エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた 作:100000
まさか日間ランキングに載るとは思ってなかった。期待に応えられるように頑張ります。
感想や評価たくさんありがとうございます。
色んなこと教えてくれて勉強になってます。
真っ赤な星型の宝石が目の前で爛々と輝いている。その輝きは電子的なそれを思わせながらもどことなく目を引いてしまうような輝きで少し心を奪われてしまった。
『いかがなさいましたかマスター?』
「えーと…AI?」
『まぁそんな感じですね』
俺の口から出た言葉は会話をしているのが誰かというなんとも的外れなものだった。
神様の贈り物なんだよな?たしかリリカルなのはの世界はデバイスを使ってたはず。同人誌にも書いてあったから合ってるはず。
『正解です。私はあなたが神様と呼ぶ存在によって作られたインテリジェントデバイスです』
「イン…なんだって?」
『インテリジェントデバイスです。自律思考型のデバイスと思ってくだされば大丈夫です』
な、なるほど。とにかく凄いデバイスということか。
神様も最後に凄いプレゼントを贈ってくれたな。いや今までも中々凄いの貰ってたけど。
「とりあえずそのデバイス…さん?って何ができるんです?」
『その前にまずは登録です。私はあなたをマスターと呼んでいますが、あなたが私をデバイスと呼ぶわけにはいかないと思われますが』
「たしかに」
ということは名前を決めるんだよな。うーん、急に言われてもこれといったものが思い浮かばないが。
『ちなみに私には個体名として“スコル”という名前があります』
「いや名前あるじゃねえか」
『ありますが?私はデバイスという呼び方は変えた方がいいのでは?と言っただけです。名前云々言い始めたのはマスターですよ?』
…コイツもしかして性格悪い?
『性格が悪い?いえ私はデバイスとしてマスター自身を尊重するように作られています。今のは私とマスターの間で思い違いがあっただけです。強いて言えばマスターのミスです』
え、思考読めるの?
『読めます、マスター限定ですが』
「プライバシーの侵害だぞ」
『私臣民ではないので。そもそもAIに対して法が適用されるかも怪しいですが』
「…登録は完了?」
『はい。ですがまだまだ決めてもらうことはありますよ』
うわダルっ
『ダルくてもマスターの今後を決める大切なことなので慎重にお願いします』
へーい
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バリアジャケットというアーマー的な服を設定する。服なのにアーマーとはこれ如何にと思ったが流石魔法、スコルによれば俺の魔力量なら戦車の砲撃ですら耐えられるらしい。
『一応テンプレートは用意してます。分からないのであればそれらを編集する感じにしますか?』
あ、それいいかも。
思考を読まれるのも最初は嫌だったが、向こうがこっちの思ってることを汲み取って発言してくれるおかげで今では不快感どころか便利とすら思い始めてる。わざわざ口にする必要もないとか魔法便利だな。
『流石に洗脳か念話でもしない限り、思考は聞けませんが。私がマスター専用機である証です。あ、これカタログです』
怖っ、でも洗脳っていう響きいいな。念話も気になるし今度色々試してみるか。
これかっこいいな。あ、このコートキリトっぽいな。ええやん。この色を真っ黒にして…
「これ試着できる?」
『え…いやこれ……えぇ分かりました』
俺の服が一瞬でカタログ通りの姿に変わる。
おぉ、ロングコートもズボンも中のパーカーまで黒だ。かっこいい。このネックウォーマーみたいなやつも口元がいい感じに隠れてかっこいいな。
「どうだ、結構イケてるだろ」
『ダッッッッッッッッ……さくないですね。かっこいいと思います』
ふっ、機械には分からんだろうが巷ではこれが一番カッコイイんだよ。
『いやどう見ても不審者……いえ、そうなんですか私は知らなかったです』
これで俺も人気者かな!
『そうですね人気者ですね……警察関係者に』
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『次はデバイスです』
「ん?デバイスはお前じゃないのか?」
『言い方が悪かったです。戦う武器ですね』
あ、戦うんだ。やべえ唐突に不安になってきた。戦わなくても済むとか甘い考えしてたわ。
『それはマスター次第ですがいざという時の自衛手段がないのも考えものです』
ぐっ…たしかに。やっぱり魔法の世界を生きていくなら身につけておくべきだよな。
『その通りです。ではマスターはまず何ができますか?』
「え、急に何って言われても…」
『そうですね…では何かスポーツは?』
「スポーツはやってないけど最近剣術習い始めました」
『ふむ、では最初は剣を使ってみましょうか』
その言葉と同時に目の前に日本刀が出現する。
『剣とのことなのでこの国で一番浸透している剣を採用しました』
あぁだから日本刀なのね。てかどこから出した?
『魔法です。具体的には異空間に保持しているデバイスの中で適当なものを引っ張り出してきました』
魔法ってすげぇ(白目)
「ほかのもそんなに高性能なのか?」
『デバイス内に対象を縮小して収納するのは聞きますが異空間式の収納魔法を保持するデバイスというのはあまり聞きませんね』
…まぁ他のデバイスを知らないからなんとも言えないわ。
目の前に浮かぶ日本刀を掴む。ずっしりと重く手ごと床に落ちそうになるも堪える。何とか鞘から抜き、刀身を露わにするが如何せん重すぎる。なのはちゃん家で振った竹刀とは重さが全然違う。
「こ、これ軽くならない?」
『なりますよ』
ブローチが赤く光る。
すると刀がみるみるうちに軽くなって、竹刀くらいの重さになった。そんなこともできるのか。
「これは?」
『飛行魔法の応用です。ただ戦闘をする際はこんな回りくどいことはせずに自身の体に強化魔法をかけることをオススメします』
飛行魔法、強化魔法と聞き覚えのある単語が聞こえる。とりあえずそういった魔法も覚えていかなくちゃいけないということだろうな。
『勤勉な姿勢、大変結構です。早速色々試してみますか?』
「やりたい!」
『……子どもですか』
子どもです。
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『まずはなにからしたいですか?』
「飛行魔法!」
『残念ですが、まずは魔力の基礎から学んでもらいます』
「………」
じゃあ最初の質問はなんだよ。上げて落とすスタイルか?お前やっぱり性格悪いだろ。
『まあまあ、最終的には飛行魔法までいきますが何事もまずは基本です』
くそ、正論言いやがって。そういうの今ではロジックハラスメントって言うんだからな!
『マスターのそれは使い方が若干異なる気がしますが…まぁいいでしょ』
『マスター、魔導師はどうやって魔力を運用していますか?』
「え、なにその実践問題みたいな質問」
『では質問を変えましょう。魔導師が使う魔力というのはどこから来てるでしょうか』
「え、そりゃあ体内で生成したものでしょ」
『半分正解です。魔導師は体内にあるリンカーコアという魔力を溜める器官を使用しています』
『しかし、それとは別に大気中に眠る魔力も使用しています』
「ふむふむ。つまり魔法を使うためにはそのリンカーコアと大気中にある魔力を認識しないと使えないのか」
『察しが早くて助かります。しかし大気中の魔力に関しては飛行魔法などの制御系ではなく砲撃魔法などの火力系の場合に使うことが多いので現状そこまで気にしなくてもいいです。それすら制御系に回せる人もいるにはいますが』
「じゃあどうやって魔力を感じるんだ?」
『そうですね…色々方法はありますが私は同じモノを感じる作戦でいきましょうか』
なんだ、そのダサいネーミングセンスは。
『マスターの服…いえこの方法は、まず私が目の前に魔力の塊を生成します』
目の前に白い光の球が現れる。光は目に悪いとかそういうのはなくなんだか温かみのようなものを感じる。
『それに触れてみてください』
「え、これ大丈夫?」
『問題ありません』
「……」
恐る恐る触れると───
「うわっ!」
思わずびっくりしてしまう。なんだ今の手を這う妙な感覚は。
『それです。その感覚をまず覚えてください』
「こ、これを?」
意識を手に集中する。
うーん、温かい?けどなんか水みたいな印象を受けるな。水にしては少し粘度がある感じがするけど。
『その感覚を今度は体内で探してみてください』
「………」
目を閉じて体の内側に意識を向ける。
うーん、あるようなないような…これ?
『見つけられたならそうですね…手に集められます?』
手に……手に……テニス!
『ふざけたこと言うな』
「は、はい」
そういえば思考筒抜けだった。しょうがない、小学生になるとしょうもないことでも反応してしまうんや。
再度集中する。多分身体を流れてるこのナニカのはずだ。それを手に……集める。
『マスター、目を開いてください』
「ん?……おぉ」
目を開けると俺の手には黒い光を放つ球体が浮かび上がっていた。
『魔力を感知でき、さらに放出、形態維持までやるとは。さすがですマスター』
「え?そんなに凄いことなの?」
『少なくとも習い始めて10分でここまでは普通いかないかと』
………………いやーやっぱり才能ですわぁ!顔も良くて頭も良くて性格も良くてオマケに魔法まで出来て…かぁー!神は俺にいくつモノを与えれば気が済むんだァ!
『…次に行きましょう』
「おう!」
『次は飛行魔法です』
「お、いきなり本題か!」
『魔力を放出できるなら問題ないでしょう』
『術式はこちらで展開します。マスターは…そうですね。魔力を足元につむじをまく感じで放出してください』
「…こうか?」
直後、フワッと俺の身体が浮かび上がる。急に目線が高くなったことに驚くがすぐに落ち着きを取り戻す。
「これできてる?できてるよね!?」
『…驚きました。まさか一発で成功なさるとは、それも姿勢制御まで。マスターは冗談抜きで天才ですね』
「と、ところでスコルさん!」
『はい』
「これどうやって降りるの?」
スコルの褒め言葉に鼻を高くしたかったが、いつの間にか俺は家の2階ぐらいの高さまで飛んでいた。流石に高すぎて怖いです。
『魔力の放出を徐々に抑えてください』
「お、おう」
魔力の放出を抑える……おぉ、地面が近づいてくる。
「結構疲れるな、魔法」
『それはまだ慣れてないからです。マスターならすぐに慣れるでしょう』
そういうもんか。いやまぁ俺才能ありますし(ドヤ顔)。せっかくだしもう少し飛行魔法の練習を……
「うん?」
『…感じましたか』
ふと向こう側で魔力のようなものを感じる。あっちはたしかなのはちゃんの家の方角だったはずだが。
『気になりますか?』
「そりゃあ」
『正直行くのはオススメできません』
「なんで?」
『それはマスターがまだ戦う術を持っていないからです。術式そのものは私が発動することができますがそれらを扱うのはマスターです。まだ飛ぶことしかできない状態で正体不明なナニカに行かせるのはとても容認できません』
うぐ……だけどなのはちゃんに何かあったら流石にヤバいでしょ。
『…その心配はないようです』
「え?」
さっき見た方角へ振り向くと、感じていた魔力もいつの間にか消えていた。
『………どうやら魔力を発生していたものは封印されたようですね』
「分かるのか?」
『はい。高性能なので』
俺も俺かもしれないがコイツも大概なのかもしれない。だけど何もなかったなら良かった。早く俺も戦えるようにならないとこんなんじゃおちおち眠ってもいられない。
『今日はどうします?』
「もちろん、魔法の練習だ!」
こうして俺は新しい家族?アクセサリー?…ともかくデバイス、スコルと共に夜遅くまで魔法の練習に熱中するのだった。
デバイス:スコル
ネックレス型で真っ赤な星型の宝石が特徴的なインテリジェンスデバイス。術式展開などデバイスが行う魔導師への基本的なサポートはできるが、これそのものに戦闘能力は無い。その代わり、自身の異空間内に保存される無人デバイスを持ち主に貸し出す形で戦闘に貢献している。しかも自身も含めてメンテナンスを自分で行える。これがあれば…もう何もいらない!
多分性格は悪い。
次回番外編登場キャラ
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いつもの3人
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大天使ヴィータちゃん
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戦闘狂シグナム
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スバルとかティアナとか(その他)
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(できる限り)突っ込めって言ってんだよ!