エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた   作:100000

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そろそろ無印編を終わらせたくはある


気がつくと拉致られてた

「知らない天井だ」

 

目が覚めると知らない天井……え、マジで知らない天井なんだけど俺どうなったの?

 

『マスター、目覚めましたか』

 

「あ、スコル。これどういう状況?」

 

辺りを見回す、ホテルのような個室だ。俺はそこのベッドの上で目が覚めたようだ。清潔感のある部屋だが、壁にはモニターが埋め込まれてたり、照明が何故か浮遊していたりと日本の普通のホテルではまず見られないような装飾が施されている。

 

『マスターはあの後魔力切れで意識を失いました。そこへフェイトさんが現れ、マスターを保護。そして』

 

「目が覚めたようだな」

 

壁に埋め込まれたモニターに映像が映し出される。そこに映っていたのは俺よりいくらか年上の少年だった。

 

「はじめまして。クロノ・ハラオウンだ」

 

『あの少年が現れ、フェイトさんはマスターをなのはさんに預け、マスターが封印した残りのジュエルシードを回収し撤退しました。今はあの少年が属する組織から事情聴取を受けているところです』

 

事情聴取って俺気を失ってたんだけど

 

『そこは私が代わりに。マスターも何か質問を受けたら私の方に合わせてください。矛盾は疑惑しか生みませんので』

 

た、たしかに。ここはスコルの言う通りにしよう。スコルのことだ、俺が怪しまれないように適切な感じで話をしてくれているはずだ。

 

「早速質問なんだが……」

 

さぁ、来いよ!

 

「君が次元震を引き起こした張本人で間違いないんだな?」

 

「……」

 

スコルさんや、向こうには今回のことをなんて説明したんです?

 

『向こうが把握しているのは今回の事件の中心はマスターであること。ジュエルシードをなのはさんと協力して集めていることですね』

 

なんか向こう睨んでるけど心象悪くない?

 

『それは超級災害である次元震引き起こそうとした張本人ですからね』

 

そこら辺上手くフォローできなかったの?俺今のところ危険人物じゃん。

 

『先程も申し上げたように矛盾が生むのは疑惑だけです。どうやら現場も見られてたようですし変に隠すのはかえって危ないかと。どのみち元々危険人物ですし』

 

おい待ていまなんつった?おいこら

 

「なぜ黙っている」

 

どうやら向こうが痺れを切らしたようだ。だんまりだった俺に不信感を抱いているのは明らかだ。

 

「うん、だいたい合ってるよ」

 

「だいたいだと?」

 

これって俺は知りませんでしたって大丈夫?

 

『向こうはこっちが半ば巻き込まれる形でジュエルシードを集めていたのは把握済みです。その辺は問題ないかと』

 

おけおけ。

 

「たしかに次元震?は起こしちゃったけどそれは事故っていうか悪意があってやったわけじゃない」

 

『小三にしてその説明の仕方は違和感しかないですね』

 

たしかに、もっとバカっぽくなるのもいいかも。

 

「それは把握している。次は、そのデバイスについてだ」

 

「へええええ!?デバイスってぇなんですかあああ?」

 

「お、おい?急にどうした?」

 

あれ、なんか急に悲しいものを見る目線に変わったんだけど。もしかして逆効果?

 

『私は今おぞましいものを見る目線に変わりました。目、ありませんけど』

 

「いや大丈夫。スコルについてだよね?うーん、何から話そうか」

 

「なんなんだ、この子……」

 

『私は知らない人から貰ったということにしてください』

 

え。それはさすがに怪しまれるでしょ?

 

『神様から貰いましたって言いますか?』

 

あ、それはヤバいやつだと思われるな。第一信用されないだろうし。

 

『そもそも向こうにはそれを確認する手段がありません。こっちとしても深く教える必要もありません。こちらはあくまで部外者、ある程度情報は明かしても全てを打ち明けなくてもいいです』

 

「このデバイスは──」

 

「いや待て。……分かりました。悪いが場所を変えさせてもらう」

 

その言葉と同時に部屋の扉が開き、案内役と思われる人が出てくる。場所を変えさせるって大丈夫?拷問とかはされないよね?

 

『それなら最初から動きを拘束してるはずです。恐らく責任者が出てくるかと』

 

責任者?……スコル、どういうこと?そもそもここって?

 

案内役の人について行く途中でガラスの窓があったので外を覗く。まるで夜を思わせるように真っ黒な空の中で星々が自分の存在を示すかのように輝いている。そしてなにより太陽の光に照らされ青く美しく光る我が故郷、地球………

 

…………

 

…………

 

スコルここってもしかして

 

『はい宇宙です。正確には戦艦アースラの中ですが』

 

………それ先に言えや。

 

─────────────────────

 

 

 

さて、案内の人に艦長がいるという部屋にお通しされたのだが、正直言ってこんなのが艦長で大丈夫なのかと思った。艦長は翠色の髪をしたキレイな女性だった。そこは認めよう。しかし部屋の内装に問題があった。

 

まず、畳に座布団、そして手には抹茶の入った器、ここまで見ればあー、こっちの文化に合わせてくれてるのかと思う。しかし壁の方に見ると秋葉原で見るようなアニメの女の子のタペストリー、そして色んな国の国旗が並べられ、異様な雰囲気に満ちていた。日本の文化って客観的に見ればこんな感じなのか?

 

「あきと君!」

 

部屋に入ると既に居たなのはちゃんがこっちに向かってくる。

 

「大丈夫?」

 

「あぁ、大丈夫だよ」

 

心配そうにこちらを見つめるなのはちゃんの頭を撫でる。撫でられる彼女は気持ちよさそうに目を細める、まるで猫だ。かわいい。

 

「あらあら仲良いわね」

 

でしょ?俺もそう思います。

 

「大事な友達ですから」

 

「…うん!」

 

え、なに今の微妙な間は。もしかして友達だと思ってたの俺だけ?まだ翠屋の金づるからの昇格できていなかった?スコル教えてよ

 

『自分で考えてください』

 

なんて薄情なデバイスなんだろう。

 

 

 

「座ってどうぞ」

 

「あ、失礼します」

 

女性に誘導され、なのはちゃんと一緒に座布団に腰をおろす。なんかふんわりとした人だな。でも艦長になったぐらいだから凄い人なんだろうな。

 

「初めまして、このアースラで艦長を務めてるリンディ・ハラオウンよ」

 

「初めまして、剣崎暁斗と言います。この度はお招きいただきありがとうございます」

 

「ふふ、こちらはあなた達を保護しただけだからお礼は大丈夫よ」

 

たしかに、冷静に考えると俺別に招かれてないな。向こうが礼儀正しくするもんだから思わず返してしまったぞ。

 

『私としてはマスターがちゃんとそこまで礼儀正しくできたことが驚きです』

 

殺しますわよ?

 

『なぜお嬢様?』

 

「まずは先にお礼を言わせてください。我々が本来解決しなくてはいけないことなのに押し付けてしまって、本当に申し訳なく思っています」

 

スコルに殺害予告を突きつけているとリンディさんは温和な顔から真剣な顔にチェンジし、お礼と謝罪を述べてきた。

 

たしかに褒められるようなことかもしれないけどなんで謝られてんの?

 

『そこはまだ話してませんでしたね。まぁ端的に言うと元々ジュエルシードは向こうが管理していたようですが何者かの襲撃を受けて地球へ飛散、それを発見した我々が回収していたという流れです』

 

マジで巻き込まれただけなの草。

 

『一歩間違えたら死んでいた場面もありました。笑える話ではありません』

 

スコルもしかして怒ってる?

 

『当たり前です。自分のマスターが命の危険に晒されてキレないわけないでしょう』

 

いやそれは俺から望んでやった事だし………

 

『それでも向こうがしっかりしてれば起こりえなかったことです』

 

まあまあ、落ち着いて。

 

「気にしなくていいですよ。困った時はお互いさまってことで」

 

「そう言ってもらえると助かるわ。じゃあ本題に入っていいかしら?」

 

え、今の本題じゃなかったの?

 

『さて、相手方はどう出るんですかね』

 

え、今から何が始まるの?

 

「暁斗君、あなたのデバイスはどこで作られたものなの?」

 

「えーと、これは貰い物です」

 

「誰から?」

 

「いやわからないです。手紙と一緒に貰っただけです」

 

「手紙の内容を聞いてもいいかしら?」

 

『私をよろしくとだけ言ってください』

 

「えーとスコルをよろしくとそれだけでした」

 

ヤバい。雰囲気がヤバい。リンディさんはニコニコしてるけどこれではまるで警察で取り調べをしている感覚だ。

 

「抹茶美味しいね、あきと君」

 

うんごめんなのはちゃん。今そんな状況じゃないから。事の次第によってはそっちにも危害が加わるかもしれないから。

 

「そう……。あきと君はどうしてジュエルシードを?」

 

『ここは正直に言っていただいて構いません』

 

「なのはちゃんのお手伝いです」

 

なんかもっと別の目的が当初あった気がするが、取り敢えず嘘はついていない。隣のなのはちゃんが照れながら頬をかいている。かわいい。

 

「ふふ、優しい子ね」

 

『マスター、まだ向こうは』

 

うん、分かってる。多分まだ()()()()()()

 

「ところでね、あきと君。そのデバイス、こちらで点検してもいいかしら?なのはちゃんのレイジングハートもちょうど一緒に点検するから。そんなに時間はとらせないわ」

 

『ダウトです。なのはさんのレイジングハートは恐らく向こうの管理ですが、出処が分かっていないデバイスを点検するはずがありません』

 

じゃあなんて言うの?

 

『デバイス自身に修復機能が付いてると言ってください』

 

「スコルにメンテナンス機能あるんで大丈夫ですよ。いままでもそうしてきましたし」

 

「遠慮しなくてもいいのよ?」

 

「そこまで消耗もしてませんし大丈夫ですよ」

 

「そう……わかったわ」

 

渋々といった感じで引き下がるリンディさん。それでもまだ終わらないといった感じだ。

 

「そういえばあきと君が使ってたあの変身は何なのかしら?」

 

『む、やはりそこをついてきますか』

 

なんて返す?

 

『現場は既に見られています。変に隠し通すのも厳しいです。ここはユニゾンの単語だけ出してください』

 

「ユニゾン?っていうらしいです。自分も今日なったばかりなので詳しくは分からないです」

 

「知らない⋯?じゃあどうやって?」

 

『ここも私に搭載されていた機能とだけ』

 

「スコルに元々付いてた機能です。試したのはついさっきが初めてだったんですけど」

 

「それは⋯危なくなかったかしら?」

 

「いや〜そうかもしれませんけど、まぁ俺基本スコル信頼してるんで」

 

『⋯⋯マスター、打ち合わせにないことは言わないでください』

 

あ、すまん。

 

「あら、それはスコルさんも良い持ち主に出会ったわね」

 

ほんと、良い持ち主に出会ったよな?

 

『ソウデスネー』

 

「質問は以上よ。後は⋯なのはちゃん、お願いね」

 

「はい!」

 

え、もう終わり?もっと根掘り葉掘り聞かれると思ったんだけど。

 

『同感です。向こうからしたら我々は脅威以外の何者でもないはずなのですが⋯』

 

「あのね、あきと君。私、ここでジュエルシード集めを手伝うことにしたの」

 

うん、まぁなのはちゃんが先に居た時点でそんな気はしてた。責任感強い子だし、途中で放り投げることはしないと思ってたよ。

 

『一方こちらは』

 

うーん、正直危ないことしたくない⋯⋯。勝てるとは思うけど。無双するとは思うけど。

 

「いままであきと君に任せっきりだったから、今度こそ私一人で頑張るよ!」

 

言うほど任せっきりだったか?

 

『封印した数はなんやかんやマスターの方が上ですが、別に任せっきりではなかったはずです』

 

「お、おう。大丈夫?俺の手いる?」

 

「大丈夫!」

 

すごい気合いだ。あまりの熱さにメラメラとなのはちゃんの目が燃えているのを幻視する。

 

「そしてフェイトちゃんともしっかり話し合ってみる!」

 

おお、一応敵だけどしっかり話し合う姿勢を持つなんて流石主人公。

 

「あの子も悪い子じゃないからなのはちゃんの思いは伝わると思うよ」

 

「それ!」

 

ビシッと急に俺に指を向けるなのはちゃん。こらこら、人を指差すなと教わったでしょ。

 

「なんでその⋯フェイトちゃんのこと知ってるの!?」

 

リンディさんの目が細くなるのを視界の端で確認する。いやヤバイ、ここで変な解答したらせっかく解放されたのにまた捕まってしまう。

 

『思わぬ伏兵ですね⋯』

 

「前に一人でジュエルシードを回収した時に少しだけ話してね、別にそこまで深く関わってないよ」

 

「私の時は見向きもしてくれなかったのに⋯⋯」

 

ガクンと肩を落とすなのはちゃん。まあまあ俺の方は半ば強引だったからね。言わないけど。

 

まぁなのはちゃんもやる気になってくれたし、俺も程々に手伝えばいいかな

 

『マスター、その件についてお話があります』

 

ん?どうしたの改まって

 

『マスター、あなたはこの件から手を引くべきだと私は思います』

 

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はい?

 

─────────────────────

 

 

 

 

 

なのはちゃんとあきとくんは一旦地球へと返すことにした。向こうにも家族がいる、その人たちと話し合うとのことだ。こちらは表に出れない以上、そこは彼女たちに上手くやってもらうしかない。

 

「僕は反対だ」

 

「クロノ⋯」

 

なのはちゃん達とすれ違うように部屋へ入ってきたクロノは開口一番に私にそう言ってきた。

 

「あのなのはという子はともかく、あきとという少年は信用できない。第一、管理局に登録されてないデバイスを使ってる時点でアレを没収するべきだった」

 

「クロノ、たしかにあなたの言うことも道理だわ。でも、私の勘だけどあの子は悪い子じゃないわ」

 

「⋯⋯母さんも立場ある人間だ。そんな憶測で物を言わないでもらいたい」

 

「そうね、でもここであの子を拘束することもきっと間違ってるわ。あの子たちはそもそもこちら側の人間じゃない」

 

「⋯だけど」

 

「分かってるわ」

 

あきと君が持っていたデバイス⋯スコルは間違いなく管理局が持っていたものではない。そもそもユニゾンなんて技術、私が知る限りではまだ試作機の段階ですらなかったはず。では何故そんな代物を自分の息子より年下の少年が持っているのだろうか。

 

「剣崎暁斗君⋯あなたは一体何者なのかしら」

 

もし彼が世界に仇なす人間だった場合、魔法を管理するものとして適切な()()をしなければならない。たとえ相手が子どもでも。

 

「きっといい子なんでしょうけど」

 

しかし彼が自分のデバイスに対して語ったあの言葉、その目、それは偽りなく彼の人物像を著してるようにも思う。自分が思っているようなことにはならないだろう。

 

なんにせよ、今の自分に与えられた命令はジュエルシードを安全に何事もなく回収すること、それだけだ。そのためにも彼らを全力でバックアップしよう。

 

監視カメラをモニターするとちょうど転送装置に二人が向かってるところだった。顔を赤くしながらも腕に抱きつく女の子を満更でもない風に頭を撫でる男の子は見てて微笑ましいものだ。

 

願わくば、その微笑ましさを保ったまま事件が解決に向かわんことを。




アンケートで次回の番外編を決めます。
そういえば感想欄で色々聞くのはアウトでしたね⋯
活動報告の方に誰とのが見たいか聞いてますのでご要望があればお気軽にどうぞ。

次回番外編登場キャラ

  • いつもの3人
  • 大天使ヴィータちゃん
  • 戦闘狂シグナム
  • スバルとかティアナとか(その他)
  • (できる限り)突っ込めって言ってんだよ!
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