魔王城でおやすみシスターズ   作:Dr.クロ

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人と魔が交わった世界、そこで起こる物語の始まり


第一夜~眠れぬ城の姉妹姫~

人類統一国家カイミーン

 

平和だった国はある事で一変した。

 

―人の国の()()()()をいただいた!返して欲しくばこの世の支配を全て魔の物に引き渡せ!!―

 

地の底により現れた魔王によりその国の宝とも言える2人の姫が誘拐されたのだ。

 

そんな誘拐された2人の姫は今、魔王の城で……ぼーとしていた。

 

???「…寝る事以外…」

 

???2「…すること…ないな」

 

ベッドの上に座りながら2人の姫は呟く。

 

1人は銀髪のロングストレートヘアーで頭に冠を付けた少女、オーロラ・栖夜(スヤ)・リース・カイミーン……通称スヤリス姫でカイミーンの()()()()である。

 

もう1人は銀髪のショートヘアーで頭に王冠を付けた1人目より年上の女性、オーロラ・兎都(ウト)・リース・カイミーン……通称ウトリス姫でカイミーンの第1王女であり、スヤの姉である。

 

ウト「人質だからと言って一切傷つけられないし…公務もないからな」

 

スヤ「ごはんも三食。割と美味。でも…」

 

監禁されてる立場としてはある事を除いては文句の付け所がない扱いだ。

 

その文句があるある事と言うのが……

 

スヤ&ウト「(安眠できた試しがない!)」

 

そう、安心して寝れないのだ。

 

一応騒がしくするなと言われてるからか魔物達は大きい声を出してはいない。

 

それでも寝れないのだ。

 

???「ヤッホー、元気にしてる?」

 

するとそこに元気な女性の声が入ると共に牢屋の扉が開く。

 

入って来たのは緑色の髪の女性で緑を基調とした白い動きやすいドレスを身に纏っている。

 

ウト「…また来たのか魔王女ユウグレ」

 

呆れた様にウトは入って来た人物にそう言う。

 

魔王女ユウグレ、彼女は2人を誘拐した魔王タソガレの妹であり、十傑衆をサポートする十傑衆補佐でもある魔王軍の幹部だ。

 

良く2人の所に来ては気軽に話しかけてくる人物である。

 

ユウグレ「良いじゃん。お兄様から姫たちのこと見ててくれって言われてるし。それにすることなくて暇なんでしょ?」

 

スヤ「うん。それに寝ても寝ても疲れが取れない……」

 

笑ってスヤの隣に座るユウグレにスヤは頷きながら枕を手に取ってボスボス叩く。

 

そんな叩いていた枕をスヤは持ち上げてジーと見る。

 

ウト「ん?どうしたスヤ?」

 

ユウグレ「どうしたのスヤ姫さん?」

 

スヤ「……ガサガサして柔らかくない。もっと良いのない?」

 

そう聞かれてユウグレは困った顔をする。

 

ユウグレ「ここって牢屋だからね。あまり良い枕は…」

 

ウト「確かにあまり質が良くないな」

 

スヤ「…そうか、寝具さえ良ければもしかして…!」

 

寝れると思っているスヤにどうしようかなとユウグレは考えていると牢屋に来訪者が来る。

 

それは愛くるしい2頭の悪魔のクマ、でびあくまだ。

 

わっせわっせと一生懸命にウトとスヤの食事を運ぶ2頭はベッドの横のテーブルに夕食を置く。

 

ユウグレ「あ、もう夕食の時間か」

 

ウト「私のもスヤの牢屋の方に運んできてくれたのか。すまないな」

 

礼を述べるウトにむーと返事をしてから運んだと言う当番表にサインしようと向かう。

 

可愛らしいなとそんなでびあくま2頭にユウグレとウトは思っているとスヤはユラリとナイフを手に持って立ち上がる。

 

ウト「お、おいスヤ…?」

 

ユウグレ「す、スヤ姫さん。まさか…」

 

一歩一歩ナイフ片手にでびあくまに近づくスヤに何をするか察して2人は止めようとスヤの行為を止める。

 

スヤ「安眠の為、それにあの子達の毛なら良い枕に出来そう」

 

ユウグレ「マスコットに止めたげて!」

 

ウト「他の方法!他の方法にしろスヤ!」

 

止められて他の方法と言うのにスヤは抱き合って震えるでびあくま達を見て少し考えてから懐を探り……

 

スヤ「こっちの方が効率良いか」

 

ブラシを取り出す。

 

それなら良いかと2人は安堵する。

 

わしわし……わしわし……

 

でびあくま1「む~♪」

 

でびあくま2「むむ~♪」

 

ブラッシングされて心地よさにでびあくま達はご満悦に鳴く。

 

ユウグレ「上手いね妹姫ちゃん」

 

ウト「たまに私の髪もしてくれるのだ。上手だぞ」

 

ほへぇ~と感心するユウグレにウトは自慢げに胸を張って言う。

 

その際に大きい胸がぷるんと揺れる。

 

その間にでびあくまから抜けた毛をスヤは手に取ってそのふわふわ感におおとなる。

 

そんなスヤにでびあくまはもっともっととブラッシングを求める。

 

スヤ「もっとして欲しいの?なら鍵と交換…」

 

そんなでびあくま達に悪魔の囁きをする。

 

ユウグレ「いやー、流石にそれはダメかなー;」

 

スヤ「あとこの子の足止めも」

 

止めようとするユウグレを指さしたスヤの言葉にでびあくま達の目が光った後にむーむー!と叫ぶと大量のでびあくま達が殺到する。

 

ユウグレ「え。ちょっ、まっ…」

 

待ってと制止しようとするがその前に戦闘モードとなったでびあくま達に飲み込まれる。

 

スヤ「じゃ、行こう。姉さん」

 

ウト「あ、ああ…。その、すまんなユウグレ」

 

にゃあああと襲われてるユウグレに謝罪しながらウトはスヤに引っ張られて牢屋を出る。

 

ウト「おい、スヤ。何処に行くつもりなんだ!」

 

スヤ「安眠まくらの材料探し」

 

引っ張られながら問うウトにスヤはそう返す。

 

スヤ「そのまくらがあれば姉さんもぐっすり眠れるでしょ?」

 

そう言われるとウトは嬉しい様な困った様な複雑な顔をする。

 

実はと言うとウトは研究・仕事熱心なため、一日に3.4時間しか寝てない事だ。

 

それ故にその事でスヤに心配されてたりしているのだ。

 

ウト「そ、そうかもしれないな」

 

スヤ「だからまくらの材料を探さないと。まず必要なのは…」

 

そう言って歩きながらキョロキョロ辺りを見渡し、み~つけたと笑う。

 

 

 

 

歩いていたハリネズミとアルマジロを混ぜた様な魔物、はりとげマジロは騒がしいなと思っていると……

 

魔物「お、おい姫が!姫が両方とも歩き回ってるぞ!」

 

はりとげマジロ「なんだと!?確かユウグレ様が見に行ってただろ!?」

 

告げられた事にはりとげマジロは驚いた後に何かあったのかと思った直後……

 

ブチブチブチ!!

 

はりとげマジロ「いてぇ!!?」

 

尻尾から何かを抜き取られた事による痛みに振り返ると尻尾の一部のトゲが抜かれていた。

 

スヤ「まくらを縫うための針。ゲット」

 

ウト「えっと、すまんな。一応これで回復すると思う」

 

そしてチラッと端の視界に自分の尻尾から抜いたであろう針を持ったスヤとウトの姿があった。

 

さっき感じた痛みがないなと思った後にはりとげマジロは我に返り……

 

ーあ、あっちに行ったぞ!!-

 

ウト「布にはこのカーテンが良いんじゃないか?」

 

スヤ「うん、そうだね。あとは…」

 

後ろからの声を聞きながらカーテンを引き剥がすスヤの次の材料を聞いてウトは成程なと納得する。

 

 

 

 

魔物「ん?騒がしいな」

 

アイテム庫の倉庫番をしていたデュラハンの魔物は騒がしさに何があったんだ?と呟く。

 

???「大変だー。人質になってる姫が姉妹とも死にそうだ―」

 

そこに1人の魔物?が来て言った事に何!?と驚きの声をあげる。

 

???「なるだけ色鮮やかな赤ハーブ、青ハーブ、黄色ハーブがないとー」

 

魔物「そこの宝箱に入ってるぞ!持っていけ!」

 

その言葉に入ってる宝箱を指して教えるデュラハンの魔物にありがとうとお礼を述べて手に持って運んで行く。

 

魔物「?そう言えばあんな奴いたっけ?」

 

見送りながらデュラハンの魔物は疑問を呟くのであった。

 

 

 

 

 

ユウグレ「うう、プニプニが……プニプニが迫る……」

 

ウト「おーい大丈夫かー?」

 

スヤ「…やりすぎたか?」

 

でびあくま達に囲まれて魘されているユウグレにウトは声をかける。

 

ユウグレ「う~~~はっ!?戻って来たの良かった~」

 

スヤ「材料が集まったから。ありがとね皆。今度たっぷりブラッシングしてあげるから」

 

ウト「私も手伝おうかスヤ?」

 

正気に戻ったユウグレにそう言ってからでびあくま達にお礼を言うスヤにウトは聞く。

 

スヤ「ありがとう姉さん。する時はお願いするね」

 

ユウグレ「それでは先生。今日は何を作るのですかな?」

 

そう言ったスヤへユウグレは楽し気に聞く。

 

スヤ「まずは毛をよじって糸を作る」

 

ユウグレ「おお、みるみる内に細くなっていきますね~匠ですね~」

 

毛をみるみる内に1本の糸に変えて行く様子にユウグレは感嘆する。

 

スヤ「これをこの針でさっきハーブで染めたカーテンを縫って…」

 

ユウグレ「おお、ドンドン出来上がって行きますね~」

 

この2人ノリ良いなとウトは苦笑しながらでびあくま達とその様子を見て行く。

 

スヤ「そして中にふわふわを入れたら…」

 

ユウグレ「おお!綺麗な枕の出来上がりだね」

 

わーーーと拍手するユウグレにスヤは会釈して早速出来上がった枕を触ってみる。

 

スヤ「あっ…音が全然違う…!」

 

モフモフと堪能してると疲れたのかうすらうすらと船を漕ぎだす。

 

ウト「眠いのかスヤ?」

 

スヤ「なんか…日々の疲れが一気に……」

 

そう言ってベッドに寝転がって寝息を出すスヤに2人は微笑む。

 

ウト「さて、私も寝るとするか…このまくらなら久しぶりに寝れそうだ」

 

ユウグレ「確かに良いまくらだよねこれ(あれ?これ私のまくらより良くない?)」

 

そう言ってもう1つ作ってくれたのを手に取るウトにユウグレは触りながら良い感じなのに今度こっちもでびあくま達に頼もうかなと思いながら立ち上がる。

 

ユウグレ「それじゃあおやすみ。ウト姫さん」

 

ウト「うむ…おやすみ」

 

そう言って妹と寄り添って寝るウトにユウグレはくすりと笑ってでびあくま達と共に牢屋を出るとそこに強張った顔の自分の兄であり、2人を誘拐した魔王タソガレが来てるのに気づく。

 

ユウグレ「あ、お兄様」

 

タソガレ「ユウグレ。姫が姉妹とも一時脱走したって報告が来たぞ」

 

どうなんだ?と聞くタソガレにユウグレは困った顔をして肯定するのにタソガレは顔を抑える。

 

タソガレ「なぜそうなったか簡略に教えろ」

 

ユウグレ「牢屋の寝具の質が悪かったのでまくらを自作したかった」

 

ホントに簡略に答えられたのにタソガレは深いため息を吐く。

 

タソガレ「安眠する為だけに一時脱走するか姫が普通に!!」

 

ユウグレ「変わった御姫様だよねぇ」

 

はははと苦笑してからユウグレはずっと気になっていた事を丁度良いと思って戻ろうとするタソガレに聞く。

 

ユウグレ「…ねえお兄様。なんで姉妹両方誘拐してきたの?一人だけでも良かったんじゃ…」

 

はりとげマジロ「あ、それオレも気になってたんですよ。行った連中に聞いてもなんでかはぐらかすんで」

 

タソガレ「ああ、そうかお前達は城にいたからな……うむ、実はな……」

 

聴きたい妹と追従する部下にタソガレはその時のを語り出す。

 

 

 

 

あの時はスヤを誘拐する為に緊張しながら彼女を連れ出そうとした時だった。

 

扉が開いた音に気づいて振り返るとそこにいたのはウトだった。

 

タソガレ「き、キサマは錬金姫、ウトリス!」

 

『錬金姫』それはウトリスが錬金術で様々なものを発明することから名付けられた彼女の二つ名である。

 

国一番と言われた人物にタソガレは身構えるがまぁ、待てとウトは手を前に出す。

 

ウト「取引をしようじゃないか魔族よ。応じてくれたら騒ぎはしないぞ?」

 

タソガレ「取引だと?」

 

出てきた言葉にどういう事だと思った後にハッとなる。

 

タソガレ「(……!そうか!妹が居なくなれば次期王位は完全に彼女のものになる。なんて恐ろしいことを考えるのだ。ウトリスひ……)」

 

思わず戦慄し、彼女に恐怖しかけるタソガレだが……

 

ウト「私も一緒に誘拐しろ!」

 

タソガレ「あれ!?」

 

全く予想外の要求に絶叫し、シーと言う言葉に口を押さえた後にすぐさまウトへと問う。

 

タソガレ「い、妹を消して王位を確実に自分のものにするのではないのか?」

 

ウト「なに?最愛の妹を消すなどなんて恐ろしいことを考えているのだ貴様は」

 

恐ろしい奴めと言うウトにいや、そう思っただけでと否定した後にどうして?と問う。

 

ウト「私は王位を妹に譲ろうと思っているしな。王の后になんて興味ないからな。それで妹と争うなど愚かなことだ」

 

タソガレ「そ、そうなのか;」

 

勝手に考えてた自分が馬鹿に思えると思いながらタソガレは要求の意味を問う。

 

タソガレ「なぜ貴様も付いて行きたいのだ?普通ならば妹の代わりにとも言える筈だ?」

 

ウト「それだとどっちにしても妹と長い間会えなくなるではないか!」

 

迫真の顔で告げられた事にタソガレはガクッと崩れかけるがスヤを背負っているので踏ん張る。

 

ウト「それに、その方がこっちにも都合が良いからな」

 

タソガレ「都合が良い?」

 

出てきた言葉にタソガレは怪訝となる。

 

ウト「いや、なに。こっちの話だ。気にするな。早くしないと人が来るぞ?」

 

タソガレ「む、確かにそうだ」

 

ぼかされたが確かにこのままいたら警備してる者が来るかもしれないと考えて仕方がないと考えながら了承する。

 

タソガレ「分かった貴様の要件。この魔王タソガレが確かに聞き入れた」

 

ウト「…まさかの魔王本人か」

 

誘拐して来たのが魔王だったのでなんとも言えない顔をするウトだが、気を取り直してちょっと待っといてくれと紙を取り出してそれに書いて行き、書き終えると飛ばない様にか腕輪を重石の様に置く。

 

その後にどこからともなく旅行鞄の様なのを取り出す。

 

ウト「では行くとするか魔王よ」

 

あ、ああと答えてからウトを伴ってタソガレは続く。

 

 

 

 

タソガレ「……以上が彼女のいる理由だ」

 

ユウグレ「…凄いね。ウト姫さん」

 

はりとげマジロ「すげぇシスコンだな」

 

語り終えたタソガレのを聞いてユウグレは感心し、はりとげマジロは呆れて言う。

 

タソガレ「まぁ、あの様子を見るからに他に目的があったのだろうがそこまでは吾輩にも分からん。ただ、何やらただならん感じがした気がするがな……」

 

ユウグレ「そ、そうなんだ…」

 

腕を組んで言うタソガレのにユウグレはほぇーとなる。

 

タソガレ「とにかく、なれ合うのは良いが脱獄をあんまりさせないでくれ妹よ」

 

はりとげマジロ「(あ、なれ合うのは容認するんだな)」

 

ユウグレ「はーい!」

 

行くぞと歩き出すタソガレにはりとげマジロが続き、ユウグレも続こうとしてその前に2人を見ておやすみと言う。

 

 

 

 

時間が進み、深夜

 

ウト「……ん…」

 

うっすらと目を開け、ウトはスヤが目に入った後に時間を確認する。

 

ウト「深夜か。まあまあ寝てたようだな…」

 

頭を掻きながらウトはそう漏らす。

 

研究や仕事があったので寝る時間が短かったのでこれでも長くは寝たなと思いながらスヤの頭を撫でる。

 

ウト「ありがとな、スヤ」

 

眠っている妹へお礼を述べた後にふふと笑う。

 

ウト「…スヤのためにもやはりアイツを何とかせぬとか…」

 

そう呟いてからここに来るまでの事を思い返す。

 

 

 

 

人類統一国家カイミーン国「カイミーン城」の城内

 

その通路をウトは苦い顔をしながら速足で歩いていた。

 

その理由は先ほど聞いたある報告である。

 

ウト「(マズイ…非常にマズイ。アカツキが勇者として着実に成長している)」

 

彼女の思っているアカツキと言うのは妹のスヤの幼馴染の少年である。

 

ただの幼馴染だったならウトも苦い顔なんてしていない。

 

その幼馴染の暑苦しいほどのポジティブさとタフさを併せ持つ熱血派な性格とか行動が問題であった。

 

幼い頃からスヤに無意識に怪我をさせえたり、被害を与えていたりする他、変な感じに解釈したりするので妹が大事なウトにとっては無意識に危害加えるヤバい奴と言う認識をされているのだ。

 

本人も不憫な目に遭っているがそれを帳消しする程、いや帳消しするには有り余る以上にスヤを危険な目に遭わせているのでウトにとっては度し難い相手である。

 

ウト「(スヤは今のところ奴のことを 覚えてないし、このところお互い仕事と特訓で会えてもいないから平気だがもし勇者としてさらに何か実績を奴が得たらうちの両親のことだ。必ずスヤと奴を結婚させてしまう…!)」

 

そんな奴と結婚させる位なら国を捨ててでも妹と亡命してやると考えながら妹のスヤに労いの言葉とおやすみを言う為に歩いていたウトは妹の寝室に到着し、扉を開けようとして取っ手に伸びていた手をが止まる。

 

止まった理由は妹の部屋から妹とは別の気配を感じるからだ。

 

様子を見る為にドアをこっそり開けて様子を見るとそこにいたのに目を見開く。

 

そこにいたのは寝ている妹を見ている魔族の男がいたのだ。

 

ウト「(魔族…!最近静かと思っていたがまさかスヤを誘拐する計画を立てていたのか…!)」

 

とにかく様子見で、もしも妹に害をなすならばといつでも出せる様に身構えながら構える。

 

魔族の男はちゃんと寝ているかを確認する様にスヤをじぃ~~~と見ている。

 

ウト「(スヤの寝顔をじーっと見てるな……まぁ、うちの妹は可愛いからな!)」

 

それを見てウトは少し自慢げになる中で魔族の男は苦悩してる様に動きながら連れて行っても大丈夫な様にかスヤの着替えを拾っていく。

 

ウト「(妹の服を勝手に触るとは……焼くかアイツ)」

 

それにウトは思わず手を出しかけるが魔族の男性は途中でビックリした様に寝ているだろう妹を顔を向けて怯える様に震える。

 

ウト「(む?なんだ、様子がおかしいぞあの魔族…)」

 

何があったんだ?とウトは訝しむ中で起きない内にと思ったのか早めに行こうとしてベッドの内に引っ掛けられていた衣服を取ったら同じ様に引っ掛けられていた本がスヤの頭に当たる。

 

ウト「(あ、スヤの頭に…!)」

 

起きると思ってかオロオロし始める魔族の男。

 

ただ、スヤは起きる様子はない。

 

それだけ疲れていたのかとウトは思っているとオロオロしていた魔族の男はピタリと動きを止めたと思ったらスヤを見て決意を固める様に右手を握り締めてから頭を下げる。

 

ウト「(何か決意したようだが…。さて、奴をどうするか…)」

 

様子を伺うと魔族の男はどこからともなく取り出した背負子に姫を丁重に載せて、その上に荷物を落ちない様に積むと背負いあげる。

 

それを見てやはり誘拐する気かと迎撃に出ようとして……ふと思い直す。

 

ウト「(待てよ?これはもしやチャンスでは?もしこのままスヤが…更に私が誘拐されれば勇者である奴は必ず救出の旅に出る。その最中、魔族の作戦に便乗してアカツキに大怪我…いや、葬ることができれば…!)」

 

すぐさま打算を建てると黒い笑みを浮かべる。

 

ウト「(さらに前から大臣たちに休みを取った方が良いと言われたしな。最近仕事漬けの妹を休ませるのにもちょうどいい……よし)」

 

そう考えて妙案だと思いながらウトは扉を開け……

 

 

 

 

ウト「(これが私が妹と一緒に誘拐された経緯だ。この機会に巡り合えたことに感謝しないとな)」

 

そう思いながらスヤの頭を優しく撫でながら月を見上げる。

 

ウト「(だから私はこの誘拐で妹とたっぷり過ごしながら…あのアカツキを葬ってみせる!)」

 

グッとウトはそう決意するのであった。

 

こうして始まった姉妹の姫たちの魔王城での安眠生活

 

果たしてウトは妹を楽しく過ごしながら勇者アカツキを葬ることができるのだろうか…?

 

……なお、ここまでそんな素振りを全然見せていなかったが此処に記載しておこう。

 

スヤの姉、ウトとタソガレの妹、ユウグレ。

彼女達2人は前世の記憶を持つ者で()()である。

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