【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い― 作:双子烏丸
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あれから私たちは、ミラーミッションの最終エリアに到着したんだ。
「ここは……ずいぶんと広い場所ですね」
洞窟内の広い大空間。ここが最後ミッションの場所。
「今までは千本ノックやアスレチックなど、ガンプラバトルと関係ないものばかりでしたが、最後は一体どんなミッションなのでしょう」
パルくんはミラーミッションについては知らないみたい。まぁ知らないのは、私も同じだけどね。
でもカザミさんは、得意げな表情で私たちに説明してくれる。
「ここからがミラーミッションの一番の醍醐味だぜ。
ちなみに二人にはちょっとした問題だ。どうしてこのミッションが『ミラーミッション』って、呼ばれているか分かるかい?」
「えっと、どうしてでしょうか。ミラーと言うことは鏡と何か関係があるのでしょうか」
「私もよく分からないよ。今のところ、それっぽい様子もなかったから」
パルくんも私も、どうしてなのか分からなくてお手上げ。カザミさんはふふんと胸を張っている。
「はっはっはっ! どうやらお手上げらしいな。
なら俺がどうしてなのか教えてやるぜ。それはな――」
その時、洞窟に二機のガンプラが現れたんだ。
「噂をすればだな。
どうだパル、あの機体に見覚えがあるだろ?」
カザミさんが指さした二機の内一機のガンプラ、それは私も知っている機体だった。
「あれは――僕のモルジアーナ!」
けどパルくんの方が、驚いていたんだ。だってあの機体はパルくんがモルジアーナって呼んでいるガンプラ、エクスヴァルキランダーと同じだったから。
色は黒だけど、それでも姿はそっくり。……それにもう一機のガンプラは、やっぱり黒色だけどカザミさんのガンダムイージスナイトと同じなの。
どうして二人のガンプラの色違いが現れたんだろう? そう思っているとカザミさんが教えてくれた。
「見ての通りさ! これまでの関係ないミッションは、データ解析のためのもの。
本番はここから。あれはそのデータを元にして作られた俺たちのガンプラのコピー……まさに鏡写しの自分の戦いだから、ミラーミッションって訳だぜ!」
「そう言うわけだったんですね。でもまさか、僕がモルジアーナと戦うことになるなんて」
「大丈夫だぜ、パル! そうは言っても、あくまであれはただのコピーだ。だから盛大にやってやろうじゃないか!」
やっぱりカザミさんは、こう言う時に頼りになる感じだね。
パル君も彼の言葉にこくりと頷いた。そして私にも。
「おっとそうだった。危ないからヒナタちゃんは、バトルに巻き込まれないように後ろに下がっていてくれよ。
そして……俺たちの華麗な戦いぶりを、よく目に焼き付けてほしいぜ!」
カザミさんとパルくんは、自分たちのガンプラであるガンダムイージスナイトとエクスヴァルキランダーを呼んで、中に乗り込む。
〈んじゃ、行ってくるぜ!〉
〈やっぱり僕としては複雑ですけど……頑張ります!〉
そんな二人を私は見送った。
――格好いいな二人とも。じゃあ私は離れたところで、ゆっくり観戦しようかな――
見るともう、カザミさん達のガンプラとそのコピーとの戦いは始まりそう。
私もこんな戦いは初めて見るから……楽しみかも。
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カザミさんのガンダムイージスナイトは手持ちのランスを使って、突撃をかけた。
相手はコピーである黒いガンダムイージスナイト。向こうも同じ武器を持っていて、その攻撃を大盾で防ぐとすぐにランスで反撃に出る。
どっちも色が違うだけで、姿形とそれに動きだってそっくりなんだ。
パルくんもコピーされたエクスヴァルキランダーの動きに翻弄されて、なかなかビームを当てられていないかな。もしかするとやっぱりコピーでも自分のガンプラ、攻撃しにくいのかも。
でもコピー相手の攻撃も、パルくんは上手に避けている。
自分のコピーで手ごわいけど、二人ともその分動きをよく知っていて、ちゃんと対応している感じかな。
――さすがカザミさんとパルくんだね。自分の動きもちゃんと分かって相手にしているんだ――
私はそう思いながら二人の戦いを見ていた。
まだ上手く私は戦えないから、今はまだこうして観ている方法が楽しいんだ。
――でも互角みたいかな。ちょっとだけ時間がかかりそうかも――
私はそう思いながら、少し離れた高い場所で戦いを観ていた。
そんな時――。
「えっ?」
私は後ろから人の気配を感じた。
振り返る私。
後ろに広がるのは奥まで続く、暗い洞窟。先は殆ど見えないくらいに暗くて、その中に……誰かが立っているのが見えた。
どんな姿かは分からないけど。はっきりと人の形はしていて、顔のところには二つの瞳が私を見つめているのだって分かる。
――あれは――
一体何だろう。私が考えていると人影は笑ったように見えた。そして……そのまま闇の奥へと、姿を消す。
行った先は、カザミさんが戦っている場所とは反対側、それにあんなに暗い中に誰だか知らない相手なんて怖いって思った。
けど私はそれよりも。
――行かないと――
気が付いたら私は、暗闇の中へと跡を追っていた。
だってどうしても気になったの。あとは上手く言えないけど……追わなきゃって。
そうも思ったから。
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洞窟の中を私は走った。
「ふふふ……くすくすっ……」
追っているのは、前を走っている誰か。
誰かはまるで面白がっているような、そんな声を響かせて奥へ、奥へと向かって行く。
――どこに向かっているんだろう? それにあれは誰なのかな――
考えても答えなんて出てこない。
けど追っていけばもしかすると、少しでも何かわかるかもって、考えているから。
……そして辿りついたのはどこか広場らしい場所だった。
それなりに空間があって、やっぱりここも暗くて周りがよく見えない。
道はまだ奥に続いているみたいだったけど、ここで私は一度、足を止めた。
――さっきの人影、いつの間にかいなくなってる。あの先に行っちゃったのかな、それとも――
人影を見失った私はどうしようか迷った。
まだ探そうか、それとも引き返して戻ろうか。多分向こうもバトルが終わっているかもだし。
「うふふ、やっぱりヒトの好奇心は強いものね。だってここまで、追ってくるのですもの」
するとどこからか声が聞こえた。
それは追っていたときに聞いた笑いと同じ声で……どこか聞き覚えのある感じがする、女の子の声。
「でも来てくれてとても、とても嬉しいわよ。ねぇ、貴方はどうかしら……ムカイ・ヒナタ?」
今いるこの場所は音が反響するみたいで、あちこちから聞こえるみたい。だからどこから声がするのかよく分からないんだ。
けど声がして、私に話しかけているのなら……。
「嬉しいかどうかなんて、分からないよ。あなたは一体誰? どうして私の名前を知っているの?」
誰か知らない相手に名前を呼ばれて、戸惑いもあったし気にもなった。
私がそう言うと今度もまた可笑しそうな笑いが聞こえて来た。
笑い声と共に、私の目の前の暗闇から人影が姿が現れた。
それは私に歩み寄って来て、やがてどんな姿か見えて来たんだ。
人影の正体は――。
「くすくすくすっ! だって当然よ。とても優しくて健気で、そして可哀想な貴方。
私は誰よりも貴方……いいえ、『私』を知っているし理解してあげられるわ。
だって――『ワタシ』自身の、事ですもの」