エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた 作:100000
いつも通り時系列とかは……
なのは回です
『あきと君、今週って空いてる日ある?』
その日の仕事も終わりになりかけた頃、メールが一通届く。開くとどうやらなのはからのようだ。
スコル、今週って空いてたか?
『土曜日が一応非番になってます。ただ、最近は物騒ですからね。緊急出撃があるかもしれません』
土曜日は非番……と
時空管理局はブラック企業だ(断定)
優秀な人材は戦果をあげればどんどん昇進していくのはいい所だが、優秀だから待遇が良くなるとかそんなことはなく、むしろ逆に後進の指導や危険な任務の数が増え、さらに大変になる。その分給与はいいが使う機会が無い。これも全部犯罪者が悪いんだ………!
だから基本的に完全休日とかはない。…とはいえ非番なのに狩り出されるのはテロか大規模な災害の時ぐらいだが。
お、返信早いな。
『新しい服が欲しいんだけど、あきと君の意見を参考にしたいの。もし良ければなんだけど一緒に服を見に行かない?』
服かーそろそろ俺もなんか新しい服を買うべきかな〜、でも俺の意見とか参考にしていいのか?
『マスターはかわいいと思ったものをかわいいと口にしてればいいんですよ』
そういうものか?
『そういうものです。彼女がそれで喜ぶことはあれど怒ることはないでしょう』
じゃあ…了解、時間はそっちで決めていいよと
スコル、お出かけ用の服、コーディネートしてよ。
『また私ですか?そろそろ自分で服決めれないんですか?』
俺がやった結果、この前シグナムに笑われただろ
『いえあれはマスターが悪いです。基本黒しか選ばないし何かと装飾を求めすぎです。なんですかあの腰に着けたチェーン、痛すぎます。ついでだからその時のシグナムさんの一言言っておきますね。これから戦闘にでも行くつもりか?』
もうお前の口から充分過ぎるほど理由が語られただろ。頼むぞ。あとこの憎しみしばらく忘れないから。
『分かりました、せっかくなのでなのはさん好みにしてみましょう』
……コイツもうファッションリーダーとかにした方がいいのでは?
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よし、あきと君とお出かけの約束を取り付けられた!
今週末は勝負だ。オシャレはまだよく分かってないから事前に雑誌で取り上げられていたかわいい服を買っている。服は買ってるのに服を買いに行くとか我ながらどうかと思うがあきと君の好みを把握するためなのでセーフ。
あきと君のスケジュールは把握済み、非番の日をしっかり合わせた。
「ふふ、久しぶりだな〜あきと君とお出かけするの」
最後にあきと君とお出かけしたのはいつだろうか。子どもの頃は毎日のように顔を合わせていたが、今では週に一回、顔を合わせる程度となってしまった。時空管理局に入ってからのあきと君の活躍は英雄と謳われるのも当然と思えるほどだった。…陸戦を志望したのは想定外だったけど。
「さて、今週末までに仕事が残らないように頑張らないと!」
自身の体にこっそり魔法をかけて報告書を書くスピードを、判子を押すスピードをさらに上げていく。
『
どこかのデバイスが私に呆れたような声をかける。違うよ。お母さんが前に言ってた…恋も仕事も全力だって!だからたとえ事務作業でも恋のためなら使えるものはなんだって使う!
『……
──────────────────
そして、土曜日。
スコルにコーディネートしてもらった服を着て、待ち合わせのショッピングモールに向かう。
世間ではスーパーアイドルばりに人気なので外を歩くだけで人だかりができるのだが、隠すことはしない。
サインしてください!
凄い!ホンモノの方が100倍かっこいい!
きゃー!きゃー!
あぁ^〜自尊心がピョンピョンするんじゃ〜
『…うっわ』
何故か自分のデバイスにドン引きされているが気にしない。君にも味わわせてやりたいよ、この気持ち。
『そのうち本性暴かれても知りませんよ?』
その時は催眠するから…おけです!
『そろそろ待ち合わせ場所です』
了解。それじゃあ周りに集まった人は散ってもらいましょうね〜。
認識改変、発動
瞬間、周囲からの目線を感じなくなる。そして辺りの人は俺を探して周りをキョロキョロとし始める。
あれ?ファントム様は?
き、消えた……
スゲェ……
別に俺は消えたわけでも透明になったわけでもない。ただ周囲の人が
今の俺はどこにでもいる普通の一般人、剣崎暁斗だ。
ショッピングモール前の広場、そこのベンチに見知った顔の女性が見える。
「よっ、なのは」
俺の声に気づいたなのはは驚きの表情を浮かべる。
「え、あきと君!?いつの間に!?」
「たった今来たところだよ」
イタズラ大成功といったところか。
『それにしてもなのはさん、いつからいたんでしょうね。まだ10分前ですよ』
たしかに。まだ暑くも寒くもない時期だが女性を待たせるのはさすがにダメだったかもしれない。
「待たせてしまって申し訳ないな。結構待ってたんじゃないか?」
「私もさっき来たところだよ」
スコル嘘発見器、起動!
『おそらく嘘をついてると……てか私が嘘を暴こうが待たせたのはマスターなんですからお世辞のひとつくらいしたらどうですか?』
いや謝ったじゃん。
『はぁ…これだからトーシロは』
は?
『まずはなのはさんの服を褒めるとかしたらどうです?』
は、はぁ〜!知ってたしー!それを今からやろうと思ってたしー!お前に言われなくてもそれぐらいやれるしー!
「なのは、その格好スゲェ似合ってるよ」
オシャレ分かんないし、お前何着ても似合うやんとしか思ってないがとりあえずそれっぽいセリフで取り繕う。
『ありきたりですね』
だけどなのは顔赤くして照れてるだろ?効果ばつぐんじゃん。
『顔ブーストですね』
人柄ブーストだ!
『人柄(笑)』
あ?
「じゃ、じゃあ行こうか!」
俺とスコルの間の火蓋が切って落とされようとしていたときになのはから声がかかる。そうだった今回の主役はなのはだった。命拾いしたな、スコル!
『どこの悪役ですか…』
スコルが何か言っているが、無視してショッピングモールの中に入っていく。もちろん認識改変で間違っても空の英雄高町なのはとは認識させないようにする。せいぜい美人なお姉さん程度だ。
ショッピングモールは相変わらず賑わっていたがこちらに気づくものはいない。
『元
スキャンダルとかやめてくれ…。普通にデートして世間に謝罪するとか意味わからんことしたくないぞ。
「あ、ここ!」
なのはが指さした看板は女性モノの服を扱う専門店だった。あーなんか雑誌でこんな感じの名前見た気がするぞ。
『マスターが以前、後学のためにと読んだ雑誌にありましたね。まぁ結果は知っての通りですが』
うるせ。だから服全般、パジャマからパンツまでお前に任せてるじゃないか。
『それはそれでどうなんですか?』
「この服なんてどうかな?」
なのはが持ってきたのは淡いピンクのワンピースだった。
…閃いた!
『はい?』
「なのはにはなんでも似合いそうだが、ふむ試しに着てみたらどうだ?」
「う、うん」
いそいそと試着室へ向かうなのは。
よし、それじゃあ
時間停止
『なんで今時間停止を?』
え、なのはってどんな下着つけてんのか気にならない?
『…………はい?』
何を考えてるのか分からないといったスコルを無視して試着室の方へ歩く。
『おいバカ待て止まれ止まれそんなことのために時間を止めるんじゃないカーテンに手をかけるなやめろやってることガチの犯罪だから』
スコル、俺さ常日頃から思ってたんだよね?
『はい?』
なのはってプライベートではどんな下着つけてるんだろう…ってね
『だからといってやっていい事と悪い事があるだろ』
でも覗きって興奮しない?
『死ね』
はい御開帳〜
『あ、ばか』
カーテンを開けるとちょうどなのはが着替えようとして服を脱ぎ終わったところだった。なのでしっかりと下着姿だった。
「スコル、結構なのはの下着エロくない?」
『あのなのはさんが黒とは大胆……じゃなくて早く閉めてください』
あ、待ってスコル、これ写真撮ってくんない?
『犯罪者の私利私欲にメモリーを使いたくないので断固拒否します』
ちぇ〜今日持ってきてる記憶媒体はスコルしかなかったのは迂闊だったな。
カーテンを閉じ、元の位置に戻って時間を戻す。
「ど、どうかな?」
なのはがワンピース姿をお披露目するが、うんやっぱお前なんでも似合うわ。
『私としても少し地味かなと思いましたが、びっくりするほど絵になりますね』
その後、何着か選んであげたり、なのはが着てみたいのをいくつか試着しながら気に入ったのをいくつか購入した。
「ごめんね、お金出してもらって」
「いやこっちは幼なじみのキレイなところをたくさん見させてもらったしその料金だと思えば安いもんだよ」
「………もう!」
あ〜揶揄うの楽しい〜。
次のお店に移動する。どうやらなのはは既に行きたい店をピックアップしていたようだ。事前にリサーチするとはさすがっす。
『フードコートがあるかどうかしか調べなかったマスターとは大違いですね』
でも何が食べられるか気になる…気にならない?
「えっと…次はここなんだけど……」
「…!?」
思わず動揺してしまう。なんとなのはが次に選んだお店は…
下着専門店、ランジェリーショップだったからだ。
ス、スコルこれ俺がなのはの下着姿を見たのとは何も関係ないよね?実はなのはは時が止まった中でも意識だけはしっかりしてたとかそんなことないよね?
『そんなわけないじゃないですか。時間操作とか古代技術ならともかく今の魔法技術ではとてもできません…よね?』
大丈夫大丈夫落ち着け落ち着け、さっきのとはなんも関係ない。最初からなのははここを選ぶつもりだった。だから俺が覗きをしたこととは関係ない…はずだ。
「その…あきと君に選んでもらいたいんだけど……だめ?」
「……行くか」
そんな上目遣いで顔赤くされながらとか拒否できるわけないじゃん。ずるい。
その後、なのはの下着姿を(合法的に)見ることができたが…正直1回見てるのでなんとも言えない気持ちになった。股間は元気だった。
なのはが気に入った下着、俺の個人的に気に入った下着は全て購入した。…なんかそうしないといけない気がした。
『マスター、下着選びは普通でしたね』
服選びが普通じゃないみたいに言うな。
あと店員さんが微笑ましくこちらを見ていたが、覗きをしてしまったせいか妙な罪悪感で居心地が悪かった。
「今日は楽しかったよ」
その後もお店を回ったり、ハンバーガー食べたり、ゲームセンターの記録のことごとくを塗り替えたりして最初のショッピングモール前広場に戻ってくる頃にはいつの間にか夕方になっていた。
「私もとっても楽しかった」
なのはの方もご満悦といった感じだ。
「ね、ねぇ」
「うん?」
解散するかという雰囲気になるなか、なのはから声がかかる。夕日が彼女を照らすがその姿がどこか神々しく感じるのは俺だけだろうか。
「夕食はどうするの?」
「特に決めてないな。ついでにどっかで食っていくか?」
「そ、それなら!」
なのはが何かを言いかけたその時、どこからか爆音が聞こえる。それと同時に悲鳴も届く。
「スコル!」
『4時の方向、200m先で火災があったようです。魔力反応は感じられません』
ということは何かしら事故が発生したのか?
『防犯カメラからの映像ですがお店にクルマが突っ込んだようです』
怪我人は?
『出てます。…治療が必要な人も何人かいますね』
じゃあ俺が出張るしかないか…
『その場で高度な治癒魔法が行えるマスターは確実に必要でしょうね』
「悪い、なのは!行ってくる!」
「あ、私も!」
なのはも俺もセットアップして現場へ向かう、くっそせっかくの非番の日なのに結局こうなるのか…!
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目の前であきと君は倒れた人達に治癒魔法をかけている。私は人々が混乱しないように誘導し、スコルさんの指示に従って怪我人を手当てしている。
『痛いよ…痛いよ……』
「待っててね。もう少しで治るから」
──スコル!手が回らんから一気に治すぞ!
──『了解。治癒魔法、集中型から範囲型にシフトします』
──あ、待って!結構ムズい!魔力消費エグい!
──『現在の進行状況なら問題なく治せます、我慢してください』
私には治癒魔法を行う才能も技術もないからこんなことしか出来ない。
エースオブエースがなんなのだ、これでは一般人となんら変わらないではないか。
「…やっぱり凄いよ、あきと君は」
みんなを色んな意味でビックリさせるのは昔と変わらない。
そして誰かのピンチには必ず駆けつけて助けてくれることも昔と変わらない、みんなのヒーロー。
そして……私が恋した………
彼の隣に並ぶためにももっと頑張らないと!
私頑張るからね、あきと君!
──あばばばばばばばばばば!!!
──『しっかりしなさい』
……大丈夫かな、あきと君。
次は催眠時間停止ファントムおじさんでも書いてみようかな…
次回番外編登場キャラ
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いつもの3人
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大天使ヴィータちゃん
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戦闘狂シグナム
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スバルとかティアナとか(その他)
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(できる限り)突っ込めって言ってんだよ!