エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた 作:100000
アンケート、フェイトそんがスコルを抜いたの笑いました。
「あ、待って!」
フェイトちゃんが持ち味のスピードを活かして戦場から離脱していく。うん、遠目だけどやっぱりあのくい込みエッロいわ。
『いや何言ってるんですか、自分結構やらかしてますよ』
うん、だってまさかジュエルシードの反応を感知して駆けつけたらなのはちゃんとフェイトちゃんが戦ってるんだもん。どうすればいいか分からんわ。
はい、では何故俺はこの戦いに駆けつけるのが遅れたのでしょうか?
『はやてさんの家で寝てたからじゃないですか?』
はいその通りでございます。いや〜日光浴びたての布団はダメだね。しょうがないじゃんあの子、一人にしてたら泣きそうになるんだから。この前俺が泊めてもらうように頼みに行った時顔に泣いた跡あっただろ。アレ見せられると幸せにしたくなるじゃん。
『そうですね、マスターが恥も知らずに頼み込みにいったので覚えてます』
お前が行かせたんだろうがぁ!
『それよりもどうするんですか?一応追跡できますが?』
取り敢えずなのはちゃんが怪我してるかもしれないから治しに行こうか。
「なのはちゃん!」
「…あきとくん。ごめんね、ジュエルシ──」
「ちょっとごめんね!」
「え?」
何かを言いかけたなのはちゃんの声を遮って、手を握る。それと同時に治癒魔法を待機させ、魔力を送りなのはちゃんの身体の状態を確認する。
「あ、あきとくん!?はぁ…!?」
ふむふむ、特に目立った外傷はないな。念の為もう少し調べておくか。
「ふあ…あぅ…はぅ!」
『あー、これ集中してて聞いてないやつか』
一応
「ごめん、大丈夫だった!あとはよろしく!」
「……」キュー
─え、これ、え、えぇ…─
さぁ、フェイトちゃんを追うか。スコル、ナビよろしく!
『了解です。あと今度から治癒魔法の制御は私がしますのでマスターは魔力の出力に気をつけてください』
え!?今の魔力出し過ぎだった!?
『あんまり出し過ぎると被験者が感じてしまいますので』
マジか、じゃあなのはちゃんには後で謝っとかないと。
『謝りましょうね、いやマジで』
…なんか俺やった?
『時、場所、場合では大事でした』
?????
─────────────────────
スコルのナビに従って飛んで行った先にはかなり古めのアパートが建った場所に辿り着いた。
ここ?
『はい。ここのようです、この前マスターを殴り飛ばしたペットもいるようですね』
えーと、アルフだったかな。なんかイケメン系お姉さんって感じだったのは覚えてる。
『そういえば追跡しましたがこの後どうするんですか?ジュエルシード奪い返しますか?』
いやそれはきっとなのはちゃんがやることだからそんな野蛮なことはしないぞ。
『ふむ、ではなぜ?』
決まってるじゃん、フェイトちゃんの傷を治すためだよ。
『…治癒魔法を習得したのはその為でしたか』
あれ、意外だった?
『いえ、なんやかんや優しいマスターですからね』
なんかスコルに褒められるの照れくさいな…
『ところでなのはさんの体を調べた感想は?』
小学生らしい発育だと思いました!
『ゴミですね』
そんな茶番をしながらもフェイトちゃんがいるであろう部屋の前に立つ。うーん、インターホン押したら出てくるかな?
『魔法が飛んでくるに一票』
アルフが殴りかかってくるに一票。
とりあえずインターホンを押してみる。
──どちらさま?
この声はフェイトちゃんではないからペットのアルフだろう。
「えーと、覚えてます?」
そう告げた瞬間に魔力を扉の向こうから感じる。
『マスター』
待って、戦闘にはしないから。
─催眠開始─
「とりあえず扉開けてくれない?あ、攻撃しないでね?」
インターホンごしに
…怖っ
『そりゃあいきなり敵の術中に嵌められたんですから当然です』
そんなつもりはなかったんだけどな。
とりあえず玄関が開いたので中に入る。部屋の中はこれといって目立ったものはなかったがフェイトちゃんの姿が見当たらない。
「フェイトちゃんは?」
「ジュエルシードを探しに行っている……っ!?」
アルフは自分で言うつもりもなかったのに勝手に口が動いたことに驚いてるようだ。なんか自分の意思とは関係なく動いてるって興奮するな。
『マスター?』
ナンデモナイヨ?
しかし本人がいないなら目的が達成できない。ここはフェイトちゃんが帰ってくるまで待たせてもらうとしよう。
「ごめんね、じゃあフェイトちゃんが来るまで待たせてもらうよ?」
「ふざけるな!フェイトに何する気だ!」
アルフは鬼気迫るといった表情で叫ぶ。俺ってそんなに悪人に見える?
『考えてみてください、マスターはいきなり相手の制御権奪ったあげく主人が帰ってくるまで待つと言っていますよ』
強キャラ系の悪人ですね、完全に。これ本当のこと言っても信用されないんじゃない?
『言わないよりはマシかと』
たしかに。ならば俺の交渉術◎のチカラを見せてやるか。
「フェイトちゃん、虐待されてるでしょ?」
「…だからどうした」
「俺治癒魔法使えるから傷を治してあげようかなって」
「信用できない!」
ダメだ、全然信じてもらえないや。警戒心高すぎかもしれないが敵にとる行動としては普通なのかもな。これでは交渉の余地がないや。
『どうでしたか交渉術(笑)は?』
そもそも始めから交渉するつもりがないからノーカンノーカン。
『それはそうと』
スコルがそんなことを言うのと同時に勝手にセットアップされ、腰にはいつの間にかカタナが現れていた。
『超高速でフェイトさんがこっちに向かってます』
「え、マ──」
オレが言葉を言い切る前にフェイトちゃんがガラスを突き破ってこっちに突っ込んできた。
かろうじて抜刀を間に合わせ、こちらの首を刈ろうとする鎌を寸前で止める。
「…いや〜こんなことになるなんてな」
「アルフを解放して」
お互いの得物を押し当てたまま膠着状態に入る。というより俺としては戦闘するつもりもないし、向こうはこんなに狭い室内ではお得意のスピードを活かせないからだろう。
てかなんで俺がいるのバレてるの?
『念話ですね。マスターは攻撃するなという指示しか出してませんからね』
…スコル、もしかしてこうなるの予測してた?
『はい、これが一番早いと思います』
俺別にRTAはしてないのだが!?
『とりあえずフェイトさんの動きを止めたらどうですか?』
分かってるよ!お前後で覚えてろよ!
「ちょっと止まってくれる?」
「!?」
ピタッとフェイトちゃんの動きが止まり、鎌にかかってる力も同時に失われる。
「動かない!?」
「テメェ!フェイトに何かしてみろ!アタシがぶっ殺してやるよ!」
いちいち怖いのだが。俺そんなに悪人に見えるかな?こんなにカッコイイ顔してるのに。
『そういうところじゃないですか?』
ともかくこのままじゃ埒が明かないのでさっさと目的を達成して退散するとしよう。
フェイトちゃんと向かい合う。どうにか身体を動かそうとしているのか微かに震えている。その目はキッとこちらを睨みつけている。
…………これやっぱりエッチなことは
『ダメに決まってるだろ』
ですよね〜。
フェイトちゃんの手を握る。じゃあスコル、診察始めるよー。
『治癒魔法、展開開始』
「あっ……」
目を瞑り、魔力を集中させ、フェイトちゃんに流し込む。今度は出力を抑えて最小限で済むように心がける。
『これは…………』
うん。やっぱり虐待受けてるね。鞭で打たれたかのような傷に加えて、火傷まである。いやいやこれ虐待とかのレベルじゃなくね?
『はい。そのままにしてると傷が残ってしまいます』
いや〜魔法少女の物語重すぎ。スコル、治そ。
『了解しました』
「フェイトちゃん、このキズに関しては突っ込まないけどあまり抱え込まないようにな」
「えっ……」
「アンタ…なにを……」
「俺にはこれしかできないけど…まぁ、辛くなったら頼ってくれよ」
根本的な解決には全くもってなっていないけどこれで少しは楽になった……はず。
『治癒魔法、全行程終了しました。とりあえず確認できる傷は全て治せました』
「よし、じゃあ俺は帰るね」
あんまり歓迎されてないし流石に長居はできないよな。
『長居してたらどうしたんですか?』
いや〜この子どんな生活してるのか見てみたいな〜とか思ってみたり。
『きも』
ひどい!?
「待って!」
「ん?」
帰ろうとするところをフェイトちゃんに呼び止められる。なんだろう、流石に恨み言は聞くつもりは無いぞ?
「ありがとう、ございます…」
……やっぱりこの子いい子だよ。いや敵である女の子を治した俺もめちゃくちゃいい子だけどこんな状況でもしっかりお礼を言えるのは本当にえらい。頭撫でていい?
『とても芯が強い子なのでしょう。でなければ虐待を受けてなおここまで立派ではいられません』
「おう!」
そのまま玄関を出てドアを閉める。
─催眠、解除─
…よし、じゃあ帰るか!
『そういえばフェイトさんが割ったガラスはそのままですね』
……………あんまりお金に余裕が無さそうだから立て替えとくか。そもそも俺が原因だし。
────────────────────
「大丈夫、フェイト!?」
「う、うん」
あの子から体を触られてから体のダルさが嘘のように消えていた。しかも体を動かす度に痛みを感じていた傷もその跡すら残っていなかった。
「治癒魔法……使えるんだ」
「何者なんだい、アイツ」
「分からない…でもなんで?」
なぜ彼がここに来たのか全く見当がつかない。アルフからの念話で駆けつけたけど彼には戦闘をする気はないようだった。本当に治療するためだけに…?
「いい人…なのかな?」
「そんなわけない。アイツとあたし達は敵同士だよ」
「そうだけど……」
アルフの言う通りだが、あの行為には少なくとも悪意というのは考えられなかった。
「…温かい」
治癒魔法の際に体を駆け巡った感覚、まるで優しく包まれているようで悪い気はしなかった。それどころか居心地の良さまで感じた。
「……」
彼に握りしめられた手を見つめる。既にその温かさは消えていたことに何故か私は名残惜しさを感じていた。
アルフの一人称ってなんでしたっけ?
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(できる限り)突っ込めって言ってんだよ!