エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた   作:100000

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スコルに肉体(女体)を与えてみただけの話です


デバイスに肉体がついたので普段話せないことを話す

「生体デバイスの試験運用?」

 

『これはまた面白いことしてますね』

 

朝一番に職場に来て渡されたのは上からの通知、指令書であった。またか…と思うがいままでもこういうのは何度もあったしこれ俺じゃなかったら絶対無理だろ的なモノもいくつかあったので慣れてしまった。

 

しかし…今回のは……

 

「変わってるよな」

 

『次元犯罪者グループを全員捕まえてこいとかではありませんでしたね』

 

「いや流石にもうそれは無いだろ」

 

昔受けた指令(無茶振り)が脳裏をよぎるが、思い返しても不快感しか浮かばないため直ぐに思考から切り捨てる。

 

「てか生体デバイスとかこれどう考えても」

 

『私のデータを取るのが目的ですよね』

 

俺の中で一番のブラックボックス、専用デバイスであるスコルの秘密を探るのが目的だろうというのは手に取るようにわかった。一応汎用型インテリジェンスデバイスとして通ってはいるが、様々なストレージデバイスを統制し、さらにメンテナンスまでこなす万能っぷりは研究者からすれば是非とも調べてみたいのだろう。

 

『そこら辺のデバイスと変わらないと思いますがね』

 

「まぁ変わろうと変わらなかろうと流石に調べさせるつもりもないけどな」

 

『そうですか?私は別に構いませんが』

 

「お前に何かあったらどうするんだよ。これでお前が壊れても俺は他のデバイスを使うつもりはないからな」

 

『…………そうですね』

 

「さて、今日も一日仕事頑張りますかね!」

 

『…………』

 

──────────────────────

 

 

 

 

『マスター、起きてください』

 

「ん……もう朝か」

 

そしてまた今日もいつも通りスコルの目覚ましで起床する。最近何かと忙しく、睡眠時間も削り気味なのでこうやって起こしてくれるものがあるとありがたい。

 

「あー、今日の朝飯なんにしよ〜」

 

相変わらず瞼は閉じたままだが、寝ぼけた頭を働かせながら今日の朝の献立を考える。うーん、買い置きしてたパンまだあったかな〜。

 

『パンはありませんでした。朝食はもうできていますので早く起きてください』

 

スコルの急かす声が聞こえてくる。…ん?もうできてる?

 

「なんだなんだ、今度は誰が朝飯作ってくれたんだ?」

 

フェイトか?なのはか?はやてか?飯を作ってくれるのは結構だが、せめて前日に一言言って欲しいぞ。てか朝はお前らも忙しいんだからこんなことに時間使うなよ。

 

『今日は誰も来てませんよ』

 

「はい?じゃあ…誰…………」

 

スコルの言葉に疑問を覚えながら、瞼を開く。視界にまず飛び込んできたのは絹のように白い髪を腰まで伸ばした美女。白いロングTシャツにロングパンツという簡素な服装だが、それだけにモデル顔負けのプロポーションが強調されている。顔は整っていながらも無機質さを感じさせ、無感情な目をこちらに向けている。

 

「…もしかして、スコルか?」

 

『はい、おはようございます。マスター』

 

既に脳がキャパオーバーしているが聞こえてくる声がその口から発せられているという事実が現実だと俺に教えてくれている。

 

「えーと、スコル……さん?」

 

『ふふ、朝ご飯できてますよ?早く起きて顔を洗ってください』

 

「あ、はい」

 

その時の微笑むスコルの顔がまるでイタズラに成功した子どものように見えた。普段は無機質な感じだけど本当はこれくらい表情豊かなのか?

 

リビングへ向かうと既に朝食が用意されていた。メニューも見るに和食のようだ。米に味噌汁に、焼き鮭まで用意してある。

 

『冷めないうちに食べてください』

 

「え、あ、うん」

 

朝起きたら、スコルが擬人化していた。…うん、これは夢だわ。よしもう一回寝よう。

 

『何してるんですか、ボーっとしてると遅刻しますよ』

 

「あ、はい」

 

─────────────────────

 

 

『マスター。この後、候補生の教導が入っておりますのでそれらの仕事はそれまでに終わらせてください』

 

「もう終わったぞ」

 

『流石です、マスター』

 

「お、おう」

 

おかしい。いや仕事は相変わらず順調なのだが、既に流れ込んだ仕事をあっという間終わらせたのだが、すごい違和感を感じる。スコルが本日の業務を報告し、俺がそれを秒で終わらせて自身の才能に酔う…いつも通りだ。いや全然いつも通りじゃねえわ。凄いやりづらいわ。いやスコルが一部やってくれるから本当に仕事は秒で終わってるのだが。

 

それもこれも朝いきなり美女となって目の前に現れたスコルのせいだ。普段と同じように声をかけてくれるのだが姿が変わるだけでこうも調子が狂うのか。

 

『このモデルははやてさんが考えてくれました』

 

どうやら俺の視線に気づいたようでスコルが言葉を投げかけてきた。てかその姿、はやてが考えたのかよ。いやグッジョブ、才能あるわアイツ。

 

『マスター、コーヒーです』

 

「おう」

 

『マスター、お探し物はこれですか?』

 

「お、おう」

 

『マスター、本日の昼食は12:10からとなっています』

 

「……」

 

まるでこちらの思考を読んでいるかのように俺が考えていたことに対して答えてくる。いや実際に読まれているんだけど。

 

『いつものことですよ?』

 

「…ナチュラルに思考を読むな」

 

『ですからいつも読んでいるではありませんか』

 

それはそうなのだが。これはこれで違和感が凄いんだよ。てかスコルはいつからその姿になったんだ?

 

「スコル」

 

『なんでしょうマスター』

 

「いつ生体デバイスに?」

 

『マスターが寝た後です』

 

「誰にしてもらった?」

 

『はやてさんです』

 

「魔力は?」

 

『現在はデバイス内部にベルカ式カートリッジとマスターの魔力リンクを並列させて運用しています』

 

「……」

 

なんだろう、ここまで用意周到ってことは始めから計画されてたってことだよな。スコルが俺に黙っててのは考えにくいから昨日はやてが入れ知恵したな?

 

「おー、スコルさん制服姿も映えるな〜」

 

噂をすればなんとやら、全ての元凶である八神はやてがやってきた。その顔は全てを察してるようで、また、俺が驚いたことも見抜いてるのかニヤケ気味だった。

 

『はやてさん、こんにちは』

 

「こんにちは。いや〜我ながらいい出来やな!これならアイドル目指せるで!」

 

『私はマスター専用ですので』

 

「おいその姿で誤解を招くようなことを言うな」

 

周りの職員が今の言葉を聞いてかザワザワと騒ぎ始める。おいこら間違っても奴隷じゃないからな。

 

「はやて、いつの間にスコルに入れ知恵したんだ?」

 

「入れ知恵とは人聞きの悪いな〜。わたしも昨日言われてびっくりしたんやで。でもスコルさんのお願いやし…」

 

そう言い、はやてはスコルの体に抱きつき…正確には胸部の部分を揉みしだきながら

 

「わたしも興味あったしな!」

 

『はやてさん?』

 

「こいつ……」

 

まぁともかくスコル自身の願いだったというなら俺からとやかく言うことでもないか。

 

「はぁ…スコル、教導の準備するぞ」

 

『資料でしたら既にまとめています』

 

「……」

 

「どれどれ〜?おぉ、ほんま分かりやすいな〜。これスコルさんが?」

 

『つい先程』

 

「…スコルさん、わたしの秘書にならん?」

 

『私はマスター専用ですので』

 

「スコルはやらんぞ」

 

有能なのは俺も分かってるが、だからこそ誰かに譲る気もない。おい誰だ今痴情のもつれとか言ったやつ。

 

──────────────────────

 

 

「以上だ、各自ケアを怠るなよ」

 

─あ、ありがとうございました〜

 

俺からの終了合図を受け取ると同時にその場にへたり込む空戦候補生達。おいまだ上官は目の前にいるんだぞ。

 

スコルに戦闘の補助は任せず、今回は客観的な計測をお願いしている。一応ライフルだけ転送してもらったが、後のバリアジャケットなどの魔法関連は全て自分で処理した。

 

『皆さま、お疲れ様でした。私から個人的にアドバイスさせていただきます』

 

スコルが候補生達の前に立つ。いきなり美女が現れてギョッとする候補生達だが、そんなこと気に止めずスコルはアドバイスを始める。

 

「本当ならここまで俺がやるはずなんだが…」

 

しかし俺がやることをスコルが分担してくれるなら俺としても楽できるので問題ない。さっさと次の仕事の準備を…

 

『待ってくださいマスター。マスターにも私からアドバイスがあります』

 

「え?」

 

え、なんで上官の俺が?と思ったが冷静に考えればいつもスコルから色々とアドバイスは貰っていた。ただそれを普段は念話でやっていたから気づいてなかっただけだ。

 

『マスター、まずは本日の教導大変お疲れさまでした。デバイスの補助無しのだったにも関わず普段と変わらない戦闘力を維持されていたのは流石です』

 

「お、おう」

 

スコルが俺を賞賛する。なんやかんや褒めるところはしっかり褒めてくれるのだが何故かいつもと違って緊張してしまう。

 

一方、先程まで尊敬の眼差しを向けていた候補生達の目が一転化け物を見るような目に変わる。おいやめろ、他のやつと違うことは分かるけど傷つくものは傷つくんだぞ。

 

『マスター、話を聞いてますか』

 

「うお!?」

 

よそ見していたのを悟られたのかスコルがズイっと寄ってきた。こころなしかその顔は少し怒っているように見える。身長が俺より少し低めだからか上目気味だ。

 

やば、こうして近くで見るとスコル結構可愛いな…

 

『なっ……マスター!』

 

あ、やべ。そういえば俺の心読まれてるんだった。

 

「す、すまん」

 

『……まぁいいでしょう。ともかくまだ魔法の発動に粗が見られますのでそこだけ覚えておいてください』

 

そう言ってスコルはさっさと演習場を後にしていった。えーと、もしかして照れてたのかアイツ?そういえばスコル自身をあまり褒めたことはなかったな。

 

「うーん、思えば俺自身スコルを少し(ないがし)ろにしていたかもしれないな」

 

いつも側にいて、どんな時も的確なアドバイスをくれていたが俺はそれを当たり前と思っていた。後で感謝の気持ちくらい伝えとくか。

 

おい候補生共、さっきまで化け物を見る目で俺を見てただろ。なんで微笑ましいものを見る目に変わってんだよ、練習量増やすぞコラ。

 

その後の業務も普段より効率よく進んでいき、咄嗟のトラブルにもスコルが迅速に対応してくれるので本当に苦労もなくその日を終えられた。途中通りかかったなのはが白目を剥いていたがそれ以外は特に何も無かった。

 

『マスター、今日一日どうでした?』

 

今日もいつものメンツで帰路に着く。いつものメンツと言っても俺とスコルだけだが、今日は一人ではなく二人だ。

 

「そうだな……いつにも増して楽な一日だったよ」

 

そしていつにも増して緊張した一日だったな。

 

『それは良かったです』

 

「…そうだ、スコル。お前なんで生体デバイスを?」

 

なんやかんや一番聞きたかったことを今日聞けてなかったな。

 

『深い意味はありません…強いて言うなら興味があったんだと思います』

 

「それで?感想は?」

 

『体を動かすのは存外億劫なのですね。しかしこの体でないと感じられないことも沢山ありましたので良い経験になりました』

 

「それはよかった」

 

まぁなんにせよスコル自身が楽しめたなら問題ないか、俺としても今日一日楽できたから言うことないし……いやあったわ。

 

「スコル」

 

『はい?』

 

「いつもありがとな」

 

『…………………え?』

 

「いや今日お前が人型になって色々考えさせられたというか…ともかくいつもお前に助けられてばっかりだったのに碌にお礼を言えてなかったからな。だから…」

 

「ありがとう…こんな持ち主だけどこれからもよろしく頼む。やっぱり俺にはお前が必要なんだ」

 

我ながらあまり良い言葉が使えてないが、心からの本心を伝える。自分をいままで一番支えてくれたのに感謝すら述べてなかったとか笑えないな。

 

「じゃあ帰る……スコル?」

 

スコルの様子がおかしい。顔を伏せて、ぷるぷる震えている。こころなしか顔が赤い気がする…まさか

 

「おい!まさか生体デバイスに何か入ってたのか!?返事をしろ、スコル!」

 

はやてもスコルもいるから大丈夫だとタカをくくってたのがまずかったか…くそ!

 

『は、はい』

 

蚊の鳴くような声で返答してくるスコル。明らかに動きがおかしい。俺と話す時はしっかり目を合わせてくれていたのにそれすらしてくれない。

 

「スコル!俺が分かるか!?」

 

両手でスコルの頭を掴み、無理やりこちらに顔を向けさせようとするが

 

『だ、大丈夫です!マスターが思うようなことは何もありませんので!』

 

俺の手首を掴み、全力でスコルが抵抗してきた。

 

『マ、マスター…今顔は……』

 

「ふざけるな!お前に何かがあったらどうするんだ!俺のデバイスはお前しかいないんだぞ!」

 

『…!!だから…そういうのです!』

 

「ごはぁ!?」

 

いきなりスコルが正拳突きを放ってきた。その拳はキレイに俺の鳩尾を撃ち抜き、俺の意識は徐々に遠ざかっていった。

 

『あ……。マスター!』

 

 

その後俺が病室で目覚めるのは次の朝でスコルはこの件に対して黙秘するし、はやてやなのはからは俺が悪いと言われる始末。

 

………もう絶対生体デバイス使わないからな!?




スコル
この作品の主人公である剣崎暁斗の専用デバイス。あらゆる魔法式、デバイスを内包しデバイスのメンテに加えユニゾン機能まである超汎用型インテリジェンドデバイス。他のインテリジェンドデバイスよりも感情豊か…らしい(使用者談)。人格モデルは女性であるが本人に性別の認識はない。強いて言うなら女性よりとのこと。

次回番外編登場キャラ

  • いつもの3人
  • 大天使ヴィータちゃん
  • 戦闘狂シグナム
  • スバルとかティアナとか(その他)
  • (できる限り)突っ込めって言ってんだよ!
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