【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い―   作:双子烏丸

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第三章 二人の、距離感
ちょっとした非日常(Side ヒロト)


  ――――

 

 エルドラでの戦いを終え俺はようやく、ちゃんとした日常へと戻った。

 学校に行って友達と過ごして、それにGBNで遊んだり。命の危険なんてないそんな日々だ。

 

 

 ……だけど、あれから変わったことはいくつもあった。

 カザミ達ビルドダイバーズのメンバーと言う新しい、かけがえのない仲間が出来た事。それに……ずっと抱えていた俺の問題についても。 

 俺の過去やイヴの事。エルドラを救って、自分なりに決着もつける事が出来たんだ。

 これからは――ちゃんと前を向いていけるはず、そう思う。

 

 

「……ねぇ、ヒロト」

 

 高校への通学路、俺はヒナタと一緒に歩いていた。

 亜麻色の髪でショートカットの、制服姿の少女。彼女とはよく一緒に過ごしている相手なんだ。

 

「ん?」

 

「私達って幼馴染としてずっと、一緒だよね?」

 

 ふとした彼女のそんな問。

 俺がもちろんと頷いた。

 

 

 

 ヒナタとは小さい頃から一緒にいた幼馴染だ。その仲も普通の友人のものとはまた違う、特別なものだ。

 

「そうだよ……ね。一緒、だもんね」

 

 と、そう言うと彼女は俺の横に寄りかかって、ぴったりとくっつく。

 

「ヒナタ、これは一体……」

 

 俺は驚いてすぐ隣のヒナタに視線を向けた。

 彼女は少し頬を赤くして、俺に視線を投げ返す。

 

「ちょっと変なことして、ごめん。

 でも私達の関係なら……これくらい大丈夫、だよね?」

 

 それは……そうかもしれない。

 ただ、この頃ヒナタの様子がいつもと違う気がするんだ。

 距離感が前より近いと言うか。……何かあったのか?

 

 

 ――――

 

 学校でも授業を受けている最中、時々ヒナタの視線を感じた。

 ……やっぱり少し変だ。

 

 

 そして昼休み。

 

「ねぇ、一緒に昼ご飯にしない? ヒロトの分のお弁当も作ってきたんだ」

 

 俺とヒナタは一緒に昼ご飯を食べることになった。

 机を付けて向い合せで座って、彼女が作ってくれた弁当を食べる。

 

「へぇ、これはまた美味しいな。

 デミグラスハンバーグにコロッケか……。うん、とても良いよ」

 

「ありがと。頑張って作った甲斐があったな」

 

 嬉しそうに、彼女はにっこりと微笑んだ。

 

 

 

 何だろうな、やっぱり……どこかいつもと違う感じだ。

 こうしてヒナタと昼ご飯を食べるのはそう珍しいことじゃない。

 

 

 だけど俺が弁当を食べているときの、ヒナタの視線。それは強い想いみたいなものを感じるような。

 それに彼女の手作り弁当もいつもよりも美味しいと言うか、丹精込めて作ってあると言うか。

 

「ねぇ? 学校が終わったら、一緒にGBNで遊ぼう。

 今日はヒロトと二人だけで」

 

 特に今日は用事はない。俺はもちろんと、応えた。 

 けど俺はやっぱり気になった。

 ヒナタもからここまで積極的にGBNを誘うのも。それも少し珍しいことだったからだ。

 

 

 

 

 

 ――――

 

 学校が終わって俺はヒナタとの約束どおり、GBNにログインした。

 

 

 そして今。

 

 

「……」

 

 今いるのは西洋風の大きくて綺麗な街だ。

 それに、横には青く輝く広い海だって見える。

 俺が暮らしている街も、海に近い所にある街だ。だからこそ……少し親近感を感じているのかもしれない。

 

「ふふふ、とても素敵な所だね。

 街並みも海も綺麗で……私達が現実で暮らす街だってもちろん素敵だけど、ここも良いよね。

 ねぇヒロト、一体ここはどんな場所なの?」

 

 そんな街の通りをヒナタと一緒に歩く。

 

「ここはサンクキングダムと言う、ガンダムWと言う作品の舞台となった街さ。

 美しい街だから、一緒に歩くには丁度いいと思って」

 

 GBNにはこうしてガンダム作品の舞台となった場所が、いくつも再現されていた。

 ここもその一つだ。

 

 

 

「何だかとても、ロマンチックな所だね。

 それにこんな風にしてヒロトと一緒にいられて私、幸せなんだ」

 

 ヒナタは俺とぴったりくっついて、それに手をぎゅっと握っていた。

 

「……それは良かった」

 

 俺はそう返事をした一方で、ある考えが頭をよぎる。

 

 ――やっぱりヒナタは変だ。一体何が、あったんだ?――

 

 原因は何なのか。俺は思い当たるの事はないかと、考えた。

 

 

 こうなったのはつい数日前からだった。

 ヒナタがいつもより俺の事を気にする感じを見せて、それに距離を縮めて来るような感じだって覚えていた。

 どうして、こんな様子を見せているのか。

 

 

 

 

 ――そう言えば。

 俺は一つようやく心当たりを見つけた。

 ……この前エルドラに行った時、ヒナタにイヴの事を話したんだ。

 おそらく、あれからヒナタは様子が変わったんだと思う。

 イヴの事を知って、それで……。

 

「なぁ、ヒナタ?」

 

「どうしたの?」

 

 そうヒナタは、俺の呼びかけに不思議そうに思うような表情を見せた。

 

 

「……いいや。やっぱり何でもない」

 

「……? 変なの。そう言われると、気になるよ」

 

「本当に大したことはないんだ。

 それよりここから少し歩いた所に、店があるんだ。良かったらそこに寄らないか?

 グッズも色々あるし、それにデザートが美味しいカフェもあったりするんだ」

 

 俺はその事を聞こうと思った。

 けど……聞けずに、ごまかした。

 

「うーん、ちょっと気になるけど、ヒロトがそう言うなら。

 ……カフェのデザート、私も楽しみだな」

 

 ヒナタも、これ以上気にしないでくれた。

 

「ああ、楽しみにしていてくれ」

 

 そして俺も、彼女に笑いかけてそう答えた。

 

 

 ――今はまだ、そのまま。この事については、後でゆっくり考えたかったからだ。

 

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