【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い―   作:双子烏丸

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友達とも、幼なじみとも、違う絆

 ――――

 

 ヒロトに勧められて、今度はジェットコースターに。

 着いたときには少し行列が出来ていて、少し待ったりはしたけれど、ようやく私たちの乗る番が回って来たんだ。

 

 ――ううっ、こうしていると緊張するよ――

 

 ジェットコースターは動き出して、レールを上へ上へと、ガチャガチャと音を立てて昇って行く。

 左右を見ると遊園地の周囲が見渡せて、眺めはとても良いんだ。……けど、目の前のレールは途切れているし、ここから一気に――そう考えると。

 

 ――段々と高くなって行くし、これ以上周りを見るともっと怖くなりそう――

 

 そんな風に思ってしまって私は下を向いてしまう。

 

 

 すると、ヒロトはそんな私にこう言ってくれた。

 

「怖がらなくても平気さ。ちゃんと俺も一緒にいるから」

 

 隣を見ると、そこには私の大切な人の姿。

 私を励ましてくれる、ヒロト。ヒロトがいてくれるなら私――

 

「……ありがとう。一緒にいてくれるんだもんね。

 だったら私も、もう大丈夫。――ヒロトとなら」

 

 

 

 もうジェットコースターはレールの一番真上。

 景色もとても見晴らしはいいけど、段々と下へと、視界は傾いてゆく。  

 下に続くレールも見えはじめてきた。やっぱり怖いけど……もう私はへっちゃらだよ。

 だって――

 

 

 

 ――――

 

 ジェットコースターを乗り終わって、私は少しふらふらなの。

 

「ジェットコースター……やっぱり、スピードが凄かったな」

 

「そうだね。猛スピードで上がったり下がったり、グルグル曲がって回ったりだったよ」

 

 

 あの上まで昇ってから一気に急降下。

 落下でスピードを上げて、曲がりくねった道や上りに下り、そして――ぐるりと一回転。

 あの最中は怖いと言うよりも、もう勢いでそんな感情はどこか行っちゃって、ただとっても……凄いとしか考えられなかったの。

 

 ――まだふらふらだけど、良い体験をしたな、私――

 

 改めて遊園地に来て良かったって、そう思ったんだ。

 

 

 

 ――――

 

 まだまだ、あれから沢山遊んだ私たち。

 他のジェットコースターにも乗ってみたり、ゴーカートや空中ブランコ、後々……お化け屋敷なんかも!

 

 

 

「あはは! さっきは心臓が止まっちゃうかと思ったよ」

 

 お化け屋敷から出てきたばかりで、私はヒロトに話していた。

 

「俺も。恥ずかしい話だけど、お化け屋敷では何度かビクッとしたりもした。

 何だろうな、こうした事には慣れてなくて。……けどだからこそ面白かったりもしたけどな」

 

「そうだよね。だから遊園地は面白くて楽しいのかな」

 

 そんな風に私も思っていた。それと……。

 今度はある物が視線が移った。

 

「ねぇヒロト、そこの屋台でゆっくりして行かない? 色々美味しそうなドリンクも売っているし、飲んでみたいんだ」

 

 私は彼の腕を引いて向こうにある屋台を指さしてみた。

 

「へぇ、遊園地の屋台か。……確かに美味しそうだ」

 

 ヒロトも気に入ってくれたみたい――良かった。

 

 

 

 ――――

 

 私たちは屋台でドリンクを買って、ゆっくり休憩をとっていた。

 

「……もう暗くなってきたね」

 

 ドリンクを口にしながら空を見上げると、もう夕暮れ。オレンジ色の空は半分暗くなっている感じだった。

 ヒロトは携帯で時間を確認している 

 

「時間は六時過ぎだな。何だかあっと言う間な気がする」

 

「だね。だって時間なんて考えないで、たくさん遊んだから」

 

「俺もそんな感じだ。遊園地――本当に楽しめたしな。こんなのは久しぶりさ」

 

「やっぱり来て良かったよ。また機会があったら遊びに行きたいな」

 

 楽しい時間はあっと言う間だけど、でも楽しいものは楽しいんだ。

 そう言えばヒロトは今六時だって。……だったら。

 

「そうだ。もうすぐ夜……パレードまであと少しだよ」

 

 今日遊園地に来たのは、それを見に来るためでもあったの。

 見ると周りの人たちもどこかに移動しているみたい。もしかして、パレードを見るための場所取りかしら。

 

「だね。見るとみんなも移動しているし、俺たちもそろそろ向かった方がいいのかな。

 丁度ドリンクも飲み終わった所だし」

 

 ヒロトはもう飲み終わっているみたいだった。

 

「私はもう少しで。だから、ちょっと待ってて」

 

 私は自分の少し残ったドリンクを、一気に飲み終えた。

 

「おいおい、あまり無理はするなよ」

 

「これくらい全然へっちゃ……けほっけほっ」

 

 でもやっぱり急いだせいで、最後に少しむせてしまった。

 

「大丈夫かヒナタ?」

 

「うん、ちょっとだけだから。……よしっ美味しかった! じゃあ私たちもでかけようか、早くしないといい場所だって取られちゃうし」

 

 これで一息もつけたし、また歩こうかな。

 遊園地でのメインになる夜のパレード。……今からワクワクだよ。

 

 

 

 ――――

 

 パレードが通る予定の大通り。来るともうそこには沢山の人だかりが出来ていたんだ。

 

 ――やっぱりもう、集まっているね――

 

「人が多いな。どこか空いている場所はないか」

 

 ヒロトは辺りを見て、場所を探している感じだった。

 

「……ヒナタ、あそこなんか少し空いている感じだ。前列だからパレード、よく見えるんじゃないか?」

 

 すると人だかりの中に空いている場所を見つけてくれたみたい。

 

「とても良いかも! ならそこでパレードを見ていこう」

 

 私達はその空いた場所に、早速行ってみた。

 人混みの中に入って通りが見える最前列に。

 一番前だからここからだとパレードがよく見えるね。ふふっ……運が良かったよ。

 

「やっぱり一番前だから良い場所だな。えっと今は、何時だろ?」

 

 ヒロトはまた時間を確認していた。……すると。

 

「でも時間はもうそろそろだ。多分もうすぐ……」

 

 

 

 そう話していた時に丁度ずっと向こう側から小さく音楽が聞こえて、明かりもうっすらと見えて来たんだ。

 そして一緒にアナウンスも。

 

「――これからパレードは始まるんだね!」

 

 アナウンスで話した事は、まさにそんな内容。何だかもっと楽しみになって来るよ。

 

「みたいだな。奥の方ではもう通過しているみたいだし、この様子だとこっちにもしばらくしたら来るかな」

 

 

 

 私とヒロトはしばらくの間パレードは通るのを待つ。

 周りには人が多くて、それに待っている間にもだんだんと増えてもいた。

 だから少しぎゅうぎゅうって言うか、窮屈にもなって。

 

「これじゃあ幾らか、きつかったりするかな。苦しかったりしたらごめん」

 

 そのせいで隣にいるヒロトともぎゅうって引っ付くの。

 これに彼は申し訳ないみたいな風だったけど、私はむしろ。

 

「私は平気。

 むしろ、ヒロトとならこうしてくっついていると、ポカポカして……心地がいいの」

 

 くっついた身体から伝わる、ヒロトの体温と、それに少し伝わって聞こえる鼓動。

 今こうしているとまるで彼と一心同体になったみたいなみたい……もっと絆が深まったみたいな。

 

 ――自分でも不思議だけど、でも良い気持ちなんだよ……ヒロト――

 

 

 

 私達はくっついたまま一緒にパレードが来るのを待っていた。

 私もヒロトもあれから会話はしてないけど、それでも今の気持ちは同じだって言うのは分かるんだ。

 段々と近づいてくる、パレードの音楽と光。私も、きっとヒロトも楽しみなんだ。

 そして――ついに。

 

 

「……わぁ」

 

 思わず私は息をこぼした。

 ついに私達の前を通る、パレードの行列。

 夜の暗闇を明るく照らす、いくつもの大きな台車の色とりどりのイルミネーション。それに台車に乗ったり周りではたくさんのダンサーが音楽に合わせて踊ったり、ショーを見せてくれていた。

 

 ――まるで夢を見ているみたいに綺麗で、楽しげで……。上手には言えないけどとにかく凄いよ――

 

 遊園地でパレードなんて見たのはいつ以来だろう。とにかく私は、そんな光景に目を奪われていたんだ。

 

「……ヒナタ」

 

 パレードを見ていると、いきなりヒロトから呼ばれた。

 

「どうしたの?」

 

 こんな時に声をかけられてほんのちょっぴりだけびっくりだけど、すぐに私はヒロトに視線を向ける。

 すると彼はまっすぐ私を見ると。

 

「俺さ、こんなふうにヒナタと過ごすの久しぶりと言うか。もしかすると初めてかもしれないんだ」

 

「うん。こうしているの、私達でもなかなかなかったかもだよね」

 

「……俺が言いたいのはそうじゃないんだ」

 

 私はそう答えると、ヒロトはゆっくりと首を横に降る。

 

 

 

「ずっと俺は、ヒナタは普通に幼なじみ、仲の良い友達みたいな感じで付き合っていた気がするんだ。

 それに二年前の事もあってそれからは色々と……。だから上手く関わることも出来ていなかったのかもしれない。もっとヒナタの事だって、俺はちゃんと見て気にかけるべきだったのに」

 

「……それは」

 

「でも、今はこうしてヒナタと一緒に過ごしていて、普通の幼なじみだとか友達だとかと、また違う感じがするのは俺でも分かる。

 ずっと――君は俺と、こうしたかったのかな?」

 

 いつものヒロトとは違う雰囲気。

 せっかく彼がこう言ってくれたんだ。私も勇気を出して答えなきゃって、思ったけど口から言葉が出てこない。

 

 ――決まっているよ、私だって。けどここじゃ上手く言えないんだ――

 

 ヒロトはそんな私を見て軽く微笑んだ。

 

「いきなり変な事を聞いたかな? ごめん、やっぱり色々どう答えるか考えるよな。

 俺だってまだ……」

 

 

 ――?――

 

 でも最後は少し何かを言いかけたみたいなみたいだった。

 私は気になったけど、別にいいかなって思ったんだ。

 

 

 

 私達は楽しいパレードを眺めながら話していたけど、あともう少しで長いパレードの列は終わりそう。

 

 ――私にとってはこれからだよね。

 前から決めてたんだ。ちゃんと自分の想いを、ヒロトに伝えるって――

 

 人の多いここじゃ、話しにくいけど。

 だけど私は……。

 

「ねぇ、パレードを見終わったら、あそこの観覧車に乗ろう?」

 

「そう言えば観覧車はヒナタが後回しにして、まだ乗ってなかったな。

 いいけど、何だかいきなりじゃないか?」

 

 確かに聞くのは唐突だったかも。だけどちゃんと理由もあるんだよ。

 

「だって、観覧車の中は私達二人だけになれるから。だから私はそこで……ヒロトに想いを聞いてもらいたいの」

 

 その為に、私は観覧車に乗るのを後回しにしてたんだ。

 

「そう……か」

 

 今度はヒロトが、沈黙して考えているみたいだった。けどすぐに私の言葉にこたえてくれた。

 

「……もちろん大丈夫だ。じゃあもう少ししたら観覧車に向かおうか。

 ヒナタのどんな想いだって、俺は受け止めるつもりだから」

 

 

 

 その言葉。私はとっても嬉しかったんだ。

 

 ――ヒロトは私の想いにこたえてくれる。ああ言ってくれたんだもん、きっと……。

 私は信じているから――

 

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