魔王城でおやすみシスターズ   作:Dr.クロ

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劇的、ビフォーアフター!


第三夜~風で寝よう/牢屋リフォーム~

前回から暫く経った日、スヤ姫はウト姫とユウグレと共に……宝具殿に迷い込んでいた。

 

スヤ「……迷った」

 

ウト「広くて迷路みたいな構造だからな。仕方もないか」

 

ユウグレ「そりゃ此処、魔王城だからね二人とも;」

 

私がいるから大丈夫だけどさ、と呟いた後にここが宝具殿と告げるとスヤがハッとなる。

 

スヤ「此処なら伝説の寝具(?)とかあってもおかしくないのでは……?」

 

ユウグレ「いや、魔王城の宝具殿に寝具とかないからね!?」

 

ツッコミを入れるユウグレを無視してスヤは手あたり次第に探し始める。

 

ユウグレ「あまり荒らさないでね。今度ダンジョンに設置するのもあるんだから」

 

ウト「ダンジョンに?」

 

うん、と首を傾げるウトにユウグレは頷く。

 

ユウグレ「今度勇者が通るダンジョンに設置するのもあるよ」

 

ウト「……ほぅ……」

 

その時のウトの表情を見たユウグレはタソガレにこう語ったそうだ。

 

ユウグレ『あの時のウトさんね。凄く獲物を狙っている獰猛な肉食動物を彷彿とさせる程凄く獰猛で黒い笑みを浮かばせて獲物が来たと言わんばかりに笑っていました』

 

 

閑話休題

 

 

くくくくくと笑いながらウトは宝箱に目を向ける。

 

ウト「さーて、何があるか……」

 

ガコッ!

 

あうっ!?と何かがぶつかる音とスヤの声に2人が顔を向けるとスヤが頭を摩っており、そんなスヤの前に風がさかまいている盾があった。

 

ユウグレ「あ、それは風使いの盾!」

 

ウト「風使いの盾だと?」

 

近づいて見てほほう、と声を漏らす。

 

ウト「この宝石から風が出ている仕組か。なかなか良い魔石を使っているようだな。……デザインはいまいちだが」

 

ユウグレ「あはは、まぁ、魔族のだしね」

 

特に顔の部分を見て言うウトにユウグレも同感なのか困った顔をする。

 

その後にウトは閃いた。

 

 

風が出ている部分を抜いてスヤにプレゼントし、再デザインついでに嫌がらせのを変わりに付け加える。

スヤは喜び、もしかするとアカツキのあげふん邪魔をできる一石二鳥。

 

 

ウト「よしスヤ。それ壊していいぞ」

 

スヤ「え?いいの?」

 

笑顔で言う姉にスヤは首を傾げる。

 

確かに風が吹くのは眠るのに良いかもと思っていたので丁度良かったが……

 

ウト「ああ、思う存分、やっちゃえ」

 

スヤ「でも手ごろな道具がないと……」

 

ん-と唸るスヤに大丈夫だとウトは笑う。

 

ウト「私が用意しよう。それなら行けるだろ?」

 

ユウグレ「いやいやいや、流石にそんな事されると困るんだけど、代わりの用意するとかならともかく」

 

安心しろとユウグレの懸念にウトは笑う。

 

ウト「オレがこの際、盾の見た目を再デザインして作り直してやる。それでいいだろ?」

 

ユウグレ「んーまぁ、それが良いかな」

 

やっぱり見栄えは大事だし、とユウグレは頷く。

 

ウト「って事でスヤ。まずはどんな道具が欲しい?」

 

スヤ「えっと……」

 

「うおっ!?姫!?」

 

聞くウトにスヤが答えようとした所で後ろからの声に振り返ると槍を持ったダイヤモンドの様な魔物がいた。

 

ユウグレ「あ、しょうわるダイヤくん」

 

しょうわるダイヤ「ユウグレ様も!?なんでこんなとこに居やがるんだコノヤロー!宝いじったなテメー!」

 

スヤ「(石)」

 

盾を見て怒鳴るしょうわるダイヤにスヤはどこからともなく布を取り出す。

 

しょうわるダイヤ「!?な、なんだその目はコノヤロー!布なんか持って……お、オイ!待て!返事しろ!コラ!!」

 

スヤ「石…石…」

 

ウト「ん-、これは後始末の方に手を回した方が良いか?」

 

必死に後ずさるしょうわるダイヤにスヤは飛び掛かり………

 

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!!!

 

しょわるダイヤ「ぎいぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ユウグレ「しょうわるダイヤくーん!?」

 

布にくるんで盾に力強く叩きづけられて悲鳴をあげるしょうわるダイヤにユウグレも悲鳴を上げる中でねぇ知ってる、とスヤがおもむろに言い……

 

スヤ「……硬い物を布とかに包んで…振り回せるようにした武器をブラックジャックって言うんだよ」

 

ユウグレ「へ、へー;詳しいね;」

 

しょうわるダイヤ「そんな情報今いらねーよ!」

 

唐突なウンチクにユウグレは冷や汗掻きながらそう述べて、しょうわるダイヤは叫ぶ。

 

スヤ「なかなか外れない……」

 

ウト「意外と頑丈だな。このアイテム」

 

うーんと唸っている2人にユウグレが挙手する。

 

ユウグレ「あの……ウト姫さんの錬金術で取りたい所を取ってから、盾の見た目を変える感じにしても良いんじゃないかな?」

 

ウト「……その手があったか」

 

スヤ「お姉ちゃん……」

 

しょうわるダイヤ「ウト姫さんよぉ……」

 

すっかり忘れていた……と頭を掻くウトにスヤと被害者のしょうわるダイヤはジト目を向ける。

 

どちらとも叩 い た(ぶつけられた)苦労は何だったのか、と視線に込めてるのにウトは恥ずかしそうに視線を逸らしてコホンと咳払いしてから風使いの盾を見る。

 

ウト「まずは盾の構造を解析と」

 

そう言って手を翳すと魔法陣、いや錬成陣が展開されて風使いの盾を解析して行く。

 

しょうわるダイヤ「す、すげぇ」

 

ユウグレ「これがウトさんの錬金術……」

 

その光景にユウグレたちが目を奪われる中でウトは解析完了と呟いた後に手をパンとさせる。

 

すると風使いの盾の中央にある羽の装飾が付けられた宝石の周辺が、電が走った後にあっさりと盾から外れて宙を浮かんだ後にスヤの手に収まる。

 

しょうわるダイヤ「は、外れた!?」

 

ユウグレ「しかも盾は全然壊れてない……」

 

続けてパンと手を鳴らすと盾に変化が起こる。

 

禍々しい顔だったのが綺麗な顔の美女のに変わったのだ。

 

その後にウトは取り出した真っ黒な宝石を取り出して元々の宝石があった場所に変わりに置いて手短な宝箱から取り出した金も置いて3度手をパンとさせると金が先ほどの宝石に付いていた羽の装飾の様になって宝石と共に固定される。

 

ウト「これでどうだ?」

 

ユウグレ「す、凄すぎでしょウトさん……」

 

確認するウトにユウグレはそう返していると慌てた様子で魔族を引き連れたタソガレが来る。

 

タソガレ「さっきのはなんだ!?ってその盾はなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ユウグレ「あ、お兄様」

 

ウト「お、魔王か。ちょうど良かった。貴様が次のダンジョンで用意しようとしていた盾の再デザインが終わったぞ」

 

絶叫するタソガレにウトはあっけらかんにそう返す。

 

ちなみに先ほどの発言はスヤが取ろうとしていた際に偶然タソガレが一緒に付いて来た魔物と話をしていたのを聞いたからだ。

 

タソガレ「終わったぞって何断りなく……あらやだ普通に美しいし勇者が持つと普通に似合ってる」

 

怒ろうとして盾のを見て普通に関心した後におお、と声を漏らす。

 

ウト「もう少し良いデザインした方が良いぞ?使う方もカッコいいのがいいだろ」

 

タソガレ「む……確かに、これを使った者はカッコよく見えるな……」

 

暫し考えてから仕方がないと呟いてからタソガレは言う。

 

タソガレ「あまり奇抜なのにしなければ今回の様なのを頼む」

 

ウト「うむ、任せろ」

 

早速運ばせる様に命令するタソガレと風使いの盾に付いていた宝石で早速風力ベッドの心地よさを堪能してるスヤとユウグレの後ろでウトが黒い笑みを浮かばせてこう呟いていたのに誰もが気づいていなかった。

 

 

 

ー計画通り……ー

 

 

 

 

 

 

暫くして、勇者アカツキとキショウ達は風の砦付近のダンジョンで盾を手に入れた。

 

アカツキ「これが風使いの盾」

 

キショウ「凄い力を感じるな」

 

盾の美しさや発するのにおおと声を漏らしたアカツキは盾を構える。

 

キショウ「とりあえず、どういう感じか確かめるか?」

 

アカツキ「ああ。では早速……!」

 

どんな感じか確かめる為にアカツキは盾を構える。

 

アカツキは盾を使用した。

 

アカツキ達は気を失った。

 

一瞬だった。

 

宝石が光ると共にアカツキ達は意識を失って倒れたのだ。

 

それを隠れて見ていたタソガレはあれ!?となる。

 

慌ててタソガレは盾を確認する。

 

 

 

()()()()(きゅうふうほうふう)の盾

効果

使用者の半径1m以内の全ての風を吸い込む。

もう一度使えば吸い込んだ風を勢い良く放出する。

※使用者や周りの者の空気も吸い込む為、()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

タソガレ「(ウト姫ぇ!?何とんでもないアイテムに魔改造しているのだ!?)」

 

アイエェェェェぇ!?とタソガレが叫んでいる頃……

 

スヤ&ユウグレ「zzzzzzzz」

 

ウト「ククク、アカツキ。今頃くたばっているだろうな」

 

風使いの盾に付いてた宝石で作り上げた風力ベッドで寝てる2人を見ながらウトは黒い笑みを浮かばせて笑う。

 

なお、アカツキ達はタソガレにより密かに回復させられ、注意事項も添えられたので無事に対策していた事を知ったウトは密かに舌打ちするのであった。

 

 

 

 

 

 

それから2日後の朝。

 

ウト「良し、リフォームだ」

 

唐突にウトはそう言った。

 

ユウグレ「り、リフォーム?」

 

ウト「そうだ。牢屋のリフォームを行う」

 

ちなみに許可は取ってあるぞと紙を見せる。

 

 

もう、好きにしてbyタソガレ

 

 

ユウグレ「(考えるのを放棄したんだねお兄様;)」

 

わお、と驚いている間にウトはスヤと共に計画を立てる。

 

ウト「それでどうリフォームするスヤ」

 

スヤ「そうだね……まず窓をなんとかしたい」

 

そう言ってスヤは普通にガラスの無い窓を見る

 

ユウグレ「確かに吹き抜けだよねこれ」

 

ウト「流石にこのままじゃあスヤの可愛らしい肌に虫刺されが出来るのは嫌なので」

 

そう言って取り出したのはガラスの材料である珪砂、ソーダ灰、石灰である。

 

どうやって揃えたの?と聞くユウグレのに魔王に頼んで用意して貰った、と返しながら錬成陣を出現させる。

 

ウト「こうすればガラスの完成だ」

 

そう言って手をパンとさせると窓枠にあったガラスが形成される。

 

ユウグレ「おー、ガラスが出来た!」

 

スヤ「それでこれをどうするの?」

 

ウト「あー……窓にはめ込む様に錬成するべきだったが……万が一を考えて風で材料が飛ばない様にと思ってやったがどうしよっかな……」

 

失敗したな……と置かれたガラスを見てウトは頭を掻く。

 

ううむ、と唸っているとおおおおおおお!!と言う声に3人は声のした方を見るとスキンヘッドに2本のトンカチの様な角を生やして眼鏡をかけ、口ひげを長く伸ばし、二股のしっぽを生やした小柄な中年の様な男性がいた。

 

ユウグレ「オヤジトンカチさん!?」

 

ウト「誰だ?」

 

ええ!?と驚くユウグレにウトは聞く。

 

ユウグレ「魔王軍の武器とかを作ってくれる鍛冶職人の魔物だよ。でも最近は作ってくれてなくて……」

 

ウト「え?どうしてだ?」

 

オヤジトンカチ「どうしてだ?じゃと?」

 

説明に気になって聞いたウトにオヤジトンカチは鉄格子越しに震えながらスヤを見て……

 

オヤジトンカチ「囚われた人間の姫のためじゃあ!!」

 

ウト&ユウグレ「(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

まさかの理由に当事者であるウトも含めて驚いた。

 

ユウグレ「さ、拐われた姫のためってのはどういう…?」

 

ウト「拐ったのは魔王だし、上司だろ?」

 

オヤジトンカチ「……ワシの作る殺戮の道具が争いを加速させて、2人の姫が連れて来られた事にワシは……哀れに思ったんじゃ」

 

その言葉を聞いたウトとユウグレは……凄く申し訳ない顔になった。

 

ユウグレ「(ごめんなさいオヤジトンカチさん。そのお姫さん達は目の前で元気に過ごしてます;)」

 

ウト「(私欲でこっちに来てしまったことが恥ずかしくなるな;)」

 

オヤジトンカチ「しかし、噂に聞いていた錬金姫のを見れたのは良かった……素晴らしい一品じゃ」

 

スヤを除いて凄く申し訳ない中でオヤジトンカチはウトが作ったガラスを見て感想を述べる。

 

ウト「アンタ、職人なんだよな?それ使って窓を作ってくれないか?」

 

オヤジトンカチ「窓をか……ふむ、錬金姫の頼み、聞いても良いがこちらとしてもお願いがある」

 

お願い?と首を傾げるウトとユウグレにオヤジトンカチは頷く。

 

ちなみにスヤは話のから自分は関係ないと思ってでびあくま達と遊んでいる。

 

オヤジトンカチ「ワシの武器を、戦い以外での使い道を示して欲しいのだ」

 

ウト「戦い以外での使い道だと?」

 

そうじゃ、とオヤジトンカチはもう1度頷く。

 

ユウグレ「武器を武器以外としての使い方ねー……」

 

ウト「うむ……そうだな」

 

ふうむとウトは顎を摩る。

 

スヤ「……難しいの?お姉ちゃん」

 

ユウグレ「そりゃあ難しいと思うよ。戦う以外に武器の使い道って言われると開拓だろうけど、それも襲撃とかの防衛に備えてだし……」

 

首を傾げるスヤにユウグレはそう返す。

 

ウト「……スヤ、もしお前ならどうする?」

 

そう聞かれてスヤは少し考えて……

 

スヤ「寝具にする」

 

そう言い切った。

 

ユウグレ「スヤ姫さんならそうだよね;」

 

ウト「寝具か……まぁ、武器を寝具を支える柱とかそう言うのにすると言うのなら出来そうか?後はその武器の属性によるけど調理とか、食材の冷凍保存とかか?」

 

冷や汗を掻くユウグレの後にウトが例を挙げていく。

 

スヤ「例えばこんなに長い槍もこうして加工すればベットに……」

 

ユウグレ「ええ!?」

 

そう言いながら何時の間にかウトが錬成してた4本の槍に金網をセットしてパイプベッド状にしたのを魅せる。

 

オヤジトンカチ「お、おお……武器が!争い以外での使い道を!!」

 

ウト「お~、流石だなスヤ」

 

と言うかいつの間に槍を?とユウグレが冷や汗を掻いてる間、感動していたオヤジトンカチはスヤに頭を下げる。

 

オヤジトンカチ「ありがとう。お主たちのお陰で可能性を見いだせた!窓の事は任せておいて欲しい!良いのを作ろう!!」

 

スヤ「……ありがと」

 

胸をドンと叩いてそう言うオヤジトンカチにスヤはお礼を言う。

 

オヤジトンカチ「いや、礼を言うのはこっちの方じゃ」

 

ではな!とオヤジトンカチは牢を後にする。

 

ウト「さて、これで窓の方はなんとかなりそうだな」

 

ユウグレ「次は何処を改築するの?」

 

そりゃあここだなと次は壁をトントンする。

 

ウト「もう少し広くしたい。一応スヤの部屋と繋がってはいるが、今後の事を考えて広くはしておきたい。

 

ユウグレ「広くって……ああ、なんか物とかを?」

 

そう確認してウトに頷かれてやっぱりかとなる。

 

ウト「後は風呂だ。あれは狭すぎる」

 

ユウグレ「え?お風呂?」

 

どういう事?と首を傾げながらユウグレは確認し……絶句した。

 

そこに設置されていた風呂は……現代日本でゴミ箱とかに使われているポリバケツサイズの浴槽で、よく確認して見ると小型魔物(50cm級)用と書かれている。

 

ユウグレはこれを用意したのは兄の右腕で十傑衆の1人、レッドシベリアン・改だったのを思い出してから通話用の水晶を取り出して彼にかける。

 

レッドシベリアン・改『おや?妹様、どうなされましたか?』

 

ユウグレ「改くん!姫様たちのお風呂のサイズ、どういうこと!?小型魔物用になってるんだけど!?」

 

流石に小さすぎ!!と指摘するユウグレにええ!?とレッドシベリアン・改は驚きの声をあげ……

 

レッドシベリアン・改『で、ですがふたくびドラゴンから聞きましたがニワトリ位ちっちゃいと聞きましたが!』

 

ユウグレ「……それ、遠くから見たんじゃないの?」

 

指摘にはい、遠くから、と縮こまっての返答にユウグレは眉間を揉む。

 

と言うか聞く相手を凄く間違えている。

 

ふたくびドラゴンは脳が詰まってないと言われる程凄く馬鹿な二つの首を持つドラゴンである。

 

そのまま受け取るのが間違っている。

 

ウト「良いのならこっちで作り直して良いか?」

 

ユウグレ「勿論OKだよ!女の子の必需品のお風呂がこんなのじゃいけないからね!」

 

確認するウトにユウグレはそう返してからレッドシベリアン・改に命令する。

 

ユウグレ「ってことで改くん。今すぐ人間サイズ用の浴槽持ってきて!」

 

レッドシベリアン・改『は、はい!!』

 

その返事の後にドタバタと音がした後に通話が切れる。

 

スヤ「…お城だと一人で入る機会がなかったからお風呂の改築は助かる」

 

ウト「そうだな。いつも侍女達が10人いて、自分で体を洗わせてくれなかったんだよな」

 

ユウグレ「へーそうなんだ」

 

色々と窮屈してるんだねとユウグレは呟く。

 

ウト「だからこうした自由なお風呂は夢なんだよな」

 

スヤ「うん。お風呂のなかでゆっくり眠りたい」

 

ユウグレ「へぇ~そうなん……待ってスヤ姫さん。それは危ない;」

 

納得しかけてスヤのにユウグレは待ったをかける。

 

スヤ「ん?何が?」

 

ユウグレ「お風呂の中で寝るなんてうっかりおぼれ死んじゃったらどうするの;」

 

ウト「止めてくれよスヤ。そんな死に方は;」

 

首を傾げるスヤにユウグレとウトは注意する。

 

スヤ「…じゃあ姉さんと一緒ならいい?」

 

ウト「スヤと一緒に風呂だと……!?」

 

その言葉にウトはクワッ!?と目を開ける。

 

ユウグレ「あー…誰かと一緒ならいいのかな?」

 

スヤ「お姉ちゃんとは別に入っていたから入ってみたい」

 

そう言うスヤに愛されてるなウト姫さんと思いながらユウグレはウトを見て、絶句する。

 

ウト【スヤと一緒に(´ω`)】

 

そこには天に召されかけてるウトの姿があった。

 

ユウグレ「魂!魂出かけちゃってるよウト姫さぁん!」

 

わぁぁぁぁぁ!?とユウグレは慌てて呼び止める。

 

ウト「……はっ!危うく天国に行くところだった…」

 

ユウグレ「ア、危なかった…」

 

正気に戻ったウトにユウグレは安堵の息を吐いてると大柄の黒の人狼、レッドシベリアン・改が複数の人狼と共に来る。

 

レッドシベリアン・改「妹様、新しい浴槽をお持ちしました」

 

ユウグレ「あ、ありがとね改くん」

 

いえ、と浴槽を運ばせている間にレッドシベリアン・改は渋い顔をする。

 

レッドシベリアン・改「しかし、改めて姫の牢屋の中を見てみましたが……物が多くありませんか?」

 

ユウグレ「え?そう?」

 

そうですよとレッドシベリアン・改は指摘する。

 

レッドシベリアン・改「綺麗に並べられてますが色んな物があるじゃないですか、使用済みの上級回復アイテムがこんなにありますし」

 

スヤ「あ、それ私。栄養補給に良い飲み物」

 

ユウグレ「上級回復アイテムは栄養ドリンクじゃないからね!?」

 

持ち上げて見せるレッドシベリアン・改の持ってるのにスヤがそう言いユウグレがツッコミを入れる。

 

レッドシベリアン・改「木はコーヒーのは知ってますが……もう1つのは聖なる木ではないですか!?」

 

ユウグレ「え?……あ、確かに!?」

 

スヤ「……宝箱の中に落ちてた」

 

ウト「それ落ちてるになるか?」

 

さり気無く生えているもう1本の木を指さして指摘するレッドシベリアン・改のにユウグレも言われて気づき、スヤの言い訳にウトはツッコミを入れる。

 

ウト「ちなみにどうして木を増やしたんだスヤ?」

 

スヤ「自然があると寝やすいから……」

 

ユウグレ「ああ、確かに寝やすいよね」

 

レッドシベリアン・改「妹様、納得しないでください!あれは希少な奴ですからね!!?」

 

理由に思わず納得するユウグレにレッドシベリアン・改は叫ぶ、

 

レッドシベリアン・改「他には大バサミにネクロノミコンに……おばけふろしきの体複数!?」

 

スヤ「よく来るから沢山狩った」

 

ウト「おそらく教会で生き返っているから大丈夫だと思うぞ」

 

最後のに絶叫するレッドシベリアン・改に2人はそう弁解する。

 

レッドシベリアン・改「後、この大量の棺桶は一体……」

 

スヤ「(カプセルベッド用にいくら貰っても回収されちゃうからあらかじめたくさん)もらった」

 

ユウグレ「今、大事な部分が省略された気が;」

 

どうりでヴァンパイアが近頃寝不足だったのか……とスヤのに呻くレッドシベリアン・改は柱の崩れた所に何かがあるのに気づく。

 

レッドシベリアン・改「あの柱にまだあるな!」

 

ユウグレ「あ、そこには……」

 

近づいたレッドシベリアン・改は物体を掴んで持ち上げる。

 

でびあくま「むー;(ぷるぷる)」

 

レッドシベリアン・改「…………………これ……は……」

 

スヤ「返して……」

 

ウト「あんなとこに隠れてたのか」

 

ユウグレ「飼ってる感じにしてたんだよねスヤ姫さん」

 

震えるでびあくまにあーとウトとユウグレは手を伸ばしてるスヤを見て呟く。

 

レッドシベリアン・改はううむと唸りまくっている。

 

レッドシベリアン・改「妹様、もう少し、2人の姫をもう少し抑えてくれませんかね……特に妹の方の収集を……」

 

ユウグレ「何とかしたいとは思うんだけどねー……」

 

ウト「城じゃあ自由でなかったからな」

 

その言葉にレッドシベリアン・改は唸る。

 

レッドシベリアン・改「とにかく、浴槽は運んだのでそろそろお暇します。妹様もくれぐれも気をつけて下さいね」

 

ユウグレ「はーい。ありがとね改くん」

 

そう注意してからレッドシベリアン・改は部下達と共に出て行く。

 

ウト「さて、設置するかこれを」

 

ユウグレ「2人とも入れる様に2つ用意したんだね~」

 

そこらへんの配慮は流石~と思っているとウトは錬成陣を形成するとすぐさまパンと手を叩いて2つの浴槽を人間2人が入れる1つに纏める。

 

ウト「よし、これをここにセットし、排水などを……」

 

ユウグレ「(ホントウト姫さん、大工仕事だと1人で簡単にやってのけちゃうな)」

 

蛇口なども色々と作り直して行く様子を見ながらユウグレはスヤと共にでびあくまと遊ぶ。

 

ウト「……よし。出来たぞ」

 

スヤ&ユウグレ「おーー」

 

ふい~と汗を拭うウトが作り上げた浴槽にスヤとユウグレは感嘆の声をあげる。

 

しょぼかった蛇口は太くなってシャワーも追加して使える切り替えが付いたのに変わり、新しくセットされた浴槽はちゃんと排水も出来る様に調整されており、壁と床も合う様に綺麗に錬金されている。

 

ウト「どうだスヤ?気に入ったか?」

 

スヤ(グッ)」

 

笑顔でサムズアップするスヤにそうかそうかとウトも満足そうに笑う。

 

ユウグレ「なんだかもう牢屋の設備じゃないよねこれ;」

 

スヤ「満足」

 

むふーとなるスヤにまぁ、風呂のは変えれて良かったかなとユウグレはそう納得する。

 

ウト「さて他には何を改築するか……」

 

スヤ「壁とか?」

 

ああと少しぼろい壁を見てこれは危ないなとウトは呟く。

 

ウト「丈夫なのに錬成しとくか」

 

ユウグレ「そんなに錬成して魔力とか大丈夫?」

 

確認するユウグレにウトは確認する。

 

ウト「あー大丈夫だ。まだ余裕余裕」

 

スヤ「…姉さんの魔力保持量は物凄いから」

 

あっけらかんに言われて凄いな、とユウグレが思ってる間に石壁は綺麗な壁に錬金される。

 

ウト「よし、完成っと」

 

ユウグレ「……もう牢屋って外見じゃないねこれ」

 

1つの一室だな、とユウグレが思ってる間、やり切ったとウトは背伸びする。

 

スヤ「お疲れ様姉さん。はい、回復アイテム」

 

ウト「お、すまないなスヤ」

 

渡されたのを受け取るウトに飲んでから寝転がる。

 

ウト「かなり住みやすくできた。スヤも嬉しいだろ?」

 

スヤ「ん」

 

抱き着いたスヤはウトウトし始める。

 

スヤ「眠い……」

 

ウト「そろそろ寝るか?スヤ」

 

うんと頷くスヤの頭をウトは撫でる。

 

ユウグレ「あーじゃあ私は改築したところお兄様に報告してくるね」

 

ウト「頼む。オレ達は眠るから」

 

スヤ「と言う訳でおやすみ」

 

そう言って2人は眠る。

 

ユウグレ「はい、おやすみ」

 

そう言ってユウグレは牢屋を出る。

 

ユウグレ「(ホント、自分の居る牢屋を改築するなんて普通のお姫様ならしないことを普通にしてるな……まぁ、話してると楽しいのは楽しいけど)」

 

くすりと笑ってユウグレは歩く。

 

なお、報告を聞いたタソガレは凄く唸っていた。

 

風呂の件でふたくびドラゴンが減給されたが、それは些細であった。

 

 

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