行し、祖国を踏み荒らすならず者に鉄槌を下すべしとの事!」

 

これだよ。末期戦のこの状況でよくそんな事が言えるなと感心する。司令部も司令部だが、幼いころよりナチスの教育を受けたであろうこの少女通信士も大概だ。

 

「~♪」

 

色々と悟って諦めている中年の熟練操縦士が口笛を吹く。その態度が気に食わなかったのか、通信士は操縦士をキッと睨みつけた。

兄妹で同じ戦車に配属となった兄の装填手と妹の砲手は、またかとため息を付いた。

車長の俺はため息を付きながら、手持ちの地図に目を落とす。

 

『正直言ってどのルートも厳しいね。実験的にだが、特殊改造を施されたファイアフライも二台ほどうろついている』

 

俺は操縦士に苦労を掛けるという視線を送ると、しょうがないといった感じで苦笑いを返してきた。

 

「通信士、司令部からの命令を受領しろ。操縦士、先程からエンジンが不機嫌だから注意して進めよ。おそらく広場にはファイアフライも出張って来ているだろう。これより我が車は広場で孤立している味方の救援に向かう。戦車前進(Panzer vor)

 

俺は転生者。

 

今世では末期戦で戦う軍人で、このティーガーⅠ 810号の車長だ。まぁもうすぐ幕を下ろされるであろうがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きて

 

 

!?

 

 

……なんだか、懐かしい夢を見てたな。ここは保健室か?

 

『あの後気絶したんだぜ』

 

被弾の衝撃でか。

 

『戦車道、やるのかい?』

 

面白そうだしな。

 

『愛里寿の事は』

 

愛里寿はとってもいい子だから!

 

『……95%』

 

中々高い確率だな。俺にとって嬉しいことか。

 

『1年以内に、君が愛里寿に捕まって死ぬまで監禁される確率だ』

 

 

は??????????

 

 

 

なんで??????????????

 

 

 

 

 

 

 

 

 




例の三種の神器の汎用性高すぎィ!

今回のおバカな主人公

茂野夕姫(病弱+脳内AI+輪廻転生経験者)
身長:豆 体重:爪楊枝の不気味ちゃん
絶対に雌の体に転生するが、毎回病弱なわけではない。

名前の由来
茂野→もの→物
夕姫→ゆうき→有機
=有機物

Qこれ畏怖じゃないんか?
A転生に拘りたい
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