エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた 作:100000
「頑張って〜!あきとくーん!」
笑顔で声援を送るなのはちゃんに応えるように微笑み、手を振る。それだけでなのはちゃんの顔が赤くなる。ふふ、イケメン。
「……」
それに呼応するように目の前の、なのはちゃんのお兄さんである高町恭也さんの威圧感が強くなる。いや度を越したシスコンですやん。
取り敢えず黙々と素振りをする。少しずつ竹刀から音が聞こえ始めたのに上達を感じる。目指せ宮本武蔵。宮本武蔵になった暁には目の前のこのシスコン兄貴を叩きのめす!
どうして俺が道場で素振りをしているのかそれは時を遡ること少し前のこと、俺が高町家の昼食をご馳走になったところまで遡る。
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「ご飯できたよ〜」
「どうぞー!」
どうやら昼食ができたらしく、なのはちゃんとお母さんと思われる人が配膳をしてくれる。仮にこの人がお母さんだとしたらなのはちゃんの両親くっそ若いな、いや若く見えるのか?
「あらあらもう打ち解けたの?とても社交的ね〜」
えへへ、そう見えます?でも向けられてるこの気配、殺気なんですよ〜。打ち解けてる?ねぇ本当にそう見えます?(半ギレ)
「あきとくん、隣いい?」
「え、あ、いいよ」
「えへへ」
かわいい
なのはちゃんが隣に座り、笑いかけてくる。それに応えるようにこちらも微笑む。うん、殺気が強くなった。
なのはちゃん、君はこの状況が読めないのかな?これどう見ても君の行動次第で俺の生死が決まるんだけど。今のところ君考えうる限りで最悪の立ち回りしてるよ?愛されてるね君。一体日頃からどんな教育受けてるんだろうね〜。…キレるよ?(マジギレ)
なのはちゃんとそのお兄さん、お父さんの視線から逃れるように用意された食事に目を向ける。色とりどりの料理が並ぶ中、一つだけ俺の目の前には明らかに色味がおかしい野菜炒めが置いてある。いや、他の料理の完成度が高いだけでこの一品だけ妙に目立っている感じだ。
チラッとなのはちゃんの方を見る。
「………」
緊張の面持ちで俺とその野菜炒めを交互に見ている。
あ、なるほど(理解)。つまりなのはちゃんがさっき台所に行ってたのはお手伝いもあるけどこれを俺に食べてもらうためか。
はえ〜最近の小学生進んでるな〜。
ところでこれ俺が食べるんだよね?食べなくちゃいけないよね?俺としては他のめちゃくちゃ美味しそうな料理を食べたいんだけど。
なのはちゃんのお兄さんとお父さんを見る。お父さんはニコニコ(笑ってない)、お兄さんはギラっと睨みつけてくる。その目はこう語っているように見える。
『お前まさかうちのなのはが作ってくれた料理食わないとか言わねぇだろうな?食え』
うーん、愛されてるな(白目)
だが、こちらとしても食べないという選択肢はない。ここで食べて、不味かろうが美味しいと微笑んでやれば好感度はうなぎ登り、なのはちゃんの目をハートにできるはずだ。
決心して、野菜炒めに箸を伸ばす。
気づけばお姉さんやお母さんまでこちらを見ていた。いや大丈夫ですよ、そんな最悪の結果にはならないので。
それではいただきます。
……………………
え、美味い。色が落ちてる分シャキシャキ感は物足りない感じだけど塩コショウの効き方がパーフェクトだ。ここって普通はメシマズ属性追加イベントじゃないの。普通に美味いのだが。
「ど、どう?」
心配そうな目でこちらを見つめるなのはちゃん。どうやら俺の反応がないことに心配になったようだ。
「え、どうもなにも普通に美味しいぞ。なのはちゃんって本当に小学生?」
「ほ、本当!やったぁ!」
手を挙げて喜ぶなのはちゃんかわいい。他の、特に男性陣はうんうんと頷く。いやなんの同意だよ。
「なのはちゃんって初めてこれ作ったの?」
「えっと、いままでママの手伝いはしてきたけど自分で料理作ったのはこれが初めてだよ」
凄いこれで初めてとかもう魔法少女なんて辞めて料理人目指せばいいのに。魔法少女なんてやってたらいつ悪いおじさん(主に自分)や触手にエッチなことされるかわかったもんじゃないし(偏見)
「こんなに料理が上手ならなのはちゃんはいいお嫁さんになるよ」
「え……」
ボフンと顔が一気に真っ赤になるなのはちゃん。
…ん?流石に褒めすぎたかな?まぁ言ってることは事実だしええでしょ。
その後、真っ赤になって俯いたままのなのはちゃんとこれまで以上に殺気をぶつけてくるようになった男性陣を他所にパクパクと用意してもらった昼食を食べていく。
美味い美味い。これもう当分の間ご飯はここのお世話になろうかな。怖いお兄さん達いるけどこの美味しさとなのはちゃんの可愛さならお釣りが来るレベルだし。
「いい食べっぷりね、私の分も食べる?」
「いただきます!」
俺の食いっぷりを見たのかお姉さんが自分の分も分けてくれた。お姉さんも中々に美人っすね。唾液が微量に入ってるであろうこの野菜炒め、丁寧に味わわせていただきます。
「ごちそうさまでした」
あっという間の食事だった。いや俺が夢中に食いまくってたからあっという間に感じるだけなんだけども。冷たいお茶を一気飲みし一息つく。
「お粗末さまでした。ほらなのはも」
お母さんに言われて、なのはちゃんもペコッとお辞儀する。おいおい奥さん、お宅の娘さんいちいちかわいいんですがどう責任とってくれるんですか?
「洗い物手伝いましょうか?」
「あら、いいのよ。いつもなのはに良くしてくれてるお礼よ」
「お、お母さん!」
はえ〜いいお母さん。性格と容姿も綺麗とかホントアニメの世界ヤバいわ。だって普通、他所の子にそこまでします?いやするところはするだろうけど。普通、他所の子にここまで殺気ぶつけます?いやするところは……いやねえよ。
洗い物で煙をまく作戦は失敗に終わった以上、このカオスから抜け出すには隣のエンジェルに頼むしかない。
「じゃあなのはちゃん遊ぶ?と言っても俺女の子と遊んだことないから何するのか分かんないんだけど」
「え、えっと…いつも友達呼んだ時はお菓子食べてお話してるけど男の子とは家で遊んだことない……です」
なぜに敬語?かわいいのでオールオッケー。
「じゃあこの周辺で身体動かす場所ある?」
「それなら」
ん?なんだこのむさ苦しい分厚い手は?
なのはちゃんかな?でも握力強いから違うんだろうな〜。嫌だな〜…
「近くに道場がある。そこで
ねえこれって暴行事件に発展しない?しないんだろうな〜アニメの世界だし。
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回想終了…
そして高町家の庭にある道場に連れ込まれるとそこで竹刀を握らされ素振りを半ば強制的にやらされることとなった。
いやまぁ体動かしたいって言ったの俺だし、正直竹刀見た時目を輝かせてしまったのも俺だから反論はないんだけど。
「………」
こっわ!この兄さんさっきからなんでこっち無言で見つめてんの!?そんなにじっと見つめるとか…まさか俺に惚れた?おいおい守備範囲外だわ、あいつ。
「…すごい才能だね」
「はい?」
そんなことを思いながら素振りをしているとなのはちゃんのお父さんから声がかかる。才能?そんな転生特典用意してもらってないけどな。
「普通、そこまで振れるようになるのにもどんなに早くても一年はかかるはずなんだけどね。まさかそれを百も振らないうちにできるようになるなんてね。才能…うんうん、君は剣の神に愛されてるかもしれないね」
言われてみると、素振りを一回する度に次にどうすれば上手く振れるのかがなんとなく分かっている気がする。
最初は剣なんてどうやって振ればいいのかも分からなかったが、今では手首や肘、肩に至るまで教わってもないのにこうすればいいという謎の確信がある。
足に至ってもそうだ。すり足…というらしいが右足を前に左足を後ろにして左踵は上げる、右踵も上げはしないが床スレスレというめっちゃ動きにくい歩法をしていたが、今ではむしろこれじゃないと違和感を感じるという状態だ。
剣の神…ねぇ。ガチの神には愛されてる?かもしれないがまさか転生者って皆こんなに才能豊かな状態で生まれてくるのか?
「えーと、ありがとうございます?」
「君には是非ともこれからも剣の道を進んでもらいたいね」
え、嫌です。
…ん?だが考えてみようか。
これから俺は魔法の世界でドンパチやっていくんだよな?じゃあ少なからず戦闘技術は学んでおかないといけないということか。
そうだよな〜、魔法使うんだからワンチャン死ぬかもしれないパターンもあるよな〜。うーんここらで一回戦い方を学んでおいた方がいいのかな〜。幸い、才能はめっちゃあるし学べば強くなるでしょ。
「すいません、剣を使った戦い方って教えてもらえたりします?」
「……!」
その一言、急に厳しい顔になる二人。あれ、俺なんか言っちゃいました?
「お前は…」
「いや、待つんだ恭也」
なのはちゃんのお父さんが急にシリアスな雰囲気を醸し出しながら俺の前に立つ。え、待ってなにこれ。今から何が始まんの?
「いいかい、あきとくん。剣は人を切るための道具だけど決して人を殺すための道具として使っちゃいけないよ」
え、何当たり前のこと言ってるんですか?
ん?いやでもたしかにいきなり小学生が剣道とかじゃなくて剣を使った戦い方とか言い出したら不審がるのもわかる気がする。俺だったらヤバいやつ認定しちゃうもん。
「分かっています。俺は守りたいものを守るためにこの剣を振るいます」
とりあえず真剣な顔でそれっぽいことを言っておく。正直、剣を振る理由とかどうでもいいです。俺は俺のために強くなりたいだけです。
「そうか…わかったよ。願わくばその守りたいものになのはが入ってるといいのだが」
「??初めから入ってますよ?」
なのはちゃん主人公やぞ。物語の中心人物いなくなったらヤバいでしょ。てか俺が最終的にエッッッッなことをするリスト筆頭なんだから他のおっさんとか触手とかにくれてやるわけないでしょ。
「…ははは、これは一本取られたかな。それじゃなのはをよろしく頼むよ」
「ん?え、あ、はい」
なんか重大な勘違いをしてる気がするがまぁいいや。
なのはちゃんのお父さんとお兄さんって人外?なんかテレビで見るアスリートの3倍は速く動いてる気がするんだけど。どうしよう稽古についていけない。いや上達してるにはしてるんだけど追いつく気配全くないっす。おい神様、もっとご都合主義的な才能を用意しろ。こちとら転生者やぞ。しかもイケメン、性格良い。
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そしてめちゃくちゃ熱く稽古した俺はその後遺体となって…ということはなかったが道場でぶっ倒れた状態で見つかった。後半、恭也さん手加減してなかった気がする。瞬間移動っぽいことしてたし。
その後、夕飯まで高町家でお世話になった。迷惑をかけたお詫びもあるが俺の両親が単身赴任で海外に行っており家には俺一人しかいないと言ったらむしろこれからは毎日、うちで食べていきなさいと言われた。お母さん女神かなにかですか?
ちなみに恭也さんとなのはちゃんのお父さん、士郎さんは奥さんの桃子さんに怒られて、道場で正座中である。
どうやら道場での一件をなのはちゃんから聞いたらしく、鬼のように…というより鬼になった。その時なのはちゃんもお説教に加わって、かわいいのが見られると思ったが、まさかの無表情での正論攻め。ねぇ君本当に小学生?
ともかく高町家では女性陣を怒らせてはいけないということを理解した。
本日の収穫
・俺めっちゃ才能ある
・ママ怖い
・なのはちゃん怒らせたらいけないやつ
・高町家、サイヤ人説
隠しスキル:
主人公も自覚していない転生者達が割と持ってるスキル。敵対した相手の技術が上の場合、それに追いすがるように己の技術も向上する。転生モノで主人公が特に理由もなくやけに強いのはこれが原因。
次回番外編登場キャラ
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いつもの3人
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大天使ヴィータちゃん
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戦闘狂シグナム
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スバルとかティアナとか(その他)
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(できる限り)突っ込めって言ってんだよ!