【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い―   作:双子烏丸

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第一話 取り戻した、新しい日常
ザ・ビルドダイバーズ


 ――きっと今、とても幸せなんだ。

 

「しっかり掴まってる? ヒナタ?」

 

 私のすぐ傍には、私の幼なじみのヒロトがいる。

 同い年の少し癖っ毛のある男の子。

 一番仲が良くて、ガンプラが好きで優しくて便りになる……大切な幼なじみ。

 

 

 ヒロトのガンプラ、コアガンダム。……新しい方の、たしかコアガンダムⅡって言うガンプラもあるんだけど今日はこっちみたい。

 コアガンダムは戦闘機のような、青色の支援機に乗って空を飛んでいる。

 目に見えるのは地平線にまで広がる平原と、雲ひとつない綺麗な青空。視界に流れるそんな外の景色。 

 そのコックピットで今、二人で一緒に……。

 

「うん。私は大丈夫だよ」

 

「良かった。これからガンプラバトルだから、少し揺れるかも。

 だから気をつけて欲しい」

 

 私はこくっと頷く。

 すると、そんな私にヒロトはにこって微笑んでくれた。

 

「それにヒナタにも、もっと知ってもらいたいんだ。

 ガンプラバトルがどんなものか、その楽しさを俺と一緒に……」

 

 

 

 

〈ヒロトさん! こっちは僕たちに任せてください〉

 

〈だから本命は頼んだぜ、ビシッと決めてくれよな!〉

 

 画面に映るのはヒロトの仲間。

 動物の耳と尻尾を生やした可愛い男の子のパルくんと、明るくて大柄な少年のカザミさん。

 二人のガンプラはそれぞれ、カザミくんのガンプラはガンダムイージスナイトって言うの。……ヒロトに教えてもらった話だと、ガンダムSEEDって作品に出る『イージスガンダム』って言う変形するガンダムを、騎士みたいに改造したガンプラなんだよね。

 

 

 そしてパルくんのガンプラは、エクスヴァルキランダーって言うみたい。

 えすでぃーガンダム? 簡単に言うと、ガンダムを小型にデフォルメしたガンプラ。

 頭が大きくて手足が短くてそれにきらきらとしている綺麗な瞳、まるでお人形みたいに可愛いな。

 全身は真っ白くて大きな翼を広げて、可愛いけど……格好良いんだよ。

 

「もちろん任せてくれ。俺とそして……コアガンダムに」

 

 二人の言葉に、自信たっぷりにヒロトは返事をかえした。

 

 

〈ふふふ、もちろん頼りにしているさ。……ただ、私の事も忘れては困るな〉

 

 そしてもう一人のヒロトの仲間、メイさん。

 スラッとした高身長で長い黒髪の、クールで綺麗な女の人。

 

「ああ! 忘れてなんていない。こちらこそなメイ」

 

 

 

 ヒロトはメイさんにそう言った。

 そしてヒロトのコアガンダムと、ドームみたいな本体から長くて大きな足を生やしたメイさんのガンプラ、ウォドムポッド。

 

 

 ヒロト達四人のガンプラは目の前にいる敵に立ち向かう。

 そこには角を生やしてまるで鬼みたいな一つ目のガンプラが、棍棒を構えて沢山待ち受けている。それにもっと奥にはもっと大きなガンダムもいた。

 巨大なガンダムの頭から上半身が生えていて、本体からは触手がいくつも伸びている、まるで怪物みたいなガンダム。……少し怖い姿だな。

 ――だけど。

 

「あれはデスアーミーと、それにデビルガンダムだね。

 機動武闘伝Gガンダムの敵モビルスーツなんだ。見た感じ、ちょっと怖いかもだけど」

 

 そうヒロトは私に教えてくれた。

 

「……ううん。たしかにちょっと怖いけど、ヒロトと一緒なら」

 

 この言葉に、ほんの少し可笑しそうに彼は笑った。

 

 

「良かった。

 それに俺たちはエルドラでも、戦って来たんだ。

 だから……コアチェンジ。ドッキング、ゴ―!」

 

 ヒロトの掛け声と一緒に、コアガンダムは空中に跳躍した。

 そしてコアガンダムの乗っていた支援機の青いパーツが分離して、その手足や胴体に合体して行く。

 そして――

 

「……俺とアースリィガンダムの戦い。

 それもヒナタに――見てほしいんだ!」

 

〈みんな行くぜ!〉

 

〈はい!〉

 

〈……了解だ〉

 

 ヒロトたち四人と、そして私……。

 それがこのフォース――『ビルドダイバーズ』のメンバーなんだ!

 

 

 

 

 ――――

 

 GBN……ガンプラバトル・ネクサスオンライン。

 それは広大な仮想世界を楽しむ、世界規模のネットゲーム。名前通りガンプラのデータを使った『ガンプラバトル』を楽しむ事が出来るゲームなの。

 色々なミッションを楽しんだり、たくさんの素敵な場所があったり……そんな、とても自由で楽しい世界。それが――GBNなんだ。

 

〈どうだっ!〉

 

 カザミさんのガンダムイージスナイトは、ランスのような武器で次々と敵を倒していた。

 ちょっとだけカザミさんから聞いた話だと、名前は『ライテイ ショットランサー改』だったっけ? 

 ランスとして相手を突いたり、ビームを撃てたり、カザミさんはその武器を使いこなして戦っていた。

 

 何体ものデスアーミーを相手にする、イージスナイトガンダムだけど……。

 

「カザミさん! 危ない!」

 

 イージスナイトの背後から、デスアーミーが棍棒を振りかざすのが目に入った。

 私は思わず叫んだ。

 

〈なっ!〉

 

 とっさに装備していた盾で、デスアーミーの棍棒を防ぐイージスナイト。

 そして片手に持っていたショットランサーのランスであっと言うま間に、反撃して倒した。

 

〈サンキュー! ヒナタ! おかげで助かったぜ〉

 

 カザミさんは私に明るい表情を向けてそう言った。

 

「あはは……ついとっさに。どういたしまして、カザミさん」

 

 

〈僕たちも頑張らないと。行こう! モルジアーナ!〉

 

 パルくん、本名はパルウィーズって言うんだ。彼は自分のガンプラ、エクスヴァルキランダーをそう呼んでいるの。

 彼のガンプラもデスアーミーと戦っていた。

 左手に持っている、GNランチャーだったかな、それでビームを撃ってデスアーミーを倒しているのが見えた。

 

「パルくんも、無理しないでね」

 

〈はい! ……カザミさんも、もっとしっかりしてくださいね〉

 

〈悪い悪い! 今度は油断なんてしないからさ〉

 

 二人は私やヒロトそれにメイさんのために、戦ってくれている。

 

「本命は、あのデビルガンダムだ。だけど……」

 

 私達が受けたミッションはデビルガンダムを倒す討伐ミッション。

 今、私とヒロトが対峙しているのが、その相手。大きくて……禍々しい見た目の、そんなガンダム。

 

「……っつ!」

 

 私達が乗るアースリィガンダムに、ガンダムの頭が付いた触手がいくつも襲いかかってくる。

 

「ガンダムヘッド、か。これもまた邪魔だな」

 

 あの触手は、ガンダムヘッドって言うみたい。

 触手はあちこちから向かって来て、その一つは牙だらけの口をぱくっと開いてこっちに――

 

「きゃっ!」

 

 怖くて思わず目をつぶってしまう。

 

「平気だよ、ヒナタ」

 

 ヒロトはそう私に言ってくれる。

 少し恐る恐る私が目を開けると……ヒロトのガンダムが光の剣――ビームサーベルで、あのガンダムヘッドを倒していた。

 

「ヒロト……」

 

「どう? 俺だってこれくらいは」

 

 彼は得意げな表情を、私に向けた。 

 

 

 

 だけど、触手はデビルガンダムを守るように、辺りにうごめいている。

 ヒロトのアースリィガンダムはビームサーベルで、次から次に倒ししているけどきりがないみたい。

 

〈これは、大変だな〉

 

 その傍にはメイさんのウォドムポッドが、一緒に戦っていた。

 機体の右に付いているビーム砲と、左にあるミサイルポッドで、ヒロトよりもたくさんの触手を倒している。

 やっぱりビームにミサイル、強い火力の武器があるからかな。

 

〈ガンダムヘッドの相手は、私がした方が良さそうだ。

 ……ケリをつけるのはヒロトに任せよう〉

 

 確かに、多くの敵を相手にするのなら、ウォドムポッドが良いのかも。

 

「ありがとう、メイ!」

 

〈道は私が切り開く! 頼むぞヒロト!〉

 

 彼女のガンプラは、一箇所に火力を集中してヒロトのために道をつくってくれた。

 アースリィガンダムはそのまま、加速してデビルガンダムへと――。

 

 

 私達が迫るのに対して、デビルガンダムは両肩の発射孔からビームを放った。

 そのビームは拡散して広がって、襲いかかって来る。……けど。

 

「させない!」

 

 ヒロトは全部避けていく。

 ガンプラを上手く操縦して、とっても早い動きで、ビームに全く当たらずに。

 それに回避しながらライフルを構えて、反撃だってしている。

 

 

 ヒロトのガンダムは、ビームライフルで相手にダメージを与えていた。

 すると、今度は巨大な腕を伸ばして、掴みかかろうとするデビルガンダム。――けれど。

 それも間一髪で避けると、同時にビームサーベルを抜いて一気に腕を切り落としていた。

 

 

 こうしてガンプラバトルをしているヒロト。

 改めて、こんなに強かったんだって……。

 GBNでのヒロト、その姿をこうして間近に見て、私はそう思った。

 

 

 ――それに。

 こうしているヒロトは、とっても楽しそうで……キラキラ輝いて見える。

 少し前まではずっと落ち込んで、笑ったり、楽しそうにしている姿なんて見たことなかった。

 それが今では、またこうしてGBNを楽しんでいる。

 

 

 うん。やっぱりそんなヒロトが、私――

 

 

「エネルギー最大出力……これで決める!」

 

 ボロボロになったデビルガンダムの頭部に、アースリィガンダムはビームライフルで狙いを定める。

 

「――とどめだ!」

 

 アースリィガンダムは最後に特大のビームを、止めに撃ち放った。

 

 

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