【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い― 作:双子烏丸
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先に街の駅前に着いた、私。
――約束した時間、もうそろそろ一時になるかな――
時間を確認してふとそう思った。
私は約束した時間より十五分くらい前に到着していて、こうしてヒロトを待っていた。
やっぱり昼だからか、辺りには人が沢山。でもその中にヒロトの姿は見当たらない。
――私が先に来ちゃったのもあるけど、ちゃんと来るかな――
少しそんな心配もしちゃったけど、大丈夫みたい。
少し遠くから、こっちに駆け寄って来る人影が見えた。
「ごめん! もしかして、待たせたかな?」
それは私服姿のヒロトだった。
いつもの私服に灰色のジャケットを着た彼は、私に笑いかけて手を振る。
私も同じように手を振り返す。
「ううん。私はちょっとだけ早く来ただけだから。ちゃんと時間通りに来てくれて、嬉しいよ」
「そう言ってくれて良かった。それと――」
ヒロトは私のことを、じっくり見てる感じ。ちょっと恥ずかしいな。
「その恰好、初めて見るな。かわいくてとっても似合ってるよ」
「あっ――」
そう言ってもらえて胸がどきっとした。
今の私は、今日買ったばかりの新しい服を来てきたの。
ふわっとした黄色い上着と、それにスカート。いつもよりも女の子っぽい可愛い感じで、今日は用意したんだ。
だってせっかくだから、ヒロトに少しでも気に入ってもらいたかったから。
「ありがとう、ヒロト! これはさっき買い物で買って来た服なんだよ。
友達も一緒に選んでくれて、きっと似合うからって言ってくれたんだ」
「そっか。ヒナタもその間、楽しめたんだな。
……それじゃあ早速遊園地に向かおうか。時間も調べて来たんだけど、そろそろ電車が出るみたいだしさ。
早く着いた方が、その分向こうで楽しめるだろうからさ」
ヒロトの言う通りだね。
まだまだお喋りしたいけど、今は電車に乗った方がいいかもね。その後だって電車でお話する時間もあったりするから。
「だね! ならそろそろ出発しようかな」
私は彼の言葉に頷いて、一緒に遊園地に出発することになったんだ。
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それから電車に乗って、私たちは遊園地に到着したの。
今日は休日だからここもたくさんの人で賑わっていて、それに観覧車やジェットコースターだとかのアトラクションも見えて楽しそうな雰囲気なの。
「……遊園地なんてどれくらいぶりかな。でもとっても、楽しそうだよねヒロト!」
まだ遊園地には入ったばかりだけど、もうそんな気分になれるの。
すぐ隣にいるヒロトも私と同じ気持ちなのかな。
「じゃあこれから遊園地、いっぱい回ろうねヒロト!」
「ああ、そうだな」
「今は二時過ぎくらいで、パレードは七時からだもんね。
その後は……。私、ちゃんと伝えられるかな」
今日こうして遊園地に来たのは自分のヒロトへの想いを伝えるためでもあるの。だから、その緊張もまだあるんだ。
だからついそう呟いてしまった。するとヒロトは――
「あっ……」
彼は私の顔を見て、少し固まっていた。
何だか戸惑っているような表情もして、どうしたんだろう?
「ヒロト?」
「……えっと、どうかした」
気になって私は声をかけてみた。
「さっき私、変な事言っちゃったかな? だってヒロト、固まって変な感じだったから」
そう聞くとヒロトは考える様子を見せてこたえる。
「別に大した事じゃないよ。でも心配してくれてありがとう、俺は大丈夫だから」
彼は私に、にこっと微笑みかけてくれた。
「そんな事よりせっかく遊園地に来たんだ。まずは……一緒に楽しもう」
ヒロトは私に言うと、その手をそっと近づける。
――もしかして手を繋いでくれるのかな――
私もドキドキしながら、自分の手を彼の手に近づける。そして私は――
ヒロトと繋いだ手。それはとっても暖かかった。
緊張もしちゃって、つい私は視線を少し下に落とす。でも私はまた彼に視線を向けて、こう言ったんだ。
「うん! 今日は一緒に、ヒロトと大切な時間を使いたいから!」
まずは遊園地をあちこち、行って楽しもうかな。……もちろんヒロトと!
――――
「やっぱり楽しいね! ヒロト!」
私たちが乗っているのは、回るメリーゴーランドだった。
メリーゴーランドの馬の背中に乗って、私はすぐ向こう側にいるヒロトに手を振る。
「あはは……まあね」
ヒロトもそう言って笑っているけど、何だか恥ずかしがってもいるみたい。
「ねぇねぇ、ヒロトってば顔が赤くなってるよ」
「そうかな? まぁ何て言うか、俺たちはもう高校生だろ?」
「だね!」
「だから、その年で遊園地で楽しむのは……少し恥ずかしかったり。ほら周りだって……子供が多いしさ」
辺りを見ると彼の言う通り遊園地で遊んでいるのは、やっぱり子供が多い。
そんな中で遊園地を楽しんでいると、慣れてないと恥ずかしかったりするのかな。
「うーんと、そうだね。
……あっ、そろそろ下りないと」
時間が来て、私とヒロトはメリーゴーランドから降りると。
「じゃあ次はあれだね、コーヒーカップに乗ってみようよ」
次に目に入ったのは、メリーゴーランドのすぐ隣にあったコーヒーカップのアトラクション。
「えっ、もう次かい?」
「うんうん! だってまだアトラクションは沢山だもん!」
私はヒロトの手を引いて、コーヒーカップに乗ることにした。
メリーゴーランドとは違って、こっちは二人一緒に乗ってみたんだ。
私とヒロトと隣り合わせで座ると、コーヒーカップは動き出した。
「こっちもくるくる回るアトラクション、なんだな」
「まあね。だけどね、真ん中のハンドルを回すと……」
そう言って私はコーヒーカップの中央にあるハンドルを回してみた。
「うわっと!」
ハンドルを回すと、コーヒーカップも一緒に回るんだ。
ヒロトはそれに驚いて、つい座る所から落ちそうになっていた。
「あっ、ごめんね。私ってばいきなりこんな事をしちゃって、脅かせちゃったかな」
「ははは……俺は平気だよ。
それにしても、GBNのガンプラバトルだとこんな事はないのにさ。やっぱり仮想世界と現実世界は、また違うんだな」
「現実は現実、だもんね。けど――やっぱりここでこうして過ごすのだって、楽しいでしょ?」
私の言葉に、ヒロトは頷いてくれる。
「……良かった!
それに、さっきの話の続きだけどね。遊園地で子供ばかりなのが恥ずかしいって、そう言ってたでしょ?」
さっきメリーゴーランドでヒロトは、そんな事を話していた。
彼はそれにうんと答える。
「その、ちょっとだけ……な」
「実は私だって、最初は同じように思っていたりとかしてたんだ。……けどね、周りをよく見てみて」
ヒロトはそう言われて、辺りを見回していた。
「確かに遊園地は、子供が多い感じだけど……ほら、例えばあそこのコーヒーカップに座っている二人だって」
私は向こう側のコーヒーカップの乗り物を、示してみた。
そこにはたぶん大学生か大人かな、若い男女の二人がとても仲良さそうに座っていて、笑い合っていた。
「あれは……見た感じ、カップルなのかな」
私はうんと答えた。
「遊園地にはそうした男の人と女の人が、何人もいるんだよ。……あっちには私たちと同い年くらいの二人だって」
今度は、遊園地を歩いている学生のカップルに視線がうつる。
仲良く手を繋いで互いに見つめている二人。……いいな。
「確かに、改めて見ると俺たちだって。そこまで浮いている感じではないのかな」
「でしょ? あんな感じのカップル、私も――憧れちゃうな」
夢見心地で私はそんな風にも思ったんだ。
「俺も、ヒナタと同じ……気持ちだよ。
ところで、次はジェットコースターに乗ってみたいな。ここからだと少し遠いかもしれないけど、面白そうだしさ」
ヒロトも私と同じ想いで、嬉しかった。
やっぱりちゃんと、彼は私の事を考えてくれている。……心配する事なんて何もないんだ
そして彼の提案に私は。
「いいね! 私も賛成だよ。
ジェットコースター……ドキドキだけど、楽しそうだもん!」
まだまだ遊び足りないもん。
せっかくの遊園地だから、もっと楽しまないと損だよね。