【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い―   作:双子烏丸

27 / 85
第六章 それぞれの想い、それぞれの願い
特別な日の朝


 

 

 私は、今からでもワクワクだった。

 

 ――だって今日、ようやくだもん。私は――

 

 朝早く。起きたばかりで、寝間着のまま。そんな姿のままで私はカレンダーを眺めていた。

 カレンダーには今日の日付の所に、赤い丸印で記してある。

 それは二週間前に自分で記したものなの。

 だってその日は……。

 

 ――私とヒロトの遊園地デート! ずっと待ち遠しくて、そして今日……ようやくだなんて。自分でも変に高揚しているのが分かるんだ――

 

 こんなのって生まれて初めてだし、おかげで夜も殆ど眠れてなくて、少し眠気だってあったりする。

 

 ――だけどそれでも絶好調! もちろん緊張だって強くて、ドキドキしているけど――

 

 私はとても良い気分なの!

 

 

 

 あっ……身だしなみも、気になるな。

 と、今度は近くの手鏡で自分の顔を確認してみる。

 ちょっとだけ寝癖で髪は跳ねているみたいだけど、それでもいつもの私の顔が映っていた。

 思いっきり美人ってわけではないけれど、けど私だって見た目はなかなか悪くないよ……ね。

 

 

 鏡に映る自分に向けて、にこっと笑って見せる。

 

 ――うんうん。いい笑顔だよね、ヒナタ。私はやれば出来るんだから。きっと上手く行くよ――

 

 私は自分で自分を励ましてみた。

 

 ――でも、こんなのって初めてだから、いつもより気合を入れないと。

 格好はどうしようかな。せっかくだからまたヒロトに可愛いって思ってもらえるようなな服を、着ていきたいな――

 

 そんな想像をしていると、つい……。

 

 ――あれっ――

 

 鏡に映る自分の顔がいつの間にか赤くなっていた。

 別に誰かが見ているってわけじゃないけど、これにはちょっと恥ずかしくなっちゃう。

 

 ――私ってば、あはは……なにやってるんだろ――

 

 何だか意識しちゃっているのかな、私。

 

 ――でもこんな時なんだから、仕方ないよね――

 

 ちょびっとそう言い訳してみたり。

 ……自分でも訳がわからないや。 

 

 

 

 でも、ふと視線を落として自分の格好を見る。

 

 ――せっかくだから今から買い物に行って来ようかな。だってこんな時だもん、いつも以上に良い服を着たいから――

 

 ……ヒロトとのデート。ううん、まだデートって言うには早いのかな。

 だってまだ彼とは、幼なじみってくらいだから。けど今日の事でもしかすると……。

 

『本当に、そうかしら?』

 

 そんな声が、鏡から聞こえた気がした。

 

 

 つい私はまた鏡に視線を向ける。すると――そこには、ミラーミッションで見た黒いダイバー姿の『ワタシ』が見えた気がした。

 

「……えっ?」

 

 確かにそんな気はした。けれど私が次に瞬きをした瞬間に、それはもう消えていた。

 

 ――あれ? ……今のは――

 

 鏡にはちゃんと自分の顔が映っている。でも……。

 ほんの一瞬だけ、たしかに見えた気がしたんだけどな。

 

 ――きっと気のせいだよね。だって現実世界でそんなの、あり得ないし――

 

 この前の不思議な体験があってから、まだ尾をひいているのかも。

 ……でも今はそんなの忘れないと! だってこんな日なんだから、もっと明るくならないと。

 

 

 

 うんうん、やっぱりそれが一番だよね。

 ――あっ、さっき考えていた買い物とかも、今から行って来ようかな。まだ朝だから遊園地に行く前にその時間だってとれるから

 

 ――友達との時間も取れるかな。色々アドバイスだとかも聞きたいし――

 

 やっぱり、準備は満タンにしたいんだ。今日はとても……特別な日なんだから。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。