【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い―   作:双子烏丸

42 / 85
コピーガンプラとの戦闘(Side ヒロト)

 ――――

 

 目の前に迫る敵の姿。

 幸い……敵の数は少数。おそらくは押し留めきれなかったごく一部がここまで来たんだろう。

 

 ――これくらいの数なら、俺一人で十分だ――

 

 コアガンダムⅡはヴィーナスアーマーとドッキングし、ヴィートル―ガンダムへと。

 ミサイルにビーム兵器、重火力のこの形態でセントラル・ディメンションの被害が増える前に一気に殲滅する。

 

 ――攻撃をする暇も与えはしない――

 

 俺は周囲のコピーにロックオンを定め、機体各部のミサイルハッチを展開しそして……。

 

 ――決めさせてもらう!――

 

 ヴィートルーガンダムはミサイルの全弾射撃を放つ。

 ミサイルはセントラル・ディメンションに侵入したコピーガンプラに次々と命中する。

 もちろんディメンションに被害など出しはしない。全てコピーにだけ命中するように、正確にだ。

 

 

 恐らくは十数機程。次々と爆発が起こりコピーを倒すが。

 内数機は倒しきれはしなかった。煙の中から現れるコピーガンプラがいくつも現れる。

 そして……別方向からは煙を吹き飛ばし、超大出力のビームが俺に放たれる。

 

 ――っ!――

 

 ギリギリで回避するけれど、ビームはそのまま空高く上空に浮かぶ雲にまで大穴を開けた。

 

 フライトユニットに乗り、大型のコンデンサーとビームキャノンを備えたギョロリとした目のモビルスーツ、ザンネック。Ⅴガンダムの敵組織ザンスカール帝国の高性能機だ。

 それにモビルスモーに、プロヴィデンスガンダム、スサノオ。他ガンダム作品の高性能機もまた俺に襲い来る。

 

 

 

 ――残ったのはこの四機か。まずはさっきのザンネックから――

 

 俺は奥に位置するザンネックを狙いビームキャノンを放つ。

 だが間にモビルスモーが入り、ビーム攻撃はそれを無効化するバリア――Iフィールドで防がれた。続けてスモーはハンドビームガンで俺に反撃を繰り出す。

 あれにはビームは通用しない。ヴィートルーガンダムの左腕に備えたハンドミサイル、俺はそれを再度放った。

 

 

 ミサイルはモビルスモーに直撃し今度こそ撃破した。

 けれど、今度はGN粒子を放出し赤く輝く影が迫り周囲を飛び回る。

 

 ――あれはトランザム……くっ!――

 

 太陽炉に蓄えられたGN粒子を放出し、高出力、高機動を可能にする機構、トランザム。

 トランザムしたスサノオは周囲を高速移動し二本の双剣で斬撃を繰り出す。

 何度も迫りすれ違いざまに放たれる斬撃。超高機動をするスサノオに俺は苦戦する上さらに、プロヴィデンスガンダムの遠隔攻撃ユニット――ドラグーンによる援護射撃が襲う。

 

 

 いくら俺でも少しきつい。けれど……。

 

 ――トランザム、確かに動きについて行くのは難しいけれど、近接技で迫るならそれを予測しタイミングを合わせれば――

 

 俺は次にスサノオが斬撃に迫るタイミングを見計らう。そしてその瞬間。

 双剣を振るいすれ違うスサノオ。だがその胴体からは火花が飛び散り、後ろで爆散した。

 ヴィートルーガンダムの左手にはビームサーベルがある。あの時斬撃を繰り出したのは俺の方だ。

 

 ――射撃ばかりと思うな。この形態でもビームサーベルくらいは使えるさ――

 

 加えて下がる暇も与えない。間髪置かず周囲のドラグーンも頭部のバルカン、ミサイルで全て撃墜する。

 全てのドラグーンが撃墜されプロヴィデンスガンダムはビームライフルを構える。けれどもうドラグーンもないプロヴィデンスなんて相手じゃない。俺は攻撃を容易く回避し右腕に構える大型銃、ビッグビーム・バズーカの一撃で倒す。

 

 

 

 ――ようやくあれで最後か――

 

 残ったのはあのザンネック一機だけだ。

 それはいつの間にかかなり離れた位置に……だが。

 

 ――あの戦いの間に距離を離したのか。何のために――

 

 何を企んでいる。またあの大型ビームキャノン――ザンネックキャノンで俺を狙うつもりか。

 多分そうだと考え身構える。

 

 

 けれど……遠くから見えるザンネックの両目。それは俺を見てまるで嗤ったようだった。

 そしてキャノンを構えるザンネック。

 狙うのは俺ではなくて、セントラル・ディメンションの中枢だった。

 

 ――そんな!――

 

 迂闊だった。エネルギーの充填は始めている、この距離では俺の攻撃が届く前に確実に一撃が放たれてしまう。

 中枢にはビルが密集し人も多い。あれが放たれたらどれ程の被害が出るか。

 

 ――GBNの破壊を優先するなんて。あんな事を――

 

 考えるより先にブースターを噴かせて俺は射程上へと急ぐ 

 

 ――シールドで防げるか!? ……分からない、けれどやるしかない――

 

 この身を挺してでも守らないと。けれどあまりにも遠い、全然届かない。

 

 ――俺は守ることが出来ないのか。そんな――

 

 

 

 ザンネックから放たれるビーム攻撃。それを防ぐことも出来ずに、あのままでは街に……。

 

〈――させるか!〉

 

 どこからか現れた別のガンプラが射線の直前に躍り出た。放たれた強力なビームを至近距離で、俺よりも大きく分厚い盾で弾き防ぐ。

 強大なエネルギーを物ともしないその姿はまさに、ギリシャ神話において主神ゼウスが娘の女神アテナに与えた万能の防具――イージスの名前を冠するのにふさわしいと思った。

 

 ――ガンダム……イージスナイト。来てくれたのかカザミ、それにパルも―― 

 

 ビームをガンダムイージスナイトが防ぎさらに、パルのエクスヴァルキランダ―がGNツインガンブレードをザンネックに振るった。

 

〈これ以上、GBNを荒らさせなんてしません!〉

 

 ガンブレードはザンネックの胴と銃身を切断、行き場のなくなったエネルギーは本体へと逆流し、空中で大爆発を起こした。

 

 

 

 ――――

 

 セントラル・ディメンションは大きな損害が出ることはなく、どうにか無事守ることが出来た。

 

「二人とも来てくれたのか」

 

 俺の目の前には二人のガンプラ、ガンダムイージスナイトとエクスヴァルキランダ―の姿がある。

 

〈遅かったじゃないかヒロト。でも……〉

 

〈来てくれて嬉しいです。だって本当に大変だったんですから〉

 

 カザミにパルも機体からそんな風に俺に話しかける。

 

「遅くなってすまない。カザミから電話で聞いたけれどまさか、本当にあんな物が現れているなんて」

 

 襲来したコピーガンプラ、あれはたしかにミラーミッションに現れる機体。それが通常のディメンションにまで現れるなんて明らかに異常だ。

 

〈それは俺だって驚きさ。なぁパル〉

 

 カザミの言葉に頷くパル。

 

〈ええ。何だか大変な事になっているみたいでして、その――〉

 

 そしてパルは異変の事を詳しく説明する。

 

 

 俺がさっき戦ったようなコピーガンプラがGBNのディメンション各地に出現して暴れている事。そして運営のガードフレームに有志を募って集められたダイバーがコピーガンプラの対処に当たっていた事も。

 カザミ達二人もそれに加わり、俺が来るまでの間GBNを守るために戦い続けていたらしい

 

〈僕達ダイバーと運営の力で、現状でもある程度は抑えられてはいるのです。

 コピーといっても殆どは大した相手ではないですし、チャンピオンであるクジョウさんやオーガさん、それにビルドダイバーズのリクさん達も手を貸してくれてますから〉

 

「リクも戦っているのか」

 

 二年前のブレイクデカール騒動、そしてELダイバー事件の中心になったダイバーであるミカミ・リク。

 俺は過去にリクとは複雑な想いを抱いていた。

 あっちは好きなELダイバーのサラを救い、俺はイヴを失った。その不公平さと理不尽で彼を憎む気持ちもあった。

 でも今はその感情もない。リクとは共にガンプラとGBNと言う世界を好きでいる、仲間だって思っている。

 

「みんな、ずっと戦っていたのか。本当に悪い」

 

〈大丈夫ですよヒロトさん。

 それよりヒナタさんの事も聞きました。あんな事になっていたなんて、もう平気なのですか?〉

 

「今は俺の代わりに母親が看てくれている。

 だからいい。それより俺は俺のやるべき事が、このGBNにはある」

 

 ヒナタが意識を失ったのはあの異変と何らかの関係があるはず。俺に出来ることはそれを手がかりに異変を止め、彼女を救うことだ。

 

〈ヒナタが意識を失ったのとGBNでコピーが出現したのは、どうも同じタイミングっぽいしな。

 何か手がかりがあるとは俺たちも思う。けど、コピーからGBNを守ることで一杯いっぱいでそこまで手が回らなかった〉

 

 するとカザミも申し訳がないような顔を浮かべている。

 

〈それにいなくなったメイも分からず仕舞い。二人ともビルドダイバーズの仲間なのに、謝るのは俺たちこそだ〉

 

〈ええ。一時間以上ずっと、僕達はそんな感じでした。

 現状は先ほど言った通りどうにか対処はしています。でも〉

 

 パルは重い表情を見せる。それにまたカザミは答えた。

 

〈次から次へときりがないんだよな。

 数も多いしこっちにだって体力があるしな。無理が出て来て抑えきれない所もある。

 現に、セントラル・ディメンションにまで侵入し出して来た。今の人員ではもう対処しきれねぇかもだ〉

 

〈少しずつですけれど限界も。これが長く続けば恐らくは持たなくなるかもしれません。

 あの有志連合も再結成する話もあるみたいですし、僕達は次第に追い詰められ始めているのが現状です〉

 

  

 

 ――状況は悪化している、と言うことか――

 

 改めて俺は今の状況の深刻さを理解した。

 するとカザミはある事を話す。

 

〈さて、ここまでは今までの状況だ。

 ようやくヒロトも来たことだし、これから先の話をしようぜ〉

 

 話を仕切りなおすような雰囲気。そして言葉を続ける。

 

〈実はさヒロト、俺たちは運営から伝言を預かっているんだ。

 ……俺たちビルドダイバーズ、もちろんヒロトにも本部に来て欲しいとさ〉

 

「それは本当なのか」

 

 意外な展開に俺も幾らか驚いた。今度はパルが続きを話す。

 

〈どうしてなのか分かりませんけれど本当です。 だから運営は僕達に、もしヒロトさんと会ったら連れて来て欲しいと〉

 

 一体どうして、なぜ俺たちを呼んでいるのか。

 でも少なくとも何かはあるはず。だから俺は。

 

「ああ。それなら二人にも会えたことだし、今はその指示に従うしかないな」

 

 さっきのコピーガンプラの事など、謎多く残っている。

 俺たちを待っているのは……果たして。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。