ライブイベントのために今注目を集めているガールズバンド5組を呼び集めた次の日から早速合同練習が始まった。
予想してたといえばしてたのだが、やはり合同練習は波乱に満ちていた。
概ね順調といえば順調だったが、RoseliaとAfterglowの合同練習はお互いの方向性の違いで衝突するわ、パスパレとハロハピの合同練習の時はスタジオ内で側転等するわで大変なことになっていた。さすがにスタジオ内で側転していた時は天音もブチ切れたが。
とにもかくにも合同練習は順調に進み、一度合同ライブを行うこととなった。いわゆる来たるライブイベントの前座というわけである。
「うわ、めっちゃ来てるじゃん……」
思わずそうつぶやいてしまう天音。普段のCiRCLEを見てる天音からすると、これだけ観客がいることに違和感を覚えてしまう。
当然、その中には見知った顔もいるわけで────
「お久しぶりです、宵崎さん」
受付で仕事をしている天音に声をかけてきたのは、白金さんの幼い頃からの知り合いだという青柳さん。おそらく白金さんが誘ったのだろう。
「あ、冬弥くん来てくれたんですね」
すると控室から出てきたであろうステージ衣装姿の白金さんが青柳さんの姿に気づき、嬉しそうにはにかむ。
「はい、白金さんが誘ってくれたので」
それに対して青柳さんも微笑みを浮かべながらそう返す。やはりこの二人はお似合いだろう。
それはそうと────
「そちらの方々は青柳さんのお知り合いですか?」
天音の視線の先には青柳さんと同い年くらいであろう男子一人と女子二人の姿がある。
その天音の質問に青柳さんが頷いた。
「はい、俺がやってるヴィヴィバスの仲間です」
「そうですか。まあ、今日は楽しんでいってください」
青柳さんの言葉に天音はそう返す。何にせよ、楽しんでいってくれれば幸いである。
「私も…頑張ります!」
このように白金さんもいつにも増してやる気満々だ。この姿を湊達が見たらきっと驚くだろう。
そんなわけで受付を済ませた青柳さん達は地下のライブスペースの方へと足を進め、白金さんも控室へと戻っていく。
そして再び受付で仕事をしていると────
「天音せんぱーい!!」
────そんな声と共に何者かが天音に突撃してきた。
「ぐふっ……!」
思わず変なうめき声を上げてしまう天音。
顔を顰めながら視線を向けると、ゆるふわウェーブの金髪をツインテールに結んだ頭が目に入る。天音の知り合いでこの髪色のツインテールの人物は一人しか知らない。
「ひ…久しぶりだね…『天馬』さん……とりあえず離れてくれない……?」
「えーっ!? 久しぶりに天音せんぱいに会えたのにもう離れるなんて寂しいよー!」
天音の言葉にそう返しながら顔を上げる天馬さんこと『
その後ろから一歌を含め二人の女子が近づいてくる。
「もぉ咲希! いきなりあま姉に抱きついたら危ないでしょ!」
「会えて嬉しいのはわかるけど、他のお客さんもいるんだから」
「でもいっちゃんも『ほな』ちゃんも『しほ』ちゃんも天音せんぱいに会いたかったでしょ?」
天馬さんの言葉に『うっ……』と言葉に詰まる一歌とほなちゃんこと『
「改めて、久しぶりだね三人とも。元気そうで何より」
「はい、お久しぶりです天音先輩」
「天馬さんはもう体調は大丈夫なの?」
「はい! もう元気ビンビンです!」
天音の言葉に望月さんと天馬さんがそう返してくる。体が弱い天馬さんもこうして元気に歩き回っているところを見ると、体調の方ももう問題は無いだろう。
「それにしても珍しいね、一歌達がこんなところまで来るなんて」
「えっと、実は志穂が誘ってくれたんだ。『Roseliaっていうガールズバンドが出るから観に行こう』って」
「ちょっ、一歌! それは言わない約束でしょ!?」
一歌の言葉に日野森妹が慌てたようにそう言う。いつもつっけんどんしているが、マイペースな一歌には敵わないらしい。
久しぶりに見る四人のやりとりを微笑ましく見ていると────
「天音さん、少しいいかしら?」
────控室から今度は湊が出てきて天音に声をかけてきた。
「どうかした?」
「いえ、ちょっと衣装がキツく感じるのよ。悪いのだけれど、少し調整してくれないかしら?」
「それ私じゃなくて白金さんに頼みなよ。衣装担当は白金さんなんだから」
湊の言葉に天音は呆れながらそう返す。何でもかんでも天音にお願いすればいいとでも思っているのだろうか?
そう思っていたが、ここで一歌達がやけに静かなことに気がつく。ふと疑問に思った天音が一歌達の方を向くと、一歌達は驚いた表情で天音の方を見てきていた。
「四人とも、どうかした?」
「えっと……宵崎先輩? その人って、もしかしてRoselia の湊友希那さん……ですよね……?」
日野森妹が半ば呆然としたようにそう聞いてくる。そういえばこの四人は天音と湊が同級生であることを知らなかったのだった。
すると湊が一歌達に気がつき、首を傾げながら天音に聞いてきた。
「あら、彼女達は天音さんの知り合いかしら?」
「そう。小、中学生の時の後輩。一歌、こっちは私の今の同級生」
「湊友希那よ。よろしくね」
天音の言葉に続いて湊が四人に挨拶する。しかし四人は湊が天音の同級生だということに驚いているのか、口をあんぐりと開けて驚いていた。
しかしいつまでもここでボケッとしてもらっていては他のお客様の迷惑になる。なのでそろそろ移動してもらうとしよう。
「ほら、他のお客さんの迷惑になるから早く入った入った」
天音はそう言って四人を地下のライブスペースへと追い払う。そして四人がいなくなったところで湊が口を開いた。
「仲の良い子達ね」
「アレでもかなり良くなった方らしい」
「そう」
天音の言葉にそれだけ返す湊。どうやら深入りするつもりはないらしい。
すると再び意外な人物が入ってきた。
「あれ、天音……?」
「……奏?」
CiRCLEに入ってきたのは意外なことに双子の姉の奏だった。引きこもりの姉がこんなところに来るなんて、一体どういう風の吹き回しなんだ?
「あ、奏さん来てくれたんですね」
すると湊が奏に声をかける。いつの間に知り合ったというのだ?
「う、うん。湊さんが誘ってくれたんで」
湊の言葉に奏がそう返す。どうやら湊が奏をこのミニライブに誘ったらしい。
しかし奏がこんなところに来るなんて意外という言葉しか見つからない。まあ何処に行こうが向こうの勝手なのでどうでもいいのだが。
「ライブを観に来たのならさっさと入ったら?」
「う、うん……天音はここでバイトしてるんだね」
「成り行きでね」
奏の言葉に天音は興味なさげにそう返す。それに対し奏はまだ何か言いたげだったが、結局何も言わずに地下のライブスペースへと入っていった。
奏の姿が見えなくなったところで湊が口を開く。
「あの言い方はないんじゃないかしら?」
「無理に仲良くしようとする方がかえって面倒でしょ? 今の私とアイツはこれくらいがちょうどいいの。それよりも湊もいい加減戻ったら?」
天音の言葉に何か言いたげであったが、結局何も言わずにため息だけ吐いてから控室へと戻っていった。
(もうそろそろ受付も終わらせてもいいかな)
お客さんの姿見えなくなってきたので自分も地下のライブスペースへと向かおうとしたとき、最後のお客さんが入ってきた。
「天音ちゃん」
「まふゆちゃん?」
最後に入ってきたのは幼馴染みのまふゆだった。奏がここに来たことも意外だったが、まふゆがここに来るのもまた意外である。
「珍しいね、こんなところに来るなんて」
「うん。私もそう思う」
天音の言葉にまふゆは相変わらず無表情でそう返してくる。まあまふゆが何処に行こうが彼女の自由なので、天音はそのことについて何も言わない。
「まだライブは始まってないから、早く行った方がいいよ」
「うん、そうする」
天音ぼ言葉にそれだけ返して地下のライブスペースへと向かっていった。
まふゆの姿が見えなくなったところで、天音も次の仕事をしに地下のライブスペースへと向かう。
そしてミニライブが始まったのだった。
今さらですが、天音の髪型は奏のヘアスタイルのレクイエムナイトです。
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BAD END