【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い― 作:双子烏丸
ちょっとした非日常(Side ヒロト)
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エルドラでの戦いを終え俺はようやく、ちゃんとした日常へと戻った。
学校に行って友達と過ごして、それにGBNで遊んだり。命の危険なんてないそんな日々だ。
……だけど、あれから変わったことはいくつもあった。
カザミ達ビルドダイバーズのメンバーと言う新しい、かけがえのない仲間が出来た事。それに……ずっと抱えていた俺の問題についても。
俺の過去やイヴの事。エルドラを救って、自分なりに決着もつける事が出来たんだ。
これからは――ちゃんと前を向いていけるはず、そう思う。
「……ねぇ、ヒロト」
高校への通学路、俺はヒナタと一緒に歩いていた。
亜麻色の髪でショートカットの、制服姿の少女。彼女とはよく一緒に過ごしている相手なんだ。
「ん?」
「私達って幼馴染としてずっと、一緒だよね?」
ふとした彼女のそんな問。
俺がもちろんと頷いた。
ヒナタとは小さい頃から一緒にいた幼馴染だ。その仲も普通の友人のものとはまた違う、特別なものだ。
「そうだよ……ね。一緒、だもんね」
と、そう言うと彼女は俺の横に寄りかかって、ぴったりとくっつく。
「ヒナタ、これは一体……」
俺は驚いてすぐ隣のヒナタに視線を向けた。
彼女は少し頬を赤くして、俺に視線を投げ返す。
「ちょっと変なことして、ごめん。
でも私達の関係なら……これくらい大丈夫、だよね?」
それは……そうかもしれない。
ただ、この頃ヒナタの様子がいつもと違う気がするんだ。
距離感が前より近いと言うか。……何かあったのか?
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学校でも授業を受けている最中、時々ヒナタの視線を感じた。
……やっぱり少し変だ。
そして昼休み。
「ねぇ、一緒に昼ご飯にしない? ヒロトの分のお弁当も作ってきたんだ」
俺とヒナタは一緒に昼ご飯を食べることになった。
机を付けて向い合せで座って、彼女が作ってくれた弁当を食べる。
「へぇ、これはまた美味しいな。
デミグラスハンバーグにコロッケか……。うん、とても良いよ」
「ありがと。頑張って作った甲斐があったな」
嬉しそうに、彼女はにっこりと微笑んだ。
何だろうな、やっぱり……どこかいつもと違う感じだ。
こうしてヒナタと昼ご飯を食べるのはそう珍しいことじゃない。
だけど俺が弁当を食べているときの、ヒナタの視線。それは強い想いみたいなものを感じるような。
それに彼女の手作り弁当もいつもよりも美味しいと言うか、丹精込めて作ってあると言うか。
「ねぇ? 学校が終わったら、一緒にGBNで遊ぼう。
今日はヒロトと二人だけで」
特に今日は用事はない。俺はもちろんと、応えた。
けど俺はやっぱり気になった。
ヒナタもからここまで積極的にGBNを誘うのも。それも少し珍しいことだったからだ。
――――
学校が終わって俺はヒナタとの約束どおり、GBNにログインした。
そして今。
「……」
今いるのは西洋風の大きくて綺麗な街だ。
それに、横には青く輝く広い海だって見える。
俺が暮らしている街も、海に近い所にある街だ。だからこそ……少し親近感を感じているのかもしれない。
「ふふふ、とても素敵な所だね。
街並みも海も綺麗で……私達が現実で暮らす街だってもちろん素敵だけど、ここも良いよね。
ねぇヒロト、一体ここはどんな場所なの?」
そんな街の通りをヒナタと一緒に歩く。
「ここはサンクキングダムと言う、ガンダムWと言う作品の舞台となった街さ。
美しい街だから、一緒に歩くには丁度いいと思って」
GBNにはこうしてガンダム作品の舞台となった場所が、いくつも再現されていた。
ここもその一つだ。
「何だかとても、ロマンチックな所だね。
それにこんな風にしてヒロトと一緒にいられて私、幸せなんだ」
ヒナタは俺とぴったりくっついて、それに手をぎゅっと握っていた。
「……それは良かった」
俺はそう返事をした一方で、ある考えが頭をよぎる。
――やっぱりヒナタは変だ。一体何が、あったんだ?――
原因は何なのか。俺は思い当たるの事はないかと、考えた。
こうなったのはつい数日前からだった。
ヒナタがいつもより俺の事を気にする感じを見せて、それに距離を縮めて来るような感じだって覚えていた。
どうして、こんな様子を見せているのか。
――そう言えば。
俺は一つようやく心当たりを見つけた。
……この前エルドラに行った時、ヒナタにイヴの事を話したんだ。
おそらく、あれからヒナタは様子が変わったんだと思う。
イヴの事を知って、それで……。
「なぁ、ヒナタ?」
「どうしたの?」
そうヒナタは、俺の呼びかけに不思議そうに思うような表情を見せた。
「……いいや。やっぱり何でもない」
「……? 変なの。そう言われると、気になるよ」
「本当に大したことはないんだ。
それよりここから少し歩いた所に、店があるんだ。良かったらそこに寄らないか?
グッズも色々あるし、それにデザートが美味しいカフェもあったりするんだ」
俺はその事を聞こうと思った。
けど……聞けずに、ごまかした。
「うーん、ちょっと気になるけど、ヒロトがそう言うなら。
……カフェのデザート、私も楽しみだな」
ヒナタも、これ以上気にしないでくれた。
「ああ、楽しみにしていてくれ」
そして俺も、彼女に笑いかけてそう答えた。
――今はまだ、そのまま。この事については、後でゆっくり考えたかったからだ。