【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い― 作:双子烏丸
――――
……二人で乗る観覧車のゴンドラはゆっくりと動き出した。
パレードを見終わって、私達は観覧車に乗ったんだ。
私とヒロト、向かい合わせで座って。見える景色も段々と上へと昇っていく。
「いい景色だよな」
何気ない風にヒロトは私に、話しかけて来た。
「うん。キラキラした遊園地、綺麗だよね」
外に見えるのは、明かりに彩られた遊園地の全景だった。
昼間に遊んだメリーゴーランドやジェットコースタだとかのアトラクションも、照明に照らされて夜の暗闇に輝いている。
――とっても綺麗で素敵な眺めだよ。けど私――
やっぱり上手く話を切り出せない。
ヒロトには伝えたい想いがあるって、もう話したのに、なかなか難しい。
「……それで俺に話したい事があるんだろ?
せっかくここに来たんだしさ、ヒナタの口から聞かせて欲しい」
向こうも私の言葉を待っている様子。だけどヒロトの顔を見るとどうしても、緊張して言葉が出ないんだ。
「ねぇ、私は」
これ以上はなかなか言えなかった。
言葉を詰まらせたまま、ゴンドラはまだ上に。そしてついに観覧車の真上近くにまで。
――ここまで来たんだ。あと少し勇気を出せば――
「私は、ヒロトの事が……」
ようやく――少し言えた。なら後はもう、そのまま行けばいいだけ、
私は言葉の続きも紡ぎ出していく。
「ずっと……好きだったんだよ。小さい頃から私のヒーローで、頼りになって優しくしてくれるヒロトが」
「……」
ヒロトは私を見つめて、話をしっかり聞いてくれている。
「それは幼なじみ同士だって言うのもあるよ。けど、やっぱりそれだけじゃないの。
私はヒロトの事を誰よりも一番に、大好きなの。
ずっとその気持ちはよく分かってなかったけど、今はよく分かる気がするんだ。きっと友達よりも、幼なじみよりももっと好きで、だからヒロトとはもっとそんな絆を作りたいんだ」
私は自分の席から少し立つと、そのままヒロトのもとに。
「……あっ」
少しいきなりだったからヒロトを驚かせたみたい。だけど私はまだ自分の想いを、まだ全部伝えきれてないから。
「その絆って、今までよりも深いものだって思うから。
もちろんヒロトがイヴさんの事を大切に考えているのは知っているよ。
イヴさんよりを大切に想って欲しいなんて言わないから、せめて同じくらい私の事も……想ってくれたら嬉しいの。
だから――お願い」
もうさっきまでの緊張はなくなっていた。
それどころか、私の心のどこかにあったブレーキが外れてしまったみたい。自分でももう、押し出てくる感情が止まらない
。
「私の想い、受け止めて……ヒロト」
すぐ近くには黙って固まったままのヒロト。
想いを受け止めてくれるって、彼は言ってくれた。だから私は大丈夫。
私の顔と、彼の顔。私はそのまま近づけて、そして……ヒロトと口吻を交わそうとする。
すごくドキドキするけど、これで私達はきっと――
――――
「……っ、駄目だ!!」
いきなり両肩に力が加わって、私はヒロトから引き離される。
「――えっ」
引き離したのは……ヒロト本人だった。
「ごめん……俺は……」
両手で私を押し離し彼は、強く焦っているような、葛藤しているみたいな表情。
それに私からも視線も反らして、見てくれもしなくなった。
どうしてなのか分からない。
けれどその態度は、まるで私がヒロトから強く拒絶されたような。
「あ……」
いきなりの事で、頭が回らない。
話す言葉も考えることも、何も、何も分からなくなった。
「俺だって、ヒナタの想いに応えようとしたんだ。けど……もう少し考えさせてくれ。今は無理なんだ。
何しろ――」
でもヒロトの言葉だけは聞こえていた。
自分の頭の中がまとまらないまま、彼がもっと信じられない話をしたのが分かった。
その内容は……。
「キョウヤさん――チャンピオンから、教えてもらったんだ。
……イヴが復活出来るかもしれないって」